

執筆者
管理栄養士
井後結香
管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。
目次
テストステロンってどんなもの?
.jpg_07efd6fd.jpg)
テストステロンとは男性ホルモンの一種です。体内量のピークは20代であり、減少は30歳を過ぎた段階で年に1%ずつ始まると言われています出典[1]。35~40歳を過ぎると減少ペースは年に1~3%とさらに増えることから、テストステロンは年を取るほどに減りやすいホルモンであることがわかるでしょう出典[2]。
そんなテストステロンは性欲や勃起力、精子の製造能力といった性機能面のほか、身体面や精神面など、さまざまな作用を持つことがわかっています。テストステロンの体内量が増えることで、主に次のようなメリットが得られるでしょう。
- 性行為:性欲や勃起力を高めてパフォーマンスUP
- 妊活:精子の量を増やしたり、運動性を改善したりする
- 筋肥大:筋肉の合成効率を高めて引き締まった体型を維持
- メンタル:やる気や競争心を高めて前向きに
テストステロンの減少による、性機能面、身体面、精神面などに生じるさまざまな不調は、更年期障害の症状として問題視されることも出典[3]。
テストステロンは加齢のほか、暴飲暴食や夜更かしのような生活習慣の乱れによっても減少します。減少を食い止めるための治療法として、テストステロン補充療法がありますが、前立腺疾患や多血症などの副作用が確認されており出典[1]、また通院も必要となるため、治療をためらう方も多いようです。
テストステロンの分泌能力を取り戻す方法として、より安全かつ手軽なものにサプリメントがあります。テストステロンサプリを適切に活用すれば、減少したテストステロンを再び増やし、若いころのようなコンディションを取り戻しやすくなるでしょう。
市販のテストステロンサプリに含まれていることが多い成分6選
テストステロンの作用が広く知られるにつれ、テストステロンサプリはさらに普及し、ドラッグストアのような一般的な店舗からも手軽に購入できるようになりました。
しかしドラッグストアで購入できる市販のテストステロンサプリは、通販サイトから購入できるものと比較すると、成分の種類や量に差がある場合が多いようです。
まずは市販のテストステロンサプリに含まれていることが多い成分について解説します。
亜鉛

亜鉛は必須ミネラルのひとつであり、赤身の肉や魚をはじめ、貝類や卵、ナッツなどから多めに摂取できる栄養素。
テストステロンが体内で不足すると、脳からテストステロンの分泌を促す指示が出されます。亜鉛はこの指示を担うホルモンのひとつ、黄体形成ホルモンの合成をサポートするように働くことで知られています出典[4]。
亜鉛が不足した状態では、テストステロンの分泌を増やす指示が十分に出せなくなり、性欲減退や勃起力の低下、精子の質の低下などの問題が生じる可能性もあるでしょう。
亜鉛が足りているかどうかにより、テストステロンの体内量は増減することが、ヒトを対象とした研究により明らかになっています出典[5]。
介入前 | 介入後 | |
---|---|---|
20代男性への亜鉛制限 (20週間) | 39.9nmol/L | 10.6nmol/L |
亜鉛不足の高齢男性への亜鉛補給 (6か月) | 8.3nmol/L | 16.0nmol/L |
亜鉛制限によるテストステロンの減少や、補給による増加が顕著であることがわかるでしょう。
ただし亜鉛の体内量を必要以上に増やしても、有益な効果は得られません。1日あたり11.9~23.2mgと、十分量の亜鉛を摂取できている20代の男性がさらに亜鉛を摂取しても、テストステロンの増大効果は確認できませんでした出典[6]。
亜鉛サプリの摂取にもかかわらず、性機能や免疫機能などに改善が見られない場合には、亜鉛の必要性が薄い可能性があります。ほかの栄養素や生活習慣の見直しなどで、体質改善をおこなう必要があるでしょう。
ビタミンD

ビタミンDもテストステロンの分泌に関わる栄養素。テストステロンの主な分泌場所である精巣にはビタミンD受容体があり、十分量のビタミンDがあることでこの受容体が活性化して、テストステロンの分泌量を増やすように働くことがわかっているのです出典[7]。
ビタミンDの体内量が不足している男性が1年間、ビタミンDの補給を続けたところ、テストステロン濃度が平均で10.7nmol/Lから13.4nmol/Lへ増加。さらに活性を示す遊離テストステロンは0.222nmol/Lから0.087nmol/Lへと増加したことも確認できています出典[8]。
ビタミンDは魚やきのこなどから入手できるほか、日光浴によっても皮膚から合成可能な栄養素です。日照時間の長い夏場ではビタミンDの生成量が増し、テストステロンも増えやすくなることもわかっています出典[9]。
インスタント食品やジャンクフード中心の食事に偏っている方や、朝食の欠食により食事量自体が少ない方、在宅ワークで日光を浴びる時間が極端に少ない方などは、ビタミンDの不足が起こりやすいため要注意。
不足を補うため、ビタミンDが含まれたテストステロンサプリが役立つ可能性がありそうですね。
トンカットアリ

トンカットアリは、インドネシアやマレーシアなどの熱帯に自生するハーブのこと。有効成分として次のようなものが確認されています。
- 酸化ストレスを減らすように働くグリコサポニンやポリサッカライド
- テストステロンを合成する酵素を活性化させるユーリペプチド
- 遊離テストステロンの放出量を増やしたり、テストステロンを減らす酵素を阻害したりするユーリコマノン出典[10]
50~70歳の男性35名がトンカットアリ抽出物200mgを摂取したところ、12週間後に総テストステロンが約12.5%、遊離テストステロンが約16.9%増加したとのデータが存在します出典[11]。
また、トンカットアリは性機能面や身体面、精神面など、さまざまな方面での効果の実感が得られている優秀な成分でもあります。
- 性機能面:不妊男性の摂取による精子濃度や精子の正常形態率が改善出典[12]
- 身体面:筋力トレーニングと併せてトンカットアリの摂取を続けることで、体脂肪率の減少量や筋力の増加量がよりUP出典[13]
- 精神面:マルチビタミンミネラルサプリとの併用により不安や抑うつ、精神的ストレスが減少出典[14]
テストステロンの減少による不調に悩んでいる方は、トンカットアリの継続摂取により、体の悩みを解決しやすくなるかもしれません。
フェヌグリーク

フェヌグリークはカレーのスパイスとして有名な植物の種子であり、インドを中心に栽培されています。
フェヌグリークの特徴は、なんといってもサポニン化合物を豊富に含むこと。サポニンのような抗酸化物質は、私たちの呼吸や代謝により生じる活性酸素を無害化するように働きます。
テストステロンの主な合成場所である精巣は、過剰な活性酸素による酸化ストレスに非常に弱い組織出典[15]。抗酸化物質により精巣を保護できれば、テストステロンの分泌能力も高めやすくなるでしょう。
また、サポニンには食後高血糖を抑える効果も確認されています出典[16]。食後高血糖では活性酸素が多量に発生しやすいため、酸化ストレスのリスク全般を下げる意味でもサポニンは役立つと言えそうですね。
実際に43~70歳までの健康な男性がフェヌグリーク抽出物を1日600mg、12週間摂取した研究では、総テストステロンに約12.1%、遊離テストステロンに約9.5%の増加が見られています出典[17]。
更年期症状の改善や勃起機能の回復などの実感も得られており出典[17]出典[18]、テストステロンの減少による不調の改善に役立つと言えそうですね。
ただしフェヌグリークはスパイスの性質を持つため、サプリメントでも独特の風味が際立つ場合がある点に注意しましょう。
市販のテストステロンサプリは効果が薄い?
テストステロンサプリの摂取により、テストステロンが効率的に増えることを期待している方は多いはず。しかしドラッグストアのような店頭で購入できるものでは、十分な効果が得られない可能性があるのです。
ここからは市販のテストステロンサプリにおいて考えられるデメリットと、効果を得るためのサプリ選びのコツについて解説します。
基礎栄養素系のサプリの販売が主でブースト効果が少ない

テストステロンサプリには、テストステロンの分泌に関わる基礎栄養素の不足を補うためのダイエタリーサプリと、テストステロンの分泌機能をさらに高めるように作用するエルゴジェニックエイドがあります。
ドラッグストアで販売されているテストステロンサプリには、亜鉛やビタミンDのような一般的な食事からも十分に摂取可能なダイエタリーサプリが多く、エルゴジェニックエイドの成分が含有されているケースは少ないようです。
しかしダイエタリーサプリで摂取できる基本栄養素は、不足が見られる場合の補給で初めて効果を発揮するものです。日本人の食事摂取基準(2025年版)と、令和5年度の国民健康・栄養調査のデータとで、亜鉛とビタミンDの必要量と摂取量を確認してみましょう出典[19]出典[20]。
- 亜鉛:9.0~9.5mg/日の推奨量に対し、20歳以上の男性は平均9.0mg/日摂取
- ビタミンD:9.0μg/日の目安量に対し、20歳以上の男性は平均6.9μg/日摂取
日本人の食事ではビタミンDの不足が見られやすい一方で、亜鉛は深刻な不足の起こりにくい栄養素と言えるでしょう。
食事を抜いたり、インスタント食品やジャンクフードなどの摂取に偏っていたりする場合には、これら基本栄養素の不足も起こりますが、そうでない場合には効果が薄い可能性もある点に注意が必要ですね。
エルゴジェニックエイドの成分が規格化されていない
.jpg_a070d21a.jpg)
トンカットアリ抽出物のような希少成分で構成されるサプリはエルゴジェニックエイドとも呼ばれ、テストステロンの分泌能力をさらに高める効果が期待できます。しかし有効成分の含有量が少ない場合には、効果を実感しづらい場合もあるため注意が必要。
トンカットアリはテストステロンへの効果が有名であるため、ドラッグストアなどでも「トンカットアリ配合!」と書かれた商品を見かけることがあるかもしれません。
しかし「配合」の文字だけでは、どの程度含まれているのかわかりません。極端な話ですが、トンカットアリの量が1錠あたり1mgでも200mgでも「配合」と書けてしまいますよね。
しかし効果をより高く、より早めに感じるためには、やはり十分な量の有効成分が必要。
50~70歳の男性35名がトンカットアリ抽出物を摂取した研究でも、100mgの摂取よりも、200mgの摂取の方が、テストステロンの増加量が大きく、更年期症状もより大きく改善できていました出典[11]。
効果を実感しやすくするためには、有効成分の一定以上の含有が保証された「規格化成分」の活用がおすすめ。規格化成分のテストステロンサプリとして、次のようなものがおすすめです。
テスノア | ザクロ由来のプニカラギン3.5% カカオ由来のテアフラビン0.5% |
---|---|
LJ100 | トンカットアリ抽出物として ユーリペプチド22%以上 グリコサポニン40%以上 ポリサッカライド20%以上 ユーリコマノン1%以上 |
バイオドーパ | ムクナ豆由来のL-DOPAを30%以上 |
店頭の目を引くパッケージに惑わされず、確実に有効成分を摂れるものを調べて購入しましょう。
テストステロンを増やす効果のない成分の含有が主であるものも

テストステロンサプリと銘打たれているにもかかわらず、テストステロンを増やす効果を十分に確認できていない成分が主であるものも存在します。
たとえばマカは、性欲の向上や精子の量および質の改善など出典[21]出典[22]、性機能を中心にさまざまな作用をもたらす成分ですが、テストステロンを増やす効果は確認されていません。
アミノ酸であるシトルリンやアルギニンは、血流の改善により勃起力を高める効果が高い栄養素出典[23]。しかしこれらもテストステロンを増やすようには働かないようです。
しかしテストステロンサプリを探している方では、性欲増強や勃起力の向上、精子の質の改善などを目的にしている場合が多いため、これらのような成分が主であるサプリメントを飲むことで、性機能が改善し、目的が達成される場合もあるのです。
しかし性機能のほか、肉体面や精神面へのよい効果を期待している場合には、アルギニンやシトルリン、マカなどの摂取では不十分です。似た効果の実感により「テストステロンが増えた」との誤認を招き、後々にテストステロンの減少による別の不調に悩まされる可能性もあ。
テストステロンを増やす効果が確認されている成分が入っているか、購入前の確認を徹底することをおすすめします。
通販で効果的なテストステロンサプリを選びたい方にはナイトプロテイン公式LINEでの相談がおすすめ!
テストステロンサプリはドラッグストアからの購入も可能です。しかし市販のテストステロンサプリでは有効成分の含有量が少なかったり、テストステロンを増やす効果が確認されていないものを主成分としているものがあったりするため、購入前には成分の種類や量の確認を徹底した方がよいでしょう。
より有用なテストステロンサプリを購入したい場合にはネット通販がおすすめです。多彩な種類のなかから選択でき、有効成分の種類や量の確認が公式サイトから容易にできるため、より効果的なものを購入できます。
テストステロンサプリの選び方を詳しく知りたい方は、ナイトプロテイン公式LINEでの相談を試してみませんか?
「よいテストステロンサプリを知りたい」と公式LINEに送っていただくだけで相談がスタート。サプリメントアドバイザーをはじめ、メンズヘルスの相談のプロたちが対応いたします。
テストステロンは加齢とともに減少するため、改善のためにはいち早い取り組みが重要。ぜひナイトプロテイン公式LINEでの相談で、自身に合うテストステロンサプリの最適解を見つけましょう。
出典
LINEで専門家に無料相談
365日専門家が男性の気になる疑問解決します