腕立て伏せでテストステロンは増えるのか?適切なフォームも解説
2024年3月27日更新

執筆者

NSCA-CPT、調理師免許

大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)

激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。

腕立て伏せを行うことでテストステロンは増えるか?

自重トレーニングの代表的な種目「腕立て伏せ」。

果たして、腕立て伏せを行うことで男性ホルモンのテストステロンを増やすことができるのでしょうか。

この記事ではエビデンスを交えながら、その可能性について解説します。

短期的には増える可能性は低い

運動直後にテストステロンの上昇が期待できるのは、高負荷でかつ多くの筋肉を動員するトレーニングです。

腕立て伏せは、自重トレーニングの中では比較的負荷の高い種目。

また、大胸筋や上腕三頭筋など上半身の筋肉を多く使うトレーニングでもあります。

しかし、腕立て伏せを行っても、短期的にはテストステロンが増える可能性は低いと言えるでしょう。

ここで、2019年にIST応用科学大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[1]

研究では、上半身・下半身それぞれのトレーニングがテストステロン濃度に与える影響を調査しています。

被験者となったのはトレーニング経験のある13名の男性。

彼らはベンチプレスとスクワットをそれぞれ5×10回、1RMの75%までの負荷で実施しました。
※RMとはレペティションマキシマムの略で、最大反復回数のこと。

トレーニング前後や最中に唾液を採取して検査したところ、テストステロン濃度はスクワットでは増加。

しかし、ベンチプレスではテストステロンに変化がありませんでした

じつは、腕立て伏せとテストステロンの関係を直接的に調べた研究は現在のところ見当たりません。

しかし、腕立て伏せと動きが似ていて、より負荷の高いベンチプレスでもテストステロンは増加しませんでした

これを踏まえても、腕立て伏せを行ってテストステロンが増える可能性は低いと言えるでしょう。
 

長期的に継続することでテストステロンが増える可能性はある

ただし、腕立て伏せを長期的に継続して筋肉量を増やせば、テストステロンが増える可能性はあります

というのも、テストステロンは筋肉内でも生成されるためです。

2014年に立命館大学から発表された論文でも、骨格筋にはテストステロンを合成する能力がある、と述べられています出典[2]

また、長期的にトレーニングを続けて体脂肪が落ちることによっても、テストステロンが増える可能性があります

2014年にポーランドの医学雑誌に発表された論文をご紹介しましょう出典[3]

研究では、若年男性における肥満がテストステロン濃度や性機能の低下に関連しているかを調べています。

調査のために、被験者である20~49歳の男性136名から健康状態や服薬、抑うつ症状や性生活に関するデータを取得。

その上で、テストステロンなどのホルモンの血中濃度を測定し、BMIを算出しています。
※BMIとはボディマス指数のことで、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数。

すると、肥満の男性はBMIが正常な男性に比べ、性機能やテストステロン濃度が低下していることが判明。

じつは、体脂肪にはテストステロンを女性ホルモンに変換するアロマターゼという酵素がたくさん存在します。

そのため、トレーニングを続けて体脂肪を落とすことで、テストステロンが増える可能性があるのです。
 

効果的な腕立て伏せの方法

ここでは、効果的な腕立て伏せの方法をご紹介。

動画を参考に、ぜひ正しいフォームを身に付けてください。

なお、前述の通り腕立て伏せは自重トレーニングの中では負荷の高い種目。

  1. 脚を伸ばして行うのが難しい場合は、床にひざを付いて行っていただいてもオーケーです。
  2. 両手を肩幅よりやや広めに開いて床につける。
  3. 頭からかかとまで一直線になるようにして脚を伸ばす。
  4. 息を吸いながら肘を曲げ、上体を下ろして床に近づける。
  5. 肘が90度曲がるところまで下ろしたら、息を吐きながら両手で床を押し、上体を元に戻す。
  6. 3~4を目標回数繰り返す。
     

まとめ

今回は、腕立て伏せでテストステロンを増やすことができるかどうかについて解説しました。

腕立て伏せを行っても、短期的にはテストステロンを増える可能性は低いと言えます。

しかし、長期的に継続して筋肉量を増やし体脂肪を落とせば、テストステロンは増える可能性があります。

腕立て伏せは自宅でも簡単に行うことができるので、習慣化しやすいトレーニング。

特に、男性のたくましい上半身を作り上げるのにも効果的な種目です。

ぜひ紹介した動画を参考に正しいフォームを身に付け、効率よく筋肉を刺激してください。
 

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