執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
ズッキーニはどんな食材?
きゅうりのような可愛らしい見た目のズッキーニ。
実は健康効果バツグンの食材だとご存知でしょうか?
今回はズッキーニに隠された効果を解説しましょう。
その前に、まずはズッキーニの特徴から。
500年以上愛される伝統的な食材
ズッキーニはウリ科の植物で、中米を原産とする一年生の果菜です。
フリットやカポナータなどヨーロッパ、特にイタリア料理で重宝される食材のひとつ。
ヨーロッパには16世紀ごろに持ち込まれ、以来500年ほどにわたって愛され続けています。
日本には1950年ごろに海外より持ち込まれ、イギリスの料理研究家が紹介したことで一般家庭にも普及。
その後”イタメシ”の流行とともに広く食べられるようになり、昨今でも人気野菜として親しまれる歴史を持っています。
実はキュウリではなくカボチャの仲間
ズッキーニはその外見からキュウリの仲間と思われがちですが、実はかぼちゃの一種です。
ウリ科カボチャ属に分類され、英語圏でも”夏のカボチャ”とも呼ばれているとか。
その由来からカボチャに含まれるβカロテンなどの栄養素を豊富に含んでおり、夏野菜として旬に食べれば活力がわいてくる野菜です。
見た目が緑色をしているズッキーニですが、種類によっては表皮が黄色くなる種類も。
外見が黄色ければもう少しカボチャの仲間のように見えるかもしれませんね。
水溶性ビタミンを摂るには生食がおすすめ
ズッキーニにはビタミンCなど水溶性のビタミンも含んでいます。出典[1]
ウリ科の植物ではあく抜きや苦み取りなどで水に浸けることもありますが、栄養面で見ればあまりおすすめできない方法。
水溶性ビタミンを逃さないために、実はズッキーニは生食もおすすめです。
ズッキーニが持つ健康への効果11選
ここからはズッキーニに期待できる効果を順番に解説しましょう。
1.がんを予防する
ズッキーニにはがん予防の効果が期待できます。
理由は豊富に含まれるビタミンによる抗酸化作用によるもの。
ズッキーニはβカロテンなどの強い抗酸化作用を持つカロテノイドが多く含有されるなど、がんや脳卒中などの予防効果があります。
活性酸素は増えすぎると有害な物質になりますが、抗酸化作用によって活性酸素を低減してくれるということ。
2012年にスウェーデンはカロリンスカ研究所で行われた実験では、前骨髄球性白血病細胞に酸化ストレスを与えてDNA損傷を発生させた箇所にβカロテンを投与したところ、ヌクレオシドデオキシグアノシンによる酸化が抑えられたことがわかっています。
これはβカロテンの抗酸化作用でDNAの酸化が防がれたという効果を示す実験であり、細胞のバグによって引き起こされるガンを予防できる効果があると期待される結果に!出典[2]
いまや日本人の2人に1人はがんになると言われる昨今、ズッキーニの力でがんの予防を心がけていきましょう。
2.目の健康を守ってくれる
ビタミンAやビタミンCが目の健康を守ってくれます。
ビタミンAは夜盲症に効果を発揮する有力なビタミンのひとつ。出典[3]
夜盲症とは夜など暗いところで極端に目が見えづらくなる病気のことで、おもに栄養不足によって引き起こされます。
夜盲症の原因は網膜が光をとらえる力の弱まりによって誘因されるとわかっており、ビタミンAの不足が主原因のためしっかりと補填することで予防効果が期待されます。
1998年にネパールで約29,000人の妊婦に対して行われた実験では、ビタミンAを摂取させた群とプラセボ群で対照実験を行ったところ、ビタミンAを摂取していた群で夜盲症発祥の割合が測定前の10.7%から6.7%と4ポイントも低下する結果に!
ビタミンAの摂取が夜盲症を改善する効果が大規模に証明された実験です。
ほかにもビタミンCには白内障を予防する効果も。
白内障は眼球内の活性酸素量が増加することで起こる眼病のひとつ。
原因となる老化したミトコンドリアが活性酸素増加の原因ですが、ビタミンCの抗酸化作用によって白内障が置きづらくなるんです。出典[4]
年齢を重ねても自身の目でしっかり世界をとらえるために、ズッキーニは有力な栄養源となってくれそうです。
3.脂質代謝を促進
脂質代謝を促進して体脂肪率を減らせるのもズッキーニの魅力です。
理由は本体に含まれるビタミンB1やカルシウムが脂質の産生や代謝を活性化してくれると証明されているから。出典[5]
2015年、アメリカのジョージワシントン大学が発表した報告によれば、肥満手術を希望する人の15.5~29%の割合でビタミンB1が不足している事実が明らかになっています。出典[6]
さらにカルシウムを食事から摂取することで脂肪燃焼が促されるエビデンスも。
同じくアメリカはグエルフ大学で2011年に行われた実験によれば、オンタリオ州在住の男女197人に対して食事から得ているカルシウム量と体脂肪率の測定を実施。
するとカルシウムを食事から多く摂っている人ほど体幹脂肪が少ないと明らかになったんです。出典[7]
スレンダーな体作りにズッキーニはうってつけの食材だとわかります。
4.運動能力を高める
筋肉活動を活性化し運動能力を高める効果も見込まれています。
リンやマグネシウムが筋肉活動をサポートしてくれるのが大きな要因。
人体では筋肉を動かす際にATP(アデノシン三リン酸)が活力として用いられており、リンはATPの合成材料として欠かせないミネラルのひとつ。
ドイツのユトレヒト大学で2019年に行われた出産前後の牛を対象に行った実験では、分娩前後で各4週間、計8週間にわたって食事にリンを与える群とそうでない群で対照実験を行いました。
するとリンを与えていなかった群で、肋間筋や大腿二頭筋において神経筋機能の障害を示す運動単位の活動電位に対する無症候性の影響を確認。
これはリンの欠乏が運動機能を弱める可能性の示唆に他なりません。出典[8]
ズッキーニに含まれるマグネシウムも運動能力を高めることで知られています。
2016年にイギリスのイースト・アングリア大学で女性2,570名を対象に行った実験では、マグネシウム摂取量が増えるほど運動能力が高まったという報告も出ているんです。出典[9]
野菜を食べて運動機能が高まるのはうれしい事態ですよね。
5.貧血防止にお役立ち
貧血を防止したいのであればズッキーニはおすすめです。
ズッキーニに含まれる鉄と銅の増血作用が貧血を防止してくれます。
鉄は血液の原料となっており、鉄欠乏性貧血などもある不可欠なミネラル。
鉄を摂取することで血中の鉄含有量を表す血清フェリチン濃度が高まることもわかっているなど、科学的な関与はしっかりと証明されています。出典[10]
それだけでなく、実は銅にも貧血を予防する効果があるんです。
銅はヘモグロビンの合成に必要な材料であるセルロプラスミンとして欠かせない物質。
銅が欠乏することで発生する銅欠乏性貧血という病気もあるのは意外と知られていないかもしれません。出典[11]
貧血症状に悩まされている場合、ズッキーニからミネラルを補給するのがおすすめです。
6.血圧調整効果
カリウムによる血圧の調整効果も大きな魅力です。
ズッキーニは夏野菜の中でもカリウムを豊富に含んでおり、カリウムは塩分を体外に排出する手助けをしてくれるミネラル。
カリウムはナトリウムの調整作用を持っているのが理由で、血中のナトリウム濃度が上がりすぎないようにバランスをとる機能があるんです。
イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学が2016年に高血圧の患者を対象にカリウム補給を行ったところ、血圧の数値が下がる裏付けを報告。出典[12]
夏は塩分を多く摂取しがちなので、ズッキーニでナトリウムを調整していきましょう。
7.免疫機能の増強
ビタミンCや食物繊維が免疫を強くしてくれる効果もあります。
ビタミンCは免疫細胞のひとつ、白血球のはたらきをサポートするうえ、ビタミンC自身でも病原菌を攻撃してくれる優れた物質。
ビタミンCが不足することでウィルスの撃退に力を発揮するインターフェロンが減少することも報告されています。出典[13]
さらに食物繊維が腸内環境を整えてくれるのも免疫にプラスの効果。
人体の免疫細胞の大部分が腸管免疫によって生成されるなど、腸は免疫にとって重要な器官です。
食物繊維はそんな腸管免疫のひとつ、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞の餌となって免疫を強めてくれるんです。出典[14]
免疫力は健康の大黒柱、損なわないように自然の食材から栄養を手に入れましょう。
8.丈夫な骨をつくる
カルシウムとビタミンCが強い骨をつくってくれるのも見逃せません。
実はビタミンCは骨を形成する素となる細胞、骨芽細胞の生成を促進する効能があります。出典[15]
そしてカルシウムは言わずもがな、骨の原料にもなっている人体必須のミネラル。
2012年に行われたアメリカのワシントン大学で慢性腎臓病患者の骨密度を測る実験では、610人の女性患者を対象にカルシウムを24カ月間にわたり投与したところ、すべての対象で骨密度が上昇する結果になったんです。出典[16]
いくつになっても頑健な骨を手に入れるためにも、今から備えておくのがよいでしょう。
9.バツグンの美肌効果
ビタミンCやレチノールが美肌を形成する手助けをしてくれます。
ビタミンCはそばかすやシミの原因となるチロシナーゼの活動の阻害に効果アリ。
2011年にタイのマヒドン大学で行われた実験では、ビタミンCを摂取することでチロシナーゼ生成を阻害することを実証、その効果はチロシナーゼ阻害剤と同程度のはたらきとなることまで解明しています。出典[17]
それだけでなく、ビタミンCは肌の潤いをつくるコラーゲン生成にも貢献。
アメリカの大学で男性10人を対象にした実験によれば、ビタミンCを摂取して運動した場合、血中のコラーゲン量が増加することが明らかになっています。出典[18]
さらにビタミンAにも肌の老化を防ぐ効果があるんです。
アメリカで2016年に行われた実験ではビタミンAを4週間肌に塗布したところ、優位に肌に含まれるタンパク質が増加し、顔面に見られるしわが改善するという結果に。出典[19]
お肌の平和を守るためにも、ズッキーニは効果的です。
10.ムダな流血を防ぐ
食べるだけで血が止まりやすくなるのも魅力的です。
理由はビタミンKによるもの。
人がケガをした際に血を止めてくれるトロンビンという物質がありますが、その材料となるのがビタミンKなんです。
トロンビンは出血時に血を止めるだけでなく、通常血管の中にある血液を固めないはたらきも持つなど人体には不可欠な立役者。出典[20]
無用な出血を避けるうえでビタミンKは積極的に摂取すべき栄養素です。
11.モチベーションを高めてくれる
マグネシウムと葉酸がモチベーション維持に貢献してくれます。
マグネシウムは人体に必須のミネラルのひとつ。
2017年、アメリカのバーモント大学がうつ病患者を対象にした実験を行いました。
軽度から中程度のうつ病を発症している成人126人に対し6週間にわたってマグネシウムを摂取させたところ、そうでない群に対してうつ病を改善する効果を実証。出典[21]
同じく葉酸の摂取量もうつ病に関連しています。
フロリダ大学やカンザス大学から、うつ病患者は血中の葉酸濃度が通常と比較して低くなっている事実が報告されたんです。出典[22]
健康な精神をキープしていくためにも、ズッキーニでモチベーションを上げていきましょう。
ズッキーニで季節の変わり目を健康に乗り越えよう
ズッキーニが持つ健康への効果を11個解説してきました。
桜も散り気温が上がってくる5月、雨が多く高温多湿になっていく6月など季節の変わり目が迫っている今日このごろ。
ズッキーニは夏野菜ですが、スーパーに行けば手軽に手に入るよう供給体制が整備されています。
これから暑くなって旬を迎えるズッキーニ、健康のためにもぜひ積極的に食事に取り入れていきましょう。
出典
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