卵はテストステロンアップに最適!?栄養素や効果的な食べ方
2023年2月14日更新

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

そもそも卵ってどんな食べもの?

私たちは様々な鳥類の卵を食用として食べていますが、最もポピュラーなものは鶏卵でしょう。日本の鶏卵は、購入後も殻にキズや割れがない状態のものであれば、生卵でも美味しく食べることができます。冷蔵保存を徹底し、賞味期限までに食べるようにすれば基本的には安全とされていますね。

鶏卵には有精卵と無精卵があります。違いは文字通り精子の有無のみで、栄養価に差はありません。ニワトリは品種改良により、受精をしなくても卵を産むことができるようになっているのです。生産性向上と卵の品質管理の効率化のため、日本の鶏卵の多くは無精卵で出荷されていますね。

また、同じく卵の殻の色についても栄養価に差を生じるものではありません。茶褐色のものは赤玉、白いものは白玉と呼ばれますが、これは鶏の羽毛の色を反映したものであることが分かっています。羽毛全体が褐色あるいは黒である鶏は、羽毛と同じ褐色系の色素が卵を産む際にも分泌されています。卵の色は鶏の羽毛の色で決まっている、ということですね。

 

卵に含まれる栄養素

卵にはヒトの必要とする栄養素のうち、ビタミンC以外の全てが含まれています。どの栄養素も重要なものばかりですが、今回は卵に特に豊富に含まれるものや特徴的なものについて取り上げ、解説します。

たんぱく質

卵に含まれるたんぱく質は必須アミノ酸のバランスが良く、また体内への吸収率が良いことでも知られています。

必須アミノ酸の配合バランスを評価する値はアミノ酸スコアと呼ばれ、肉類や魚類、乳製品など、動物性食品のほとんどにおいて100を示しています。もちろん卵も例外なく100のアミノ酸スコアを取っており、良質なたんぱく質であると言えるでしょう。

また、卵の場合はこれに加えて、摂取した後のたんぱく質の利用効率まで評価するPDCAAS(タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア)においても1.00の最高効率を示しています。さらにDIAAS (消化性必須アミノ酸スコア)においても1.13と、牛乳のたんぱく質に迫るトップクラスの値であるなど、その質が高く評価されている食品であると言えます出典[1]

 

ビタミンD

脂溶性ビタミンであるビタミンDは、脂質の豊富な卵黄に含まれています。ビタミンDの主な役割は以下のようになっています。

・カルシウムの吸収効率を上げることで、骨や歯などの形成をサポートします。
・血中カルシウム濃度を調節することで、神経伝達や筋肉の収縮を正常に行います。
・免疫細胞の機能を高めたり上皮細胞のバリア機能を高めたりすることで、免疫機能を強化します。

ビタミンDはヒトの肌において紫外線を浴びることでも合成されますが、それだけでは不十分であるため食事からも摂取する必要があります。毎日卵を食べることで欠かさず摂取できるようにしたいですね。

 

卵黄レシチン

卵黄にはレシチンと呼ばれるリン脂質が豊富に含まれています。天然の乳化剤としても知ら得るレシチンは、卵黄の他に大豆にも含まれます。

大豆レシチンと卵黄レシチンの違いは、レシチンを構成する成分です。卵黄レシチンにはホスファチジルコリンというリン脂質がより多く含まれています。脳の神経伝達機能をサポートする働きがあり、記憶力や学習能力を高める効果が期待できるとも言われていますね。

また、レシチンの乳化作用、水と油を混ぜやすくする性質により、脂溶性ビタミンの吸収率を高める効果を発揮します。レシチンが豊富に含まれているおかげで、ビタミンDの吸収率もより高まっているということですね。

同様の乳化作用により、血中の余分なコレステロールを溶かすことができます。これによりコレステロールが血管内皮細胞に沈着するのを防ぐことができるため、動脈硬化の予防にも役立ちます。

 

ビオチン

卵にはビオチンというビタミンが豊富に含まれています。ビオチンはビタミンB群であり、炭水化物、タンパク質、脂質といった三大栄養素の代謝を行う際の酵素、そのサポートをする「補酵素」として機能しています。エネルギー生成の助けとなる、重要なビタミンであることで知られていますね。

また、ビオチンには皮膚や粘膜、髪や爪を健康に保つ働きがあります。不足することで皮膚炎や脱毛、薄毛などの症状が出てくる場合があるため、アンチエイジングの効果を期待する意味でも不足なく摂取したいところです。

 

卵はテストステロン合成に最適な食材!?

卵は筋トレやダイエット、生活習慣病予防など、様々な健康効果を持つことで知られています。ビタミンC以外の必須栄養素を全て含むという栄養価の高さに加え、卵黄レシチンなど様々な機能性成分が含まれていることが卵のポテンシャルを高めているのだと考えられます。

卵の栄養素は、男性ホルモンであるテストステロンの合成にも関わっています。テストステロンの合成には良質なコレステロールが不可欠であり、その合成を促進するためには亜鉛というミネラルも必要です。また、ビタミンDやマグネシウムも、テストステロン量を維持するにおいて重要であることが分かっています。

これらの栄養素が卵には全て含まれているため、卵を毎日欠かさず摂取することで、テストステロンの合成を助け、量を維持する効果が期待できると考えられているのです。

筋力トレーニングを行う男性を対象に行われたランダム化比較試験において、卵の摂取によるテストステロン増大効果が確認されています。この試験においては、運動直後に全卵を3個摂取する群と卵白のみを6個分摂取する群とに分かれ、12週間の筋力トレーニングを行いました。その結果、タンパク質が豊富な卵白のみの摂取ではなく、脂質が豊富な卵黄を含んだ全卵での摂取の方が、テストステロン増大に有効であったことが分かっています。また、握力や筋肉量の増加、体脂肪率の減少など、一般的な筋力トレーニングの効果も全卵摂取群の方がより大きく出ていました出典[2]

テストステロンは男性において、性機能の向上や筋肉量の増大をもたらす重要なホルモンです。筋力と体脂肪の改善を目的としたトレーニングにおいては、テストステロン増大効果を持つ卵を摂取することで、筋力トレーニングの効果がより期待できると考えられています。

 

卵の効果的な食べ方

テストステロンの合成に必要な栄養素を全て補給でき、筋力トレーニングの効率を高める効果が期待できる卵ですが、毎日どれだけ、どのようにして食べるべきなのでしょうか。以下では卵の様々な栄養素に注目しながら、適切な量や調理法について解説します。

最適な摂取量

かつて卵の食べ過ぎは悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値を増加させるとして、1日1個までの摂取が望ましいとされていました。しかしこのように、卵に含まれる脂質は血中のLDLコレステロール値を増大させたり、心血管疾患のリスクを上げたりするものではないことが近年の研究で判明しています。

卵の多食による血清コレステロール量の変化を調べた試験においては、健康な成人男子が鶏卵を5~10個/日の摂取を10日間続けた場合において、摂取前と摂取期間終了後との間に、血清コレステロールの優位な変化は確認できませんでした。肉体活動の活発な人においては、毎日3~4個の卵の摂取と血清コレステロールの上昇との関連性は確認できないと結論付けられており、この範囲であれば安全に食べることができる、とも考えられます出典[3]

また別の研究においては、2~3個/日の卵を摂取することで、善玉であるHDLコレステロールの機能の改善や血中カロテノイドの増加が確認され、これらが悪玉であるLDLコレステロールの酸化防止や、それに伴う動脈硬化のリスク低減に役立つことが分かっています出典[4]

しかし、卵に限らずコレステロールの摂りすぎには問題も提起されています。肉類や乳製品など、その他の動物性食品を摂取する機会が多い場合には、卵を控えることでコレステロールの摂取量を調節する必要があるでしょう。何事も摂りすぎは毒、の認識で、適量とバランスとを意識することが重要ですね。

 

調理上の注意点

日本の卵は適切に保存すれば生食で食べることができます。その他、半熟にしたり十分に火を通したりと、加熱によりその味わいが大きく変わるのが特徴です。しかし加熱の具合によって、卵の栄養価に違いが生じる場合があるため、特定の栄養素の摂取を目的として卵を食べる場合には、調理法に気を付ける必要があります。

生卵:ビタミンB群やレシチンをより効率的に!

卵に含まれるビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群、および良質な脂質であるレシチンは熱に弱いことが分かっています。加熱により分解されて減少するため、卵焼きやかきたま汁など火をしっかり通した料理では栄養効率がやや下がってしまいます。

ビタミンB群の働きであるエネルギー代謝の促進を期待したい、レシチンの働きであるコレステロールの排泄効果やビタミンDの吸収効率UPを目的に卵を食べたい、という場合には、生卵での摂取が効果的です。

卵黄をしっかり絡めることのできる生卵は、ご飯やパスタとの相性がよく、卵かけご飯やパスタの卵黄のせなど、料理に組み合わせることで美味しく食べることができます。また、ご飯やパスタなどの高糖質食品と卵黄を和えることで、卵黄に含まれる脂質が糖質をコーティングしてくれます。これにより血糖値の急上昇が抑えられるため、食欲のコントロールやダイエットにも役立つと考えられています。

加熱:たんぱく質やビオチンをより効率的に!

生卵の方がビタミンB群やレシチンを豊富に摂取できる一方で、加熱により栄養効率が上がる食材もまた存在しています。たんぱく質はその最たるもので、たんぱく質の消化酵素であるトリプシンの働きを、生卵に含まれるオボムコイドが阻害することが分かっています出典[5]。生卵のたんぱく質吸収率は、卵全体の51%ほどにまで下がるとも言われています。

またビオチンはビタミンB群ですが、例外的に生卵で食べることにより吸収率が低下するビタミンです。これは卵に含まれるアビジンという成分が、ビオチンと結合してしまい吸収阻害を起こすためであることが分かっています。

アビジンは熱により失活し、ビオチンと結合しなくなるほか、加熱温度が高くなればなるほど、トリプシンによるたんぱく質の消化率が上昇することも分かっています。

良質なたんぱく質を摂取するため、あるいは皮膚や髪を若々しく保つために卵を食べる場合には、卵焼きやゆで卵など、熱を通した卵料理での摂取をオススメします。また、しっかり火を通してしまわずとも、温泉卵のような半熟の状態でも十分に吸収率が上がることが分かっています。飽きずに卵を楽しむための工夫として、半熟での調理や温泉卵なども活用できるといいですね。

 

卵のおすすめレシピ

生でも火を通しても食べられ、単体でも様々な料理になる卵は、献立にあと一品加えたいときや、たんぱく質を足したいときに重宝しますよね。筋力トレーニングをしている方の中には、ゆで卵のストックを冷蔵庫に常備している、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。また定番ではありますが、高たんぱく低脂質である鶏肉と合わせて、親子丼にしても美味しく食べられますね。

そうした卵料理の中から、より手軽に作れて飽きの来ない、オススメのレシピを2つほど紹介します。日々の卵料理の参考に、是非ご活用ください。

味玉

● 調味液の材料(卵5個に対して)

1、基本の和風味玉
・醤油   大さじ3
・みりん  大さじ3
・砂糖   大さじ2
・水

2、さっぱり風味
☆めんつゆ3倍濃縮 大さじ3
・ポン酢  大さじ3
・ごま油  大さじ1
・砂糖   大さじ1/2
・水

3、カレー風味
☆めんつゆ3倍濃縮 大さじ3
・カレー粉  大さじ1/2
・おろしにんにく 小さじ1/2
・水

4、中華風味
☆めんつゆ3倍濃縮 大さじ3
・オイスターソース 大さじ2
・黒コショウ  適量
・水

※水は大さじ3を目安に、卵が浸るだけ
☆のめんつゆは、1の基本の調味料で代用できる

ゆで卵を食べ飽きてしまった、という方向けの簡単アレンジレシピです。調味液を染み込ませて黄身をトロっと仕上げるため、卵の茹で時間に注意しましょう。

沸騰したお湯に、常温に戻しておいた卵を入れて7分茹でます。取り出して冷水に取り、殻を剥いてから調味液と合わせます。調味液が卵全体に被るよう、ジッパー付きのチャック袋に殻を剥いた卵と調味液を入れ、密封するとよいでしょう。

冷蔵庫で半日以上を目安に漬け込めば完成です。半熟のため、3~4日を目安に食べきるようにしてくださいね。

 

ブロッコリーとトマトの中華風卵ソテー

● 材料(二人分)
・卵   3個
・ブロッコリー 150g
・トマト  100g
・鶏がらスープの素 小さじ1/2
・塩コショウ  適量
・ごま油  大さじ1

● 作り方
ブロッコリーとトマトはそれぞれ一口大に切り、ブロッコリーのみ電子レンジにかけます。耐熱容器に入れてラップをし、600wで2分ほど加熱しましょう。
卵と鶏がらスープの素を混ぜ、フライパンにごま油を半量だけ入れて熱します。卵液を入れてかき混ぜ、半熟状になったらボウルに取り出します。
残りのごま油を同じフライパンに入れてから、野菜類を入れて軽く炒めます。塩コショウで味を整えてから、先程の卵を加えて全体をさっと混ぜ合わせましょう。

卵と合わせて、緑黄色野菜をたっぷり摂取できるレシピです。たんぱく質を豊富に含むブロッコリーは、筋力トレーニングの強い味方として、よく食べている人も多いのではないでしょうか。卵との相性も良いため、是非試してみてください。

また、トマトには優秀な抗酸化物質であるリコピンに始まり、ビタミンEやβカロテンなど、油と一緒に摂ることで吸収率の上がる成分が多数含まれています。卵の良質な脂質と一緒に食べることで、トマトの健康効果をより多く得ることができるでしょう。

鶏がらスープの素を塩に、ごま油をマヨネーズに置き換えればマヨソテーにもアレンジできます。マヨネーズと卵をあらかじめ混ぜ合わせておくことで卵がよりふわふわになり、中華風の卵ソテーとはまた違った触感を楽しめますよ。

 

親子丼

● 材料(二人分)
・米飯   400g
・鶏もも肉  200g
・卵   2個
・玉ねぎ  1個
・油   大さじ1
 (A)酒  大さじ2
 (A)みりん  大さじ2
 (A)砂糖  大さじ1
 (A)醤油  大さじ2
 (A)顆粒和風だし 小さじ1

● 作り方
鶏もも肉は皮を取り、目立つ白い脂身を削いでから一口大に。玉ねぎはくし形切りに切っておきます。
フライパンに油を熱してから鶏もも肉を入れ、色が変わるまで炒めます。玉ねぎも追加して同様に色が変わるまで炒めましょう。
(A)を加えて中火で15分ほど煮込みます。鶏もも肉にしっかり火が通っていることと、汁気が煮込み開始時の半分ほどになっていることを確認しましょう。
溶き卵を流し入れ、半熟状になるまで加熱してからご飯の上に盛り付けます。

一食分の炭水化物とたんぱく質をバランスよく摂取できるレシピです。野菜が淡色野菜である玉ねぎだけなので、副菜としてほうれん草の胡麻和えなど、緑黄色野菜の小鉢を合わせると献立としてのバランスが整いますね。

鶏肉は高たんぱく低脂質の食品としてよく知られています。筋力トレーニングをしている方はよくむね肉やささみの部位を利用しているのではないでしょうか。しかし鶏もも肉も、皮を取ったり脂身を削いだりすれば、むね肉とほぼ変わらない低脂質の食品となるためオススメです。

卵は半熟の状態で食べることで、卵の脂質がお米とよく絡み、血糖値の上昇を抑える効果も期待できます。加熱しすぎると親子丼としての味も損なわれてしまうため、卵液を注いだ後は時間を置きすぎないようにしましょう。今加熱を止めるのは早すぎるかも、と感じるところでもうコンロから引き上げるのがコツです。コンロから外した後も余熱で卵が固まるため、盛り付けの頃には丁度よい半熟加減に仕上がっているはずですよ。

 

まとめ

卵には、テストステロンの合成を手助けする効果のみならず、筋力トレーニングの効率化や生活習慣病予防など、様々な健康効果が期待できます。良質なたんぱく質と脂質、豊富なビタミン類などを卵から上手に取り入れることで、健康的で若々しい体を目指しましょう。

 

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