執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
キムチが筋トレに良いと言われる理由
筋トレ食材のひとつとして、キムチが身体に良いと言われています。
「キムチに含まれる乳酸菌が胃腸の環境を整えるから」「カプサイシンが代謝を向上させるから」など、さまざまな理由があるようです。
しかしなぜ筋トレに効果的なのか、その本当の理由を知っている人は少ないでしょう。
中には「無理やり理由をこじつけただけのデマなのでは?」と考えてしまう人もいるはず。
そこで今回はキムチが筋トレに本当に効果があるのかについて、論文や研究結果をもとに調査していきます。
スーパーでも手軽に手に入る食材で筋トレ効果をアップさせたい人は、ぜひご一読ください。
キムチは本当に筋トレに良いのか?4つの真実
ここからは、キムチに関する論文をもとに筋トレに与える影響を調べた結果、判明した4つの真実について解説します。
真実1.体脂肪の減少によってカット出しのサポートが可能
キムチは体脂肪の減少サポート効果が期待できる食材です。
BMIが25以上の過体重および肥満の患者22名を対象に、キムチを取り入れた4週間の食事療法を実践したところ、体重・BMI・体脂肪が大幅に減少したという実験結果もあります出典[1]。
体脂肪が減少すればその分身体が絞れるので、ダイエットやボディメイクにもおすすめです。
カットを出したい減量中のトレーニーにも積極的に取り入れて欲しい食材ですね。
またキムチは、なかなか減らないウエスト周りの脂肪にも効果があると言われています。
BMIが25以上の成人114名のうちの1グループにキムチ由来のラクトバチルスを摂取させたところ、12週間で腹囲が0.6cm減少したという結果になりました出典[2]。
トレーニーだけでなく、ウエストまわりが気になる女性にもおすすめです。
真実2.血糖値を安定させてトレーニングパフォーマンスを最適化
キムチには、血糖値を安定させてトレーニングパフォーマンスを最適化させる効果も期待できます。
効率的なトレーニングには、安定的なグルコースの供給が必須です。
そのためには血糖値が安定している、つまり筋肉がグルコースを取り入れやすい状態にすることが何よりも大切。
BMI25以上の過体重および肥満の患者22名を対象に新鮮または発酵させたキムチを摂取させた実験では、両グループで空腹時血糖値が大幅に減少し、安定した状態になったことが証明されました出典[1]。
筋トレ自体も血糖値の安定化に効果があるとされているので、キムチを摂取することでさらにその効果を実感しやすいでしょう。
トレーニングパフォーマンスを向上させたい人は、日々の食事にキムチを取り入れてみるのもおすすめです。
真実3.筋肉量の増加にも貢献
キムチはなんと、筋肉量を増やす働きもあるという研究結果もあります。
健康な若者(18~36歳)28名が1日210gのキムチを4週間摂取して身体測定的特徴の変化を測定した実験では、特に体脂肪量と骨格筋量の改善に大きく貢献したそうです出典[3]。
筋肉量が増えればさらにパフォーマンスが向上し、ベンチプレスやスクワットの重量更新も目指せます。
さらに筋肉量が増加すると基礎代謝が向上して太りにくい身体になるため、ダイエットにもおすすめな食品と言えるでしょう。
真実4.強力な抗疲労作用でトレーニングのダメージを回復
筋トレ後の筋肉痛がひどくてなかなか疲れが取れない人は、日々の食事にキムチを取り入れてみてください。
というのも、キムチには強力な抗疲労作用があると言われているのです。
キムチに含まれるLP-CQPC02という乳酸菌は肝臓や骨格筋のグリコーゲン貯蔵量を増やして疲労が起こる時間を延長することができます。
ネズミを用いた水泳実験では、LP-CQPC02を摂取したネズミはビタミンC溶液を摂取したネズミと比較して水泳時間が長くなったという結果になりました出典[4]。
「筋トレ後の疲れが取れなくてだるい」「トレーニングの終盤にパワーが出せない」という人にもおすすめの食材です。
筋トレ効果を最大化させるキムチの食べ方3つ
キムチが筋トレにおいてさまざまな効果があることが分かりました。
しかし、どのような食べ方をすればその効果を実感できるのでしょうか?
続いては、学術的なデータをもとにキムチの筋トレ効果を最適化させる食べ方を3つ解説します。
1.材料や調味料ではなく”発酵”が大切
除脂肪を目的にしている場合は「長時間発酵させたキムチ」がおすすめです。
体脂肪の減少が報告されている論文では材料や調味料は関係なく「長時間発酵させているかどうか」に焦点を当てています。
BMI25以上の過体重および肥満の患者22名に対して、4週間にわたり生キムチまたは発酵キムチを摂取させた実験を紹介しましょう。
この実験によると発酵キムチを食べたチームの方が体脂肪率・空腹時血糖・総コレステロールにおいて大幅に減少したそうです出典[5]。
また、長い年月をかけて発酵させたタイプのキムチの効果が高いとも言われています。
7日未満発酵させたキムチと2年以上発酵させた過熟キムチの抗酸化活性を評価する研究では、発酵が長いほど抗酸化活性が増すことが証明されました出典[6]。
ただし、発酵させようとして市販のキムチを消費期限を超えて保存すると、カビによる腐敗の健康被害が起きる可能性があるのでやめましょう。
2.量は15~210g/日を目安に食べる
1日あたりのキムチの摂取量は15~210gを目安にしてください。
100人のボランティアをキムチ摂取量が少ないグループ(15g/日)と多いグループ(210g/日)の2つに分けて両グループの変化を検証した実験では、どちらも総コレステロールや空腹時血糖値の数値が低下したことが証明されました出典[7]。
1日15gでも変化が見られたので、キムチが苦手な人でも少量から食べてみるのがおすすめです。
ただしキムチは塩分が多いため、必要以上に摂取するとむくみや高血圧の原因にもなってしまいます。
小鉢1杯分を目安に、日々の食事に取り入れてみてください。
3.あくまで毎日の継続が大切
「キムチは1日だけ食べれば良い?」「筋トレした日だけ?」と悩んでしまう人もいるかもしれません。
結論、キムチは毎日食べることで身体のコンディションを整えることができます。
普段の食事のルーティンに組み込むことが大切です。
自分が取り入れやすい食事の時間帯にキムチを追加することで、その効果を実感しやすいでしょう。
筋トレにキムチを取り入れよう
キムチは筋肉量の増加や血糖値コントロール、体脂肪の減少に効果的な食材であることが分かりました。
筋トレ効果を最大化させる食べ方も合わせて実践すれば、いち早く理想の身体を目指せるでしょう。
1日あたりの摂取量を守って、毎日少しずつ摂取することが大切です。
バルクアップや減量に励むトレーニーは、スーパーで手軽に手に入るキムチでボディメイクを目指しましょう!
出典
- 1.
- 2.
- 3.
- 4.
- 5.
- 6.
Jung-Min Park, Jin-Ho Shin, Ja-Gyeong Gu, Su-Jin Yoon, Jae-Chul Song, Woo-Min Jeon, Hyung-Joo Suh, Un-Jae Chang, Cheul-Young Yang, Jin-Man Kim,
Effect of antioxidant activity in kimchi during a short-term and over-ripening fermentation period,Journal of Bioscience and Bioengineering,Volume 112, Issue 4,2011,Pages 356-359,ISSN 1389-1723, - 7.
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