14個の大葉の効果効能を学術的に解明!
2024年5月29日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

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大葉ってどんな食材?

まずは大葉がどんな食材なのかを解説しましょう。

 

2,500年以上前から愛される食材

大葉は中国やミャンマーを原産とする植物で、日本では縄文時代の遺跡から大葉の種実が見つかるなど2,500年以上前から愛されている食材です。

シソ科シソ属の一年草で、自身の香りで虫よけを行い、生命力も強いことから家庭菜園にも向いている植物のひとつ。

日本で本格的に栽培され始めたのは平安時代ごろとされており、約1,000年ほどの歴史を誇ります。

ちなみに大葉はシソの葉の部分を示す名前のことで、基本的には同じものと思って問題ありません。

 

蘇りの薬として発祥

シソは漢字で書くと「紫蘇」となっており、これは中国の伝説を由来としています。

当時とある若者が蟹を食べて食中毒になり死にかけてしまったとき、紫色の葉っぱを煎じて飲ませたところ蘇ったかのように元気になったことがネーミングの起源。

紫色とあるとおり、紫蘇の由来となったのは赤じそだとわかります。

栄養豊富な大葉の効果を暗示するような伝説だといえるでしょう。

 

βカロテンを初めとするビタミンが豊富

大葉は美味しいだけでなく、栄養価も満点です。

特にβカロテンやビタミンB群などは野菜の中でも突出して豊富。出典[1]

他にも亜鉛や鉄などのミネラル、独自の栄養素を含んでおり人体の健康を守ってくれるのはうれしいですよね。

具体的にどんな成分が健康に良いのか、確認していきましょう。

大葉が健康に良い理由を一挙14個紹介!

では、ここからは大葉の効果効能を解説しましょう!

1.アレルギー反応の低減効果

アレルギー反応を抑える効果が期待できます。

理由はロスマリン酸の効果によるもの。

ロスマリン酸はローズマリーから発見されたポリフェノールの一種で、大葉にも豊富に含まれています。

近年、抗炎症作用が複数の研究により注目されているんです。

1つ目はアトピーへの効果の示唆。

2011年の韓国は慶煕大学医学部でアトピー性皮膚炎のマウスに対し行われた実験では、ロスマリン酸を投与することで皮膚の病変や血中IgE抗体レベルの増加が抑えられました。

さらに皮膚病変発症の原因であるCD4、CD8陽性T細胞の浸潤やIFN-γ、IL-4の産生を抑えることも判明しアトピー性皮膚炎への有効性も確認。出典[2]

同じく韓国のバイオスペクトル生命科学研究所で軽度のアトピー症患者男女21人を対象に、患部にロスマリン酸を塗布したところ、4週間から8週間後には有意に皮膚の紅斑が改善した実験も報告されています。出典[3]

2つ目はアレルギー性の鼻炎や結膜炎への改善効果

京都府立医科大学が2004年に出した報告によれば、いわゆる花粉症などに代表される季節性アレルギー性鼻炎、結膜炎を軽度に患う人に対し21日間にわたってロズマリン酸を投与したところ鼻や目のかゆみなど症状が改善されたことがわかっています。

鼻洗浄液の好中球や好酸球も有意に減少し、有害な症状なく効果的な改善を見せています。出典[4]

3つ目は抗喘息の効果

2016年に中国で行われたマウスに対する実験で、オボアルブミンによる急性肺損傷のマウスに対してロスマリン酸を投与したところ、気管支肺胞洗浄液中の炎症細胞とサイトカインの産生を大幅に抑制していることが判明しました。

さらに炎症細胞浸潤と粘液過剰分泌を実質的に減少させたことも判明しており、これはロスマリン酸が気道の炎症を抑え、アレルギー性喘息の治療法として利用できる可能性の証拠そのもの。出典[5]

アレルギー症状に悩まされる人にとって、大葉は救世主になるかもしれません。

 

2.脳機能が向上する

ロスマリン酸には脳機能を向上させる効果もあります。

まずはアルツハイマー病の予防効果

ロスマリン酸を摂取することで、アセチルコリンエステラーゼの活動を阻害できるのが大きなメリットとなります。

アセチルコリンは脳から送られる電気信号を神経や筋肉に伝達する神経物質ですが、アセチルコリンエステラーゼはアセチルコリンを酢酸と水に分解してしまう厄介なシロモノ。

2008年にトルコの複数の大学連合による研究では、アセチルコリンエステラーゼにロスマリン酸を与えたところ、1.0mg/mLで活動の85%以上を阻害することを解き明かしています。出典[6]

他にもアルツハイマーを発症したマウスに対してロスマリン酸を混ぜたエサを摂取させたところ、アルツハイマーの原因となるアミロイドベータの凝集を阻害する効果があることを金沢大学が発表。出典[7]

さらに日本脳炎にも効果が認められています。

日本脳炎に感染したマウスに対しロスマリン酸を投与したところ、未治療のマウスに対し炎症誘発性サイトカインが有意に減少していることが判明。出典[8]

脳の機能向上、大病の予防のためにも大葉から栄養を摂取するのがおすすめです。

 

3.胃腸炎や風邪から守ってくれる

大葉は胃腸の平和も守ってくれます。

まずはペリルアルデヒドの活躍を紹介。

ペリルアルデヒドは別名シソアルデヒドとも呼ばれるポリフェノールのひとつ。

ペリルアルデヒドには強い抗菌作用があるため食中毒の源となるネズミチフスや大腸菌、黄色ブドウ球菌など病原菌の繁殖を防ぐ効果があるんです。出典[9]

大葉は刺身のツマとしてよく添えられていますが、これは理にかなった配置だとわかります

また2019年に東京理科大学で行われた実験では、ペリルアルデヒドを摂取させておいたマウスに対して人工的に誘発性急性大腸炎にさせたところ、通常と比べて顕著な体重減少や腸の萎縮が緩和されていることを観測出典[10]

ロスマリン酸にもグラム陽性菌やグラム陰性菌に対して抗菌作用を示した研究がアルゼンチンから発表されており、食品への抗菌作用が広く認められています。出典[11]

またビタミンCは免疫機能向上の効果を保有。

ビタミンCは白血球のはたらきを強化するだけでなく、それ自身も病原菌を攻撃するなど免疫力向上に大きな貢献を果たしています。

それだけでなく、ビタミンCはインターフェロンという物質の生成を促し、抗生物質では効果のないウィルスに対しても効果を発揮してくれる有能ビタミン。

2013年、韓国のソウル国立大学医学科でビタミンCが欠乏しているマウスとそうでないマウスに対してインフルエンザウィルスを投与する対照実験を行ったところ、ビタミンCが欠乏しているマウスではウィルスが2.5倍増えやすくなり、かつ血漿中のインターフェロンの産生が減少したことも判明しています出典[12]

季節が変わり暑くなっていくこれから、食あたりにならないためにも大葉は積極的に摂取したいところです。

 

4.抜群の精神安定効果

ビタミンB6や葉酸がメンタル面のサポート効果を発揮してくれます。

葉酸はビタミンB9の別名で、ビタミンB6とあわせていずれもビタミンB群に属するビタミンの代表格。

南フロリダ大学によれば、葉酸摂取が少ないとうつ病になりやすいという相関がある研究結果も報告されています。出典[13]

加えてヒスパニック系618人、非ヒスパニック系白人251人、計869人を対象にした実験によると、ビタミンB6においても摂取量が少ないとうつ病疑いになる確率が2倍と倍増することも判明出典[14]

ロスマリン酸も精神安定に効果があります。

マウスにロスマリン酸やカフェイン酸を投与したところ、鬱度を測る強制水泳試験にて自発的な運動が確認されるなど、うつ病に対して2つの酸が効果的だと東京医科大学が公表。出典[15]

さらにマウスを用いた恐怖ストレス実験においても、2つの酸を投与すると恐怖や不安行動が減少したことも確認されており、不安やストレスを和らげる効果も保有していることがわかります。出典[16]

精神を整えたい人は大葉を食べてみるとよいでしょう。

 

5.生活習慣病を未然に防ぐ

生活習慣病の源になる要素を多くブロックしてくれるのもうれしいポイントです。

筆頭となるのが食物繊維。

1999年にアメリカで行われたメタ分析によれば、植物由来の食物繊維を摂取することで総コレステロール値とLDLコレステロール値を減少させる効果があると解析によって明らかにされています出典[17]

コレステロール値や血糖値が上がると脳卒中や高血圧を増進させ、体に大きな悪影響を与えるのは公然の事実。

βカロテンやビタミンE、ビタミンCも生活習慣病の予防に効果的です。

アメリカで行われた45歳以上の健康な女性39,876名を対象にした研究では、ビタミンEの摂取により血栓を予防できることが判明しており、10年後の血栓発生リスクが20%も低下したことを確認出典[18]

岡山大学医学会によれば、ビタミンCは強い抗酸化力を保持しているため活性酸素産生を減弱する効果が見えてきており、今後有用化される見込みが高いこともわかっています。出典[19]

ロスマリン酸の抗酸化作用も注目すべきファクター。

大葉の抽出液が抗アレルギー活性、αグルコシダーゼ阻害活性を持っていることも2014年に愛媛大学から発表されており、これは糖尿病への予防効果を示しています。出典[20]

現代病とも呼ばれる生活習慣病、大葉を食べることで予防への第一歩を踏み出していきましょう。

 

6.疲れづらい体をつくる

ビタミンB1の疲労回復効果も魅力的です。

ビタミンB1は疲労回復や予防に効果があることで有名。

2023年に台湾の国立台湾体育大学で男女32名を対象に行われた実験で、ビタミンB1のサプリを28日間摂取してから運動を実施したところ、疲労困憊になるまでの時間が1.26倍に延びたこともわかっています。出典[21]

疲れた状態は慢性化しやすいため、活力をみなぎらせるためにも普段から気を付けるようにしましょう。

 

7.不妊改善への効果

男性の不妊への改善効果も期待できます。

セレンや亜鉛、銅には精巣の発育や精子の形成に関わる成分を含むミネラル。

セレンは精子の運動率に関与します。

1998年、イギリスのグラスゴー王立診療所で行われた実験では、セレンのサプリメントを定期的に摂取することで、被験者の半数以上に精子の健康状態向上を確認。出典[22]

亜鉛も精子の産生、運動改善効果があることで有名です。

亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンの分泌に関与するミネラルで、亜鉛欠乏によって下垂体の性腺刺激ホルモンやアンドロゲンの減少、精子の産生にネガティブな効果を与えてしまうことで知られています出典[23]

亜鉛を摂取することで精子尾部と先体の運動性の活発化が見られたことを、イスラエルのバルイラン大学も公表。出典[24]

銅も雄性配偶子の生産に必須の微量元素のひとつ。

2017年 、ヤギエロンスキー大学から銅が不足することで精巣を含めた体細胞の組成に影響が出るとし、銅が男性生殖機能に貢献していることを報告しています出典[25]

不妊を改善したい人は大葉をチェックしてみましょう。

 

8.アンチエイジング効果

大葉に含まれるセレンには老化を防止する効果も期待できます。

過酸化脂質を分解してくれるのが大きな理由。

過酸化脂質は活性酸素により酸化してしまった脂質で、体内に蓄積されていくことで血管や細胞の老化を招きます。

2012年にはオーストリアのウィーン医科大学から出された報告では、セレンの不足によってセレンを必須成分とする過酸化脂質を分解してくれる抗酸化グルタチオンペルオキシダーゼの産生が抑えられてしまい、過酸化脂質が蓄積していくことを報告。出典[26]

若々しくいるためには多くの食材から必要な栄養素を摂っていくことが重要です。

 

9.広範な眼病予防効果

大葉は目を病気から守ってくれる効果があります。

目に効果てきめんな理由はβカロテン。

βカロテンには夜盲症、加齢黄斑変性、白内障を予防してくれます。

夜盲症はいわゆる鳥目のことで、夜に目が見えづらくなる病気のこと。

ビタミンA不足により発症することがわかっています。

1998年にネパールの妊婦約30,000人を対象に実験を行ったところ、βカロテンやビタミンAのサプリメントを補給させたことで夜盲症の発症率が50%も低減したことが判明出典[27]

βカロテンが光を吸収する受容体にはたらきかけ、機能を改善することで病気を良くしていることが明らかになっています。

加齢黄斑変性とは活性酸素を原因とする病気のことで、老化に伴う眼中出血やむくみによって発生。

2011年にアメリカで行われた調査によれば、サプリメントからβカロテンを摂取することで加齢黄斑変性の進行が遅くなることが報告されています。出典[28]

βカロテンと同時に亜鉛やビタミンC、ビタミンEの摂取で効果が強くなることもわかっており、いずれも含有する大葉は効果的。

白内障は加齢黄斑変性と同じく、活性酸素を原因とする病気の一種。

目の中で老化したミトコンドリアが活性酸素を発生させ、その量が多くなりすぎることによって誘引される眼病出典[29]

老人になっても裸眼でいたいなら、大葉は有効手となりうるでしょう。

 

10.血圧をほどよく調整する

血圧の調整効果も大葉に見られる効果です。

理由はカリウムがナトリウム、つまり塩分を体外に排出する効果で血圧が上がりすぎないようにしてくれる効果によるもの。

カリウムは血中のナトリウム濃度を一定に保つはたらきがあり、ナトリウムが増えすぎたときは尿として体外に排出するように促してくれる必須ミネラルです。

イタリアの環境遺伝栄養疫学研究センターが高血圧患者にカリウムを補給したところ、ナトリウム摂取量が多い人、高血圧治療を受けていない人への高い血圧低下効果を示すことを証明。出典[30]

大葉を食べて血管の破裂を防いであげましょう。

 

11.味覚を正しくキープする

亜鉛は味覚をキープする効果を持っています。

味を感じる味蕾細胞細胞の生育を亜鉛がサポートするのがその理由。

2004年にブラジリア大学から出された報告では、生後8か月から5歳の塩分食品を拒否した子供20人を6カ月調査したところ、亜鉛キレートを投与した子供たちのうち、実に85%が塩分食品に対しての食欲改善がみられたと報告しています。出典[31]

おいしいものをおいしく感じられる時間を長く保つためにも、亜鉛の摂取は欠かさないようにしましょう。

 

12.痛風発症を抑制

ビタミンCには尿酸値を下げるはたらきがあり、痛風予防効果もあるんです。

2011年にアメリカのジョンズ・ホプキンス大学が行った実験によれば、184名の被験者に対して30日間ビタミンCを投与する群とそうでない群に分けたところ、ビタミンCを投与した群の血中尿酸値が、そうでない群と比較して有意に減少したことを報告出典[32]

少しの風が吹いても痛みが走ると言われる痛風、厄介な病気に悩まされないためにも日常の食生活から予防に取り組んでいきましょう。

 

13.美しい肌の土台をつくる

ビタミンCは美肌を作る効果も持っています。

ビタミンCがシミの原因となるチロシナーゼの活動を阻害してくれるのが大きな理由。

2011年にタイのマヒドン大学シリラート病院医学部が行った実験では、酸化ストレスを抱えている肌に対してアスコルビン酸(ビタミンC)を投与することでチロシナーゼ活性を低下させられることを明らかにしています。出典[33]

さらに美肌の素であるコラーゲンの合成もサポートすると期待されています。

2019年、カリフォルニア大学で男性10人に対してビタミンC強化ゼラチンを与えた群とそうでない群に対して運動を行わせる実験を行ったところ、ビタミンC強化ゼラチンを投与した群の方が、そうでない群と比較して運動後のコラーゲンレベルが20%高いことが判明!出典[34]

肌は若々しさの重要な要素、意識的にサポートしてあげましょう。

 

14.睡眠の質向上に貢献

睡眠の質の向上にも大葉は効果的です。

理由は眠りの質を上げてくれるマグネシウムやトリプトファンを含んでいるから。

マグネシウムはメラトニンの合成に必須なミネラルで、メラトニンは良質な睡眠に欠かせません。

高齢者46名に対しマグネシウムを与えた実験では不眠改善効果が発現し、ほかの151名を対象にした実験でも、マグネシウムの投与によって入眠が17分早くなる効果を確認出典[35]

アミノ酸の一種であるトリプトファンも眠りの質向上に寄与します。

実は大葉は豊富なアミノ酸を含有する食材。出典[36]

2022年、シンガポール国立大学理学部食品科学工学科の研究によれば、世界中の論文から18件の論文を選出してメタ分析を行ったところ、19歳以上を対象とした実験においてトリプトファンを1g以上摂取した場合に入眠後の中途覚醒の割合が0.017と有意に減少することを明らかにしています。出典[37]

なんだか最近眠れないと感じている人は大葉の摂取を視野に入れてみましょう。

大葉は味も栄養も満点、夏に向けて積極的に食べよう

大葉が健康に効果的な理由を14個紹介しました。

大葉は薬味としても重宝されており、暑さなどで食欲が湧かないときにも効果的。

スーパーでも安価に、かつ大量に手に入れることが可能です。

繁殖力も強いため、種を買えば夏の間はわざわざ大葉を買わなくてもまかなえるくらいに育つこともあります。

季節の変わり目や暑い時期の体調不良を避けるためにも、食事からの栄養摂取は不可欠。

旬である夏に向け、今から健康への準備を始めていきましょう。

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