執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
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:はじめに
柑橘類の中ではマイナーな「すだち」。
実は知らないと損なレベルで抜群の健康効果を誇るんです。
本記事ではすだちが持つさまざまな効能を解説します。
すだちの栄養成分を解析
さて、すだちの健康効果を解説する前に、まずは含まれる栄養素を分析していきましょう。
やはり注目するべきなのは基礎栄養素。
カリウムを初めとしてミネラルを多く含んでおり、柑橘類に多く見られるビタミンも豊富に含有。出典[1]
他にも精油成分であるリモネンや、すだち特有のポリフェノールを含むなどまさに栄養豊富なフルーツなんです。
ではこれらの成分がどのように健康に効果をもたらすのか、内容を確認してみましょう。
【徳島の恵み】すだちが健康に良い16の根拠!
すだちが健康にどのように効果的か、詳細を見ていきましょう!
1.BMAL1を活性化して脂肪の蓄積を抑える
すだちには脂肪の蓄積を抑えて太りにくい体を作ってくれるんです。
理由はすだち特有のポリフェノール、スダチチンがBMAL1遺伝子を活性化するから。
BMAL1は体内時計を調節する遺伝子で、活動が活発になるほど脂肪の蓄積を防ぐことが分かっています。
スダチチンにはBMAL1を活性化して体内時計を整え、脂肪蓄積を抑えるはたらきがあることが徳島大学によって明らかに!出典[2]
2013年に徳島大学で行われた実験によれば、高脂肪食で太らせたマウスに対しスダチチンを与える群と与えない群で22週に渡って比較実験を行ったところ、スダチチンを与えた群の方で概日リズムと脂質代謝が調節されていたことが判明しました。
すだちを食べてスッキリとした体を作っていきましょう。
2.脂質代謝を改善する
すだちにはスダチチンを初めとし、脂質代謝や脂肪燃焼の向上に効果が期待できます。
まずはすだちに含まれるスダチチンによる効果。
スダチチンが骨格筋のミトコンドリア生合成を活性化して、グルコースと脂質の代謝を上げてくれることで脂質代謝が改善されることが分かっています。
2014年の徳島大学の研究で高脂肪食を与えたマウスに対して12週間スダチチンを投与したところ、トリグリセリドや遊離脂肪酸の数値を下げ、脂質異常症や耐糖能およびインスリン抵抗性を改善したことが明らかに!出典[3]
加えてすだちに含まれるフラボノイドにもコレステロールを下げて脂質代謝を改善する効果があるんです。
フラボノイドとはポリフェノールの1つで、自然界に存在する有機化合物のひとつ。
2017年にアメリカのコネチカット大学栄養科学部から出された報告によれば、ラットを対象に行われた数々の食事性フラボノイドを用いた実験を参照したところ、HDLコレステロール濃度の代謝やコレステロール逆輸送に効果を発揮することがわかってきています。出典[4]
さらにすだちに含まれるビタミンB1にも代謝改善効果があり、脂肪燃焼に一役買ってくれます。
ビタミンB1には糖質や脂質の産生や代謝をサポートするはたらきがあり、余計なカロリーを排出してくれる効果が証明済み。出典[5]
2015年のアメリカ・ジョージワシントン大学からの出された報告によれば、肥満の方を対象にした研究では、肥満手術を希望する方の15.5~29%にビタミンB1の欠乏が確認されたという驚異の事実。出典[6]
3.循環器系疾患の予防
すだちに多く含まれるビタミンCは心不全など循環器系疾患を予防する効果があります。
ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去するはたらきをサポートしてくれるビタミン。
活性酸素は体内の様々な生理活動に必要な物質ですが、活性酸素が増えすぎると血管や臓器に酸化ストレスがかかり、心不全などの発生を誘引する困った物質。
岡山大学医学会によれば、抗酸化力を保持する物質を投与することで活性酸素産生を減弱する効果が見えてきており、今後有用化される見込みが高いことがわかっています。出典[7]
ビタミンCで心臓や血管を守っていきましょう。
4.目の健康を保ち白内障を防ぐ
ビタミンCの抗酸化効果は白内障の予防にも効果を発揮してくれます。
理由は白内障の原因が活性酸素の増加によるものだから。
白内障は目の中で老化したミトコンドリアが活性酸素を発生させ、その多量によって誘引される眼病のひとつ。出典[8]
つまりビタミンCが活性酸素を抑えてくれることで病気を未然に防げることに他なりません。
年をとっても健康な目を保つために、今からすだちを摂取していきましょう。
5.痛風予防にも効果アリ
ビタミンCの活躍は留まるところを知らず、痛風すら防いでくれるんです。
ビタミンCに尿酸値を下げるはたらきがあるのがその理由。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学が2011年に行った実験によれば、184名の被験者に対して30日間ビタミンCを投与する群とそうでない群に分けて実験したところ、ビタミンCを投与した群の血中尿酸値が、そうでない群と比較して有意に減少していたことが明らかとなっています。出典[9]
ビタミンCを積極的に摂っていくべき栄養素、ぜひ欠かさないようにしましょう。
6.血中ナトリウム量を調節し血圧を下げる
カリウムがナトリウム、つまり塩分を体外に排出する効果を持っていて血圧が上がりすぎないようにしてくれます。
カリウムには血中のナトリウム濃度を一定に保つ効能を持っており、ナトリウムが増えすぎればそれを尿などで体外に排出するように促してくれる人体に必須のミネラル。
塩分は塩化ナトリウム、つまりナトリウムの一種。
イタリアの環境遺伝栄養疫学研究センターが、高血圧患者にカリウムを補給したところ、カリウムがナトリウム摂取量が多い人、高血圧治療を受けていない人への高い血圧低下効果を示すことを発表しています。出典[10]
すだちを摂って正常な血圧をキープしていきましょう。
7.リモネンがα波を呼び起こし安眠効果をもたらす
すだちの香りが身体をリラックスさせ、睡眠の質が向上する効果も期待できます。
理由はリモネンが持つα波誘引効果によるもの。
α波は人体がリラックスしているときに分泌される脳内物質のひとつ。
柑橘類の皮などに多く含まれるリモネンにはリラックスを導くα波を多く引き起こす効果があり、因果を逆転してα波を出すことで体をリラックスさせることができるんです。
2002年にブラジルはセアラ・フォルタレザ連邦大学医学部が行ったマウスを対象にした実験では、リモネンを摂取させたマウスではシトラールなど他の物質を投与したマウスに比較して2.6倍も睡眠時間が増えるなど、リモネンの安眠作用や抗不安作用が確認されたという報告も。出典[11]
この結果からリモネンにはリラックス効果や抗うつ作用があると導出できます。
すだちで体を緩和させ、質の高い睡眠を手に入れましょう。
8.疲労の回復促進
すだちに含まれるクエン酸が疲労回復に効果的なんです。
クエン酸はお酢や柑橘類に含まれる有機化合物のひとつで、すだちにも多く含まれている物質。
クエン酸は疲労回復に効くことで昔から有名ですよね。
2001年に名古屋大学より報告された実験で、成人男性6名に対し運動をさせ、運動直後にそれぞれクエン酸を与える人、レモン果汁を与える人、それ以外の人とを分けて計測したところ、前者2群で有意に血中乳酸濃値が下がっていることが確認される結果に!出典[12]
これはクエン酸が疲労を回復させる効力がある証左です。
2003年にはエストニアのタルトゥ大学からも、男性大学ランナー17名に運動前にクエン酸を投与したところ、5km走のタイムが有意に縮んだという報告も為されているほど。出典[13]
クエン酸の酸っぱさで疲れを吹き飛ばしましょう。
9.運動パフォーマンスが向上する
すだちの柑橘類の香り成分が交感神経を優位にし、運動パフォーマンス向上に貢献してくれます。
交感神経は体の活動を司る神経であり、副交感神経より優位になることで集中力が増したり活動的になる神経のこと。
2014年に日本の私企業が行った実験では、マウスを用いてリモネンを含むオイルのにおいをかがせたところ、交感神経の活動が増加し脂肪分解や熱生産、血圧が増加することがわかっています。出典[14]
交感神経が活性になることで心拍数が上がり、運動の助けになるなど血行が促進される効果が期待できることも東邦大学医療センターの実験で明らかに。出典[15]
またすだちに含まれる鉄や銅も血行促進に貢献してくれます。
鉄は血液の核となるヘモグロビンの材料となり、欠乏すると貧血を招く重要なミネラル。出典[16]
さらに鉄は銅が構成要素となるセルロプラスミンをヘモグロビンの合成材料として用いるため、鉄と銅を一緒に含むすだちは血液のための果物といえるかもしれません。出典[17]
すだちで交感神経を活性化させ、効率的な運動を目指しましょう。
10.免疫機能の向上
すだちのビタミンCにも体を健康に保つ機能が付与されています。
ビタミンCは白血球のはたらきを強化し、さらにビタミンC自身も病原菌を攻撃するなど免疫力の向上に効果があるビタミン。
さらにビタミンCはインターフェロンという物質の生成を促し、抗生物質では効果のないウィルスに対しても効果を発揮する優れもの。
2013年、韓国のソウル国立大学医学科でビタミンCが欠乏しているマウスとそうでないマウスに対してインフルエンザウィルスを投与する対照実験を行ったところ、ビタミンCが欠乏しているマウスではウィルスが2.5倍増えやすくなり、かつ血漿中のインターフェロンの産生が減少していたことがわかっています。出典[19]
冬場はインフルエンザが怖いですが、ビタミンCを豊富に含むすだちで予防していきましょう。
11.がん細胞を抑制する可能性がある
すだちに含まれるリモネンがガンを抑制してくれる効果も分かっています。
リモネンが免疫機能を向上させ、ガンの脅威となる物質に対して活発に作用するのが理由。
2005年にメキシコのグアダラハラ大学で行われたリンパ腫を保有したマウスを用いた実験で、リモネンを含んだえさを与えたマウスは生存率が高まり、がんの脅威となるジニトロフルオロベンゼンへの過剰反応や貪食反応が遅くなることがわかっています。出典[18]
細胞免疫応答を高めてくれるのががん予防に貢献する大きな理由のひとつ。
日本人の死因No1であるガン、すだちを摂ってしっかり予防していきましょう。
12.骨密度の上昇で折れにくい骨格を形成
すだちのビタミンCは骨も健康に保つ効果があります。
ビタミンCに骨の素となる骨芽細胞の発生・促進効果があるのがその理由。
2009年、アメリカはマサチューセッツ州の研究者らは男性334名女性540名を対象に、4年間ビタミンCの摂取量と骨密度(BMD)の関連性を調査したところ、ビタミンCの摂取量が多いほど骨密度が高くなることを発見しました。出典[20]
骨の強度にも貢献してくれるビタミンC、巷に浸透している理由もわかるというものです。
13.育毛促進・脱毛予防効果
すだちは頭髪維持にも効果を見せてくれます。
リモネンが育毛を促したり、脱毛を予防する効果があるのが大きな理由。
アメリカの製薬技術・バイオファーマシー研究所で2004年に行われた実験を紹介します。
円形脱毛症となったマウスを用いた実験で、リモネンを含んだ精油を脱毛箇所に6週間塗布したところ、塗布しなかった箇所と比較して目に見えるほどの毛の再成長し、塗布部位の毛髪成長が最大密度に達したことがわかりました。出典[21]
リモネンが発毛促進に効果がるエビデンスとなる実験です。
ハゲ予防のためのリモネン摂取にはすだち、ぜひこれは覚えておきましょう。
14.美肌効果によるアンチエイジング
ビタミンCには美肌を作る効果もあります。
理由はビタミンCはチロシナーゼの活動を阻害してくれるから。出典[22]
アミノ酸のチロシンがベースとなっている、そばかすやシミの原因となるチロシナーゼ。
2011年にタイのマヒドン大学シリラート病院医学部が行った実験によれば、酸化ストレスを抱えている肌に対してアスコルビン酸(ビタミンC)を投与したとこお、チロシナーゼ活性を低下させることが判明しています。
さらにビタミンCは美肌の素であるコラーゲンの合成もサポートすると期待されているビタミン。
2019年のカリフォルニア大学で男性10人に対してビタミンC強化ゼラチンを与えた群とそうでない群に対して運動を行わせる対照実験を行ったところ、ビタミンC強化ゼラチンを投与した群の方が、そうでない群と比較して運動後のコラーゲンレベルが20%高いことがわかっているんです。出典[23]
これはビタミンCがコラーゲン生成を助ける効果を持っている可能性の示唆そのもの。
肌の劣化は老けて見られる大きな要因、すだちで防いでいきましょう。
15.ビタミンB群が心の健康を保つ
すだちに含まれるビタミンB6や葉酸が心の健康もキープしてくれます。
葉酸はビタミンB9の別名で、ビタミンB6とあわせていずれもビタミンB群に属する栄養素。
南フロリダ大学のベンダー教授の報告では、葉酸摂取が少ないとうつ病になりやすい相関があると研究で示されている。出典[24]
さらにヒスパニック系618人、非ヒスパニック系白人251人、計869人を対象にした実験によると、ビタミンB6においても摂取量が少ないとうつ病疑いになる確率が2倍と倍増することがわかっているんです。出典[25]
健全な精神を維持するためにも、すだちでビタミンBを摂取していきましょう。
すだちを摂取して健康になろう
すだちが健康に効果を発揮する理由を15個紹介しました。
果実が小さいからと侮っていた人もいるかもしれませんが、小さな体に大きな効能を秘めているすだち。
スーパーでもよく取り扱われている商品のため、今日買い物に行くついでにフルーツ売り場を見てみるのもおすすめです。
健康のためにもすだちを摂取するのは早いに越したことはありません。
思い立ったが吉日、ぜひ今日からすだちで健康を手に入れましょう!
出典
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