ブロッコリーは勃起力を高める?効果的な食べ方を解説!
2024年6月3日更新

執筆者

管理栄養士/分子栄養学カウンセラー

岡かな

大阪市立大学食品栄養科、大学院修士課程修了。医療機関に勤務し、糖尿病や高血圧など生活習慣病の栄養管理に取り組む。その後はヘルスケア事業に移り、年間500人以上のダイエットをサポートする。現在はダイエットサポートの他、特定保健指導や健康に関わる分野の執筆も行っている。誤った情報で10キロ以上リバウンドした自分自身の経験から、科学的根拠に基づく正しい情報の発信を心掛けている。

勃起力の改善に役立つブロッコリーの成分4選

「栄養最強」と言われ、健康意識の高い人からトップクラスの人気を誇るブロッコリー。

まずは、勃起力改善に効果的なブロッコリーの4つの成分について解説しましょう。

抗酸化ビタミン

過度なストレスや不摂生、運動不足などで私たちの体内では活性酸素が増加していきます。

活性酸素が体に与える影響を「酸化ストレス」と言いますが、精巣が酸化ストレスによるダメージを受けると、テストステロンの合成効率や性機能が落ちてしまうのです。

そこで酸化ストレスの減少に役立つのが、抗酸化ビタミンであるビタミンA、ビタミンC、ビタミンE。

ブロッコリーには、ビタミンCやビタミンEに加え、体内でビタミンAとして働くβ-カロテンも豊富です

酸化ストレスの原因である活性酸素を取り除き、精巣を保護して性機能を改善する効果が期待できるでしょう。

実際にマウスを用いた研究では、ブロッコリー抽出物を42日間投与したところ、精巣の酸化バイオマーカー、精巣の機能、精子の質が有意に改善したことが示されています出典[1]

また、陰茎を硬くするためには、血流の改善が重要です。

抗酸化ビタミンには血中脂質の過酸化を防ぐ効果も期待できるため、血液をサラサラにして血流を良好に保つ効果が期待できるでしょう。

このように、ビタミンACEは精巣の保護や血流の改善により勃起力向上に効果的と言えますね。

 

ケルセチン

ケルセチンは、タマネギやブロッコリーなどの野菜に豊富に含まれているポリフェノールの一種。

ケルセチンは高い抗酸化作用を持ち、ビタミンACEと同様に精巣を酸化ストレスから保護することでテストステロンの分泌を改善することがわかっています。

実際に、糖尿病のラットに対してケルセチンを投与すると、精巣損傷及び酸化ストレスが抑制され、テストステロンの合成が促進されたことが示されました出典[2]

また、ケルセチンには血流を改善する作用も確認されているため、勃起力をサポートする効果も期待できるでしょう出典[3]

さらに、ケルセチンは肥満および肝臓への脂肪蓄積を抑制する作用があることが確認されており、生活習慣病予防効果が期待されているんです出典[4]

肥満になると脂肪細胞から炎症性サイトカインが分泌されますが、炎症性サイトカインはテストステロンを分解してしまうことがわかっています出典[5]

このように、ケルセチンには抗酸化作用、血流改善効果、肥満抑制効果などから勃起力の改善が期待できるでしょう。

 

スルフォラファン

健康情報に詳しい人なら、ブロッコリーと言えば「スルフォラファン」という成分を思い浮かべるかもしれません。

スルフォラファンは、イソチオシアネートと呼ばれる辛味成分の一種で、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、ケールなどのアブラナ科植物に含まれています。

スルフォラファンには、殺菌作用や抗炎症効果があり、さらに強力な抗酸化作用も認められているんです。

実際に、肥満により生殖機能が低下したマウスにスルフォラファンを投与した研究では、スルフォラファン投与により精子数と運動性が向上し、精巣組織の病理学的障害が改善したことが示されました出典[6]

肥満男性の精巣組織における酸化ストレスは、男性不妊症と関連していることがわかっています。

ブロッコリーに豊富なスルフォラファンは、肥満男性の勃起力及び男性不妊の改善が期待できそうですね。

 

インドール-3ーカルビノール

インドール‐3‐カルビノール(I3C)とは、スルフォラファンと同様、アブラナ科の野菜であるブロッコリーやカリフラワー、キャベツやケールなどに含まれる機能性成分です。

I3Cには抗炎症作用や抗酸化酵素の誘導作用、免疫の強化や血栓防止作用、発がん抑制作用など、様々な健康効果が期待されています。

男性機能においてI3Cに期待できるのは、男性ホルモンであるテストステロンの保護作用です。

I3Cには、体内のテストステロンをエストロゲンに変換する酵素「アロマターゼ」の発生を抑制する働きがあるため、テストステロンの維持に役立つ可能性が示されているんです出典[7]

実際に、レジスタンストレーニングを受けた38人の男性がアロマターゼ阻害効果のあるマンゴスチン抽出物を42日間補給し、テストステロン濃度や運動能力を調べた研究が行われました。

その結果、抽出物を摂取したグループは摂取しなかったグループに比べて、遊離テストステロン濃度が1.2倍増加、さらに最大筋力をはじめとする運動能力が有意に増加したことがわかりました出典[8]

I3Cにもアロマターゼ阻害効果があるため、同様にテストステロンの増加作用が期待できそうですね。

 

勃起力を高めるためのブロッコリーの食べ方

ブロッコリーには勃起力を高める効果のある栄養素が豊富に含まれていることを解説しました。

ここからは、ブロッコリーをより効果的に食べる方法を具体的に紹介します。

ブロッコリーをどのように食べればよいか迷っている方、摂取上のポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。

1日100gまでを目安に

ブロッコリーを食べれば食べるほど良いかというと、そうでもありません。

厚生労働省が発表している「健康日本21」では、生活習慣病予防のため、野菜類を1日350g以上、そのうちβカロテンを豊富に含む緑黄色野菜は120g以上摂取することが目標として設定されています出典[9]

ブロッコリーは緑黄色野菜であり栄養が豊富ですが、1日に摂取する緑黄色野菜をブロッコリーだけで満たそうとしてしまうと、得られるビタミンやミネラルに偏りが生じます。

ブロッコリー以外の緑黄色野菜からも固有の栄養を摂取したいため、ブロッコリーの摂取は1日100g前後にしておきましょう

例えば、トマトに含まれるリコピンにも抗酸化作用がありますし、ほうれん草に含まれる硝酸塩には血流改善効果が期待できます。

1日の中で複数の野菜を摂取し、様々な機能性成分の恩恵を受けることが健康への近道です。

 

マヨネーズやドレッシングは控えめに

ブロッコリーを食べるときに、マヨネーズをつけたりドレッシングをたっぷりかけていないでしょうか?

マヨネーズやドレッシングを大量につけてしまうと、余計な脂質やカロリーを摂取することになるので注意が必要です。

例えば、ブロッコリー(花序/ゆで)100gのカロリーは30kcalですが、マヨネーズ(全卵型)を大さじ1杯12gかけて食べた場合、計110kcalとなってしまいます出典[10]

ごまドレッシングを大さじ1杯かけても約90kcalとなり、ブロッコリーよりもマヨネーズやドレッシングのほうがカロリーが高くなってしまうんです

また、食材になんでも味付けをプラスする習慣は肥満に繋がりかねません。

肥満予防のためにも、マヨネーズやドレッシングは控えめにしましょう。

生のブロッコリーを茹でて何もつけずに食べるのも、ブロッコリー本来の味が楽しめて良いですよ。

 

ブロッコリースプラウトの活用もおすすめ

ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトも、栄養価が高いとして近年注目を浴びています。

じつは、ブロッコリーよりもビタミンCやスルフォラファンが豊富に含まれており、スルフォラファンに関しては、なんと10~100倍も含有量が多いとも言われています出典[11]

そもそも、スルフォラファンは植物細胞内ではSGSという前駆体の状態で存在していますが、SGSからスルフォラファンを生成するのに必要なのが「ミロシナーゼ」という酵素。

ミロシナーゼは熱に弱いため加熱調理によって壊れてしまうんです出典[11]

そこで注目なのが、生で食べられるブロッコリースプラウト

スルフォラファンを効率的に摂取できる上、加熱に弱いビタミンCも損失せずに吸収することができます。

ブロッコリースプラウトは、サラダやみそ汁、肉料理の付け合わせに、調理をせずに「ちょい足し」して使うことができるため、忙しい現代人には嬉しいですね。

 

茹で調理より電子レンジ加熱

ブロッコリーをどのように調理すれば、栄養や機能性成分を十分に摂取できるでしょうか?

おすすめは蒸し料理です。

なぜなら、蒸し料理は茹で料理よりもビタミンCに代表される水溶性ビタミンの流出量が少ないことがわかっているから出典[12]

茹でるのが面倒であれば、電子レンジでも良いでしょう。

とは言え、毎回蒸し料理にするのもひと手間かかる上、飽きることもありますよね。

ブロッコリーを茹で料理に使うときは、ゆで汁ごと食べられるスープやシチューにすると、茹で汁ごと栄養素を摂取できるのでおすすめです。

また、より多くのゆで汁で茹でると栄養素の流出量が増すことがわかっている出典[13]ので、どうしても茹でこぼすときは少量の水でゆでると良いですね。

 

合わせて食べたい!ブロッコリーと相性のよい食品

もちろんブロッコリーだけで食べても良いですが、せっかくなら勃起力に効果的な食材をさらにプラスして食べ合わせたいですよね。

ここからはテストステロンの維持に役立つ食材のうち、ブロッコリーと相性がよいものを紹介します。

枝豆や大豆製品

ブロッコリーと食べ合わせるのにおすすめな食材のひとつ目は、枝豆などの大豆製品。

大豆製品には、イソフラボンの一種である「ゲニステイン」という栄養素が豊富に含まれています

ゲニステインはI3Cと同様に、テストステロンをエストロゲンに変換するアロマターゼを抑制する働きがあります出典[14]

さらに、ゲニステインはI3Cと同時に摂取することにより、相乗効果がうまれ、テストステロンからエストロゲンへの変換を抑える効果がさらに高まることがわかっているんです出典[15]

エストロゲンへの変換が抑制されれば、その分テストステロンも減らずに済むため、テストステロン量の維持に役立つと考えられますね。

勃起力や男性機能の向上をより目指すなら、ブロッコリーと大豆製品をセットで食べてみてください。

 

ナッツ

ナッツも、ブロッコリーと食べ合わせるのにうってつけの食材。

なぜならナッツには、亜鉛やマグネシウムなど、テストステロンを増やす効果のあるミネラルが豊富に含まれているからです。

まず、亜鉛はテストステロンの分泌を促すホルモン「黄体形成ホルモン(LH)」の合成をサポートする働きがあります

また、マグネシウムは抗酸化作用によりテストステロンを保護するように働くのではないかとされています。

ブロッコリーにも亜鉛やマグネシウムが含まれていますが、含有量は、ゆでブロッコリー100gあたり亜鉛0.4mg、マグネシウム17mg出典[9]であり、そこまで多くありません。

例えば、アーモンド(いり/無塩)30gに含まれる亜鉛は1.1mg、マグネシウムは93mg出典[9]であり、少量でもブロッコリー以上に摂取することができるんです。

さらにブロッコリーに豊富なビタミンCは、亜鉛の吸収率を上げる効果があります。

ブロッコリーとナッツの組み合わせは、亜鉛やマグネシウムを補完できるだけでなく吸収率も高まる、とても相性のよい組み合わせなんですね。
 

まとめ

ブロッコリーは、抗酸化物質をはじめテストステロン量を維持する効果のある栄養素が豊富に含まれています。

1日100gまでを目安に積極的に摂取したいですね。

ただし、マヨネーズやドレッシングを大量に使うと脂質の摂り過ぎになり、逆にテストステロンに悪影響を及ぼす可能性があるため注意しましょう。

さらに、栄養価の高いブロッコリースプラウトを活用したり、ビタミンを逃さない蒸し調理を心掛けてくださいね。

またブロッコリーと合わせて大豆製品やナッツを組み合わせると、さらにテストステロン向上効果が期待できますよ。

 

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