ムクナ豆が危険って本当?正しい食べ方と注意点を解説
2025年3月1日更新

監修者

上級睡眠健康指導士 /NR・サプリメントアドバイザー

関川裕大

睡眠と運動と栄養の3つ面から皆様の健康的なライフスタイルをサポートします。睡眠と運動は特に男性のQoLにおいて非常に重要な役割を果たします。睡眠が不足すると筋肉が付きにくく太りやすくなりますし、運動が十分でない男性は睡眠の質も低下し易いと言われております。そして栄養が不足すると運動効率も睡眠の質も悪化してしまいます。医療に頼らない心と体の健康促進を目指します。

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

ムクナ豆にはどんな効果がある?

ムクナ豆とは、「八升豆(はっしょうまめ)」とも呼ばれる、東南アジアや中国大陸の熱帯が原産のマメ科の植物。大豆やひよこ豆などの豆類と同様に高たんぱくで栄養価が高いことに加え「L-DOPA」が豊富であるという特徴で有名です。

L-DOPAはドーパミンの前段階の物質であり、抗酸化能力を持つことに加え、ドーパミンを増やす効果も確認されています出典[1]。ドーパミンはやる気や意欲に関わるホルモンのため、ムクナ豆の摂取により意欲や活力を高めやすくなるでしょう。

ムクナ豆由来のL-DOPAは、ドーパミンの減少を症状のひとつとする疾患、パーキンソン病の治療薬として用いられることも出典[2]。医療の現場に使用されるほど、L-DOPAは強い効果を持つ成分と言えそうですね。

さらにドーパミンはテストステロンの分泌を促すようにも働くため、L-DOPAの摂取によりテストステロンを増やす効果も期待できるでしょう。

テストステロンは性欲や勃起、精子などの生殖機能の維持に加え、筋肉の合成効率を高めたり、やる気や活力を高めたりといった、肉体面や精神面のサポートにも関わるホルモン。

男性においてはとくに意識して増やしたいホルモンですが、残念ながら体内量のピークは20代。とくに35~40歳を過ぎたあたりからは急激に低下することでも知られています出典[3]

抗酸化能力で酸化ストレスを抑えたい方や、ドーパミンを増やしたい方、テストステロンの減少を食い止めたい方などに、ムクナ豆の摂取が役立つ可能性がありそうですね。

 

ムクナ豆が危険とされる理由とは?

L-DOPAを摂取できる優秀な食品、ムクナ豆。しかしムクナ豆が危険との声を聞いたことがある方もいるかもしれません。

まずはムクナ豆のリスクと、危険な食べ方について説明します。

 

過剰摂取による副作用

ムクナ豆が危険とされる理由のひとつに、摂りすぎで副作用を生じるケースがあることが挙げられます。

L-DOPAは本来、健常人が摂りすぎると、体に害をもたらす有毒化合物出典[2]大量摂取では、心拍数の増加、嘔吐、下痢、食欲不振などが生じることもあるのです出典[4]出典[5]

ムクナ豆から摂取できるL-DOPAの量は、パーキンソン病の治療において使用し始めた段階の医薬品量と同程度かそれ以上です。パーキンソン病の治療薬としてのレボドパでも、胃腸症状や精神症状、不随意運動などが副作用として確認されており、ムクナ豆でも同様の副作用を生じる可能性があると考えられるでしょう出典[6]出典[7]

L-DOPAの許容量は多くの文献で、1日あたり1.5gまでと記されています出典[2]出典[4]出典[5]。医薬品としてのレボドバも、1錠100mgで15錠(1.5g)を超えないような指示が一般的であるため、食品からの摂取もこの量までに留めた方がよいと考えられるでしょう。

また、ムクナ豆にはほかにも幻覚作用のあるトリプタミンや、栄養素の吸収を阻害するタンニンおよびフィチン酸などの含有が確認されています出典[2]。タンニンやフィチン酸はほかの一般的な食物にも含まれる物質ではありますが、摂りすぎには気を付けた方がよいと言えそうですね。

 

不適切な調理による危険性

ムクナ豆は生食できない食品であり、加熱が不十分である物や生の状態のものを食べた場合の、吐き気をはじめ、重度の嘔吐や下痢のほか、神経障害、けいれんなどの症状が出る可能性があります。

生のムクナ豆で問題となるのが、トリプシンインヒビターと呼ばれる酵素。膵臓から分泌される、たんぱく質を分解するための消化酵素、トリプシンやキモトリプシンの活性を阻害する性質を持ちます出典[8]

トリプシンインヒビターにより消化酵素が分解されると、たんぱく質を十分に消化できなくなり、消化不良をきたしやすくなるでしょう。

さらにムクナ豆にはシアン配糖体も含まれています。酵素により分解されてシアン化物を生成するため、シアン配糖体の大量摂取では死亡するケースもあります。

ムクナ豆のシアン配糖体の含有量は、致死量よりもはるかに低いものです出典[2]しかし生で摂取すると酵素による分解を許してしまうため、やはり不十分な加熱や生食は危険と言えるでしょう。

実際にムクナ豆5粒を生で摂取した女性のケースでは、摂取から40分後に吐き気、嘔吐、大量の下痢に加え、混乱や幻覚、記憶喪失などが生じています出典[9]

ほかにも地元の農場を見学した女性が、ムクナ豆とは知らずにマメ科の植物を摂取したところ、急性の腹痛、吐き気、嘔吐、けいれん、めまい、混乱の症状が出たとも報告されています出典[10]

ムクナ豆の生食は厳禁と覚えておきましょう。

 

薬との相互作用

ムクナ豆の成分が、飲んでいる薬の副作用を強めたり、効果を弱めたりする可能性があるため、薬を飲んでいる方はとくに注意すべきです。

たとえば降圧剤を飲んでいる方。降圧剤のうち、レセルピンと呼ばれるものは長期間および高用量で使用するとドーパミンの枯渇を引き起こし、パーキンソン病の症状として見られるジスキネジア(不随意運動)を生じる可能性があります出典[11]

L-DOPAのドーパミンを増やす効果が打ち消されるように働くため、併用は避けるべきとされています出典[12]

また、メチルドパ水和物という降圧剤は、L-DOPAがドーパミンを増やすために必要な脱炭酸を邪魔するように働くため、同様に効果を打ち消してしまう可能性が指摘されています出典[12]

高血圧の方はこれらの薬を服用していないか一度確認のうえ、不安な場合には医師に相談する機会を設けてみましょう。

パーキンソン病の治療薬としてすでにレボドパを服用している方も、ムクナ豆を摂らないようにすべきです。レボドパの服用量を増やしている場合、ムクナ豆からのL-DOPA摂取で、1日の許容量である1.5gを超えてしまうことも。

また、レボドパでは狭隅角緑内障の方への使用が禁忌とされています出典[7]。ムクナ豆由来のL-DOPAの摂取でも、眼圧の上昇から緑内障の症状を悪化させる可能性が否定できないため、ムクナ豆を摂取する際には事前に医師に相談すると安心です。

 

ムクナ豆を安全に食べるためのポイント

ムクナ豆は大量摂取や生食など、不適切な摂取により体へ害をもたらす可能性があるため注意が必要です。

ではムクナ豆を安全に食べるためには、どのような点に気を付けるべきなのでしょう。

 

必ず加熱する

ムクナ豆の毒性を減らすためには、何よりも加熱が一番です。トリプシンインヒビターや、シアン配糖体をシアン化物に分解する酵素を失活させるため、十分に火を通すようにしましょう。

ムクナ豆に含まれるトリプシンインヒビターは、50℃まで活性を維持することがわかっています出典[8]。ムクナ豆の中まで火が通るよう、十分に加熱させることが重要ですね。

また、シアン化物は煮沸工程でほとんど除去できることがわかっています。加熱により細胞破壊が起こると同時に分解酵素も失活できるため、水にシアン配糖体を溶出させられる水煮が最も適しているといえるでしょう出典[13]

なお、シアン配糖体を低減させるためには「揚げ調理」は適していないこともわかっています。油での高温調理によりシアン配糖体の酵素は失活するものの、油のコーティングによりシアン化物の溶出が抑えられてしまうことが理由と考えられています出典[14]

安全にムクナ豆を食べるための方法として、水への溶出を促す煮沸操作か、油でのコーティングが少なく済む炒め操作が望ましいとされています出典[14]。水煮や炒め調理でムクナ豆を十分に加熱しましょう。

 

1日あたりのL-DOPA摂取量が1.5gを超えないよう調整

ムクナ豆を食べる際には、やはりL-DOPAの過剰摂取に注意すべきです。

ムクナ豆の乾燥品に対するL-DOPAの含有量はまちまちで、4~7%とも出典[2]、3~9%とも出典[1]、5%とも言われています出典[2]出典[15]

L-DOPAの許容量は1日1.5gのため、乾燥ムクナ豆におけるL-DOPAの含有割合が3%であれば50g、9%であれば約16gまでが、1日に摂れる量の上限となるでしょう。

しかしムクナ豆を食品として使用する際には、L-DOPAを除去する方法が一般に取られます出典[4]L-DOPAの除去方法とその減少量の目安、調理例について確認しましょう

 

ー煮る場合

手軽かつ安全にムクナ豆を食べたい方には、煮る調理方法がおすすめです。

ムクナ豆は大豆や小豆よりも外皮に厚みがあり、吸水しづらいため、冷たい水ではなく熱湯に浸しましょう。90℃の熱湯、4時間の浸漬が目安です出典[4]

浸漬中に水を交換するとより多くのL-DOPAが溶出するため、L-DOPAの摂りすぎが気になる方や、より多くのムクナ豆を食べたい方は複数回の交換をおすすめします出典[16]

十分に給水させたら、沸騰水をムクナ豆の20倍ほど用意して、調味液とともに40分ほど煮ます。煮る操作により、生のムクナ豆の3分の1ほどにまでL-DOPAを減らせるようです出典[4]

煮る操作によりL-DOPAは大きく減少しますが、ムクナ豆からは抗酸化物質として知られるアントシアニンも効率よく摂取できます。煮沸操作後のアントシアニンの含有量は黒豆以上とのデータもあるため出典[6]、L-DOPAの減少を差し引いても、ムクナ豆は健康的な食材として活用できそうですね。

なお、煮汁には多量のL-DOPAが溶け出しています。煮たムクナ豆とともに飲んでしまわないよう気を付けましょう。

 

ーペーストの場合

ペーストにする場合、煮るときと同様に吸水させて、よりやわらかくするために90分以上加熱しましょう。煮崩れするまでじっくり煮ることで、潰す操作を楽におこなえます。

潰したペースト状のムクナ豆は「あん」のようにも使用できます。枝豆のずんだや小豆のあんこのようにすると、和菓子感覚で食べられるでしょう。

ペースト状にしたムクナ豆からは、生の10分の1程度にまでL-DOPAが減少しています出典[4]手間はかかりますが、より多くのムクナ豆を食べたい場合にはペーストへの加工が適していると言えそうですね。

ただし練りあんにする際には大量の砂糖が必要になります。砂糖による血糖値の急上昇では活性酸素が大量に発生するため、精巣にダメージを与えてテストステロンの分泌能力を落としてしまう可能性も。

テストステロンを増やす目的でムクナ豆を食べたい場合には、練りあんの食べ過ぎに気を付けましょう。

 

ー粉末にする場合

大豆を煎ってすり潰した「きな粉」のように、ムクナ豆も煎り操作とすり潰し操作により、粉状に加工することができます。

オーブンにクッキングシートを敷き、ムクナ豆を並べて加熱します。170℃30 分間、190℃20~30分間などの設定で焙煎すると色や風味がよくなるようです出典[4]

ムクナ豆が十分に冷めてから、皮を剥いてコーヒーミルで粉末にしましょう。

L-DOPAの損失は加熱温度と時間により異なります。たとえば170℃30分間を加熱した例では45.1%のL-DOPAが残存していました。しかし190℃では10分後にはすでに約67%まで減り、30分間の加熱では8.6%にまで減少しています出典[17]

高温かつ長時間の加熱で、L-DOPAは失われやすくなるようです。L-DOPAの摂りすぎが気になる場合には、焦げない範囲で高温かつ長時間の加熱を意識するとよいでしょう。

粉にしたムクナ豆は、パンやクッキー、パウンドケーキなどの焼き菓子へ応用できます。パンやクッキーに混ぜる場合には小麦粉を10%減らして置き換えるとよいでしょう。

パウンドケーキでは小麦粉20%分の置き換えも可能です出典[4]。より多くのムクナ豆を味わいたい場合の選択肢としておすすめです。

 

ほかの豆類との食べ合わせにも注意

L-DOPAが豊富であることで有名なムクナ豆ですが、実はL-DOPAはムクナ豆にのみ含まれるものではありません。

L-DOPAの含有が確認されている豆類として、ソラマメ、インゲンマメ、大豆などがあります出典[17]

いずれもムクナ豆よりは含有量が少なく、また煮たり茹でたりした過程で量も減少していますが、ムクナ豆以外の豆類からもL-DOPAを摂っている可能性があることは覚えておきましょう。

たとえばムクナ豆と蒸し大豆、枝豆をあわせて、ビーンズサラダとして食べるようなやり方は控えるべきです。醤油や味噌の使用まで警戒する必要はありませんが、蒸し大豆や煎り大豆、蒸したソラマメなどの食べ過ぎには注意した方がよいかもしれません。

また、ソラマメの発芽後15日程度のスプラウトには、さらに高濃度のL-DOPAが含まれていることもわかっています出典[18]L-DOPAを豊富に含む食品として販売されている場合もあるため、ムクナ豆とあわせて食べないよう気を付けましょう。

 

持病により服用中の薬がある場合は主治医と相談

ムクナ豆は食品であり、適切な調理で適量を食べる場合には害が生じるものではありません。

しかしパーキンソン病の治療薬や降圧薬など、持病により飲み続けている薬がある場合には、ムクナ豆を摂る前に主治医と相談することをおすすめします。

パーキンソン病の治療薬であるレボドパの使用が禁忌である、あるいは警戒すべきとしている方の例として次のようなものがあります出典[7]。ムクナ豆からのL-DOPAの摂取も、慎重に検討した方がよいかもしれません。

  • 狭隅角緑内障の方
  • 心房結節性不整脈または心室性不整脈の方
  • 神経障害のある方
  • 重度の精神病性障害と診断されている方

また、ムクナ豆に含まれるL-DOPAの含有量は一定しておらず、確実な摂取を保証するものではありません。パーキンソン病の治療薬であるレボドパの代替品にはならないため、自己判断で治療薬を中断しムクナ豆やそのサプリメントに置き換えるような行為は絶対にしてはいけません。

服薬の中断とムクナ豆のサプリメントの過剰摂取により、ドーパミン調節不全症候群をきたし、不随意運動や幻覚、被害妄想などを生じた例も確認されています出典[19]

ムクナ豆、およびサプリメントの摂取は、事前に主治医と相談してから開始できるとより安心ですね。

 

バイオドーパはムクナ豆由来のL-DOPAを安全に摂れるサプリメント!

ムクナ豆由来のL-DOPAをより安全に、より効率よく摂りたい場合には、バイオドーパの活用がおすすめです。

バイオドーパはムクナ豆由来のL-DOPAを30%含むよう規格化されたサプリメントです。ムクナ豆の生食によるリスクを生じないため、より安全に摂取できるでしょう。

また、ムクナ豆はL-DOPAの含有量が安定しておらず、調理法によるL-DOPAの減少量にも幅があるため、どれだけのL-DOPAを摂れているかが分かりにくいデメリットがあります。

しかしバイオドーパであればL-DOPAの含有量が明確化されているため、L-DOPAを摂りすぎる心配もなく、適量の範囲で効率的な摂取が可能です。

L-DOPAを摂る手段として、ぜひバイオドーパを試してみましょう。

 

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