【アスリートが注目!!】サビートとは?5つの効果と適切な摂取方法
2023年7月28日更新

執筆者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識できるよう日々邁進中。

サビートとは

まずはサビートの特徴について、含まれる栄養素や体内でのはたらきからご紹介します。

1.どんな栄養素?

サビートは野菜のビートルートから抽出されたサプリメント素材。ビートルートは日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、海外ではスーパーフードとして注目されている野菜です。カリウムやマグネシウム、リン、鉄分、亜鉛、食物繊維などが豊富に含まれ、不足しがちな重要な栄養素を補うことができます。

サビートの大きな特徴は有効成分の硝酸塩(NO3)が2%以上保有するように規格化されていること出典[1]硝酸塩の摂取は血流の改善につながり、血圧低下や動脈硬化の予防に有益だと言われています。硝酸塩はほうれん草やチンゲン菜など緑色の野菜に豊富に含まれていますが、熱に弱く、調理過程でほとんど失われてしまいます。

そこで、硝酸塩を十分に保有することが保証されているサビートを活用するとよいでしょう。サビートは従来のビートルートパウダーと比べても、不純物が極限まで取り除かれており、安全性が高く高品質なため、おすすめです。

 

2.体の中でどんな働きをする?

サビートの主なはたらきは血管拡張です。有効成分のNO3が材料となり、体内で血管拡張物質のNO(一酸化窒素)を増やします。

NOと聞くとアルギニンやシトルリンを思い浮かべる方も少なくないのではないでしょうか?アルギニンは体内に取り込まれると、一酸化窒素合成酵素によって酸素が付与されます。アルギニンと酸素が結びつくと、NOとシトルリンが合成されます。シトルリンはアルギニンに変換されるため、シトルリンを摂取することでも体内のNOは増えます。

一方でNO3は酸素を使わずにNOを作り出せるのが大きな特徴です。摂取したNO3が口腔内でNO2に変換され、NO2が胃や筋などでNOに変換されます出典[2]。特に運動時や性行為時など息が上がり、酸素が足りなくなる状況で、NO2からNOへの変換は促進されます。つまり、NO3からNO生成する経路は、酸素が必要なアルギニンのNO生成経路を補完してくれる役割があります。

効率よく全身の血液を巡らせるためには、アルギニンやシトルリンだけでなく、サビート等からNO3を摂取する必要があると言えます。

 

サビートに期待できる作用や効果

ここからはサビートに期待できる効果をご紹介します。

1.心肺能力の向上

ランニングなどの有酸素運動では、心臓がポンプの役割を果たして、全身に血液を送り込みます。酸素を血流に乗せて、筋肉に運ぶことでエネルギーが作られます。継続的に肺から酸素を取り込むことで、私たちは長い時間走ることができるのです。

サビートを摂取すると血管が拡張するため、より効率的に酸素を全身に運ぶことができます。その結果、より多くのエネルギーが作られ、有酸素運動のパフォーマンスが向上します。

実際に9人の自転車競技選手に硝酸塩を豊富に含むビートルートジュース、もしくはプラセボを摂取してもらった研究では、ビートルートジュースを摂取した場合、4kmのタイムトライアルの完了時間は2.8%短くなり、16.1kmのタイムトライアルの完了時間は2.7%短くなりました出典[3]

ビートルートジュースは東京五輪で金メダルを獲得した世界的ランナー・キプチョゲ選手も愛飲しています。持久力を高めたい人はサビートを摂取するとよいでしょう。

 

2.高強度運動のパフォーマンス向上

サビートの摂取は有酸素運動のみならず、筋トレなどの強度の高い無酸素運動にも有益です。

筋トレのように瞬発的に力を発揮する高強度の運動時には、基本的に酸素はあまり使いません。酸素を使用したエネルギー産生経路は、多くのエネルギーを生成できる一方で、時間がかかるからです。そのため、一見、サビートによる血流の増加は無酸素運動のパフォーマンスに影響しないように考えられます。

しかしインターバル中に十分な栄養素や酸素が運搬されることで、回復が促進され、高強度の運動のパフォーマンスも向上します。

実際のデータでも、12人の男性が6日間硝酸塩が豊富なビートルートジュースを摂取し、ベンチプレスを3セット行った結果、ベンチプレスの総挙上重量が18.9%向上したことが報告されています出典[4]

また血流が増加することで、鍛えた部位が膨らみ、筋肉をより意識しやすくなります。筋肉を大きくしたい人にもおすすめの成分です。

 

3.リカバリーの促進

慣れない運動や激しい運動の後に生じる筋肉痛や炎症。痛みが強いと運動をする気も失せてしまいますよね。

NOは血管拡張のみならず、炎症を調節する作用があるため、サビートの摂取は運動後のリカバリーを促進する可能性があります。

2020年に20 人の男性のチーム スポーツ プレーヤーを対象に、硝酸塩の摂取と筋機能の回復の関係を調べた研究が行われました。対象者は硝酸塩が豊富なビートルートジュースもしくはプラセボを3日間摂取し、筋肉痛が生じやすい運動(スプリント・カウンタームーブメントジャンプ・レッグエクステンション)を行いました。

その結果、ビートルートジュースを摂取した群はプラセボ群よりも10.4%痛みの感じ方が小さかったことが報告されました出典[5]

サビートは運動中のみならず、運動後にも効果が期待できる成分のようですね。

 

4.血圧の低下

日本人の3人に1人が発症している高血圧。心血管疾患や慢性腎臓病などの重篤な合併病を伴う危険性があるため、適切に対処する必要があります。

高血圧は、血液が血管を流れる時に過度な圧力がかかることによって生じます。血管が硬く、通り道が狭いと、血圧は高くなりやすいです。NOは血管を柔らかくし、拡張させるため、サビートの摂取は血圧の低下に効果的です。

実際に硝酸塩の摂取と血圧の関係を調査した22の研究結果をまとめたレビューでは、収縮期血圧が平均9.37mmHg低下していたことが報告されています出典[6]収縮期血圧の約 5 mmHg の減少は、脳卒中や心血管疾患による死亡のリスクの大幅な減少と関連していることを考えると、サビートを摂取する価値は大いにあります出典[7]

健康診断で血圧を注意された方は、サビートの摂取を検討してみるとよいかもしれません。

 

5.認知機能の向上

血流を通じて、酸素や栄養素を得ているのは筋肉だけではありません。脳にも十分に血液が送られることでパフォーマンスが高まります。

実際に、16 人の男性チームスポーツプレーヤーにビートルートジュースもしくはプラセボを摂取してもらい、高強度のサイクリング運動と認知課題を行ってもらった研究では、運動のパフォーマンスの向上のみならず、認知課題への反応速度が改善したことが報告されています出典[8]

日常的なサビートの摂取は、仕事中の頭のキレにも繋がるかもしれません。
 

NOブースター・サビートの摂取方法や注意点

一酸化窒素を増やす成分として注目されているサビート。その効果を最大限に引き出すためには、適切な摂取方法や注意点を知っておくことが大切です。この記事の最後に、サビートの正しい摂取方法や副作用についてご紹介します。

1.どのくらい摂取すればいい?

日本ではビートルートを日常的に摂取することは難しいため、サビートを活用して効率的に硝酸塩を摂取することはおすすめです。サビートを販売するサビンサジャパンコーポレーションによると、1日の推奨量は500~5,000mgとされています。

 

2.健康に摂取できる量は?

いかに健康に効果的な食品であっても食べ過ぎは身体に悪影響を及ぼす可能性があります。これはサビートも例外ではありません。

世界保健機関(WHO)は、硝酸塩の許容一日摂取量を3.7mg/kgとしています。これは体重60kgの人で222mgの量に相当します出典[9]。サビートは硝酸塩を2%保有するように規格化された成分ですので、体重60kgの人は11,100mgが1日のサビート摂取量の上限となります。

 

3.相性の悪い成分は?

多様な健康効果が期待できるサビートですが、実は身近なもので相性の悪い成分も存在しています。

特に注意したのがマウスウォッシュ。サビートには血管拡張物質のNOの前駆体のNO3が含まれていることはこれまで述べてきた通り。NO3がNO2に、NO2がNOに変わることで血管が拡張します。

実はこのNO3からNO2への変換の際に、口腔内に存在する細菌が非常に重要な役割を果たしているのです。マウスウォッシュは口腔内の細菌を殺菌してしまうため、サビートの血管拡張効果を低減させてしまう可能性があります出典[10]

マウスウォッシュ以外にも殺菌性のある歯磨き粉には要注意。アルコールフリーのマウスウォッシュや抗菌性のない歯磨き粉を選ぶようにしましょう。

 

4.効果的な飲み方

近年の研究では硝酸塩は筋肉に貯蔵されることも分かっています。予め筋肉に蓄えておくことで、血管を拡張させたい時にすぐに取り出せるのです。そのため基本的にはサビートは毎日継続的に摂取することがおすすめです。

その上で、経口摂取した硝酸塩は2~3時間後に血中濃度が最大になることが明らかになっています出典[11]筋トレ前など、すぐさまに効果が欲しいという場合は、運動の3時間程度前に摂取するとよいでしょう。
 

まとめ

サビートは、ビートルートから抽出された成分で、一酸化窒素(NO)の生成をサポートすることが期待されています。NOは血管を拡張し、筋肉の酸素供給を増やす効果があるため、運動時のパフォーマンス向上や筋肉疲労の軽減などに役立ちます。また、血圧の低下や認知機能の向上などの効果も期待できます。適切な摂取方法と注意点を守りながら、サビートを活用して健康的な生活を送りましょう。

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