監修者
NP+編集長/NESTA-PFT
大森 新
筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。
執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
なぜ豆乳は性欲を下げると言われているのか?
豆乳は大豆が原料であり、大豆をすりつぶして液体を絞った際の汁の部分を飲み物にしたものです。
タンパク質やイソフラボンと呼ばれるポリフェノール化合物などを豊富に含むため、体を健康にしてくれるものの1つです。
しかし、豆乳を飲むと性欲が低下してしまうと言われています。
理由はテストステロンと大豆イソフラボンにあります。
テストステロンは男性ホルモンの代表格であり、筋骨隆々とした男らしい体を作るだけでなく、勃起や精子形成などの男性機能や性欲にも重要な役割を果たすホルモンです。そのため、テストステロンの低下は性欲が下がる原因の1つです。
実は大豆イソフラボンはテストステロンを下げてしまう可能性が示唆されているのです…。
大豆イソフラボン、女性ホルモンであるエストロゲンと分子構造が似ているため、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをする作用もあります。
大豆イソフラボンが体内のエストロゲン受容体に作用し、女性ホルモン様の働きをすることでテストステロンの合成が抑制されてしまうと考えられています。
大豆イソフラボンはポリフェノールの一種であり、抗酸化作用を持つので体を健康にしてくれるのは間違いありません。
しかし、大豆イソフラボンが女性ホルモン様の作用を持つことで、豆乳を飲むと性欲が低下してしまうと言われているのです。
論文から明らかに!豆乳と性欲の4つの真実
豆乳には女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが含まれているため、大量に飲むと性欲が低下してしまうと考えられています。
確かに大量に飲むと性欲が低下してしまうという報告もあります。
しかし、最新の研究では適量であれば性欲が低下する心配がないだけでなく、高まる可能性も報告されているのです。
豆乳と性欲の関係の真実を4つの論文から解説します。
大量に豆乳を飲むと性欲が低下するケースがある
1つ目に紹介するのは、大量に豆乳を飲むと実際に性欲が低下してしまうケースがあることです。
大豆イソフラボンが女性ホルモン様の作用を持つため、豆乳を飲むと性欲が低下してしまうと言われています。
2008年にアメリカのブルック・アーミー・メディカル・センターは、毎日3リットルの豆乳を飲んでいた男性は性欲低下の症状を訴えており、さらに血液中のエストロゲン濃度が基準値の4倍もあったことを報告しています出典[1]。
確かに豆乳を飲むことで性欲が低下しましたが、成人の1日の水分摂取量の目安は体重50kgの人は1.7リットル、60kgの人は2.1リットルであることを考えると、毎日3リットルの豆乳はかなり過剰な量です。
「過ぎたるは及ばざるが如し」と言われることわざがあるように、ほどほどが一番ですので飲み過ぎると豆乳も良くないのです。
最新研究ではイソフラボン摂取によるテストステロン低下効果は否定されている
2つ目に紹介するのは、最新の多くの研究ではイソフラボン摂取によるテストステロン低下効果は否定されていることです。
2021年にイギリスのエセックス大学の論文ではイソフラボンの摂取がテストステロンに影響を及ぼすかどうかを調べるため、2010年から2020年4月の間に発表された関連のある41件の研究をメタアナリシスしました。
その結果、イソフラボンの摂取はテストステロンに影響を与えていないことが明らかにされています出典[2]。
先程、紹介した症例報告の男性は豆乳を1日に3リットルも飲んでおり、1日の水分摂取量を考えるとかなり極端な症例です。また、この論文では41件の研究を分析しており、先程の症例報告よりも研究の信頼性レベルが大きく違います。
このことから豆乳を飲むことで性欲が低下すると可能性はかなり低いと言えるでしょう。
1日400mlまでに留めておけば性欲低下の心配はない
3つ目に紹介するのは、豆乳は飲んでも1日400mlまでに留めておけば性欲低下の心配はないことです。
先程、紹介したメタアナリシスでイソフラボン摂取によるテストステロン低下は否定されています。
しかし、数は少ないですが大豆イソフラボンを100mg以上摂取した際にテストステロン減少が確認されている単一の研究があることも事実です。
そのため、豆乳を飲むことでの性欲低下が心配な場合は、イソフラボン摂取量を1日100mgに留めておくことがよいと先程のエセックス大学の研究で明らかにされています出典[2]。
豆乳には、100gあたり7.6〜59.4mg(平均24.8mg)の大豆イソフラボンが含まれているので、1日400mlまでが目安です。
むしろ豆乳の摂取で性欲が増える可能性も...?
4つ目は豆乳を摂取することでテストステロンが増える可能性もあることです。
2017年に中国の四川農業大学が報告した論文では、高脂肪食誘導性の肥満ラットに大豆イソフラボンを1日あたり0、50、250、500mg/kgで4週間経口投与する実験が行われました。
その結果、容量依存的に体重減少と精巣の損傷が有意に緩和され、テストステロンが増加することが明らかにされました出典[3]。
また、この論文ではイソフラボンによってテストステロン合成に関連したタンパク質と遺伝子の発現を増えることがメカニズムとして想定されています出典[3]。
ヒトで同様の効果が認められるかは不明ですが、豆乳を摂取することで性欲が上がる可能性はありますね。
適量の豆乳で健康な性生活を送ろう
今回は豆乳と性欲の関係について論文を基に解説しました。1日400mlまでに留めておけば性欲が低下する可能性は限りなく低そうですね。
ちなみに性欲は豆乳以外にも様々な要因が影響します。もしかすると、知らずの内に性欲が低下する習慣を行っているかもしれません...。
気づいた時には、性機能低下の重症化がかなり進んでしまっているケースもあります。
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