執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
そもそもココナッツとは?
多くの健康メリットが期待できる、栄養豊富な”ココナッツ”。
ココナッツの摂取を考えている人も多いかもしれませんが、そもそもココナッツとは何かご存知でしょうか?
なんとなくしか知らない人が大半かもしれません。
効果効能を解説する前に、まずはココナッツがどんな植物なのかを解説しましょう。
代表的なヤシの実の一種
ココナッツとは、ココヤシというヤシ科の高木の種子(実)のことを言います。
ちなみに、ココヤシは東南アジアなどの熱帯雨林に主に生息している巨大な樹です。
様々なヤシ科の植物の実をヤシの実と言いますが、最も代表的なヤシ科の植物がココナッツ。
従って、一般的に”ヤシの実”と言うと、”ココナッツの実”を指すことが多いようです。
電解質や栄養素が豊富な天然のスポーツドリンク
ココナッツは電解質やミネラルが豊富で様々な健康効果が得られることから、昔から「天然のスポーツドリンク」や「命の水」などと言われていたようです。
様々なココナッツ製品の中でも、とくにココナッツウォーターは、発汗で失われた水分だけでなくミネラルも同時に補給できることから、運動後のドリンクとして飲む人も多いのだとか。
まさに天然のスポーツドリンクですね。
美容やダイエットで注目されている
近年、海外のセレブやスポーツ選手の間でココナッツ製品の人気が高まっています。
日本においても、有名人や芸能人が使用したことで注目を浴びてきたココナッツ。
特に美容やダイエット効果で注目されており、ココナッツウォーターやココナッツオイル、ココナッツミルク、さらにはココナッツを使用した化粧品など、様々な製品が販売されています。
ココナッツに期待できる10個の効果
ここからは、 栄養豊富なココナッツに期待できる効果を科学的視点から10個ご紹介しましょう。
1.血圧の改善
ココナッツには、ビタミンEの一種であるトコトリエノールが豊富に含まれています。
ビタミンEはトコフェロールとトコトリエノールの2種類に大きく分けられ、どちらにも抗酸化作用がありますが、とくにトコトリエノールの抗酸化能力はトコフェロールよりも優れていると言われ出典[1]、スーパービタミンEと呼ばれるほど。
実際に、トコトリエノールの摂取で血圧が改善することが示されているんです。
合計17件の研究をまとめた報告によると、1日あたり27~860mgの範囲でトコトリエノールを摂取すると、収縮期血圧が有意に低下するという結論が出されました出典[2]。
血圧と言えば「減塩」を思い浮かべる人が多いですが、すでに減塩を実施している人や減塩がなかなか難しい人はビタミンEにも注目してみてください。
2.ダイエットのサポート
「お茶はダイエットに効果的」と聞いた事がある人もいるでしょう。
お茶に含まれているエピガロカテキンガレート(EGCG)による効果ですが、じつはココナッツにも豊富に含まれているんです。
実際に、EGCGを摂取すると代謝が上がることが証明されており出典[3]、EGCGはダイエットサプリとして期待されています。
2016年に台湾で行われた研究では、BMI27以上の102人の肥満女性を対象に、1日856.8mgの高用量緑茶抽出物(EGCG)またはプラセボを12週間摂取してもらい、体重の変化を観察しました。
その結果、EGCG摂取群では体重、BMI、腹囲が大幅に減少したことがわかりました出典[4]。
さらにこの研究では、プラセボ群と比較してEGCG群では、グレリンレベルが低下しアディポネクチンレベルが上昇したこともわかっています出典[4]。
グレリンは食欲を増加させるホルモン、アディポネクチンは食欲を整えるホルモンとして知られています。
この結果より、EGCGはダイエットをサポートし肥満の予防に役立つことが期待できますね。
今年こそは痩せたいと思っている人は、ココナッツに豊富に含まれているEGCGを摂取してみてください。
3.脳卒中のリスク軽減
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳が障害を受ける病気。
発症すると突然死することもある上、脳機能に障害が起こり身体機能や言語機能が失わることで後遺症に悩まされる人も多いと言われます。
ココナッツに豊富に含まれるカリウムは、腎臓から塩分を排泄することで血圧を下げる効果があり、結果、脳卒中のリスクを軽減することが示されているんです。
2011年に発表された海外の報告では、カリウムの摂取と心血管疾患の発症についての11件の研究がまとめられました。
その結果、食事からのカリウム摂取量が多いほど脳卒中の発症リスクが低くなることが示されたんです出典[5]。
具体的には、カリウム摂取量が1日あたり1.64g増加すると脳卒中のリスクが21%低下することが明らかになりました出典[5]。
この報告を受け、血管疾患を予防するためにカリウムが豊富な食品の摂取量を増やすことが推奨されています。
脳血管疾患を予防したい人は、ココナッツに豊富に含まれるカリウムを積極的に摂取しましょう。
4.筋肉量の維持
加齢と共に筋肉量が減少していくことは、よく知るところでしょう。
筋肉の量が減少していく老化現象のことを「サルコペニア」と言い、25~30歳頃から進行が始まると言われています出典[6]。
加齢による筋肉量減少の原因はいくつか考えられていますが、その一つが食事の酸塩基バランス。
野菜や果物などのアルカリ食品が少なく肉や魚などの酸性食品を多く含む食事は、血液が酸性に傾いた状態(代謝性アシドーシス)を導き、そのことが筋肉の消耗を促進すると言われているんです出典[7]。
さらに、年を重ねるほど低下していくのが腎機能。
腎機能の低下により水素イオンを排出できなくなることで、ますます代謝性アシドーシスが促進され、加齢に伴い筋肉が減少してしまうんです。
そこで注目したいのが、ココナッツに豊富に含まれているカリウム。
カリウムが酸塩基バランスを調整することで筋肉量の維持に効果があることが示されているんです。
実際に、65歳以上の384名に対し、尿中カリウム量と筋肉量を調査した研究によると、尿中カリウム量が多い人ほど筋肉量が多いことが示されました出典[7]。
加齢による筋肉量の低下を防ぎたい人は、たんぱく質だけでなくカリウムにも注目したいですね。
5.骨の強化
骨の健康を維持するために必要な栄養素の代表格と言えば、カルシウム。
カルシウム摂取量の不足は、骨量の減少と骨粗しょう症のリスク増加に関与しています出典[8]。
さらに、カルシウムの摂取により骨折の発生率が低下することが報告されています。
実際に、30970名が参加した8つの研究によると、カルシウムとビタミンDの補給により全骨折のリスクが15%減少し、大腿骨頸部骨折のリスクが30%減少したことが明らかになりました出典[9]。
骨粗しょう症の予防や骨の強化のため、カルシウムの摂取を意識しましょう。
6.コレステロール量の低下
カルシウムが不足すると骨折や骨粗しょう症の原因となることはよく知られていますが、カルシウム不足が動脈硬化に繋がることはあまり知られていません。
じつは、カルシウムを十分に摂取することで、LDL(悪玉)コレステロールが低下し動脈硬化の予防に繋がることが示唆されているんです出典[10]。
実際に、4071名が参加した合計22の研究によると、カルシウムのサプリメントを補給することでLDLコレステロールが有意に低下し、HDL(善玉)コレステロールが有意に増加することがわかりました出典[11]。
コレステロール値や動脈硬化が気になるという方は、カルシウム不足を予防することが大切ですね。
7.睡眠の質の向上
睡眠の質には眠気を誘うホルモンである「メラトニン」が大きく関わっています。
具体的には、日中に太陽光などを浴びて分泌されたセロトニンが夜間にメラトニンに変化することで、眠気が引き起こされるという仕組みです。
そして、セロトニンからメラトニンを合成するときに必要な栄養素がマグネシウム。
つまり、睡眠の質向上のためにマグネシウムは欠かせないんです。
実際に、46人の高齢者に対しマグネシウム500mg/日を8週間摂取してもらい、睡眠の質を調査した研究があります。
その結果、プラセボ群に比べてマグネシウム群では、入眠潜時(起きている状態から入眠までにかかる時間)が短くなり、中途覚醒が減少し、さらに睡眠の質が向上したことがわかりました出典[12]。
睡眠の質が悪い人、なかなか寝付けない人はマグネシウムをしっかり摂取しましょう。
8.うつ症状の緩和
マグネシウムは睡眠に関わる栄養素であるだけでなく、神経・精神機能に重要な役割を果たしており、精神状態やうつ症状に関係する栄養素でもあります。
実際に、軽症〜中等症のうつ病患者126名(平均年齢52歳、男性38%)に、塩化マグネシウム248mg/日をサプリメントとして6週間摂取してもらう研究が行われました。
その結果、うつ症状と不安症状のスコアが2週間以内に有意に改善したことがわかりました出典[13]。
驚くべきことに、その改善度は抗うつ薬に匹敵するレベルであったこともわかっています出典[13]。
さらに、2型糖尿病と低マグネシウム血症の23名の高齢患者に、マグネシウム450mgに相当する塩化マグネシウム溶液またはイミプラミン(抗うつ薬)50mgを12週間毎日投与する研究では、マグネシウム450mg/日はイミプラミン50mg/日と同様の効果があることが示されました出典[14]。
マグネシウムは、抗うつ薬に比べて安全性が高く、安価で入手しやすいでしょう。
うつ症状や精神状態を改善したい人は、まずはマグネシウムを摂取してみるのはいかがでしょうか?
9.糖尿病の予防
マンガンの補給は糖尿病の予防に役立つとされています。
マンガンは、糖質や脂質の代謝に関与していることから、マンガンが不足することで糖質の代謝に影響を与え、糖尿病を引き起こす可能性があるんです。
実際に、1型糖尿病192人、2型糖尿病68人、糖尿病でない59人の成人を対象としたイタリアの研究によると、糖尿病でない人よりも1型または2型糖尿病の人の方が血液中のマンガン濃度が有意に低いことが判明しました出典[15]。
また、中国で行われた大規模な研究では、血液中のマンガン濃度と2型糖尿病との間にU字型の関連があることが示され、血液中のマンガン濃度が高すぎても低すぎても糖尿病のリスクが上昇することがわかっています出典[15]。
血糖値のコントロールや糖尿病予防のためにも、マンガンを不足させないようにしたいですね。
10.抗酸化作用によるアンチエイジング
アンチエイジングとは「抗老化」「抗加齢」のことで、近年注目を浴びていますよね。
ココナッツに豊富に含まれているトコトリエノールは、抗酸化作用により酸化ストレスから細胞を保護することで、アンチエイジングに有効であることが示唆されています。
ちなみに、酸化ストレスとは、私たちが活動のためのエネルギーを産生する際にエネルギーと共に発生してしまう活性酸素のこと。
過剰な活動や強いストレスにより酸化ストレスが増えるため、抗酸化作用のある栄養素を日々補充することが大切になります。
トコトリエノールの抗酸化作用についての研究13件をまとめた報告では、1日あたり80~600mgの範囲でトコトリエノールを補給すると、炎症マーカーであるC反応性タンパク質が大幅に減少することがわかりました出典[16]。
さらに、1日あたり少なくとも40mgのトコトリエノールを摂取した研究では、脂質過酸化の指標として知られるマロンジアルデヒドが低下したことも示されているんです出典[16]。
トコトリエノールの補給により炎症レベルが低下することで、アンチエイジングにも効果が見込めるでしょう。
活動量が多い人やストレスが強い人、アンチエイジングしたい人は、ココナッツに豊富に含まれるトコトリエノールを摂取しましょう。
ココナッツは万能の健康食品!
カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれるココナッツ。
ココナッツに含まれるミネラルの効果によって、血圧やコレステロールの改善、糖尿病の予防、ダイエットをもサポートでき、生活習慣病の予防にもなりそうですね。
さらに、年を重ねると心配になってくる筋肉量や骨の維持・強化、アンチエイジングも期待できます。
万能の健康食品ココナッツを、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。
出典
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