監修者
睡眠健康指導士/ロジスティクス管理3級
室井優作
心と体の健康の要となる睡眠のスペシャリスト。眠りに悩みを抱える方のコンサルティングを日々行っている。プロボクサーを目指しており、運動やダイエットに関する指導も可能。おすすめの寝具はウェイトブランケット。
執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
寝る前にポテチを食べたくなるのは分かる・・
夜が深まり疲労が溜まってくると食べたくなる”ポテチ”。
「夜中にポテチが食べたい…」「でも食べたらダメだ…」と葛藤する気持ち、誰しも経験ありますよね。
しかし、なぜポテチが良くないのかを明確に理解している人は少ないかもしれません。
一体、なぜ寝る前のポテチが良くないのでしょうか?
今回は、寝る前のポテチが及ぼす体への影響と対策について解説しましょう。
ポテチを寝る前に食べると良くない理由
寝る前にポテチを食べると良くない理由について、学術的根拠に基づいて解説していきましょう。
飽和脂肪酸が大量に含まれる
脂っこいお菓子の代表であるポテチには脂質が大量に含まれており、中でも「飽和脂肪酸」が多いんです。
そもそも脂質の構成要員である脂肪酸には、二重結合と呼ばれる結合がない「飽和脂肪酸」と二重結合がある「不飽和脂肪酸」に大きく分類されます。
ポテチやチョコレートなどのお菓子、バターや生クリームなどの乳脂肪、肉の脂肪に含まれているのがパルミチン酸やステアリン酸などの飽和脂肪酸。
そして、飽和脂肪酸の摂り過ぎは、体重増加やLDL(悪玉)コレステロールの上昇に繋がることがわかっているんです。
実際に、41,518人の女性を8年間、追跡調査した研究では、飽和脂肪酸の摂取量が増加すると体重も増加するという相関関係があることがわかりました出典[1]。
さらに、飽和脂肪酸はLDLコレステロールを上昇させる作用があるため、摂りすぎは脂質異常症など生活習慣病の原因になる可能性も危惧されています出典[2]。
このことから飽和脂肪酸は、厚生労働省が発表している「食事摂取基準2020年版」においても摂取量の上限が設定されている栄養素なんです出典[3]。
ポテチを食べると大量の飽和脂肪酸を摂取してしまうため、やはり寝る前のポテチは健康に良くないと言えますね。
辛味が少なく旨味が強い「ナトリウム塩」が依存性が高い
ポテチと言えば、しょっぱいお菓子の代表でもありますよね。
しょっぱさは食塩の主成分である「塩化ナトリウム」の味ですが、しょっぱい味には、じつは依存性があることをご存知でしょうか?
依存症の診断に関して、DSM-IV-TR(「精神障害の診断と統計の手引き」)は7つの基準を作成しており、少なくとも3つを満たすことが依存症であることとしています出典[4]。
なんと、塩化ナトリウムは基準のほとんどを満たしており、塩化ナトリウムが中毒を引き起こす可能性があることが示されているんです出典[4]。
そもそも塩化ナトリウムは、ナトリウムイオンと塩化物イオンが結びついたもの。
2023年に岡山大学が発表した報告によると、ナトリウムイオンは塩味の受容体に結合し塩味として感じられますが、塩化物イオンは甘味やうま味の受容体に結合することが明らかになりました出典[5]。
つまり、塩化ナトリウムはうま味が強く、依存性が高いと言えるのです。
「食べだすと止まらない…」「もっと食べたい…」と感じるのは、意志の問題ではなく依存性のある塩化ナトリウムが原因。
寝る前にポテチを食べだすと、適量でやめることは困難ですね。
スパイシーな刺激が胃もたれをまねく
最近では、ポテチにも様々なフレーバーが登場していますが、スパイスなど辛さの刺激が胃もたれを招く可能性もあります。
刺激の強い香辛料など胃を刺激するものを過剰摂取すると、胃潰瘍の原因となることもあるんです。
とくに「スパイシー」「激辛」「ハバネロ」と書かれたポテチは要注意。
脂っこいものや塩分の強いものも十分胃を刺激するため、ポテチはスパイシーでなくとも胃もたれを起こしやすい食品です。
スパイシー味のポテチは寝る前には禁物と覚えておきましょう。
健康的に寝る前に食欲を満たすためには?
「寝る前のポテチは禁物」と言っても、どうしても寝る前に小腹を満たしたいときもあるでしょう。
そこでポテチに変わる代替案をご紹介します。
ギルトフリーのお菓子を選ぶ
ポテチは、摂り過ぎると健康を害してしまう飽和脂肪酸が多く、中毒性があり、胃もたれを引き起こすことを解説しました。
それでは、どのようなお菓子であれば良いのでしょうか?
おすすめは、ギルトフリーなお菓子です。
ギルトフリーとは「罪悪感のない」という意味。
最近は、カロリーや糖質が少ないだけでなく、不足しがちな栄養素が含まれたギルトフリー商品がたくさん販売されています。
例えば、おからで作られたドーナツやパンで有名なOKARAT。
OKARATのドーナツは、小麦粉の代わりにおからを使うことで『低糖質(糖質45%オフ)』『食物繊維が豊富』『グルテンフリー』を実現させた商品です。
おから100gにはレタス3個分以上、ごぼう2本分に相当する11.5gの食物繊維が含まれていることも魅力のひとつ。
食物繊維を豊富に含んでいるため、血糖値の急上昇が起こりにくく、寝る前でも罪悪感なく食べられそうですね。
スイーツが食べたいなら、NATUVIEWの商品もおすすめです。
どらやき、チョコレート、カヌレ、マドレーヌ、フィナンシェなど、普通に食べると糖質もカロリーも高い食品が、なんと低糖質で味わうことができます。
小麦粉のかわりに大豆粉や米粉を使用しているため、NATUVIEWの商品も『低糖質』『グルテンフリー』『食物繊維が豊富』です。
紹介したどちらの商品も、白砂糖やショートニング、人工着色料などが不使用で、さらに甘味料は天然のものを使用していることも体に優しいポイント。
とくに、糖質を控えている人、体に優しいお菓子を選択したい人、寝る前の間食を健康にしたい人にぴったりです。
ポテチを買う前に、まずは試してみてはいかがでしょうか?
どうしてもポテチが食べたいなら手軽して作り置き
「どうしてもポテチが食べたい…」と言うならば、手作りして作り置きしましょう!
ポテチが良くない理由は、油や塩分が多いことでしたね。
自分で作れば、油や塩の量も調整できるんです。
思い切って油は使わずにレンジやオーブンで作れば、脂質をカットすることができ、とてもヘルシーになりますよ。
便利なのはポテトチップスメーカー。
じゃがいもを切って電子レンジで加熱するだけで、あっという間に健康的なポテチが出来上がります。
そして、塩もできるだけ少なくして食べましょう。
一度作り置きしておくと、食べたいときにすぐに食べられるため便利ですよ。
ヘルシーに食欲を満たそう
寝る前にポテチを食べたくなることは、誰しも経験があるでしょう。
しかし、ポテチは飽和脂肪酸が多いため、体重やLDLコレステロールの増加に繋がる心配がある上、塩化ナトリウムの依存性で適量で止めることが困難です。
とは言え我慢ばかりではしんどいので、ギルトフリーのお菓子や作り置きした健康的なポテチで代替してみてくださいね。
食欲を満たしつつ、ヘルシーで幸せな食生活を送りましょう。
出典
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