【9つの効能】マンゴーの効果を栄養学に基づいて分析
2024年3月27日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

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マンゴーとは

甘くて美味しいフルーツ「マンゴー」。

デザートにピッタリなフルーツですが実は栄養満点で身体に良いことづくしなのを知っていましたか?

今回はマンゴーに含まれる成分とその効能についてご紹介します。

その前に、まずはマンゴーがどんな果物なのかを解説しましょう。

品種が豊富なウルシ科の果実

南国のトロピカルフルーツとして人気のある”マンゴー”。

世界で最もおいしい果物とされる「世界三大美果」の1つであるマンゴーは、インド原産のウルシ科の植物です。

マンゴーは品種が豊富であり、世界中に500種類もあるといわれています。

アップルマンゴー、ペリカンマンゴー、タイマンゴーなど様々な種類がありますが、よく目にするのは真っ赤な色が特徴のアップルマンゴーでしょう。

さらに、アップルマンゴーの中にもいくつかの品種があります。

まずは、世界一のマンゴー生産国であるインドで「マンゴーの王様」とも呼ばれる最高級品のマンゴーが「アルフォンソ種」

アルフォンソマンゴーは、除草剤や化学肥料を使わない伝統的農法によって作られ、広大な栽培地にゆとりを持たせた農法で収穫されるため最高級品と言われるようです。

ほど良い甘味と酸味があり繊維質も多いのが特徴です。

続いて、ペルー産もしくはメキシコ産のマンゴーである「ケント種」。

ケント種は、甘みが強いだけではなく適度の酸味と奥深いコクもあるため、少しクセを感じる人もいるようですが、人気のマンゴーのひとつです。

その他の品種と比較しても繊維質が少なく、大柄で肉厚な品種です。

最後に、国産の高級品種として知られる宮崎県産のマンゴー「アーウィン種」。

国産アップルマンゴーの96.5%がアーウィン種と言われています。

スーパーなどで見かけるマンゴーですね。

果実は他のマンゴーに比べて小ぶりですが、甘く、クセが少なく濃厚な味わいが特徴です。

 

熟すほどデンプンやペクチンが分解されて甘くなる

「マンゴーの食べごろはいつ?」と悩んだことはないでしょうか?

マンゴーが一番おいしいのは、果肉が甘く、柔らかくなったとき。

未熟なマンゴーにはデンプンが含まれていますが、熟成の過程で甘さが強いフルクトースとグルコースに変換されます出典[1]

また、未熟なマンゴーはゼリー状に固まる(ゲル化)性質をもつペクチンが豊富で、マンゴーの硬さを保っています出典[1]

熟成してくるとペクチンが分解され、果肉がより柔らかく、滑らかになるんです。

つまり、熟成するとデンプンやペクチンが分解されて、甘く柔らかくなり食べ頃になるということですね。

 

ビタミンやミネラルを高濃度で含有


美味しいだけでなく、栄養素が豊富なマンゴー。

一体どんな成分が含まれているのでしょうか。

まずは、マンゴーの鮮やかな赤色やオレンジ色を作っている色素、『カロテノイド』

ビタミンAのひとつであるカロテノイドは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用から様々な健康効果が期待できるんです。

なんと、マンゴーの果肉と皮には、αカロテンやβカロテンなどを含む25種類のカロテノイドが確認されているから驚きですね出典[1]

続いて、ビタミンAやビタミンEと共に「ビタミンACE(エース)」と呼ばれ、抗酸化三大ビタミンのひとつである『ビタミンC』

ビタミンCは抗酸化作用だけでなく、コラーゲンの生成や鉄の吸収にも重要な役割を担っています。

人の体内ではビタミンCを合成できないため、食事から摂取する必要がある重要な栄養素でもあるんです。

マンゴーに豊富に含まれている『マグネシウム』は、細胞の中での化学反応を促進する「酵素」を活性化します。

食べ物を消化・吸収・代謝し、エネルギーをつくり出すときに必要不可欠である酵素。

酵素がないと代謝や免疫力の低下、老化に繋がるんです。

驚くことにマグネシウムは、300種類以上の酵素を活性化する働きを持っていることがわかっているんです出典[2]

また、『クエン酸』も豊富なマンゴー。

「クエン酸を飲むと元気になる」と聞いたことありませんか?

酢や柑橘類に含まれる酸味成分であるクエン酸は、体を動かすためのエネルギーを生成する『クエン酸回路』という化学反応で中心的役割を担っています。

クエン酸を摂取することでミトコンドリア内のクエン酸回路が活性化し、様々な健康効果が得られるんです。

その他、ポリフェノールの一種『カテキン』や『ケルセチン』も豊富に含んでいます。

マンゴーはおいしくて、さらに栄養補給にぴったりの果物と言えるでしょう。

マンゴーに期待できる9つの効果

ここからは、マンゴーに含まれている栄養素に期待できる効果を科学的視点から9個ご紹介しましょう。

1.糖尿病の予防


カテキンと言えば、お茶に含まれている成分で健康に良いことは知っている人も多いでしょう。

じつは、マンゴーにもカテキンが豊富に含まれており、カテキンの抗酸化作用によりインスリン抵抗性を改善したり、酸化ストレスを緩和することで高血糖を改善する効果が示されているんです。

実際に、1型糖尿病のマウスを用いた研究では、カテキンの一種であるエピガロカテキンガレート(EGCG)が損傷した膵臓組織を再生させ、糖尿病を軽減することが明らかになりました出典[3]

人に対する研究においても、カテキンの摂取が食後高血糖を改善することが示されています。

2020年に日本で行われた研究では、38人の若年成人に総カテキン量が615mg含まれる緑茶とプラセボを1週間摂取してもらい、血糖値を測定しました出典[4]

その結果、カテキンが豊富な緑茶を夕方に摂取すると食後血糖値が低下したことが明らかになったんです。

総合して、糖尿病とカテキンの関係についての180の研究をまとめた報告で、カテキンはインスリン抵抗性を改善し酸化ストレスを軽減するので、高血糖を緩和する可能性があると結論付けられています出典[5]

もちろんカテキン以外の食生活や運動習慣も大切ですが、糖尿病の改善や予防にカテキンの力も、大いに活用していきたいですね。

 

2.血圧の改善


マンゴーに豊富に含まれているビタミンCを摂取することで、血圧の低下効果が期待できる可能性があります。

高血圧と言えば、「塩分」の摂り過ぎを思いつく人も多いでしょう。

しかし、塩分の摂り過ぎだけでなく、特定の栄養素が不足することで血圧に影響を及ぼすこともあるんです。

血圧に影響を及ぼす栄養素のひとつがビタミンC。

ビタミンCは血管の弾力維持、酸化ストレスの緩和など複数のメカニズムにより血圧を下げる効果を発揮すると考えられているんです。

実際に、168人の健康な被験者を対象に血液中のビタミンC濃度と血圧について調べたアメリカでの研究では、血中ビタミンC濃度が高くなるほど収縮期血圧が低くなることが示されています出典[6]

さらに、2011年にイギリスで行われた研究では、40~79歳の20,926人の血中ビタミンC濃度と血圧の関係が分析されました。

その結果、血中ビタミンC濃度が上位25%に入る人は、下位25%の人に比べて高血になる可能性が22%低くなるという結果が報告されたんです出典[7]

つまり、血中ビタミンC濃度を高く保つことは高血圧を予防することにつながると言えるでしょう。

また、マンゴーに豊富に含まれるカテキンにも血圧低下効果があることが示されています。

実際に、内臓脂肪型肥満の成人240人に対し、カテキンを多く含む緑茶抽出物を摂取してもらい、心血管疾患のリスクについて調査した研究があります。

被験者は、1日当たりカテキン583mg(カテキン群)またはカテキン96mg(対照群)に分けられ、12週間摂取しました。

その結果、収縮期血圧の初期血圧が130mmHg以上の被験者は、対象群と比較してカテキン群でより大きな低下が見られたと報告しています出典[8]

血圧が気になる人や血圧を下げたい人は、塩分に注意するだけでなくビタミンCをしっかり補いつつ、カテキンも意識して摂取したいですね。

 

3.ダイエットのサポート


カテキンにはいくつか種類があり、その中でもとくに抗酸化作用や抗炎症作用が強いとされているのがエピガロカテキンガレート(EGCG)です出典[5]

さらにEGCGには、代謝を上げてエネルギー消費を高めることで肥満予防にも効果があることが確認されています。

EGCGはダイエットサプリとしても人気がありますよね。

2016年に台湾で行われた研究では、BMI27以上の102人の肥満女性を対象に、1日856.8mgの高用量緑茶抽出物(EGCG)またはプラセボを12週間摂取してもらい、体重の変化を観察しました。

その結果、EGCG摂取群では体重、BMI、腹囲が大幅に減少したことがわかりました出典[9]

さらにこの研究では、プラセボ群と比較してEGCG群では、グレリンレベルが低下しアディポネクチンレベルが上昇したこともわかっています出典[9]

グレリンは食欲を増加させるホルモン、アディポネクチンは食欲を整えるホルモンとして知られています。

この結果より、EGCGは代謝を上げるだけでなく食欲をコントロールすることによってもダイエットをサポートすると言えますね。

今年こそは痩せたいと思っている人は、マンゴーに豊富に含まれているEGCGを摂取してみてください。

 

4.コレステロールの改善


糖尿病の予防や血圧の改善など様々な効果が期待できるカテキンですが、なんとコレステロールの改善効果があることも明らかになっているんです。

コレステロールにはLDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールの2種類がありますが、動脈硬化を引き起こし心筋梗塞や脳梗塞の原因になるのはLDLコレステロール。

カテキンは、コレステロールのうち、LDLコレステロールのみを低下させることがわかっています。

実際に、21~71歳の脂質異常症の患者33人に対して250mgのカテキンを8週間、摂取してもらった研究の結果、LDLコレステロール濃度が4.5%、総コレステロール濃度が3.9%減少したことがわかりました出典[10]

カテキンを日常的に摂取することで、LDLコレステロールが低下し動脈硬化の予防にも役立つでしょう。

さらに、コレステロールを改善し脂質異常症の治療への有効性が期待されている、もうひとつの栄養素が、マンゴーに豊富に含まれているケルセチン

200人の脂質異常症患者を対象とした研究によると、2ヶ月間ケルセチンを摂取してもらったところ、総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロールの減少と、 HDLコレステロールの増加が示されました出典[11]

このことから、ケルセチンは脂質異常症の予防効果を持つと考えられています。

コレステロールが気になってきた人やコレステロールの改善を目指す人は、マンゴーに豊富に含まれているカテキンやケルセチンにも注目してみましょう。

 

5.美肌化によるアンチエイジング


ビタミンCと言えば、美肌効果をイメージする人も多いでしょう。

イメージ通り、ビタミンCは「抗老化」「抗加齢」として知られるアンチエイジングに欠かせない栄養素。

というのも、ビタミンCの抗酸化作用により、活性酸素から細胞を保護し皮膚の機能を正常に保つことで、若々しい肌を維持することが示されているんです。

実際に、2008年にアメリカで行われた国民健康栄養調査を用いた分析研究では、40~74歳の女性4025人を対象に、ビタミンCの摂取量と皮膚の老化の関連が調査されました。

その結果、ビタミンCの摂取量が多いほど、しわが見られるリスクが低下することが判明しました出典[12]

さらに、ビタミンCは肌のハリや弾力を保つ働きのあるコラーゲンの合成にも欠かせない成分。

ビタミンCは抗酸化作用とコラーゲンの合成により、アンチエイジングにはぴったりの栄養素と言えるでしょう。

また、美肌効果が示されているもうひとつの栄養素が、マンゴーに豊富に含まれているカロテノイド。

カロテノイドは、紫外線によって細胞が損傷しシミやたるみが発生するのを防ぐ働きがあります。

実際に、149人の健康な成人に対し、カロテノイドが豊富なトマト栄養複合体(TNC)という栄養補助食品またはプラセボを12週間摂取してもらう研究が行われました。

結果、プラセボ群と比較してTNC摂取群では、紫外線によって引き起こされた紅斑(皮膚が赤くなっている部分)が有意に少ないことが観察されました出典[13]

肌をいつまでも若々しく保ちたい人や肌の健康を守りたい人は、マンゴーに豊富に含まれるビタミンCカロテノイドをしっかり摂取したいですね。

 

6.睡眠の質の改善


睡眠の質には眠気を誘うホルモンである「メラトニン」が大きく関わっています。

具体的には、日中に太陽光などを浴びて分泌されたセロトニンが夜間にメラトニンに変化することで、眠気が引き起こされるという仕組みです。

そして、セロトニンからメラトニンを合成するときに必要な栄養素がマグネシウム

つまり、睡眠の質向上のためにマグネシウムは欠かせないんです。

実際に、46人の高齢者に対しマグネシウム500mg/日を8週間摂取してもらい、睡眠の質を調査した研究があります。

その結果、プラセボ群に比べてマグネシウム群では、入眠潜時(起きている状態から入眠までにかかる時間)が短くなり、中途覚醒が減少し、さらに睡眠の質が向上したことがわかりました出典[14]

睡眠の質が悪い人、なかなか寝付けない人はマグネシウムをしっかり摂取しましょう。

 

7.うつや不安の改善


マグネシウムは睡眠に関わる栄養素であるだけでなく、神経・精神機能に重要な役割を果たしており、精神状態やうつ症状に関係する栄養素でもあります。

実際に、軽症〜中等症のうつ病患者126名(平均年齢52歳、男性38%)に、塩化マグネシウム248mg/日をサプリメントとして6週間摂取してもらう研究が行われました。

その結果、うつ症状と不安症状のスコアが2週間以内に有意に改善したことがわかりました出典[15]

驚くべきことに、その改善度は抗うつ薬に匹敵するレベルであったこともわかっています出典[15]

さらに、2型糖尿病と低マグネシウム血症の23名の高齢患者に、マグネシウム450mgに相当する塩化マグネシウム溶液またはイミプラミン(抗うつ薬)50mgを12週間毎日投与する研究では、マグネシウム450mg/日はイミプラミン50mg/日と同様の効果があることが示されました出典[16]

マグネシウムは、抗うつ薬に比べて安全性が高く、安価で入手しやすいでしょう。

うつ症状精神状態を改善したい人は、まずはマグネシウムを摂取してみるのはいかがでしょうか?

 

8.疲労感の軽減


マンゴーに豊富に含まれているクエン酸は、エネルギー生成や疲労回復に重要な栄養素。

私たちが食べたものは身体に取り込まれた後、様々な過程を経て分解され、アセチルCoAという物質になります。

アセチルCoAがオザキロ酢酸と結合してクエン酸になり、その後クエン酸がいくつかの酸に姿を変えて再びクエン酸に戻る、という過程を繰り返します。

この循環を「クエン酸回路」と言い、この中で作り出されるのがATP(アデノシン3リン酸)。
私たちが活動するエネルギー源となるものですね。

つまり、クエン酸回路がきちんと機能することで、疲労物質「乳酸」の分解が進み、疲労回復に繋がるということです。

実際に、クエン酸の摂取により肉体疲労が減少することが明らかになっています。

18人の健康な被験者に1日2700mgのクエン酸を8日間摂取してもらい、自転車エルゴメーターによる運動負荷試験を2時間×2回行った研究があります。

運動負荷試験後、視覚的アナログ尺度 (VAS) というアンケートで疲労のレベルを評価しました。
VASとは被験者が記入するアンケートのことで、0(疲労なし)から100(完全な疲労)まで主観的に疲労のレベルを評価するものです。

その結果、クエン酸を摂取しなかったグループの点数は74.6だったのに対し、クエン酸を摂取したグループの点数は60.6であり、クエン酸を摂取することで主観的な疲労感が改善されたことが分かりました出典[17]

運動後の疲労感を軽減させたい方日頃から疲れが溜まっているはクエン酸を意識して摂取してみましょう。

 

9.運動能力の向上

マグネシウムは、体内では27%が骨格筋に貯蔵されており出典[18]筋肉の働きに重要な栄養素としても知られています。

そして、骨格筋内でたんぱく質の合成やエネルギー代謝、筋肉の収縮と弛緩に関与するため、マグネシウムは筋肉量や筋肉のパフォーマンスに影響を与えることが示されているんです。

実際に、18~79歳までの女性2570人を対象とした研究によると、食事によるマグネシウムの摂取量が多いほど骨格筋量が多く、脚の瞬発力が高いことがわかりました出典[18]

さらにこの研究では、マグネシウムによる骨格筋量とパワーの低下を防ぐ効果は50歳以上の女性でより大きかったことも示されています出典[18]

つまり、マグネシウムは加齢に伴う筋肉量の減少を予防する効果が期待できるということですね。
また、25名のプロバレーボール選手を対象とした研究では、1日あたり350mgのマグネシウムを4週間摂取したグループは、摂取していないグループに比べて、乳酸レベルの減少や運動能力の有意な増加が見られました出典[19]

運動能力を向上させたい人加齢に伴う筋肉量や筋力低下を防ぎたい人にとっては、マンゴーに豊富に含まれているマグネシウムの摂取が重要になるでしょう。

マンゴーの定期的な摂取はオススメ

世界三大美果であり、美味しさはもちろん言うまでもないマンゴーですが、栄養価もかなり高い果物です。

とくにカロテノイドやビタミンC、カテキン、ケルセチンなど抗酸化作用が強い栄養素が豊富で、血糖、血圧、コレステロールをも改善できる可能性が期待できます。

またマグネシウムも豊富であるため、うつの改善や睡眠・運動能力の向上にも一役買ってくれるでしょう。

毎日を元気に過ごすために、マンゴーを定期的に食べてみてください。

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