

監修者
NP+編集長/NESTA-PFT
大森 新
筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
目次
ビタミンは筋トレの効果を高めるって本当?

ビタミンは筋トレの効果を高める上で、重要な役割を果たします。
筋トレというとたんぱく質ばかりに目が行きがちですが、実はビタミンは筋肉の合成、修復、エネルギーの産生などに欠かせない栄養素です。
うまく日常生活に取り入れることで、筋トレの効果を最大限に引き出せるようになるでしょう。
しかし、具体的にどのビタミンが筋トレに重要なのか分からずお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、筋トレの効果を高めるビタミンとおすすめの摂取方法について解説します。
ビタミンを取り入れて身体づくりに活かしたい方は、ぜひご覧ください。
筋トレに重要なビタミン6選
ここからは筋トレの効果を高めてくれる6種類のビタミンについて、論文や研究を用いて学術的な見地から紹介します。
テストステロンを増やすには「ビタミンA」

ビタミンAは筋肉の成長や修復、筋肉の構造成分であるタンパク質の合成などさまざまな身体機能のサポートに欠かせない栄養素です。
さらにビタミンAは、筋肉の発達とスタミナに不可欠なホルモンであるテストステロンの生成を刺激してくれます。
テストステロンは筋肉組織の修復と成長を担う男性ホルモンで、ビタミンAはこのテストステロンを産生・分泌する役割を担うライディッヒ細胞の維持と調節に関わる機能があるのです出典[1]。
またビタミンAを含まない食事を90日間与えたマウスは、対照群と比較して血清テストステロンレベルが大幅に低下していることを示唆した実験もあります出典[2]。
ビタミンAは、男性らしい身体づくりに欠かせないテストステロン生成のサポートに一役買ってくれるでしょう。
集中力アップには「ビタミンB2」

ビタミンB2は筋トレに必要な集中力の向上をサポートしてくれる栄養素です。
というのも、ビタミンB2の摂取量が多いと集中力と注意力に関わる機能が向上することが判明したのです。
とある研究によると、1日1.8mgを超えるビタミンB2を摂取した参加者は、視覚知覚認知能力が有意に向上したことが確認されました出典[3]。
逆にビタミンB2が不足してしまうと、記憶力や集中力の低下につながる可能性があります。
集中力は安全に効率的にトレーニングを行うために大切な要素のひとつで、フォームの乱れを防ぎケガのリスクを減らして筋肉に適切な負荷をかけられます。
また目標とする筋肉に意識を集中できるため、より効果的に鍛えたい人にもおすすめです。
筋肉の合成には「ビタミンB6」

筋肉の合成が目的の場合、ビタミンB6はぴったりな栄養素です。
筋トレによって損傷した筋肉を修復するために、新しいたんぱく質が必要となります。
そのためにはたんぱく質を代謝して体内に取り込まれたたんぱく質を分解してから新たなたんぱく質に合成しなくてはいけません。
ビタミンB6は、たんぱく質の元となるアミノ酸の代謝に重要な栄養素と言われています出典[4]。
ビタミンB6の代謝効果によって新しいたんぱく質が合成されて、筋肉をより大きく、強く成長させる可能性があります。
筋肉をより大きくしていくためのサポート栄養素として、ビタミンB6を取り入れてみてはいかがでしょうか。
持久力向上には「ビタミンB12」

ビタミンB12 は赤血球の生成に不可欠な栄養素です。
赤血球はヘモグロビンというたんぱく質を含んでおり、このヘモグロビンが肺から取り込んだ酸素を筋肉に運ぶ重要な役割を果たします。
ビタミンB12が不足するとDNA合成が阻害され、その結果正常な赤血球産生が減少して酸素供給が阻害されてしまうのです出典[5]。
逆に8週間ビタミンB12を補給すると、自転車の持久力耐性に明確なプラス効果が生じたという研究もあります出典[6]。
筋肉は運動エネルギーを産生するために酸素と栄養素を必要とします。
酸素が十分に供給されると筋肉は効率的にエネルギーを作り出せるので、より長く激しい運動を続けたい人にぴったりです。
疲労回復には「ビタミンC」

ビタミンCのような抗酸化物質を含む栄養素は、骨格筋の損傷と疲労を最小限に抑えて回復を促進させる可能性があります。
20歳から49歳の141人の健康なボランティアのグループが10gのビタミンCを静脈内投与した実験では、 2時間で疲労を軽減し、その効果は1日間持続したことが観測されました出典[7]。
しっかり疲労回復しておけば、翌日以降のトレーニングも疲れを残さず全力で取り組めるようになります。
最近疲れが取れずになかなか高重量を持てないと感じる方は、ビタミンCを意識的に摂取してみるのもひとつの手段です。
パフォーマンス向上には「ビタミンD」

ビタミンDはトレーニングのパフォーマンス向上に貢献してくれる栄養素のひとつ。
日光のUVB光線から生成されるため「太陽のビタミン」とも呼ばれ、 筋肉の収縮力などの機能の調整に役立ちます。
逆にビタミンDの欠乏は大きな伸筋と屈筋の筋力の低下と関連していると結論づけている研究もあります出典[8]。
収縮力が高まることでより重い負荷を扱えるようになり、筋肉が効率的に刺激されて成長をサポートしてくれます。
また収縮力によって筋肉の質も向上し、力強い動きができるようになります。
伸縮力の向上はケガのリスクを軽減する可能性もあるので、トレーニングパフォーマンスアップと合わせてメリットの多いビタミンと言えるでしょう。
筋トレ効果を高めるビタミンの摂り方
続いて、筋トレ効果を高めるためのビタミンの摂取方法を3つ解説します。
以下の内容を踏まえて、日常生活にビタミンを取り入れてみてくださいね。
水溶性ビタミンはこまめに摂取する

ビタミンC、ビタミンB群といった水溶性ビタミンは水に溶けやすく、体内に蓄積されにくいという性質があります。
過剰に摂取しても尿に溶けて排泄されるため、こまめに摂取することがポイントです。
ビタミンCが豊富な野菜や果物を中心に生の状態で摂取することで、効率的に摂取できるでしょう。
カットフルーツやサラダであれば、カロリーを気にせずビタミンCを摂取できるのでおすすめです。
水溶性ビタミンは加熱しないで摂取する

水溶性ビタミンは加熱しすぎると栄養が損なわれる可能性があります。
そのため野菜やフルーツなどそのまま食べられる食品は、できるだけ生の状態で摂取するのがおすすめです。
どうしても炒める、揚げるなどの加熱が必要な場合は、調理の温度を高くして加熱時間を短くしましょう。
茹でる場合は、茹で汁に栄養価が流れ出るため汁ごと摂取してください。
野菜を煮込んだスープであれば、うまみ成分ごとそのままビタミンを摂ることができるのでおすすめですよ。
脂溶性ビタミンは油と一緒に摂取する

ビタミンA、Dなどの脂溶性ビタミンは、油に溶けやすく体内に蓄積されやすいです。
そのため、油と一緒にとることで脂溶性ビタミンの吸収率は上がりやすくなります。
油を使った炒め物や揚げ物など、脂質を含む料理と一緒に摂るのがおすすめです。
炒める場合は片栗粉などでとろみをつけておけば、野菜から出た水分も一緒に食べられるため余すことなく脂溶性ビタミンを摂取できますよ。
ただし脂溶性ビタミンは水溶性ビタミンと違って排出されにくいため、摂り過ぎは注意が必要です。
サプリにおける天然由来ビタミンと合成型ビタミンの違い
ビタミンを摂取する際にサプリメントを使う方も多いのではないでしょうか?
以下ではサプリにおける2種類のビタミンについて解説するので、両者のメリット・デメリットをしっかり理解した上で選んでみてください。
合成型ビタミン

合成型ビタミンとは、化学的な方法で精製されるビタミンを意味します。
合成型ビタミンには石油を原料とした薬品を使用した合成ビタミンCなどが挙げられます。
合成型ビタミンのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | おすすめな人 |
---|---|---|
価格が安い | 天然の成分が含まれていない | 価格を抑えたい |
天然由来ビタミン

天然由来ビタミンとは文字通り野菜や果物などの自然の食材を丸ごと使ったり、自然原料からビタミン成分を抽出することで作られます。
天然由来ビタミンのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | おすすめな人 |
---|---|---|
| 価格が高い |
|
どちらのビタミンもメリット・デメリットがありますが、品質を追求するなら天然由来のビタミンを摂るのがおすすめです。
筋トレ・食事とあわせてビタミンも摂取しよう
ビタミンの種類によって筋トレなど身体づくりに関する効果が変わってくるので、今の自分に必要なビタミンを選んで摂取することが大切です。
また、単発ではなく継続的に摂取することでその効果を実感しやすくなります。
バランスの取れた食事を心がけることで多くのビタミンを摂取できますが、不足が気になる場合はサプリメントの使用もおすすめです。
効率的な身体づくりがしたい、筋トレ効果を実感したい場合は積極的にビタミンを摂りましょう!
出典
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