【効果12選】さくらんぼに期待できる効能を解説
2023年12月29日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

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さくらんぼに含まれる栄養素とは?

多くの健康メリットが期待できる”さくらんぼ”。

その根底にあるのは豊富な栄養素ですが、具体的にはどのような成分が豊富なのでしょうか?

効果効能をご紹介する前に、まずはさくらんぼに含まれる栄養素を紹介しましょう。

まずは『ビタミンA』と『ビタミンE』について。

ビタミンAとビタミンEは、ビタミンCと一緒に「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれ、強い抗酸化作用を持つ栄養素

ビタミンAの一種であるカロテノイドやビタミンEは、活性酸素から細胞を保護する役割を持ち、その結果、様々な健康効果が期待できるんです。

続いて『ビタミンK』。

ビタミンKは、骨に存在するオステオカルシンというたんぱく質を活性化し、カルシウムが骨へ定着するのをサポートしつつ、カルシウムが流出してしまうのを防ぎます。

”骨を作る”作用に大きく関わっている大切な栄養素がビタミンKなんですね。

さらに『リン』も骨の形成に重要な栄養素。

人体のリンの大部分は、骨や歯でカルシウムと結合してリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)として存在します出典[1]

よって、リンを摂取することは骨や歯を形成することに繋がるんです。

また、さくらんぼに含まれる『ビタミンB1』『ビタミンB2』『葉酸』は、エネルギー代謝に大きく関わるビタミンB群の一種です。

人の体を一つの複雑な機械に例えると、ビタミンB群は機械の歯車を回すための潤滑油みたいなもの。

油がなければ機械が動かないように、人の体もビタミンB群がないと体に不調をきたすようになります。

その他にも、男性機能向上が期待されている『アスパラギン酸』や、人の体内で作ることができない必須アミノ酸である『バリン』といったアミノ酸も豊富に含まれています。

さくらんぼは、栄養補給にぴったりの食品と言えるでしょう。

さくらんぼの栄養素に期待できる効果12選

さくらんぼに含まれる栄養素に期待できる効果について、学術的な視点で12つ紹介しましょう。

 

1.テストステロン量の増加

さくらんぼには、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸が豊富に含まれています。

アスパラギン酸は、構造の違いによって「Lアスパラギン酸」「Dアスパラギン酸」に区別されますが、Dアスパラギン酸の摂取によって男性ホルモンであるテストステロンが増加することが示されているんです。

実際に、27~37歳の男性に対して、Dアスパラギン酸ナトリウムのサプリメントを12日間摂取してもらい、男性ホルモンの濃度を測定した研究があります。

その結果、プラセボを摂取したグループは変化がなかったのに対し、サプリを摂取したグループは、23人のうち20人でテストステロン値が上昇し、血中濃度の平均は42%増加したことがわかりました出典[2]

ただし、筋力トレーニング経験者がDアスパラギン酸を摂取しても、テストステロン値は上昇しないとする研究もあります出典[3]

テストステロン上昇効果には個人差があることは否定できないでしょう。

ただし、Dアスパラギン酸のテストステロンに対するポジティブなデータがあることは間違いありません。

 

2.筋肉のダメージの緩和

さくらんぼに含まれるビタミンEによる抗酸化作用が、激しい運動による筋肉へのダメージを緩和する可能性が示されています。

トッップクラスのレーシングサイクリスト30名に、5ヶ月間ビタミンEのサプリメントを摂取してもらい身体パフォーマンスを調査した結果、プラセボ群は変化がなかったのに対し、サプリ群では筋肉の損傷を示す酵素であるCK(クレアチニンキナーゼ)の血中濃度が大幅に低下したことがわかりました出典[4]

また、サプリ群では脂質過酸化の指標として知られるマロンジアルデヒドの血清レベルが大幅に低下したこともわかっています出典[4]

このように、ビタミンEの摂取により、激しい運動によって引き起こされる酸化ストレスから筋肉を保護する効果が期待できるんです。

さらに、ビタミンEのほかにも筋肉のダメージを緩和する効果が示されているのが、さくらんぼに含まれるビタミンB2。

161kmのウルトラマラソン参加者18人に、レース開始直前とレース中にビタミンB2のサプリメントを補給してもらい、その後10日間の筋肉痛を調査した研究があります。

その結果、プラセボ群に比べてサプリ群では筋肉痛の回復が早く、早期にスタート前のコンディションに戻ったことがわかりました出典[5]

ビタミンB2も抗酸化作用をもち、組織を酸化損傷から保護することが知られています。

さくらんぼに含まれるビタミンEとビタミンB2は、ハードな運動による筋肉ダメージを早く治したいときに、うってつけですね。

 

3.免疫力の強化

ビタミンB2は筋肉ダメージの緩和効果だけでなく、免疫力をサポートすることもわかっています。

マウスの免疫細胞をビタミンB2の濃度に差をつけて培養したところ、ビタミンB2濃度の低い培地で培養した免疫細胞は生存率が低く、またTNF-αと呼ばれる炎症を引き起こす物質が過剰に放出されたことがわかりました出典[6]

さらに、この研究ではビタミンB2濃度が低い培地にビタミンB2を補充すると、免疫細胞の炎症物質が低下したこともわかっています出典[6]

よって体内のビタミンB2が免疫力のサポートをし、炎症物質の活性化を低下させることが考えられます。

風邪を引きやすい人は、免疫力が落ちているのかもしれません。

さくらんぼに含まれているビタミンB2で免疫力の強化を目指しましょう。

 

4.精子の質の改善

Dアスパラギン酸は、テストステロン増加作用により精子の質改善につながる可能性も期待されています。

Dアスパラギン酸は精巣にあるライディッヒ細胞を刺激する出典[7]ことで、テストステロンの分泌を促します。

そして、テストステロンは精子の濃度と精液の質に関与するため、Dアスパラギン酸が精子の質改善につながるというわけです。

実際に、不妊症の男性60人に対し、90日間Dアスパラギン酸ナトリウムのサプリメントを摂取してもらった結果、精子の数、濃度、運動性がそれぞれ最大2倍、1.5倍、1.8倍増加したことが分かりました出典[8]

さらに、この研究ではDアスパラギン酸ナトリウムを摂取した不妊症の患者のうち26.6%が妊娠に成功したこともわかっています出典[8]

不妊で悩んでいる男性は、Dアスパラギン酸のテストステロン増加及び精子の質改善効果に期待したいですね。

 

5.骨の強化

さくらんぼに含まれるビタミンKとリンは、骨の形成や強化にとても重要な栄養素。

まずビタミンKは、骨を作る作用に大きく関わっています。

ステロイド薬の副作用として起きるステロイド骨粗鬆症。

ビタミンKは、ステロイド骨粗鬆症のリスクを低下させることが示されているんです。

実際に、ステロイド骨粗鬆症の原因と言われている糖質コルチコイドを投与された腎臓病患者10人に対し1日あたり15mgのビタミンK2を投与すると、投与されていない患者に比べて、骨粗鬆症のリスクが低くなったことがわかりました出典[9]

また、リンが不足することによっても骨粗鬆症のリスクが上昇することも示されています。

ラットを対象に、リンやカルシウムの吸収を妨げる作用のあるシュウ酸や酒石酸を飲料水に加えて1~3週間自由に摂取させたところ、カルシウムやリンの吸収を妨げられたラットには骨粗鬆症が悪化する可能性が示されました出典[10]

さくらんぼに含まれているビタミンKとリンは、骨粗鬆症予防に重要と言えるでしょう。

 

6 .記憶力や認知機能のサポート

さくらんぼに含まれるカロテノイドやビタミンEは、活性酸素から細胞を保護する役割を持ち、その結果、脳機能が正常になることが期待できます。

実際に、血中カロテノイド濃度が低い91人をカロテノイドのサプリメントを摂取してもらうグループとプラセボを摂取するグループに分け、脳機能を調査した研究です。

1年間摂取してもらった結果、プラセボ群に比べてサプリ群では記憶力が有意に改善したことがわかりました出典[11]

また、ビタミンEを摂取することで、アルツハイマー症による認知機能低下を防ぐ効果が示されています。

軽度から中等度のアルツハイマー症の患者152人にビタミンEを2000IU毎日投与したところ、アルツハイマー症による認知機能の低下が年間19%抑制されていることがわかったんです出典[12]

年間で約20%も認知機能の低下を防ぐことができるのは、驚きですね。

さらに、さくらんぼに含まれる葉酸にも認知症予防に良い影響を与えることが示されています。

海外で行われた研究によると、アルツハイマー型認知症の患者に対し葉酸1250μg/日を6カ月にわたって投与したところ、対象群と比べて炎症反応が改善したとの報告がされました出典[13]

血中の葉酸が低いと脳の神経細胞の炎症リスクが高まることで認知症を発症する確率が高いと言われているため、葉酸の摂取により認知機能を改善する可能性は十分に考えられますね。

このように、さくらんぼには記憶力や認知機能をサポートする栄養素がたくさん含まれているんです。

 

7.エネルギー代謝のサポート

ビタミンB群は、エネルギー代謝に関与する栄養素。

中でも、さくらんぼに含まれているビタミンB1は、糖質の代謝に必要な栄養素です。

そのため、ビタミンB1が不足すると、エネルギーにならなかった糖質が脂肪として蓄えられてしまい、肥満の原因となると考えられているんです。

実際に、肥満手術を希望する肥満患者の15.5~29%にビタミンB1欠乏症が見られたという報告があります出典[14]

糖質の代謝を上げて肥満を防ぐためには、ビタミンB1を不足させないようにしましょう。

 

8.疲労感の軽減

ビタミンB1が不足すると糖代謝が下がるだけでなく、疲労感にも繋がってしまいます。

なぜなら、ビタミンB1が不足すると糖質を体を動かすエネルギーに変換できないため、疲労を感じてしまうんです。

実際にビタミンB1不足のアイルランド女性80人に対し、6週間毎日10mgのビタミンB1を摂取してもらい、健康状態を測定した研究です。

その結果、プラセボグループに対しビタミンB1を補給したグループは、食欲や体重などの全体的な健康状態が大幅に増加し、睡眠パターンの改善、活動量の増加、そして疲労感が軽減されたことがわかりました出典[15]

疲労感が軽減することで、実際に活動量の増加にまで繋がるのは、ビタミンB1のすごい力ですね。

さらに、さくらんぼに含まれているバリンというアミノ酸も、疲労の軽減効果が期待できる栄養素。

20人の男性に対し1.1gのバリンを含む混合物またはプラセボを摂取してもらい、その後80分間のサイクリング運動を行ったところ、 プラセボを摂取したグループと比べてバリンを摂取したグループは、運動中のストレス反応が抑制されたことがわかりました出典[16]

とくに運動による疲労を軽減したい人は、バリンに注目してみてください。

 

9.気分の落ち込みの改善

気分の落ち込みと言えば「うつ病」が思い浮かぶでしょう。

日本では、約15人に1人が生涯のうちにうつ病を経験すると言われています出典[17]

発症のメカニズムについてはストレスやトラウマをはじめ様々な要因が考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。

しかし、一定の栄養素の不足によりうつ病の発症リスクが上がることがわかっています。

そして、ビタミンB1と葉酸は、多くの研究でうつ病との関係が示されている栄養素。

実際に、50〜70歳の中国人1587名の血中ビタミンB1濃度を測定したところ、濃度が低いほどうつ病になる確率が高くなることがわかりました出典[18]

また、うつ病を発症している人はうつ病を発症していない人に比べて血中の葉酸値が低いことがわかっています出典[19]

ビタミンB1及び葉酸が不足しないよう、意識して取り入れたいですね。

 

10.貧血の予防

貧血の原因でよく知られているのは鉄不足ですが、じつは葉酸が不足することでも貧血になることを知っている人は少ないかもしれません。

葉酸は、赤血球の正常な成長に必要な栄養素。

葉酸が不足すると正常な機能をもった赤血球が作られず、大きく未熟な赤血球が作られてしまい「巨赤芽球性貧血」と呼ばれる貧血が起こります出典[20]

赤血球の働きが不十分なため、体内に十分な酸素と栄養素を運べなくなり、疲労感や体力低下などに繋がるんです。

巨赤芽球性貧血は、胃の全摘出や消化器官の疾患などが原因と考えられていますが、極度の偏食で葉酸不足になることも出典[20]

というのも、葉酸は動物性食品に多く含まれており、菜食主義の人は葉酸不足になりやすいんです。

菜食主義の人や偏食の人は、葉酸不足による貧血に注意しましょう。

 

11.動脈硬化の改善

ビタミンEには動脈硬化の改善効果も示されています。

複数の研究では、アテローム性動脈硬化の発生の原因となるLDLコレステロールの酸化を、ビタミンEが阻害することが観察されているんです出典[21]

実際に36名の健康な男性を対象とした研究によると、ビタミンEを十分に摂取したグループは、プラセボグループに比べて動脈硬化の危険因子と考えられている「大動脈の収縮期血圧」が大幅に減少したことがわかりました出典[22]

つまり、ビタミンEの摂取によって血管の負担が軽減されたと言えますね。

ただし、ビタミンEを十分に摂取しても心血管系疾患を予防したり、疾患率や死亡率を低下させたりすることはできないという結果もあります出典[23]

必ずしも、動脈硬化が原因で起こる心血管疾患をビタミンEで予防できるとは言い切れませんが、血管に良い影響を与える可能性は十分に考えられそうです。

 

12.美肌効果

さくらんぼに含まれているビタミンB2は、皮膚や粘膜の機能を正常に保つことに関係しています。

したがって、ビタミンB2不足は肌のコンディションに悪影響を及ぼします。

実際にラットを使った実験によると、ビタミンB2が不足しているラットは十分なビタミンB2を摂取しているラットに比べて、傷の治りが遅くなることが示されました出典[24]

また、ビタミンB2が不足しているラットは正常なラットに比べて皮膚のコラーゲン含有量が低いこともわかっています出典[25]

コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあり、言わずもがな美肌には欠かせないものですよね。

美容ドリンクには必ずと言っていいほどビタミンB2が含まれているように、ビタミンB2は美肌に欠かせない栄養素と言えるでしょう。

 

いかんせん量が少ない・・

さくらんぼに含まれる栄養素によって様々な健康効果が得られることを解説しました。

しかし、これらの栄養素は、残念ながらさくらんぼだけで補うことは難しいんです。

例えば、さくらんぼを5個食べたとすると、どれくらいの栄養素量を補うことができるのか見ていきましょう。

さくらんぼ5個(さくらんぼ/国産/生/過食部26g)に含まれる栄養素量と厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020」が発表しているそれぞれの栄養素の必要量は以下の通りです。

【さくらんぼ5個(さくらんぼ/国産/生/過食部26g)に含まれる栄養素の含有量とそれぞれの栄養素の推奨量,目標量,目安量(男性)】出典[26]出典[27]

栄養素名さくらんぼ5個に含まれる栄養素の含有量推奨量,目標量,目安量
ビタミンA2.08μg

850μg(18~29歳)

900μg(30~64歳)

ビタミンE0.13mg

850mg(18~29歳)

900mg(30~49歳)

ビタミンK0.52μg150μg(18歳以上)
ビタミンB10.01mg1.4mg(18~49歳)
ビタミンB20.01mg1.6mg(18~49歳)
葉酸9.88μg240μg(18歳以上)
リン4.42mg1000mg(18歳以上)

どの栄養素も、さくらんぼ5個では不足することがわかりますね。
 

栄養素の効率的な摂取はサプリメントがオススメ

栄養素を効率的に摂取するにはサプリメントもおすすめ。

サプリメントであれば、食品だけでは不足してしまう量をしっかり補うことができます。

ただし、サプリメントで栄養素を摂取する場合、過剰摂取に注意が必要です。

例えば、ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性ビタミンは、摂り過ぎた分は体内に蓄積されるため、摂り過ぎると過剰症が起きることも。

サプリメントに記載の含有量を確認した上で、適切な量を摂取しましょう。
 

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