執筆者
管理栄養士
井後結香
管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。
そもそも牛乳ってどんな飲み物?
牛乳は牛の母乳です。生まれてきたときから既に大きな体の子牛を、更に大きく、急速に成長させるために必要な栄養素がたっぷり含まれています。
スーパーの牛乳コーナーでは牛乳のほか、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳、特濃牛乳などが売られていますが、これらは乳脂肪分の量によって決まっています。一般的な牛乳には乳脂肪分が3%以上含まれています。低脂肪牛乳とは、この牛乳から脂肪分を取り除き、1.5~3%ほどに調整したものです。無脂肪牛乳になると乳脂肪分はもっと取り除かれ、0.5%以下となり、味わいもより淡白であっさりとしたものになります。
よく「牛乳が体によくない」と言われる理由のひとつとして、日本には牛乳を飲むとお腹を壊す方が多いことが挙げられます。これは牛乳に含まれる乳糖であるラクトースを分解するための酵素「ラクターゼ」を、日本人の多くが持っていないことに由来します。
ミルクや母乳を飲んでいる頃の赤ちゃんはラクターゼを持っているのですが、成長するにしたがってこのラクターゼが失われてしまう方が多いようです。消化されなかったラクトースを吸収することはできないため、そのまま排出するほかにありません。この消化不良により、お腹がゆるくなったり、下痢しがちになってしまう、ということですね。
牛乳を飲むとお腹がゆるくなってしまうけれど、好きだから飲みたい、という方もいらっしゃるかもしれませんね。対策として、は加熱により分解されやすくなるため、牛乳を温めて飲むと改善される場合があります。それでもお腹の調子がよくならない時には、乳糖を予め分解したラクターゼ処理牛乳の利用を検討してみましょう。
牛乳に含まれる栄養素
たんぱく質
牛乳には100gあたり3.3gのたんぱく質が含まれています出典[1]。コップ1杯で7g弱のたんぱく質を摂取できるということですね。
動物性食品である牛乳は、必須アミノ酸のバランスに優れています。筋肉を始めとする体のたんぱく質を効率よく作るには、体内で合成できないアミノ酸である必須アミノ酸を、バランスよく摂取する必要があるのです。牛乳を始めとする動物性食品はこの必須アミノ酸のバランスがよく、効率よく体のたんぱく質を合成できることが分かっています。筋肉の合成能力を高めるにおいても、必須アミノ酸のバランスがよい牛乳は役立つと考えられますね。
また、牛乳はアミノ酸の中でも、特にBCAAと呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンを豊富に含むことで知られています。これらのアミノ酸は分岐鎖アミノ酸とも呼ばれ、筋肉へのエネルギー補給に役立つと考えられています。
運動時のエネルギーとして、体は筋肉に蓄えられたグリコーゲンという糖を分解します。この筋グリコーゲンを使い果たした場合、血液中の糖や脂肪、更にはアミノ酸であるBCAAなどを分解してエネルギー減とすることが分かっています。BCAAは必須アミノ酸であり、筋肉の合成に欠かせない栄養素でもあります。そのため筋肉を合成するための量に加え、エネルギー源としても使われることを考慮して、筋力トレーニングの際にはBCAAを多めに摂っておくとよい、ということですね。
牛乳はこのBCAAの供給源としても優れているため、エネルギー源としても機能し、筋肉の分解を防ぐ効果も期待できると考えられています。
脂質
牛乳は脂質が多いため、脂質による高エネルギーを心配する方は、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳を飲まれているかもしれませんね。しかし乳脂肪に豊富に含まれる中鎖脂肪酸は、体の中でエネルギーに変わり牛乳に豊富なミネラルとして、カルシウムがあまりにも有名ですが、牛乳には他にも優れた栄養素が多数含まれています。以下ではその中から特徴的なものについて紹介します。
やすく、体脂肪として蓄積しにくい性質を持つことが明らかになっています。
また、牛乳にはビタミンAやDなど、脂溶性ビタミンも豊富に含まれています。これらは脂質と一緒に摂取することで体内への吸収率が高まるため、牛乳のビタミンを効率よく体に取り込むためにも、脂質は重要であることが分かりますね。
ビタミンB2
牛乳に含まれる水溶性ビタミンとして、ビタミンB2が挙げられます。
ビタミンB群は栄養素の代謝に関わっていますが、中でもビタミンB2の活躍の範囲は広く、糖質、脂質、たんぱく質全ての代謝に関わる酵素、そのサポートをする「補酵素」として機能することが分かっています。私たちが食べたものを効率よくエネルギーに変えるには、ビタミンB2の働きが不可欠である、ということですね。
ビタミンB2は三大栄養素の中でも、特に脂質の代謝において活躍しています。脂肪をエネルギーとして使う働きをサポートするため、脂肪の蓄積が抑制されると考えられています。
またビタミンB2には、皮膚や粘膜、髪などを良好な状態に保つ働きもあります。ダイエットに加え、美容、成長のサポートもしてくれる、優秀な栄養素であることが分かりますね。
ビタミンD
牛乳はビタミンA、D、Eといった脂溶性ビタミンを豊富に含んでいますが、中でもビタミンDの有効性についてこの記事では解説したいと思います。
ビタミンDはカルシウムの吸収率を上げる栄養素として機能しています。牛乳にカルシウムが豊富なことはよく知られていると思いますが、カルシウムという栄養素自体の、体内への吸収率はあまり高くありません。
しかし牛乳にはこのビタミンDが豊富に含まれることで、魚類やほうれん草など、他の食品よりもカルシウムの体内吸収率が高くなっているのです。
カルシウムは骨の成長に欠かせない栄養素ですが、他にも筋肉の収縮や神経伝達などを正常に行う調節因子としても機能しています。骨だけでなく筋肉のパフォーマンスを高めるためにも、ビタミンDの摂取は重要である、ということですね。
カルシウム
日本において児童の給食に牛乳が提供されている、その目的のひとつはカルシウムの補給です。1パック200㏄で240mgほどのカルシウムを摂取できる牛乳は、手軽にカルシウムを補給するための手段として最も適していると言うことができるでしょう。
また、カルシウムの吸収率が高いことも牛乳の大きなメリットです。牛乳に豊富に含まれるビタミンDやラクトースが、カルシウムの吸収率を促進するためであると考えられています。
健康な若い女性9名を対象に、カルシウムの豊富な食事を摂取した際のカルシウム吸収率を調査する試験が行われました。その結果、カルシウム吸収率はそれぞれ、牛乳39.8%、小魚32.9%、野菜19.2%となり、牛乳のカルシウム吸収率が高いことが示されました出典[2]。小魚やほうれん草からカルシウムを摂取するよりも、牛乳を飲む方がカルシウム摂取においては効率的ということですね。
ただし、摂取したカルシウムを骨の成長や、筋肉および神経の機能をサポートするなどの働きに活かすには、マグネシウムやリンなど、他のミネラルとのバランスも重要です。特にカルシウムとマグネシウムの摂取比率は2:1が理想であると考えられていますが%%%出典%%%、牛乳のカルシウムとマグネシウムの比は11:1と、マグネシウムが不足している傾向にあります。ナッツ類や大豆製品など、マグネシウムを豊富に含む食品と組み合わせることで、カルシウムの効果を最大限に発揮することができるでしょう。
筋トレ後に牛乳が最適な理由7つ
このように、機能性に富んだ栄養素を多数含んでいる牛乳ですが、筋力トレーニングにおいてはどのような作用をもたらしてくれるのでしょうか。以下では牛乳を飲むことによる効果の中でも、筋力トレーニングに関わりの深いものについて3点解説します。
筋肉の合成を高める
牛乳を運動後に飲むことにより、バランスの取れた必須アミノ酸を供給することができます。これにより筋肉の合成効率を上げて、筋肉量をより増やせる可能性があると指摘されています。
牛乳の摂取により、筋力トレーニング後の筋肉におけるアミノ酸のバランスがどのように変化するかを調べる試験が行われました。これによると、運動の1時間後に牛乳を摂取することにより、体のたんぱく質合成の指標となる、フェニルアラニンとスレオニンというアミノ酸の取り込み量が増加していたことが明らかになりました出典[3]。これは筋肉を合成するためのアミノ酸量が増えていることを示しており、筋肉の合成効率UPに役立っていると考えられます。
また、このアミノ酸の取り込み量の増加は、無脂肪乳を摂取した時よりも全乳を摂取した時により顕著に確認されています。そのため、筋肉量を増やしたい場合には、運動後の牛乳は脂質をカットしていない、全乳で飲むことをオススメします。
エネルギー源を効率的に回復させる
全乳の形で牛乳を摂取することのメリットは、筋肉の合成効率を上げるというだけではありません。筋肉におけるエネルギー源の回復効率を上げるにおいても、全乳の方がより高い効果を発揮する可能性があります。
エネルギー源の回復と言えばバナナなどの糖質が重要視されますが、その糖質をグリコーゲンとして筋肉に蓄えるにおいて、たんぱく質や脂質もまた有効に働くことが分かっています。
筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンは、インスリンの分泌により効率よく蓄えられていきます。インスリンは血糖値の上昇により分泌されるホルモンですが、GIPなどの消化管ホルモンによっても分泌量が増加します。牛乳に含まれるたんぱく質や、乳化された脂質である乳脂肪分が、消化管ホルモンやインスリンの分泌を刺激することで、グリコーゲンをより効率よく筋肉へ蓄えられるようになり、筋肉のエネルギー源を素早く回復させる効果が期待できます。
マウスを用いた動物実験においては、運動後のマウスに糖質・牛乳の混合液を投与した場合、糖質液のみを投与した場合よりも、消化管ホルモンであるGIPやインスリンの分泌量が大きく増加し、筋肉のグリコーゲン貯蔵効果も高まったという結果が得られています出典[4]。
筋肉のエネルギー源を回復させるための主な栄養素は糖質ですが、その回復効果を高めるための飲料として、たんぱく質や脂質をバランスよく含む牛乳は適していると言うことができそうですね。
筋肉痛を和らげる
牛乳にはバリン、ロイシン、イソロイシンの分岐差アミノ酸(BCAA)が豊富に含まれています。このBCAAは筋肉において、エネルギー源である筋グリコーゲンが使い果たされた際、代わりのエネルギーとして使われるという役目を持ちます。
BCAAは筋肉のたんぱく質を構成するアミノ酸の一部であるため、エネルギー源として筋肉のBCAAが利用されてしまうと、筋肉の分解を引き起こしてしまいます。筋肉量の増加を目的に筋力トレーニングを行っている場合には、効果が半減してしまうため注意が必要です。
そこで、運動のタイミングで牛乳を摂取し、筋肉に十分な量のBCAAを蓄えておくことにより、エネルギー源としてBCAAが使われたとしても、筋肉の分解を最小限に抑えることができます。BCAAが筋肉を保護する効果を発揮し、筋肉の損傷、ひいては筋肉痛の緩和に繋がっている、と考えられています。
男女を対象としたランダム化比較試験において、牛乳を飲むことによる運動誘発性筋肉損傷 (EIMD) への影響が調査されています。これによると、運動直後に牛乳を飲んだグループは、高エネルギーの糖液を飲んだグループと比較して、その後72時間にわたり筋肉痛が軽減され、筋肉の損傷や炎症を示す酵素であるクレアチニンキナーゼ(CK)の量も低く抑えられていました出典[5]。
このように、牛乳には筋肉痛を緩和し、筋肉の合成効率の低下を抑制する効果があると考えられてます。運動後のタイミングで摂取することで、体の痛みや炎症反応を緩和する働きが期待できるでしょう。
筋トレ後の暴食を防ぐ
筋力トレーニングなど、運動を始めた方は、食欲の増加に苦しんだ経験が少なからずあるのではないでしょうか。牛乳の摂取により、運動後の食欲を抑えられる可能性があることが分かっており、食事量や体重のコントロールに有効である可能性が指摘されています。
運動後に牛乳を摂取することで、その後のエネルギー摂取量が減少したという調査結果が得られており出典[6]、必要以上のエネルギー摂取を防ぐ効果があることが期待されています。
特に減量、ダイエットの目的で筋力トレーニングをしている人は、運動後の暴食を防ぐため、牛乳を取り入れてみましょう。エネルギー摂取量を適切に保つことで、運動による徐脂肪体重の増加、ならびに体脂肪減少の効果を最大限に得ることができるでしょう。
無駄な脂肪を減らす
筋力トレーニングによって徐脂肪体重が増加し、体脂肪が減少する効果があるのは言うまでもないことですが、筋力トレーニング後に牛乳を摂取することで、その効果をより高めることができる可能性があります。
無脂肪乳を飲むことによる体組成の変化を調べたランダム化比較試験において、筋力トレーニング後に無脂肪乳を飲んだグループは、炭水化物飲料を摂取したグループと比較して、徐脂肪体重の増加量や体脂肪の減少量が大きかったことが明らかになっています出典[7]。
高エネルギーでありダイエット時の飲料には向かないと思われがちな牛乳ですが、筋力トレーニングと組み合わせることで効果的に体脂肪を落とす効果が期待できることが分かりますね。
脱水を防ぐ
一般的な熱中症予防や脱水予防のための「水分補給」として、牛乳を飲むことはオススメできません。夏場の水分補給は経口補水液など、最低限の糖質と塩分が含まれた水で行うのが理想です。
しかし脱水を起こさないための体づくりとして、糖質とたんぱく質を含む乳製品のような食品を運動後に摂取することが、有意義に働く可能性が指摘されています。
大学生および高齢者を対象に、運動後30分以内に牛乳やヨーグルトなど、糖質とたんぱく質を含む食品を摂取する試験が行われました。これによると、運動の効果として現れる、血流量の増加や、体温調節機能の改善が、大学生と高齢者ともに、乳製品を摂取した場合においてより顕著に確認できたのです出典[8]。
運動後に牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂取することで血流量が増加し、その結果、脱水予防や熱中症予防に繋がる可能性があります。糖質とたんぱく質のバランスが良い乳製品の中でも、水分の多い牛乳を運動後に飲むことで、より高い脱水予防効果が期待できるでしょう。
安価で簡単に手に入る
牛乳が筋力トレーニングの効率を高める可能性を調べた研究においては、牛乳の優れた栄養素に加え、プロテインやアミノ酸のサプリメントよりも安価で手に入るという特徴がよく話題に上がっています。
一部の研究においては、運動後の筋肉量の合成を促す、水分補給を行う、グリコーゲンの回復効果を高める、筋肉痛を軽減する、といった効果においては、市販されている栄養ドリンクよりも牛乳の方が優れているとも述べられています出典[6]。こうした効果を持つ牛乳が、市販の栄養ドリンクの半分以下のコストで手に入れられることから、運動後に飲むドリンクとしては安価かつ良質であると考えられますね。
ただし牛乳に含まれるラクトースにより、牛乳を飲むとお腹が緩くなってしまうという場合もあるかと思います。その場合には、以下の方法を試してみましょう。
一度加熱したものを飲む
加熱することで乳糖であるラクトースが分解されやすくなります
ヨーグルトやチーズを活用する
ヨーグルトやチーズに含まれる乳酸菌がラクトースの分解を助けてくれます
「ラクターゼ処理」の牛乳を選ぶ
ラクトースを予め分解した牛乳であるため、乳糖不耐症の方でも飲むことができます
また、好みの問題で牛乳を苦手としている場合には、アイスクリームやホワイトチョコレートの利用を検討してみてもいいかもしれません。ホワイトチョコレートはマウスを用いた動物実験において、アイスクリームは男性アスリートを対象とした試験において、それぞれエネルギー補給の効率化と、持久力の回復効果が確認されています出典[9]出典[10]。脂質や糖質の過剰摂取に気を付けつつ、適量の補給を心掛けることで牛乳に似た効果を得られる可能性があるでしょう。
牛乳の効果的な飲み方や摂取上の注意点
牛乳は身近な飲み物であるため、特に量やタイミングを気にせず飲んでいるという方も多いかもしれませんね。しかし筋力トレーニングの効果を高めるため、という目的を考えた場合、量やタイミング、飲み合わせを工夫することもまた重要です。以下では牛乳を飲む際のコツや注意点について解説します。
最適な摂取量
厚生労働省が発表している「食事バランスガイド」によると、牛乳やヨーグルトなどの乳製品の摂取は、カルシウム換算で200mg程度が適切であるとしています出典[11]。牛乳であれば1日にコップ1杯、200mlほどが適量であるということですね。
これは筋力トレーニングの効率化をねらう場合にも変わらず、多くの研究において、運動後のタイミングで摂取する牛乳の量は200㏄程度となっており、多いものでも500mlほどとなっています。
牛乳の脂質はエネルギーに変わりやすい良質なものであり、糖質もカルシウムの吸収をサポートしたりとよい働きを持っていますが、全体として高エネルギーの飲料であるため、過剰に飲みすぎると肥満や脂質異常症の原因となるおそれがあります。
1Lの牛乳パック一本を一気に消費するような過剰な飲み方は避け、運動後にコップ1~2杯を摂取の目安としてみましょう。
基本的には全乳で摂取する
牛乳が高エネルギーであることから、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳を好んで飲んでいる方もいらっしゃるかもしれません。しかし筋力トレーニングの効率化をねらう場合においては、これら脂質をカットした牛乳よりも、そのままの牛乳、全乳の方が適していることが分かっているのです。
脂質が豊富に含まれた全乳の状態で摂取することで、無脂肪牛乳を摂取した場合よりも運動後の筋肉の合成能力が高まります。また、糖質を摂取する際に、糖質単体よりも全乳とともに摂取した方が、筋肉へのグリコーゲン貯蔵量が高まることが分かっています。
運動後の牛乳においてはこのように、全乳を利用する方が効果的です。バナナなどで糖質補給を行う際にも、全乳を併せて飲むようにしてみましょう。
プロテインパウダーを溶かす
たんぱく質と脂質のバランスに優れ、筋肉の合成や筋グリコーゲンの回復効率を高める効果のある牛乳ですが、牛乳だけで筋肉の合成に必要なたんぱく質量をまかなうことは難しいと考えられます。
一般に、運動後に筋肉の合成効果を期待して摂取するたんぱく質の量としては20~40gが適量とされていますが、牛乳のたんぱく質量は200mlにつき7g弱と、コップ1杯では大きく不足している、という問題があります。しかし牛乳の摂取量を増やすと脂質を摂りすぎてしまうことになるため、1回につきコップ4~5杯を一気に飲むことはオススメできません。
たんぱく質のみを適切に補給する手段として、プロテインパウダーを活用するとよいでしょう。牛乳に溶かす形で摂取することで、脂質の摂取量を増やすことなく、十分な量のたんぱく質を補給することができますよ。
糖質とともにとる
運動後の筋肉の回復に必要なグリコーゲンの貯蔵ですが、グリコーゲンのもととなるのは糖質であるため、牛乳だけを摂取しても十分なグリコーゲンが貯蔵できません。
筋グリコーゲンを貯蔵するために必要なのは、あくまでも糖質量の高い食品です。筋グリコーゲンの貯蔵効率を高めるための飲料として、牛乳は補助的な役割を果たすものと考えるようにしましょう。
筋グリコーゲンの貯蔵においては、インスリンの分泌量が多いほど効率が上がります。インスリンは血糖値の上昇に反応して分泌されるため、血糖値を大きく上げる和菓子やおにぎりなどが適していると考えられるでしょう。
食材の「血糖値の上がりやすさ」を示す値として「グリセミック・インデックス(GI値)」というものがあります。筋グリコーゲンの貯蔵のために摂取する食品においては、このGI値が高いもの、いわゆる「高GI食品」を選ぶようにするのも効果的ですね。
まとめ
筋力トレーニングの効率を高めるにおいて、運動後に牛乳を補給することは非常に効果的です。脂肪分のカットされていない全乳を選び、血糖値を上げやすい糖質を多く含む食品と併せて摂取することで、より高い効果が期待できるでしょう。安価で続けやすいことも大きなメリットです。是非あなたの筋力トレーニングのお供に、牛乳を添えてみてください。冷たい牛乳はのどごしが良く美味しいため、飲み過ぎてしまわないようお気を付けて。
出典
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