執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
テストステロンが減るとどうなる?
テストステロンは男性ホルモンの一種で、筋肉や骨格の成長発達、性欲や気力の向上など男性の健康に欠かせない重要なホルモンです。
テストステロンが減ると性欲、筋力・体力の低下、やる気や集中力がなくなるだけでなく、EDなどの生殖機能障害を引き起こす可能性が高くなります。
男性健康の被害を受けないためにもテストステロンが減る行動について理解し、それらに当てはまる行動をしないように注意すべきでしょう。
そこで今回はテストステロンを減らす行動9選について、研究や論文を交えて学術的な見地から解説していきます。
テストステロンを減らしたくない男性は、ぜひ参考にしてください。
テストステロンを減らす行動9選
それでは早速、テストステロンを減らす行動にはどのようなものがあるのかについて研究や論文を用いて解説していきます。
ストレスのかかる生活
睡眠不足や病気などの身体的要因、不安や悩みといった心理的要因、そして人間関係などの社会的要因というように、私たちにはさまざまなストレスがかかります。
そして、こういった精神および肉体的に圧迫感のかかる生活はテストステロンを減らす原因になってしまうのです。
人間の身体はストレスがかかると、テストステロンを生成・分泌するライディッヒ細胞のはたらきを阻害してしまいます出典[1]。
21日間の継続的な慢性ストレスを受けた成体の雄ラットの反応を調査した研究では、血清テストステロン値が減少したことが分かりました出典[2]。
まったくストレスがない生活を過ごすのは難しいですが、できるところから自分の心と体をいたわることでテストステロンの減少を防げるかもしれません。
5時間以下の短時間睡眠
多忙な社会人や学生の中には、ついつい睡眠時間をないがしろにしてしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、5時間以下の短時間睡眠もテストステロンの生成を妨げる原因になります。
テストステロンは特に深い睡眠中に分泌が促進されるため、眠りが浅いと分泌が少なくなってしまうのです出典[3]。
若い男性を対象に1週間の睡眠時間を1晩5時間に制限した実験では日中のテストステロン レベルが10%~15% 減少したという報告もありました出典[4]。
ついつい夜更かしして睡眠時間が短くなってしまう人は、睡眠習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
1週間に8杯以上のアルコール摂取
人付き合いの一環で飲み会が多い人や、もともとお酒が好きな人は要注意。
アルコールはテストステロンの生成を抑制する作用があるエストロゲンのレベル上昇をさせることが分かっています出典[5]。
1週間に8杯以上のアルコール (112 g/週) を摂取すると、テストステロン欠乏症のリスクが高まるという研究結果もあります出典[6]
1週間に8杯というと1日に1~2杯という計算になるので、毎日晩酌をしている方は特に気をつけなくてはいけません。
過度なアルコール摂取を避けて休肝日を設けることで、テストステロンの低下を予防できるでしょう。
2~3ヶ月におよぶ運動不足
日々の生活で運動不足を感じている人は多いかと思います。
「最後に身体を動かしたのはいつだっけ…」と思い出せない人は、テストステロンが減少しているかも…。
適度な運動によって、テストステロンの分泌を促す黄体形成ホルモンが生成されやすくなると言われています出典[7]。
肥満男性41人を対象に運動するグループとしないグループに分け、運動するグループには12週間の有酸素運動を行った実験を紹介しましょう。
なんとその結果、運動をしたグループの方が血清テストステロンレベルが約12.5nmol/Lから約13.5nmol/Lまで有意に上昇したのです出典[8]。
適度な運動はさまざまな健康効果をもたらすため、これを機に週1回からでも身体を動かしてみるのはいかがでしょうか。
栄養バランスの偏った食事
仕事や勉強で忙しく、なかなか栄養バランスの整った食事ができないときもありますよね。
しかし、それが続いてしまうとテストステロンを減らしてしまう可能性があるので要注意。
栄養失調または高脂肪食は、テストステロンの合成・分泌を促すライディッヒ細胞機能を損なってしまいます出典[9]。
洋食(パンやペストリー、乳製品、デザート)を好んで外食が多く、自然食品や濃い緑色の野菜などをあまり食べない人は、血清総テストステロン値の低下のリスクが高いという研究結果もあるほどです出典[10]。
炭水化物・脂質・タンパク質とビタミンミネラルを補えるように日々の食事を少し見直すことで、テストステロンの減少は防げるかもしれません。
極端なカロリー制限
実は極端なカロリー制限も、テストステロンを減らしてしまう行動のひとつ。
低脂肪な食事を摂取し続けると体がエネルギー不足を感じ、ホルモンバランスが乱れることでテストステロンの生成が抑制されてしまうのです出典[11]。
低脂肪食は男性のテストステロンレベルを10~15%低下させる可能性があるという研究もあります出典[12]。
極端なカロリー制限をするダイエットを続けると、テストステロンの減少だけでなくさまざまな健康リスクが生じる恐れがあります。
健康的に痩せてなおかつ男性らしいたくましい身体を目指したい人は、適切なカロリーを摂取することが大切です。
4ヶ月にわたるハードな持久力トレーニング
たくましい身体を目指すべく、ジムでハードなトレーニングをしている方も多いはず。
しかし、その思いとは裏腹に男性らしい身体づくりに欠かせないテストステロンは減少しているのかもしれません。
長期的なトレーニングによってエネルギー不足が慢性化して、男性の性腺機能が低下する状態を引き起こす可能性があるのです出典[13]。
週5回のランニングを行っている健康的な男性を対象に、18週間にわたり4週間間隔でトレーニング量を25%ずつ増やしていく実験について紹介しましょう。
この集中的な持久力トレーニングプログラムに参加した人は、安静時テストステロンがトレーニング前から25~45%も減少しました出典[14]。
自分を追い込みすぎるトレーニングは、逆にテストステロンを減らしてしまう可能性があるということですね。
トレーニングをする際は、ハードに追い込みすぎない日も織り交ぜて緩急をつけながら継続するのがよいかもしれません。
甘いものの食べすぎ
甘いものが好きで日常的によく食べる人は、体内のテストステロンが減ってしまっている可能性があります。
過度な糖分摂取は血糖値を急上昇させて身体にストレスをかけ、テストステロンの分泌を抑制するコルチゾールというホルモンを分泌させます出典[15]。
継続的に糖質ジュースを摂取している米国の20~39歳の成人男性は、テストステロン値が低下しているという研究もあるほどです出典[16]。
過度な糖質摂取は肥満の原因にもなるので、心当たりがある人は少し甘いものを食べる量を減らしてみるのはいかがでしょうか。
カフェインの過剰摂取
眠気覚ましや休憩がてらコーヒーやエナジードリンクを飲む習慣がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カフェインは適量であればテストステロンの分泌を促しますが、過剰摂取するとコルチゾールの分泌を促進させてしまうのです出典[17]。
372人の成人男性を対象とした研究によると、血清テストステロンの減少と生殖機能障害の病因における重要なリスク要因となる可能性があると指摘しました出典[18]。
つまり血清カフェイン濃度が高いほどテストステロン値が低くなるという、いわゆる逆相関な関係が明らかとなったのです。
カフェインは眠気覚ましや集中力アップには効果的ですが、テストステロンの減少を予防したい方は摂取を控えるのがよいかもしれませんね。
テストステロンを増やすには、健康的な生活を意識すべき
総じて、テストステロンが減る行動は不規則かつ不健康な生活が原因となっていることが多いことが判明しました。
そのため、テストステロンを増やすためには3食しっかり栄養バランスの取れた食事をして、適度な運動と十分な睡眠が必要であると結論づけられます。
今回紹介したテストステロンが減る行動を見て、自分はその行動に当てはまらないかどうかをチェックしてみましょう。
そして日常生活で改善できるところを見つけて、少しずつでもテストステロン減少の予防対策として役立ててみてください。
出典
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