執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
そもそも枝豆って何?
お酒のおつまみの代表格である「枝豆」。
実は栄養満点で身体に良いことづくしであることをご存知ですか?
今回は身体に良い効果をもたらす、枝豆に含まれる成分とその効能を18個紹介します!
その前にまずは枝豆の特徴を分析しましょう。
枝豆の名前の由来は『枝大豆』から
枝豆は枝大豆が名前の由来となっています。
もともと枝についた状態で出荷されていたことから枝大豆と呼ばれ、それが略されるようになった枝豆。
枝豆は大豆の成長過程の姿で、枝豆が熟すと大豆と呼ばれるようになります。
ちなみに英語圏でも「edamame」と呼ばれるほど市民権を得ているのもポイント。
ちなみに枝豆1粒あたりのタンパク質は15mgほど、というのも覚えておくと便利でしょう。
枝豆は江戸時代から食用に
おもに食用に用いられ、日本では17世紀ごろから食べられるようになった枝豆。
徳川の治世から愛されており、当時も酒のツマミとして愛されていたという情報もあります。
枝豆はサヤの色が濃く、産毛が生えている状態が食べるのに最適なので、スーパーで見かけた際はその点に注意するとよいでしょう。
豊富なビタミンを含有
枝豆はその豊富な栄養素からも注目を集めています。
畑の肉ともいわれる大豆のようにタンパク質を豊富に含みながら、成熟した大豆では失われているビタミンCまでしっかりと含有。
大豆の良いポイントを押さえつつ、独自の魅力を持っている枝豆。
そんな枝豆が持つ健康に効果的な理由を徹底解説します!
枝豆が含む栄養素 出典[1]
成分名 | 含有量(100gあたり) |
エネルギー | 118kcal |
たんぱく質 | 11.5g |
脂質 | 6.1g |
食物繊維総量 | 4.6g |
炭水化物 | 8.9g |
ナトリウム | 2mg |
カリウム | 490mg |
カルシウム | 76mg |
マグネシウム | 72mg |
リン | 170mg |
鉄 | 2.5mg |
亜鉛 | 1.3mg |
銅 | 0.36mg |
マンガン | 0.74mg |
ビタミンA-α−カロテン | 48μg |
ビタミンA-β−カロテン | 260μg |
ビタミンA-β−クリプトキサンチン | 8μg |
ビタミンA-β−カロテン当量 | 290μg |
ビタミンA-レチノール活性当量 | 24μg |
ビタミンE-α−トコフェロール | 0.6mg |
ビタミンE-β−トコフェロール | 0.1mg |
ビタミンE-γ−トコフェロール | 5.8mg |
ビタミンE-δ−トコフェロール | 2.1mg |
ビタミンK | 33μg |
ビタミンB1 | 0.24mg |
ビタミンB2 | 0.13mg |
ナイアシン | 1.0mg |
ビタミンB6 | 0.08mg |
葉酸 | 260μg |
パントテン酸 | 0.45mg |
ビタミンC | 15mg |
枝豆に期待できる効果18選
枝豆の成分がどのように効果的なのか、確認していきましょう。
1.筋肉が増える
枝豆に含まれる豊富なタンパク質が筋肉を増やしてくれます。
タンパク質は筋肉の栄養となる成分として非常に有名。
BCAAなどのアミノ酸もタンパク質の一種で、筋肉増量に一役買ってくれる存在です。
2021年に早稲田大学から出された研究成果によれば、朝夕2食与えるマウスのうち、一方は朝にタンパク質を多めに、もう一方は夜にタンパク質を多めに与えたところ、朝にタンパク質を与えた群の方が筋肉量が増加することが判明!出典[2]
体内に存在する時計遺伝子と呼ばれるBMAL1が筋肉量の増加に関与していることがわかり、今後さらなる調査が期待されているんです。
この研究はタンパク質は朝に摂取したほうが筋肉のためになる証拠。
朝トレ後に枝豆を食べて筋肉を増やしていきましょう。
2.高強度の筋トレを可能にする
枝豆に含まれる糖質が強い筋トレに耐えうる筋肉を築きあげてくれるんです。
枝豆に含まれる糖質が筋肉の原動力となるグリコーゲンとなり、筋肉の活動を活発にする効果を保有。
1967年に健康な成人9人を対象に行われた実験によれば、筋肉中のグリコーゲン量が多いほど長い時間自転車をこぎ続ける運動ができたことがわかっています。出典[3]
これはグリコーゲンが運動量を増やすサポートをしている裏付けに他なりません。
なお枝豆は冷凍しても栄養価が損なわれづらいため、冷凍枝豆をストックして筋トレ後に摂取するのがおすすめ。
強い筋トレを実現するために、枝豆を食べていきましょう!
3.味覚を正常に維持する
枝豆に含まれる亜鉛が味覚の正常化に寄与してくれます。
人間は下にある味蕾という器官で味を感じますが、味蕾は加齢とともに減少していくもの。
亜鉛は味蕾の細胞の形成に深く関わっており、亜鉛が不足することで新しい味蕾を作れなくなってしまうんです。
古い味蕾では味を感じづらく味覚障害になってしまう懸念も・・・。
そんななか、2004年にブラジリア大学から出された報告によれば、生後8か月から5歳の塩分食品を拒否した子供20人を6カ月調査し、亜鉛キレートを投与した子供たちの実に85%が塩分食品に対しての食欲改善がみられたんです!出典[4]
亜鉛が正常な味覚を維持する効果を発揮した有力な事例。
亜鉛を摂っておいしくご飯を食べられる舌をキープしていきましょう。
4.二日酔いの予防効果
亜鉛は二日酔いの予防にも効果を示してくれます。
アルコールの分解に必要な脱水素酵素の栄養素として不可欠な亜鉛。
お酒を飲んだ後にアルコールをしっかり分解できなければ、体にアルコールが残留し二日酔いの原因となる仕組みです。
1997年にスペインのバルセロナ大学でラットを対象に行われた実験によれば、アルコールを与えたラットに亜鉛を投与したところ、血中のアルコール濃度を下げるはたらきが確認されました!出典[5]
亜鉛を飲んで次の日に酔いを持ち越さない体を作り上げましょう。
5.肝機能が向上する
枝豆に含まれるサポニンには肝機能を向上させるはたらきが期待できます。
サポニンは植物の苦みなどをつくる配糖体の一種で、枝豆もサポニンを豊富に含有。
1998年に日本とベトナムで共同で行われた研究によれば、ホモジネートしたマウスの肝臓と脳へサポニンを添加したところ、脂質過酸化を示すTBA-RSの数値が有意に減少したことがわかっているんです! 出典[6]
サポニンには脂質過酸化を抑制する力があり、脂質の過酸化を防ぐことで肝臓のはたらきをスムーズにすることができます。
枝豆を食べて肝機能を上げ、健康的にお酒をたしなみましょう。
6.血流を良くしてくれる
枝豆のビタミンEには血流を良くしてくれる効果もあるんです。
ビタミンEが血管の老廃物を流し去ってくれることで血液の循環が良くなり、詰まり知らずの血管を作りあげる結果に。
アメリカで行われた45歳以上の健康な女性39,876名を対象にした研究では、ビタミンEの摂取により血栓を予防できることが判明しており、10年後の血栓発生リスクが20%も低下したことが確認されています。 出典[7]
血栓が血管に詰まってしまえば重篤な病気の元となり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしかねず、最悪のケースになるなんてことも・・・。
枝豆を食べて健康な血流を手に入れましょう。
7.痛風予防に効果を発揮
ビタミンCには痛風を防ぐ効果も期待できるなんて驚きですよね。
ビタミンCに尿酸値を下げるはたらきがあるのがその理由。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学が2011年に行った実験によれば、184名の被験者に対して30日間ビタミンCを投与する群とそうでない群に分けて実験したところ、ビタミンCを投与した群の血中尿酸値が、そうでない群と比較して有意に減少していたことが明らかとなっています。出典[8]
ビタミンCを積極的に摂っていくべき栄養素、ぜひ欠かさないようにしましょう。
8.コレステロール値を下げる
枝豆の食物繊維はコレステロールを下げる効果を持っています。
不溶性食物繊維は体内で溶けにくいため、消化スピードの低速化に効果アリ。
ゆるやかに消化されることで血糖値の急激な上昇を抑え、消化過程でコレステロールを吸収しながら体外へと排出されていく効果が期待できます。
1999年にアメリカで行われたメタ分析によれば、植物由来の食物繊維を摂取することで総コレステロール値とLDLコレステロール値を減少させる効果があると解析によって明らかに。出典[9]
コレステロール値や血糖値が上がると脳卒中や高血圧を増進させ、体に大きな悪影響を与えるのは周知の事実になっています。
枝豆を食べて体の内側から元気を作っていきましょう。
9.脂肪燃焼を促してくれる
枝豆に含まれるサポニンやビタミンB、レシチンが脂肪燃焼を促進してくれるんです。サポニンには体内の不要物を排出してくれる効果がある配糖体。
さらに体内の脂肪を燃やす褐色脂肪細胞に強くはたらきかけることもわかっています。
2020年に香港大学から出された発表によれば、4週間高脂質の餌を与え太らせたマウスに対し7週間にわたってサポニンを含んだ水を摂取させたところ、通常の水を与えた群に対して褐色脂肪細胞の再構成が促され、熱生産が増加し体温の増加幅にして1.5倍もの差があることを確認! 出典[10]
ビタミンBにも体脂肪燃焼効果があり、肥満手術を希望する患者のうち、15.5%~29%の割合でビタミンBが欠乏していることがわかっています。 出典[11]
さらに大豆レシチンも白色脂肪細胞を攻撃し、脂肪を減少させてくれる重要な存在。
2023年フランスのリヨン大学から、4週間油を多量に摂取させたマウスに対して大豆レシチンを与えたところ、白色脂肪細胞の炎症が見られた研究結果が報告されているんです!出典[12]
脂肪退治には枝豆がうってつけですよ。
10.貧血の予防に効果を発揮
枝豆に含まれる鉄には貧血を防いで体を元気にするはたらきがあります。
体内に存在する鉄の2/3以上が血中に存在しており、全身に酸素を運ぶはたらきを担う物質。
鉄が不足すると体内に酸素を運ぶ役割のヘモグロビンが減少し、結果としてめまいなどを引き起こす貧血が発生してしまうんです。
鉄が欠乏している人たちを対象に鉄を投与する実験を行ったところ、血清フェリチンなど血中の鉄の濃度が上がることも証明済み。出典[13]
鉄を投与することで貧血の原因を低下させる効果が認められることが明らかになっています。
さらに銅にも貧血防止を助ける効果があるんです。
銅はセルロプラスミンとして血中に存在しており、鉄をヘモグロビンの合成に利用するために必要なミネラル。
銅が欠乏することで発症する銅欠乏性貧血も存在しており、これは銅が貧血予防に効果的な傍証に他なりません。出典[14]
鉄と銅の相乗効果で貧血を防いでいきましょう。
11.血圧を正常に保つ
カリウムがナトリウム、つまり塩分を体外に排出する効果を持っていて血圧が上がりすぎないようにしてくれます。
カリウムには血中のナトリウム濃度を一定に保つ効能を持っており、ナトリウムが増えすぎればそれを尿などで体外に排出するように促してくれる人体に必須のミネラル。
塩分は塩化ナトリウム、つまりナトリウムの一種。
イタリアの環境遺伝栄養疫学研究センターが、高血圧患者にカリウムを補給したところ、カリウムがナトリウム摂取量が多い人、高血圧治療を受けていない人への高い血圧低下効果を示すことを発表しています。出典[15]
枝豆を摂って正常な血圧をキープしていきましょう。
12.メンタルヘルスを健やかに保つ
枝豆に含まれるビタミンB6や葉酸が心の健康もキープしてくれます。葉酸はビタミンB9の別名で、ビタミンB6とあわせていずれもビタミンB群に属する栄養素。
南フロリダ大学のベンダー教授の報告では、葉酸摂取が少ないとうつ病になりやすい相関があると研究で示されている。出典[16]
さらにヒスパニック系618人、非ヒスパニック系白人251人、計869人を対象にした実験によると、ビタミンB6においても摂取量が少ないとうつ病疑いになる確率が2倍と倍増することがわかっているんです。出典[17]
健全な精神を維持するためにも、枝豆でビタミンBを摂取していきましょう。
13.高密度の骨をつくる
枝豆のビタミンCやカルシウムには骨も健康に保つ効果があります。
ビタミンCに骨の素となる骨芽細胞の発生・促進効果があるのがその理由。
2009年、アメリカはマサチューセッツ州の研究者らは男性334名女性540名を対象に、4年間ビタミンCの摂取量と骨密度(BMD)の関連性を調査したところ、ビタミンCの摂取量が多いほど骨密度が高くなることを発見しました。出典[18]
さらにカルシウムも言わずもがな、骨の強化に貢献するミネラル。
2012年にアメリカで慢性腎臓病を患う高齢女性610人を対象に行われた実験によれば、カルシウムを与える群とそうでない群で2年間にわたる対照実験を行ったところ、すべての被験者において骨密度の減少率を低下させる結果となったんです!出典[19]
これはカルシウムが骨密度をキープしている物的証拠。80歳になっても健脚を維持したい、そんな人にこそ枝豆がおすすめです。
14.目の健康をサポートする
ビタミンCの抗酸化作用が白内障の予防に効果を発揮してくれます。理由は白内障の原因が活性酸素の増加によるものだから。
白内障は目の中で老化したミトコンドリアが活性酸素を発生させ、その多量によって誘引される眼病のひとつ。出典[20]つまりビタミンCが活性酸素を抑えてくれることで病気を未然に防げることに他なりません。
健康な目をキープするためにも、今日から枝豆を摂取していきましょう。
15.循環器系の病気を予防する
枝豆に含まれるビタミンCは心不全など循環器系疾患を予防する効果もあります。
ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去するはたらきをサポートしてくれるビタミンです。活性酸素は体内の様々な生理活動に必要な物質ですが、活性酸素が増えすぎると血管や臓器に酸化ストレスがかかり、心不全などの発生を誘引する困った物質。
岡山大学医学会によれば、抗酸化力を保持する物質を投与することで活性酸素産生を減弱する効果が見えてきており、今後有用化される見込みが高いことがわかっています。出典[21]
ビタミンCで心臓や血管を守っていきましょう。
16.免疫機能のはたらきを高める
枝豆のビタミンCにも体を健康に保つ機能が付与されています。
ビタミンCは白血球のはたらきを強化し、さらにビタミンC自身も病原菌を攻撃するなど免疫力の向上に効果があるビタミン。
さらにビタミンCはインターフェロンという物質の生成を促し、抗生物質では効果のないウィルスに対しても効果を発揮する優れもの。
2013年、韓国のソウル国立大学医学科でビタミンCが欠乏しているマウスとそうでないマウスに対してインフルエンザウィルスを投与する対照実験を行ったところ、ビタミンCが欠乏しているマウスではウィルスが2.5倍増えやすくなり、かつ血漿中のインターフェロンの産生が減少していたことがわかっています。出典[22]
冬場はインフルエンザが怖いですが、ビタミンCを豊富に含む枝豆で予防していきましょう。
17.美肌キープの効果アリ
ビタミンCには美肌を作る効果もあります。
ビタミンCはチロシナーゼの活動を阻害してくれる効果がある。出典[23]
アミノ酸のチロシンがベースとなっている、そばかすやシミの原因となるチロシナーゼ。
2011年にタイのマヒドン大学シリラート病院医学部が行った実験によれば、酸化ストレスを抱えている肌に対してアスコルビン酸(ビタミンC)を投与したとこお、チロシナーゼ活性を低下させることが判明しています。
さらにビタミンCは美肌の素であるコラーゲンの合成もサポートすると期待されているビタミン。
2019年のカリフォルニア大学で男性10人に対してビタミンC強化ゼラチンを与えた群とそうでない群に対して運動を行わせる対照実験を行ったところ、ビタミンC強化ゼラチンを投与した群の方が、そうでない群と比較して運動後のコラーゲンレベルが20%高いことがわかっているんです。出典[24]
これはビタミンCがコラーゲン生成を助ける効果を持っている可能性の示唆そのもの。美肌の秘訣は枝豆にあり、そんな気持ちで食事に取り入れていきましょう。
18.睡眠の質を上げる
マグネシウムやトリプトファンには眠りの質を上げる効果もあります。マグネシウムはメラトニンの合成に必須なミネラルで、メラトニンは良質な睡眠に不可欠。
高齢者46名に対しマグネシウムを与えたところ不眠が改善し、ほかの151名を対象にした実験でも、マグネシウムにより入眠が17分早くなる効果が発現しているんです。出典[25]
さらにアミノ酸の一種、トリプトファンも眠りの質向上の立役者。
トリプトファンには睡眠の質を上げる効果があり、2022年にシンガポール国立大学理学部食品科学工学科より発表された研究によれば世界中の論文から18件の論文を選出してメタ分析を行ったところ、19歳以上を対象とした実験においてトリプトファンを1g以上摂取した場合に入眠後の中途覚醒の割合が0.017と有意に減少することが明らかになっています。 出典[26]
睡眠の質を高く保つためにも、枝豆で有効な成分を確保していきましょう。
枝豆の豊富な栄養で健康な体を手に入れよう
枝豆が健康に良い根拠を18個紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。最近は冷凍製品も広く普及しており、昔よりも手軽に食べやすくなった 枝豆。
ただおいしいだけじゃく、健康にも効果を発揮してくれるなんてなんだかお得な気分になりますよね。
ぜひ今日から枝豆を継続的に摂取して、健康な体作りを心がけていきましょう!
出典
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