

監修者
NP+編集長/NESTA-PFT
大森 新
筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者
NSCA-CPT、調理師免許
大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)
激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。
プレワークアウトサプリとは?

「プレワークアウトサプリ」とは、トレーニングや運動前に摂取するサプリメントの総称。
具体的な成分としては、このあとご紹介するカフェインや、βアラニンやシトルリンなどのアミノ酸で構成されています。
摂取すれば、集中力や持久力の向上、血流の促進や疲労の軽減などの効果が期待でき、トレーニングの効率がグーンとアップ。
しかし、商品によって配合されている成分や、そのバランスはさまざまです。
また、効果の感じ方も個人によって異なるため、自己流でサプリメントを組み合わせて摂取している方も多くいらっしゃいます。
プレワークアウト摂取のタイミングとしては、トレーニングの30~60分前が理想的。
開始時間から逆算して摂取しておけば、より大きなパフォーマンスアップを狙えるでしょう。
ただし、いくらトレーニングの質を向上させるためとは言え、過剰摂取はNG。
このあと詳しく解説しますが、サプリメントの中には摂取し過ぎると中毒症状を引き起こすものもあります。
そのため、プレワークアウトの摂取に当たっては、商品の目安量を守って利用することが重要です。
プレワークアウトととして筋トレ前に摂るのがおすすめのサプリ成分7選
ここからは、プレワークアウトにおすすめのサプリメントを7つご紹介。
それぞれ単体でも十分ですが、組み合わせることでよりパフォーマンス向上に効果を発揮します。
1.カフェイン
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読者の中には、「毎朝、仕事前にはコーヒーが欠かせない」という方も多いのではないでしょうか。
じつは、コーヒーに含まれるカフェインには、強い覚醒作用があります。
そのため、プレワークアウトとして摂取すれば集中力が向上するだけでなく、より大きな筋力の発揮にも効果的なんです。
実際に2021年にスペインのカミロ・ホセ・セラ大学から発表された論文では、被験者たちにトレーニング前に体重1kgあたり3gのカフェインを摂取させたところ、ベンチプレスの最大挙上重量が8%ほど増加したというデータが紹介されています出典[1]。
さまざまなプレワークアウト商品に配合されていて、その効果の高さはお墨付きとも言えるカフェイン。
しかし、先述の通り覚醒効果があるため、夜にトレーニングする際に摂取すると眠りの質が落ちてしまうので注意が必要。
また、飲み慣れていない方が急にたくさんのカフェインを摂取すると、めまいや頭痛、吐き気などを引き起こすことも。
特にカフェインの感受性は個人差が大きく、人によっては少量飲んだだけで強い覚醒効果が現れることもあります。
従って、気になる方は試しに少量から飲んでみて、体調の変化を確認してみるのがおすすめです。
2.バイオドーパ

バイオドーパは、インド原産のムクナ豆という植物を原料とした素材。
ドーパミンの前駆体である「L-DOPA」という物質が含まれており、注目を集めている成分です。
ドーパミンは快感や意欲に関わるほか、集中力や運動機能にも働くホルモン。
つまり、プレワークアウトとしてバイオドーパを摂取すれば、トレーニング中の集中力・やる気の向上が期待できるという訳です。
ちなみに、2004年にドイツ・ミュンスター大学から発表された論文では、被験者たちに100mgのL-DOPAを摂取させて90分後に新しい語彙学習をさせたところ、学習効率や記憶力が大きく向上したと述べられています出典[2]。
なお、バイオドーパはカフェインを含んでいないので、夜トレーニングする場合でも安心して摂取することが可能。
むしろ、摂取すればドーパミンが睡眠周期を調節してくれて、良質な眠りに誘ってくれます。
また、じつはバイオドーパは強い抗酸化力を持つポリフェノールの一種。
酸化ストレスから精子を守り、精子の質も改善してくれるため、妊活にお悩みの方にもおすすめのサプリメントなんです。
3.βアラニン

β-アラニンはアミノ酸の一種で、疲労物質である水素イオンを緩衝する作用を持っています。
摂取すれば筋持久力を高める効果が期待できることから、プレワークアウトとしても人気の高い成分。
実際に2008年に米国・ニュージャージー大学から発表された論文でも、大学フットボール選手らにβアラニンを1日4.5g摂取させたところ、摂取したグループの主観的な疲労感が大きく低下したと紹介されています出典[3]。
また一方では、トレーニング経験者を対象に1日6.4gのβアラニンを8回、各800mgずつ摂取させたところ、脚のトレーニングにおける最大筋力が向上したというデータも出典[4]。
以上のように効果が高く、さまざまな商品に配合されているβアラニンですが、摂取するに当たって注意しておきたい点があります。
それが、「βアラニンフラッシュ」と呼ばれる症状。
じつは、βアラニンは摂取すると5~10分ほどで手のひらや肌にピリピリとした刺激を引き起こすことがあるんです。
ただし、このβアラニンフラッシュには健康上の問題はありません。
また、症状の出方には個人差があり、例え刺激が生じても時間経過と共にピリピリ感は収まります。
ちなみに、βアラニンは1度に大量に摂取するのではなく、分割して摂取すれば症状を抑えることが可能。
そのため、ピリピリ感が苦手な方は含有量を確認し、摂取量を調節するのがおすすめです。
4.ビタミンB群

ビタミンB群は、タンパク質・脂質・炭水化物といった三大栄養素をエネルギーに変換する働きを持つ栄養素。
プレワークアウトとして摂取すればエネルギー代謝を促し、トレーニング中の疲労回復や集中力アップに働く可能性があります。
実際に2013年に韓国仁川市京仁女子大学から発表された論文では、学生たちに4週間、体重1kgあたり10mgのチアミン(ビタミンB1)を摂取させたところ、血液中の疲労物質の濃度や自覚的運動強度が低下したと述べられています出典[5]。
ちなみに、ビタミンB群は水溶性の栄養素。
一度にたくさん摂取しても尿として排泄されてしまうため、日頃からこまめに摂取したいビタミンです。
ただし、ナイアシンとビタミンB6に関しては、摂り過ぎに注意が必要。
ナイアシンは過剰摂取すると、顔面の紅潮などのフラッシングと呼ばれる症状を引き起こすことも。
一方、ビタミンB6は過剰摂取すると、感覚神経や末梢神経の障害、筋肉の脆弱や精巣の萎縮を招くこともあります。
従って、マルチビタミンなどのサプリメントを併用している場合は、配合量を確認しながら摂取しましょう。
5.シトルリン
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シトルリンは、スイカなどのウリ科の植物に多く含まれているアミノ酸の一種。
摂取すれば体内でNO(一酸化窒素)の生成をサポートし、血流を促してくれる効果があります。
また、勃起機能の改善にも働くと言われ、男性向けのサプリメントとしても幅広く販売されている成分です。
プレワークアウトとして摂取すればトレーニングのパフォーマンスを向上させてくれる上、疲労回復促進の効果も期待できます。
2015年に米国・ミシシッピ州立大学から発表された論文では、トレーニング経験のある被験者たちに8gのシトルリンを摂取させて脚のトレーニングを行ったところ、プラセボを摂取したグループに比べてはるかに反復回数が多くなったと述べられています出典[6]。
ちなみに、シトルリンは同じくアミノ酸の一種であるアルギニンと一緒に摂取すると、より大きな効果を発揮すると言われています。
そのため、2つの成分が一緒に配合された商品も多く販売されているので、気になる方はチェックしてみましょう。
6.オキシストーム
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オキシストームは「レッドスピナッチエキス」とも呼ばれ、東南アジアなどで食用されている赤ほうれん草のエキス。
NOの前駆体である「NO3」が含まれていて、摂取すれば血流を促し、運動パフォーマンスを向上させる効果があります。
特に、NO3からNOに変換される経路は低酸素環境において活発化。
そのため、オキシストームは無酸素運動である筋トレとの相性バツグンのサプリなんです。
以下に、その根拠となるエビデンスをいくつかご紹介しましょう。
2016年に米国・オーバーン大学から発表された論文によると、被験者たちにオキシストーム1000mgを摂取させたところ、摂取後30分で体内のNO3濃度は54%、65~75分で255%も高まったというデータが紹介されています出典[7]。
また、別の論文では、オキシストームによるNO3上昇は少なくとも8時間継続することが判明出典[8]。
さらに、2020年にマレーシア・マラ工科大学から発表された論文では、被験者たちにオキシストームを1日4g、15日間摂取させて高強度運動を行わせたところ、プラセボを摂取させたグループに比べて疲労困憊になるまでの時間が19%も増加したと述べられています出典[9]。
このように、プレワークアウトとしてオキシストームを摂取すれば、筋トレのパフォーマンスを大きく改善できる可能性があるんです。
7.S7

S7は、日本でも大人気の7人組K-POPアイドル…ではなく、7つの植物由来原料がブレンドされた素材。
具体的には、緑茶エキス・グリーンコーヒーエキス・タートチェリー・ブルーベリー・ウコン・ケール・ブロッコリーで構成されています。
2018年に最新のNOブースターとして開発され、注目を集めているサプリメントです。
実験では、摂取後3時間で血中のNO濃度が1.7~2.3倍も増加出典[10]。
プレワークアウトとして利用すれば、大きなパフォーマンス向上を期待できると言えるでしょう。
また、S7の摂取に当たって嬉しいのが、その目安量の少なさ。
ちなみに、食品安全委員会によると、先ほど紹介したNO系のサプリ・シトルリンの1日の推奨摂取量は800mg。
一方、S7のは推奨摂取量は、わずか50mg。
基本的に粉末タイプのサプリメントは苦いものが多く、特にノンフレーバーなら進んで飲みたくなるような味ではありません。
しかし、非常に低用量で高い効果を発揮してくれるS7なら、そんな心配も無用です。
また、原料にはすべて非遺伝子組換えの植物が使用されているため、安全性への配慮もバッチリ。
さらに、その機能性の高さから、サプリメント素材が表彰される「NIE AWARDS」の2019年のスポーツ部門にて1位を受賞しています。
以上の通り、S7は客観的な評価も高く、継続して摂取していくに当たっては信頼のおけるサプリメントだと言えるでしょう。
最適なプレワークアウト成分を相談できる窓口がある
ここまで、プレワークアウトにおすすめのサプリメントをご紹介してきました。
いろいろなデータを交えて解説しましたが、プレワークアウトサプリは合う合わないが大きいもの。
そのため、個人の判断だけで良し悪しを判断するのはなかなか難しかったりします。
そこでおすすめしたいのが、ナイトプロテインの公式LINE。
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出典
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Adam Linoby, Mohd Nurthaqif, Muhamad Noor Mohamed, Maisarah Mohd Saleh, Yusandra Md Yusoff, Noor Azila Azreen Md Radzi, Siti Aishah Abd Rahman & Saidatul Nur Syuhadah Mohamed Sabadri. Nitrate-Rich Red Spinach Extract Supplementation Increases Exhaled Nitric Oxide Levels and Enhances High-Intensity Exercise Tolerance in Humans
Conference paper. First Online: 24 April 2020. pp 412–420. - 10.
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