【メカニズム別】テストステロンを増やす可能性がある15の食べ物と減らす5つの食べ物
2024年1月12日更新

監修者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

はじめに

テストステロンは筋肉量の維持や精神の安定、栄養素の代謝に関わっているとされており、この量を維持することが、特に男性においてはとても重要です。

この記事ではテストステロンの機能や食事との関わりについて説明するとともに、テストステロンを体内で増やすための食べ物について紹介します。

 

まずテストステロンについて知ろう

テストステロンは男性にとってエネルギッシュな毎日を過ごすために欠かせないものです。しかしこのテストステロンがそもそもどういうもので、体内でどのように産生され、どのような働きを持っているのかについては、あまり知られていないのではないでしょうか。

以下ではテストステロンを増やす話に入る前に、テストステロンについての基礎知識や、なぜテストステロンを増やすことが重要なのか、などについて簡単に説明します。

そもそもテストステロンとは?

テストステロンは男性ホルモンであるアンドロゲンの一種であり、男性であればほとんどが精巣で分泌されます。アンドロゲンの中で最も多い分泌量を誇るのがこのテストステロンであり、男性の二次的特徴の発達および維持に不可欠であるとされています。

テストステロンは体内において主要な同化ステロイドとして、たんぱく質合成を促進する機能を持ちます。特に骨格筋や神経組織の合成を促進し分解を抑制する作用があり、筋力や持久力、骨密度や骨強度の増大にも関係しています。

また精子の形成機能にも関与しており、テストステロンの分泌低下は性機能の低下と大きく関わっています。

 

テストステロンには結合型と遊離型がある

血中に存在しているテストステロンは、たんぱく質と結びついた「結合型」と、たんぱく質と結合しない「遊離型」のもの、2種類に分けられます。

体内のテストステロンのうち、たんぱく質などと結びついた「結合型」の割合が全体の98%程度を占めています。筋肉や骨、性機能などの維持や活性化は、この「遊離型」のテストステロンによって行われていますが、その割合は1~2%とごく僅かです。

結合型テストステロンが結びつく対象としては、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)アルブミンが挙げられます。これらSHBGやアルブミンにテストステロンが結合したものは毛細血管の外へ出ることができません出典[1]

このようにして遊離テストステロンの濃度を低下させ、生物学的に利用できるテストステロンの量を制限することで、テストステロンが体に与える影響をコントロールしていると考えられています。

 

遊離型のテストステロンは加齢と共に低下する

体内におけるテストステロンの量が低下すると、体は性腺刺激ホルモン放出ホルモン(LHRH)の分泌量を増やすことで、テストステロンの量を維持しようとします。この働きによりテストステロンの総量は60歳ほどまで同程度に維持されています。

しかしたんぱく質と結合しない「遊離型」のテストステロン量はこの機能によっても増えにくく、20歳頃をピークに徐々に減りはじめてしまいます。40歳を超えると減少が顕著になるため、筋力や持久力、性機能の低下を感じやすくなると言われています出典[2]

女性ホルモンの分泌量が低下することで女性に生じる「更年期障害」はよく知られていますが、男性においてもテストステロンの分泌量低下により、同様の症状が出る場合があります。

倦怠感・不眠・うつ傾向・集中力の低下・性欲の減退・勃起障害などが確認されており、男性の身体的・精神的健康を損なう因子として問題となっています。
 

食事がテストステロンを増やすメカニズム

テストステロンの分泌は食事によって増やすことができることが明らかになっていますが、私達が食べた食事はどのようにテストステロンの分泌へと作用しているのでしょうか。

以下ではテストステロンの分泌量増加や体内量の維持に関わる栄養素について具体的に解説します。

黄体形成ホルモン(LH)を増やす

テストステロンの分泌量は、黄体形成ホルモン(性腺刺激ホルモン:LH)と、そのLHの分泌を促す性腺刺激ホルモン放出ホルモン(LHRH)でコントロールされています。

テストステロンの分泌量が低下すると脳の視床下部からLHRHが分泌され、その刺激を受けて脳下垂体からLHが放出され、精巣でのテストステロンの産生を増やすよう働きかけます。

まず性腺刺激ホルモン放出ホルモンですが、これは低栄養により分泌が抑制されることが分かっています出典[3]。そのため欠食や偏食などの傾向がある食生活ではテストステロンの分泌が促進されず、減少したままになってしまうため注意が必要です。

一方、黄体形成ホルモンについては、その分泌量の調整に関与する栄養素がいくつか明らかになっています。L-カルニチンやセレン、ビタミンCやビタミンE、コエンザイム10などがその一例です。

また、具体的な成分はまだ特定されていませんが、ニンニクの摂取によっても黄体形成ホルモンの分泌量が増え、テストステロンの増加に繋がることが明らかになっています出典[4]

 

精巣でのテストステロン合成をサポート

テストステロンはコレステロールを材料として合成されますが、その過程にはいくつかの酵素の力が働いています。材料となる良質なコレステロールを不足なく摂取することはもちろんのこと、合成をサポートしてくれる栄養素の摂取も意識すべきでしょう。

テストステロン合成に有効であると考えられているもののひとつに、ラクトバチルス・ロイテリというヒト由来の乳酸菌があります。

動物実験では、この乳酸菌を飲料水として摂取したマウスにおいて、テストステロンの合成場所であるライディッヒ細胞数の増大と、テストステロン量および精子形成量の改善が見られました出典[5]

また、リノール酸、マカ、ピペリンなどの栄養素はテストステロン合成に関わる酵素を上げることが明らかになっているため、意識して摂取することで合成のサポートに繋がる効果が期待できます出典[4]

 

テストステロンの減少を防ぐ

生産されたテストステロンが「遊離型」として存在する量はごく僅かです。ほとんどがたんぱく質と結合したり、エストラジオールという女性ホルモンに変換されたりしてしまいます。

更にテストステロンは酸化・炎症に弱く、容易に損傷を受けるため、減少しやすいホルモンでもあると考えられています。

遊離型テストステロンの量を維持するためには、エストラジオールへの変換を防ぐことと、酸化・炎症の影響を受けないようにすることが重要です。

エストラジオールの合成にはアロマターゼという酵素が関わっていますが、このアロマターゼの働きを阻害する可能性があるとして、いくつかの成分が注目されています。

クリシンという栄養素もそのひとつで、細胞実験およびニワトリを用いた動物実験においては、クリシンの経口投与により血中テストステロン濃度が上昇したという結果が得られています出典[6]

クリシンは抗酸化作用を持つことでも知られており、テストステロンの減少防止に働いている可能性もあります。このように働きのメカニズムとしては断定できない部分の多い栄養素ですが、テストステロンの維持に対する効果は共通して期待できそうです。
 

【メカニズム別】テストステロンを増やす15の食べ物

テストステロンを体内で増やし、維持する仕組みについて説明してきました。ここからは体内のテストステロン量を増やすための食品について、テストステロン増大に関わる栄養素のメカニズムと併せて紹介します。

黄体形成ホルモンを増やす5つの食べ物

黄体形成ホルモン(性腺刺激ホルモン:LH)はテストステロンの分泌を促進するためのホルモンであり、この分泌が増大することでテストステロン量の確保に繋がります。この分泌を増やす方向に作用する食べ物について紹介します。

牡蠣

牡蠣にはミネラルである亜鉛が豊富に含まれています。亜鉛は黄体形成ホルモンの分泌および合成に関わっており、不足によりテストステロン量が低下することが分かっています。

また亜鉛は精子形成にも重要な役割を果たすため、テストステロンの持つ作用の中でも、特に性機能の向上に大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

アメリカの健康な成人男性を対象とした横断研究において、亜鉛の血中濃度とテストステロンの血中濃度が相関することが判明しています。また食事中の亜鉛を制限することによりテストステロン濃度が低下し、亜鉛の投与によりテストステロン濃度が上昇したことも明らかになりました出典[7]

このようにテストステロン濃度の上昇に有効な亜鉛ですが、その体内吸収率は同時に食べる食品の影響を大きく受けます。動物性たんぱく質やビタミンC、クエン酸などの栄養素は亜鉛の吸収を促進し、逆にフィチン酸や多量の食物繊維は亜鉛の吸収を阻害することが分かっています。

牡蠣であればフィチン酸や食物繊維を含まないため、豊富な亜鉛を効率よく吸収できる食材として適しています。ただし亜鉛は水溶性であり容易に調味液へと溶け出してしまうため、スープに用いて溶け出した亜鉛ごと摂取できるような料理を選ぶとよいでしょう。

 

ショウガ

ショウガに含まれるショウガオールには新陳代謝の向上により血流を促進させる作用があり、性機能の改善に役立つと考えられています。また、ショウガの摂取によりテストステロンの血中濃度が増大する可能性があるとして注目が集まっています。

不妊の問題を抱えた成人男性を対象とした研究によると、生姜のサプリメントを毎日3か月間摂取した群において、テストステロンの血中濃度が17.7%増加しており、黄体形成ホルモンの増大も確認されました

またショウガの有効成分であるショウガオールなどにより血行が促進されたことで射精量も増加し、更に精子の運動性にも改善が見られています出典[8]

このように、ショウガはテストステロンの増大のみならず、精子量やその運動性の改善、射精量の増加などをもたらす可能性があり、性機能全体に良い作用をもたらすことが期待できる食品と言えるでしょう。

 

ブラジルナッツ

ブラジルナッツは南米の限られた地域で収穫されるナッツであり、全体の7割ほどを占める脂質と、ミネラルであるセレンが豊富に含まれていることを特徴としています。

セレンは黄体形成ホルモンの分泌を促進させる働きがあり、十分量のセレンによりテストステロンの血中濃度が増大する可能性があると考えられている成分です。

12人の不妊男性を対象として行われた介入試験において、毎日50㎍のセレンを3か月間摂取すると、テストステロンおよび黄体形成ホルモンの血中濃度が増大したほか、精子の数や形、運動性や生存率に大幅な改善が見られたことが分かりました。

更に脂質過酸化分解生成物であり酸化ストレスの指標となるマロンジアルデヒド(MDA)の血中濃度が有意に減少していたことから、セレンの摂取はテストステロンの産生を促進するだけでなく、酸化ストレスによるテストステロンの損傷を防ぐ効果を併せ持つことが期待されます出典[9]

ブラジルナッツにはミネラル類が豊富に含まれていますが、その中でもセレンの含有量は群を抜いており、一粒で70㎍ほどのセレンを摂取できるといいます。

ただし過剰なセレンの摂取は髪や爪の異常、消化管障害などを引き起こすおそれがあるため、耐容上限量とされている400㎍/日を超えないよう、1日に1~2粒程度の摂取に留め、食べ過ぎないように気を付けましょう。

 

はちみつ

ハチミツやローヤルゼリー、プロポリスなどにおける性機能やテストステロンへの有効性については、様々なメカニズムが考えられています。

ラットを対象とした動物実験においては、ハチミツを経口投与した群において、対照群よりも黄体形成ホルモンやテストステロンの血中濃度が増大していました。

またマーモセットというサルの一種で行われた投与試験では、13週間にわたるハチミツの摂取により、精巣のライディッヒ細胞の数の増大が確認されています。更にローヤルゼリーやプロポリスの摂取においては精巣組織の保護機能も認められています出典[10]

これらの試験により、ハチミツ類には黄体形成ホルモンの分泌を促進することでテストステロンの血中濃度を増大させる効果、およびテストステロンを産生するライディッヒ細胞などを保護する抗酸化物質としての効果などが期待できると言えそうです。

食事に取り入れる甘味料として、精製された砂糖の代わりにハチミツ類を用いることは、砂糖の過剰摂取による酸化ストレスの増大を防ぎ、更にテストステロン量の増大を期待できる良い選択であると言えるでしょう。

 

エキストラバージンオリーブオイル

オリーブオイルが体に良いとされている理由は、不飽和脂肪酸が豊富なことにあります。オリーブオイルには一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が豊富であり、善玉コレステロールと呼ばれるHDLを維持し、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLを減らす働きがあります。

テストステロンなどのホルモン類を合成するためにコレステロールは欠かせませんが、LDLが血中に過剰であると酸化ストレスの引き金となりかねません。そのため血中のコレステロールバランスを整えてくれるオレイン酸は、テストステロンの産生においても有効に働くと考えられます。

また、健康な男性を対象に行われたランダム化比較試験において、エキストラバージンオリーブオイルを摂取した群において、テストステロンおよび黄体形成ホルモンの血中濃度が増加したことが明らかになっています。

エキストラバージンオリーブオイルは黄体形成ホルモンの分泌量を増大させる作用を経て、テストステロンの血中濃度を上昇させていると考えられます出典[11]

通常のオリーブオイルではなくエキストラバージンオリーブオイルがより強い効果を発揮する理由は、その遊離酸度が0.8%以下と低いことにあるとされています。

酸度を低く保つためには抗酸化物質として作用するものが含まれている必要があり、オリーブオイルの場合にはポリフェノールの含有量が多いほど、抗酸化作用を強く発揮し低い酸度を保つことができると考えられます。酸度の低いエキストラバージンオリーブオイルには、それだけ豊富なポリフェノールが含まれているということです。

オレイン酸と同時にポリフェノールを摂取して抗酸化物質としての作用を期待するため、テストステロンを増やすことを目的に摂取する場合には、エキストラバージンオリーブオイルとの表記があるものを選ぶとよいでしょう。

 

精巣でのテストステロン合成に関与する4つの食べ物

次に、精巣のライディッヒ細胞にて行われるテストステロンの合成を促進させるための食べ物について紹介します。

テストステロンの材料となったり、合成のサポートを行ったりする栄養素の摂取により、テストステロンの血中濃度を増やすことができる可能性があるため、以下の食品を意識的に食事へと取り入れるようにしてみましょう。

脂肪分の多い魚

脂肪分の多いサケやブリ、サバなどの魚には、ω-3系脂肪酸と呼ばれるEPADHAのほか、脂溶性ビタミンであるビタミンDも豊富に含まれています。

テストステロンはコレステロールを原料として作られますが、その合成の際にビタミンDが関与していることが明らかになっています。

糖尿病でない男性を対象に、ビタミンDとテストステロンとの関係を調べたランダム化比較試験において、1年間にわたりビタミンDの補給を続けた群は、そうでない群と比較して、総テストステロンおよび遊離テストステロンが上昇したという結果が得られています出典[12]

テストステロンの十分な合成のため、ビタミンDを不足なく摂取する必要があるでしょう。ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、脂質と共に摂取することで体内への吸収率が高まるため、脂肪分の多い魚で摂取することは効率的であると言えます。

また、ω-3系脂肪酸は抗酸化作用を持つことで知られています。テストステロンなど性機能に関わるホルモンを保護する効果があるほか、酸化・炎症に弱い精子の数や状態の維持にも関わると推測されています。

犬やマウスを対象とした動物実験においては、魚油の補給により精子や精液の質が大きく改善しており出典[13]、ヒトにおいてもテストステロンの濃度の改善が確認されており出典[14]、性機能に関わる器官やホルモンの保護効果が期待できるでしょう。

 

牛肉

肥満はテストステロンの分泌量を低下させるリスク因子ですが、ダイエットのために過剰なエネルギー制限を行うことでもテストステロンは減ってしまいます

テストステロンの合成材料となるコレステロールの不足はもちろんのこと、体が飢餓状態を感じる引き金となるたんぱく質の不足にも注意する必要があります。

また筋力トレーニングによりテストステロンの消費量が増大するため、テストステロンの量を維持して効率的にトレーニングを続けるには、体たんぱく質の合成に欠かせないアミノ酸の積極的な摂取が必要です。

必須アミノ酸を豊富に含んだ動物性食品を選ぶことで体たんぱく質の合成が効率よく行えるため、肉類の中でもアミノ酸の含有量が多い赤身の牛肉を食べるようにするとよいでしょう。

更に牛肉の特徴として、カルニチンというアミノ酸を特に豊富に含む点が挙げられます。カルニチンはテストステロンの血中濃度を上昇させるほか、カルニチン自体に性機能を向上させる可能性が示唆されています。

男性の加齢に伴う性機能の低下や更年期症状の治療にも役立つ可能性があるため出典[15]、カルニチンを豊富に含む牛肉を摂取することは、テストステロン量のみならず性機能全体で考えてもより有益であると言えそうです。

 

全卵

高コレステロール血症の食事療法として、卵の摂取を控えるべきとの指導が行われる場合があります。今では卵に含まれるコレステロールは良質であり、悪玉、いわゆるLDLコレステロールを大きく上げるものではないとして過度な制限は行われなくなりましたが、それだけ卵はコレステロールな豊富な食品としてよく知られていました。テストステロンの材料であるコレステロールの供給源としても適していると言えるでしょう。

卵にはたんぱく質も豊富に含まれており、筋力トレーニングを続ける方の食事として卵白の摂取が推奨される場合もありますが、テストステロン量の増大をねらう場合は全卵での摂取をオススメします。

筋力トレーニング中の若い男性の血液状態を調べたランダム化比較試験において、12週間にわたり全卵を摂取した群の方が卵白摂取群と比較して、徐脂肪体重の増加と体脂肪の減少、テストステロンの増加が大きく確認されました

筋力と体脂肪率の改善を目的とする場合には全卵の摂取が望ましい場合がある、と述べられており出典[17]テストステロンの増大に関しても全卵摂取の方が効果的であると考えられます。

また、卵は完全栄養食とも呼ばれ、ビタミンC以外の必須栄養素を全て含んでいることでも知られています。セレンやビタミンDなどの供給源としても効果的であり、様々な料理に使うことのできる手軽な食材であるため、積極的に食事へと取り入れるとよいでしょう。

 

豆類

大豆などの豆類は良質な脂質およびたんぱく質の供給源として適しています。テストステロンはコレステロールを材料に、いくつかの酵素の影響を受けて合成されますが、酵素の産生には十分な量のたんぱく質を必要とします

テストステロンを増大させるにあたり、たんぱく質の不足が起こらないよう、大豆の摂取を意識することは効果的に働くでしょう。

加えてマメ科植物や豆類には、多価不飽和脂肪酸ビタミン Aビタミン C亜鉛などのミネラル類、ポリフェノールなどが豊富に含まれています。これら抗酸化物質として機能する栄養素を豆類で効率的に摂取することで、性機能の維持に繋がる可能性があります出典[16]

また、亜鉛不足により男性の性腺機能低下症が生じやすいこと、亜鉛の投与により精子の状態や量の改善、テストステロン量の改善が起こること、などが現在明らかになっています。亜鉛は精子の頭部にあるクロマチンという物質を安定させて精子DNAを守る働きや、尾部において運動性を高める働きを持つと考えられています。

また精巣のライディッヒ細胞に作用してテストステロンの産生量を増大する可能性についても指摘されており出典[18]、先の抗酸化作用と合わせて性機能を改善する効果が期待できます。

なお、大豆にはイソフラボンという、女性ホルモンであるエストロゲンに似た機能を持つ物質が豊富であり、女性ホルモンの急激な減少による更年期障害の症状緩和に効果的であるとされています。この効能から、男性においては豆類の摂取が、テストステロン量の減少およびエストロゲン量の増加を引き起こすのではと懸念されていました。

しかし臨床データの分析によって大豆イソフラボンの影響を調べたところ、イソフラボンの摂取によりテストステロンやエストロゲンの増減は起こらないことが分かっているため出典[19]、男性が豆類の摂取を制限する必要はないと考えられています。たんぱく質やビタミン・ミネラルの供給源として、常識的な量で食事へと取り入れていくことが望ましいでしょう。

 

テストステロンの減少を阻止する6つの食べ物

体内でのテストステロン量を維持し、その恩恵を十分に受けるためには、テストステロン量を維持する必要があります。

ホルモンや精子などのダメージとなる酸化ストレスを低減させることで、テストステロン量の減少を防ぎ性機能を改善できる可能性があります。そのために役立つ食品について以下に紹介します。

緑の濃い野菜

緑黄色野菜の中でも、ほうれん草や小松菜といった緑の濃い葉物野菜には、βカロテンビタミンCマグネシウムなど、抗酸化作用を発揮するビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

テストステロンの血中濃度は酸化ストレスに強く影響を受けることが分かっているため、これらビタミンやミネラルを十分に摂取することにより発揮される抗酸化作用が、テストステロン量を維持するために役立つ可能性があると考えられます。

特にマグネシウムの抗酸化作用や抗炎症作用が注目されており、亜鉛と共にテストステロン量の維持や増大に重要な役割を果たしていることが分かっています。

更に、パセリやセロリなどに豊富に含まれるアピゲニンという物質には、アロマターゼ活性を阻害する作用があることが分かっています出典[4]。テストステロンからエストラジオールへの変換に関わる酵素であるアロマターゼの働きを弱めることにより、テストステロンの減少を防ぐ効果も期待できます。

優秀な抗酸化作用を発揮するビタミン・ミネラル類や、抗アロマターゼ活性を有するアピゲニンなどの供給源として、葉物野菜は積極的に活用していくとよいでしょう。

 

玄米

玄米から白米に精製される過程で取り除かれる胚芽部分には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。抗酸化作用を発揮するマグネシウムも豊富であるほか、食物繊維の供給源としても役立つため、健康的な炭水化物の摂取に役立ちます。

白米やうどんなど精製された穀類を摂取すると、血糖値が一気に上がる傾向にあります。急上昇した血糖値はインスリンという血糖を下げるホルモンの働きにより一気に下がりますが、この血糖値の乱高下が血管にダメージを与え、酸化ストレスを蓄積させたり炎症の原因となったりする可能性があります

玄米など、食物繊維を含む穀類を摂取することで炭水化物による血糖値の急上昇を抑えられるため、テストステロンや精子の損傷を抑え、性機能の維持に役立つと考えられます。

 

アボカド

アボカドの特徴として、ホウ素という栄養素を含んでいる、という点が挙げられます。ホウ素は過剰に人へと暴露すると、嘔吐や発疹などの害をもたらしますが、植物の成長に欠かせない微量栄養素であり、人間の健康な食生活においても摂取が重要であることが判明しています。

研究において明らかになっているホウ素の役割は複数ありますが、テストステロンの増大や性機能の向上に関連するものとして、以下のようなものが挙げられます。

  • テストステロンなどの性ホルモン、およびビタミンDの活性を高める
  • 抗酸化物質として機能するマグネシウムの吸収率を高める
  • スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの抗酸化酵素の濃度を上昇させる

ホウ素はテストステロンとSHBGとの結合を阻害することで、遊離テストステロンの血中濃度を上昇させる効果があると考えられています。20歳以降徐々に減少に転じる遊離テストステロンの割合を高く保つため、ホウ素の適切な摂取が有効である可能性があります出典[1]

アボカドはホウ素以外にもビタミンやミネラル、ω-3系脂肪酸など、抗酸化作用を発揮する成分が豊富です。テストステロンや精子へのダメージ軽減のためにも、1日1/2個を目安として積極的に食事へ取り入れるとよいでしょう。

 

バナナ

焼肉などの席でパイナップルを同時に食べると消化に良い、という情報は、パイナップルに豊富に含まれるたんぱく質分解酵素であるプロテアーゼを由来としています。

このプロテアーゼの混合物である「ブロメライン」という物質について、抗炎症作用を発揮し、運動によるテストステロンの減少を防ぐ可能性があるとして注目されています。

競技レースに参加した15名のサイクリストを対象としたランダム化二重盲検比較試験において、ブロメラインを補給した群ではプラセボ対照群と比較して、筋肉損傷や炎症、疲労のマーカーが低く、テストステロン濃度の低下が抑えられたという結果が得られています出典[20]

テストステロンは運動時に、筋肉へと運ばれて消費されます。ブロメラインにはこの消費を抑えてテストステロンの血中濃度を維持する働きが期待できると考えられています。

ブロメラインはパイナップルだけでなくバナナにも豊富に含まれています。運動時のエネルギー補給も兼ねられるため、トレーニングを行いながらテストステロン濃度のコントロールを行いたい場合には、バナナを優先して食べるようにするとよいでしょう。

 

ザクロ

ザクロにはビタミンCポリフェノールなど、抗酸化作用を発揮する成分が豊富に含まれています。これらの成分がテストステロン、およびテストステロンを生産するライディッヒ細胞を損傷から保護する効果を発揮し、テストステロンの減少を防いでいると考えられています。

60名の男女を対象に、ザクロジュースの摂取とテストステロンとの関係を調べた研究において、14日間ザクロジュースの摂取を続けたことにより、唾液中のテストステロンの増加が男性と女性の両方で有意に増加したという結果が得られています。

また、気分の改善なども見られたことから、更年期障害による気分の落ち込みなどを防ぐ効果もあると考えられています出典[21]

ザクロを生の状態で摂取する機会は作りづらいため、習慣的に摂取したい場合はザクロジュースを飲むのが現実的でしょう。砂糖が添加されたものを常飲すると血糖値の急上昇を招きやすいため、100%のものを選ぶよう心掛けてみてください。

 

ココア

ココアにはフラボノイドが豊富であり、抗酸化作用血管拡張作用など、様々な生理活性を持つことで知られています。このフラボノイドがテストステロンの血中濃度上昇に役立つ可能性があるとして期待されています。

テストステロンの一部はアロマターゼという酵素の影響を受けて、女性ホルモンの働きを持つエストラジオールへと変換されます。カカオフラボノイドは、このアロマターゼの活性を阻害する「抗アロマターゼ」の働きを有するものであると特定されており、抗酸化作用と併せてテストステロンの減少を抑制する効果が期待できます出典[4]

ピュアココアはそのままでは苦く摂取が難しいため、砂糖やミルク類と混ぜた調整ココアの形で飲むのが一般的でしょう。ココア飲料単体で摂取すると血糖値が急激に上がり、テストステロン産生の障害となる活性酸素が発生しやすくなるため、食後に摂取するなどタイミングに一工夫するとよいでしょう。
 

テストステロンを減らす5つの食べ物

テストステロンの産生を増大させる、テストステロンの減少を抑制する、といった効果を発揮する食材が判明しているように、テストステロンを減らしてしまう食べ物もいくつか明らかになっています。以下では摂取に注意すべき食品について説明します。

揚げ物

揚げ物により過剰に油脂を摂取することは避けるべきです。油脂はそれ自体が高エネルギーであるため、高頻度で揚げ物を摂取する食生活を続けていると肥満を招きやすく、テストステロンの分泌量が減少しやすくなってしまいます

また、高エネルギーであるというだけでなく、揚げ油の性質にも注意が必要です。繰り返し使用された揚げ油は酸化による化学変性を起こしている場合が多く、摂取すると体内で活性酸素を作り出す原因となり、酸化ストレスを増やしてしまいかねません

テストステロンや精子は酸化ストレスの影響を受けやすいため、この酸化ストレスの蓄積によりテストステロン産生量の減少や精子のDNA損傷のリスクが上がってしまいます。

酸化ストレス低減のために、ビタミンCやE、ポリフェノール類といった抗酸化物質を積極的に摂取することも重要ですが、併せてこのような酸化ストレスを増やす食品を避けることで、テストステロンをより保護することができるでしょう。

 

加工食品

ファーストフードやスナック菓子などに用いられるマーガリンやショートニングには、トランス脂肪酸が多く含まれています。トランス脂肪酸もまた活性酸素を発生させる原因となるほか、摂取量の増大により精巣機能に影響を及ぼす可能性についても指摘されています。

健康な男性ボランティアを対象に、脂肪酸の摂取量と精巣容積とを調べた研究において、ω-3系脂肪酸の摂取量が多いほど精巣容積が大きく、ω-6系脂肪酸およびトランス脂肪酸の摂取量が多いほど精巣容積が小さいという結果が得られました。加えてトランス脂肪酸の摂取量が多いほど、テストステロンの血中濃度も低下していました出典[22]

また、加工食品の調味に使用される甘味料は血糖値の乱高下を引き起こしやすいため、酸化ストレスを増大させます。更にこうした高脂肪・高エネルギーの加工食品の常食により過体重・肥満となることで、テストステロンの分泌が低下してしまいます。

テストステロンや精子にダメージを与え、肥満のリスク因子となるような加工食品の摂取はできるだけ避けるべきであると言えるでしょう。

 

お酒

アルコールの摂取によりテストステロンの分泌量が低下することは以前から知られています。筋力や持久力を高めたいと考えるトレーニング中の人々においても、アルコールの摂取により筋肉の発達に必要なテストステロンの分泌量が低下するため、飲酒はデメリットになるという考え方が一般的です。

アルコールとテストステロンとの関係について、健康な男性のボランティアを対象に行われた調査によると、飲酒4時間後にアルコールの血中濃度が最大に達し、テストステロンの分泌量が低下したことが確認されています。

このとき黄体形成ホルモンの分泌が高まったにもかかわらず、テストステロンの分泌量は飲酒後24時間まで回復しなかったとの結果も得られています出典[23]

このように、アルコールの摂取はテストステロンの分泌機能や分泌を促進させる機能に影響を与えるため、飲酒量は控えるべきと言えるでしょう。

ただし完全な禁酒を貫く必要はなく、適量の飲酒は男女ともにテストステロンの血中濃度を上げるとの研究結果も出ています出典[24]。成人男性であればアルコール換算で20g程度が「適量」であるとされており、それぞれの飲料に置き換えると以下のようになります。テストステロンを増加させたい場合には、この適量を守って飲むようにするとよいでしょう。

【純アルコール20gに相当するアルコール飲料の1日目安摂取量出典[25]

アルコール飲料

度数(%)

1日目安量(ml)

ビール

5

500(ロング缶1本)

チューハイ

7

350(缶1本)

ワイン・梅酒

12~13

200(約グラス2杯)

日本酒

14

180(1合)

焼酎

25

100

ウイスキー

40

60

 

砂糖入り飲料

砂糖入り飲料には、清涼飲料水が顕著なように、その甘さから想像する以上に多量の砂糖が含まれています。のどごしが良いため夏場などは清涼飲料水を水分補給の代わりにしてしまいがちですが、砂糖入り飲料の摂取は血糖値を急激に上げ、酸化ストレスを発生させやすくしてしまいます

激しい運動で筋力トレーニングを行っている人の場合、運動により活性酸素が発生しやすい状況にあります。酸化ストレスのリスクも高いため、食事で更に酸化ストレスを上乗せするようなことがないよう注意すべきでしょう。

また嗜好飲料の過剰摂取は肥満のリスクも高めてしまいます。肥満の状態ではテストステロンの分泌量が低下するため、適切な体重管理のためにも嗜好飲料は無糖・無脂肪のものにした方がよいでしょう。

 

亜麻仁油

アマニ油はω-3系脂肪酸の一種であり、抗酸化作用を持つ優秀な植物油脂ですが、テストステロンに関しては相性が悪い可能性があります。

アマニ油の摂取と、テストステロンの増大に関わる疾病との関係が、いくつかの臨床研究において示されています。

男性の前立腺がん、および女性の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、ともにテストステロンを含む高濃度のアンドロゲンと関係しています。アマニ油の摂取を続けた患者において、テストステロンが低下し、前立腺がんにおいてはがん細胞の増殖が抑制され、PCOSにおいては多毛症が減少したという有益な結果が得られました。

これらの作用は、アマニ油に含まれるリグナンという物質によるものです。リグナンは性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の量を増大させテストステロンとの結合を促進することで、遊離型のテストステロンを減少させ、作用を弱めることが分かっています。更にリグナン自身がテストステロンと結合し、体外への排泄を促進する可能性があることも示唆されています出典[26]

このように、リグナンは過剰なテストステロンの作用の減弱、および量の減少に効果を発揮する成分です。アマニ油自体は抗酸化作用などを発揮する優秀な油脂ですが、テストステロンの増大をねらう場合には避けた方がよいでしょう。

 

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テストステロンの分泌量を増やしたり、損傷を防いだりする食事について解説してきました。かなり多くの食品について触れましたが、カギとなるのは以下の3点です。

  1. テストステロンの分泌量を増やす
  2. テストステロンへのダメージを軽減する
  3. 遊離型のテストステロンの量を多く保つ

テストステロン量の低下を防ぎ、エネルギッシュな生活が送れるよう、これら3つのメカニズムに有効な食材選択を心掛けましょう。

ただし、特定の食品だけ食べればテストステロンが上がるというわけではありません。食事はあくまで全体のバランスが最優先です。

どれだけ栄養価の高い食品を取り入れても全体のバランスが崩れていると、テストステロンが増えません…

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