執筆者
管理栄養士
鈴木 亜子
大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病や腎疾患(透析療法や腎移植後)などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、糖尿病透析予防や特定保健指導(糖尿病重症化予防)なども担当。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野のライターとして活動中。「なるほど!」と思っていただける、分かりやすい記事執筆を心がけている。
ランペップとは一体どんな成分?
ランペップとはどんな成分なのでしょうか?ここではランペップの働きや特徴をご紹介します。
必須アミノ酸をバランス良く含む良質なたんぱく質である他、ビタミンやミネラルなど多様な栄養素を豊富に含む卵。卵には「卵黄」と「卵白」がありますが、そのうちの卵白を原料としてつくられた成分がランペップです。
血管の内皮細胞から分泌され、血管を拡張させる作用のある「一酸化窒素(NO)」の産生を促すランペップは、血流を改善させる効果があると考えられています。
ランペップは、卵白に含まれるたんぱく質を分解した「卵白ペプチド」と呼ばれる物質です。「ペプチド」とは、たんぱく質を分解し体内に吸収されやすい形にしたもの。そもそもたんぱく質は分子量が大き過ぎるため、そのままでは体内に吸収できません。食事から摂取されたたんぱく質を体内に吸収し利用するためには分子量の小さい物質、つまりペプチド(もしくはアミノ酸)に分解する必要があります。これが、いわゆる「消化」です。
たんぱく質そのものよりもペプチドとして摂取したほうが、消化にかかる時間を短縮できます。そのため、ペプチドには栄養素を速やかに吸収できるというメリットがあるといえるでしょう。
卵に含まれるたんぱく質は、人体に必要な「必須アミノ酸」をバランス良く含んだ「良質なたんぱく質」。もちろん卵白由来のランペップも必須アミノ酸をしっかりと含有しています。
必須アミノ酸とは、たんぱく質を構成する20種類出典[1]のアミノ酸のうち、人間の体内でつくることができないため食事から摂取する必要のあるアミノ酸です。一方、体内で合成できるものを非必須アミノ酸と呼んでいます。
必須アミノ酸の中でも、卵白には「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」が豊富に含まれています。この三つのアミノ酸の総称が「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」です。筋トレをする方などは、聞き馴染みのある名称かもしれませんね。BCAAは筋肉中のたんぱく質合成や、トレーニング時の筋たんぱく質分解抑制作用を持つアミノ酸。つまり、卵白には筋肉に対する効果も期待できるということになるでしょう。
卵白を原料としているランペップは、卵白由来のアミノ酸のさまざまな効果を得られる成分であるといえますね。
ここで、ランペップを開発した会社をご紹介しましょう。ランペップを開発し「男性機能の改善」「冷え性改善」の効果において特許を取得したのは「株式会社ファーマフーズ」です。ファーマフーズは「医薬(Pharmaceuticals)」と「食(Foods)」の融合を目指し、ランペップをはじめ健康維持に役立つ機能性を有する食品素材の研究開発に力を注いでいます。
中でも脳内の興奮を鎮め安眠に役立つなど、多くの機能性を持つ注目の成分「GABA(ギャバ:γ-アミノ酪酸)」においては、世界市場をリードしている名高い企業です。
ランペップに確認されている主な4つの効果
次にランペップの効果について具体的にご紹介します。
1.ED(男性機能)の改善
ランペップに期待される効果の一つが、EDの改善です。EDを引き起こす原因はさまざまですが、陰茎海綿体へ血流を送る血管系の働きが不十分であることも原因の一つとなります。
日本性機能学会および日本泌尿器科学会の「ED診療ガイドライン」によると、EDの原因は「器質性(体の問題により生じるもの)」「心因性(精神的・心理的な要因によるもの)」「混合性(器質性と心因性が組み合わさったもの)」の三つに分類されています出典[2]。また、服用する薬剤の影響によってもEDが生じる可能性があります。
ランペップにはNOの産生を促し血流を改善する作用があります。そのためEDの原因が陰茎への血流不足である場合は、ランペップを摂取することで症状が改善する可能性があると考えられます。
なお、ランペップと相乗効果を示す成分には「マカ」や「亜鉛」などがあります。
マカはサプリメントの成分としても知られている、ペルー原産のアブラナ科の植物の根から抽出される成分です。アルギニンやセレンなどが含まれるマカは、精力の回復効果が期待できます。また、亜鉛は男性ホルモンの合成や分泌に関与していると考えられている成分です。
株式会社ファーマフーズでは、男性機能によい効果をもたらす成分である亜鉛とマカ、そしてランペップを併用することでNOの産生がより高まることを明らかにし、この効果により特許を取得しています出典[3]出典[4]。
EDを引き起こす原因はさまざまであるため、治療法も多岐にわたります。男性機能に悩みを抱えている方は、一度試してみる価値のある成分だといえますね。ただしEDには思わぬ病気が隠れている場合もあるため、一度医療機関を受診することをおすすめします。
2.冷え性の改善
つらい冷え性の改善にも効果をもたらすのがランペップ。
冷え性の原因にはさまざまなものがあり、血液循環が滞ったり自律神経が乱れたりすることによっても生じます。ランペップには血流を促す効果があることから、血液循環が滞ることで生じる冷え性の改善に役立つといえるでしょう。
ランペップ未摂取と摂取後において、冷水に手を浸した直後と20分後の表面温度をサーモグラフィにより確認したところ、ランペップを摂取したほうが表面温度の回復が早いことが確認されています出典[4]。
このように、ランペップには血流を促進することで冷え性を改善する効果が期待できると考えられています。
日頃から体が冷えやすくつらい思いをしているという方には、おすすめの成分であるといえますね。
3.肩こりの改善
ランペップには、肩こりを改善する効果も期待できるといえます。肩こりは筋肉疲労や血行不良、末梢神経のダメージなどにより生じますが、特に筋肉と血流には密接な関係があります。
長時間細かい文字を見たりデスクワークをしたりすることで起こるのが、首や肩回りの筋肉疲労です。疲労した筋肉は固くなり、周囲の血管を圧迫することで血行不良が生じます。これが肩こりにつながるのです。
テレワークを導入する企業が増え、肩こりに悩まされるようになったという方もいらっしゃるかもしれませんね。そのような方は、筋肉のマッサージとともにランペップを摂取することで血流が促進され肩こりが改善される可能性があります。
4.運動パフォーマンス向上や疲労軽減
ランペップが産生を促すNOには、運動時の持久力向上や筋肉疲労を軽減させる効果などが期待されています。また、NOには運動時など筋肉が使われることで生じる「乳酸」の再利用を促す作用があります。
筋肉を動かすためのエネルギー源をつくり出す過程で生じる物質が乳酸です。発生した乳酸は再びエネルギー源として利用されるため、乳酸の再利用を促すNOにはエネルギーチャージの効果があるといえるでしょう。
健康な男子学生8名にランペップ500mgを摂取させたところ、胸部皮膚の血流量が有意に増加したことが確認されました出典[4]。
さらにランペップの原料となる卵白には、NO同様運動時の筋肉疲労軽減や持久力アップ、筋たんぱく質の分解抑制・合成促進作用があるとされるアミノ酸「BCAA」が豊富に含まれています。
ランペップが産生を促進するNOと原料となる卵白に含まれるBCAA、二つの成分の効果により運動パフォーマンスや持久力向上の効果が生まれるのですね。ランペップは、日頃から筋トレをしている方やアスリートにもぴったりの成分であるといえます。
副作用のリスクと推奨摂取量
卵白ペプチドを過剰摂取することによる副作用は、現在のところ報告されていないようです。
卵白を含めた卵そのもののたんぱく質は必須アミノ酸がバランス良く含まれているため、特定のアミノ酸だけを過剰摂取することによる健康被害のリスクも心配ないと考えてよいでしょう。また、卵白に含まれるビタミンB2やマグネシウム、カリウムなどは健康な方であれば、たとえ摂り過ぎたとしても尿中に排泄されるため、過剰摂取の心配はありません。
卵といえば「コレステロール」を思い浮かべるという方も多いかもしれませんが、卵白に含まれる栄養素はたんぱく質の他、ビタミンB2やカリウム、マグネシウムなどで、コレステロールはほとんど含まれていません。そのため、コレステロールが心配な方にとっても安心な成分であるといえます。
卵には過剰摂取すると血中LDLコレステロールの上昇を招くとされている「飽和脂肪酸」が含まれますが、この成分もコレステロール同様卵黄に多く、卵白に含まれる量はごくわずかです。
ただし、卵アレルギーのある方は十分に注意しましょう。なお、ランペップのメーカーである株式会社ファーマフーズによる摂取推奨量は1日当たり500mg出典[4]となっています。
まとめ
ランペップは、卵の卵白を原料とした卵白ペプチドと呼ばれる注目の機能性成分です。ランペップには血流を促進する作用を持つ一酸化窒素(NO)の産生を促す作用から、男性機能や冷え性の改善、運動機能の向上や筋肉疲労の軽減作用が期待されています。現時点では、卵白ペプチドを過剰摂取することによる副作用のリスクなどの報告はありませんが、卵アレルギーの方は十分注意しましょう。
男性機能を改善したい方、冷え性に悩む方、運動パフォーマンスを高めたいとお考えの方は、サプリメントなどでランペップを取り入れてみてはいかがでしょうか。
出典
- 1.
由田 克士|たんぱく質|e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
- 2.
日本性機能学会・日本泌尿器学会|ED診療ガイドライン[第3版]|2018年1月15日
https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/26_ed_v3.pdf
- 3.
株式会社ファーマーフーズ|卵白ペプチド「ランペップ」の特許取得のお知らせ|2013.11.1
- 4.
株式会社ファーマーフーズ|ランペップ
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