男性がピスタチオに期待できる効果7選!適切な食べ方も解説
2024年6月7日更新

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

ピスタチオってどんな食べ物?

ピスタチオを毎日食べているという方は少ないのではないでしょうか。日本ではあまり馴染みのないナッツであるため、積極的に食べようとしなければ入手の機会もなかなかありません。

ピスタチオを食べるメリットや効果を知る前に、まずはピスタチオの特徴を簡単に理解しておきましょう。

鮮やかな緑と薄皮が香ばしいナッツ

ピスタチオはカシューナッツやクルミ、アーモンドと同じナッツの仲間です。分厚い殻の中には、薄皮に包まれた鮮やかな緑色のピスタチオが入っています。ピスタチオの殻は簡単に割ることができるため、殻つきのままよく販売されています。

ほかのナッツに同じく高カロリーですが、良質な脂質である不飽和脂肪酸を多く含んでいます。食べ過ぎは禁物ですが、適量を摂取することで多様な健康効果が期待できるとして注目されている食品です。

ピスタチオはほかのナッツ類と同様に、ω‐3系脂肪酸やビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源としても活躍します。ナッツを食事に取り入れる際の選択肢として、ピスタチオを選んでみるのもよいかもしれません。

 

多様な生理活性物質が高い抗酸化能力を発揮

ピスタチオの特徴は、鮮やかな緑色と薄皮に含まれるポリフェノールでしょう。ピスタチオにはトコフェロール、フィロキノン、カロテノイド、クロロフィル、フラボノイドなど、多くの生理活性物質が確認されています。

植物由来の生理活性物質の多くは、優秀な抗酸化物質として機能します。抗酸化物質は私たちの体に発生した「活性酸素」を抑えるように働くものです。ピスタチオの高い抗酸化能力は、これら多くの生理活性物質の相乗効果によるものと考えられています出典[1]

過剰な活性酸素は「酸化ストレス」となり、体のあらゆる細胞にダメージを与えてしまいます

たとえば血管が傷付くと、血管の柔軟性が失われ動脈硬化の進展につながります。肌へのダメージはシミやくすみの原因となるほか、目への酸化ストレスは緑内障のような疾患のリスクを高めることが判明しています。

健康や美容の面において、過剰な活性酸素の働きを抑える抗酸化物質は非常に重要です。私たちの体内にもある程度の抗酸化能力は備わっていますが、食品から積極的に摂ることで、より健康や美容をサポートしやすくなるでしょう。

 

男性がピスタチオに期待できる効果7選

ピスタチオには抗酸化物質をはじめ、様々な栄養素や機能性成分が含まれます。適量を習慣的に取り入れることで、健康や美容へのよい効果が期待できるでしょう。

ここからは男性がピスタチオを食べることで得られるメリットを解説します。

1.目の健康維持

目の健康維持といえばブルーベリーを思い浮かべる方が多いかもしれません。ブルーベリーは目の視力の維持や、目の疲れの軽減に役立つとされる食品です。

一方、ピスタチオにはω‐3系脂肪酸やポリフェノール類が豊富であり、網膜へのダメージを軽減する効果が期待できます

酸化ストレスは目の網膜にもダメージを与え、眼疾患のリスクを高めてしまいます。ω‐3系脂肪酸やポリフェノール類が持つ抗酸化作用により酸化ストレスを減らせれば、網膜へのダメージを軽減でき、目を健康に保つ効果が期待できるでしょう。

ピスタチオにおいては、とくにルテインとザアキサンチンという成分に注目すべきです。ルテインとゼアキサンチンはカロテノイドの一種であり、様々な眼疾患、特に白内障や加齢黄斑変性症のリスクを軽減する効果が期待されています出典[1]

2008年にオーストラリアのシドニー大学で行われた調査によると、ルテインとゼアキサンチンの摂取量が最も多い人は、摂取量が最も少ない人に比べて血管新生型の加齢黄斑変性症が65%減少していることが判明しています出典[2]

加齢黄斑変性では網膜の中心部である黄斑の障害によりものが見えにくくなり、放置すると失明にもつながります。ルテインやザアキサンチンの摂取を若い頃から続ければ、将来に眼疾患を生じるリスクを減らせるかもしれません。

 

2.血糖値スパイクの防止

ピスタチオは良質なたんぱく質や脂質を含んでおり、また食物繊維の摂取源としても活躍します。これらの栄養素は腸内を緩やかに移動するため、食物の消化や吸収のスピードを抑える効果が期待できるでしょう。

食物の消化や吸収を緩やかにできる一番のメリットは、血糖値スパイクの防止です。お米やパン、パスタやうどんのような主食は糖質量が多く、血糖値を大きく上げる性質があります。血糖値が急激に上昇する「血糖値スパイク」では、次の2つの問題が生じます。

  • インスリンの大量分泌が起こり、体脂肪が合成されやすくなる
  • 高血糖状態が血管にダメージを与え、動脈硬化を進行させる

血糖値スパイクは、肥満や生活習慣病のリスクを高める危険な状態です。血糖値スパイクを防ぐためには高糖質食品の摂りすぎを防ぐとともに、血糖値の上昇を緩やかにする工夫が重要です。

2011年にカナダのセントマイケルズ病院で行われた臨床試験では、食パンに加えたピスタチオの容量が多いほど、血糖値の上昇を抑える効果が強まったことが確認されています出典[3]

血糖値の急上昇を抑える効果の高い栄養素をピスタチオから手軽に摂取して、血糖値スパイクを防ぎましょう。

 

3.心血管疾患の予防

ピスタチオに限らず、ナッツ全般の摂取は心血管疾患(CVD)のリスクと全死因死亡率の大幅な減少に関連しています出典[4]。ピスタチオにおいてはω‐3系脂肪酸に加え、ルテインやγ-トコフェロールが脂質の調整や酸化防止に役立つと考えられています。

2010年にアメリカのペンシルベニア州立大学から発表された論文では、ピスタチオを含めた食事を1日に1~2回摂ることで、LDLコレステロールが約9~12%、酸化LDLが約10~15%減少したとの結果が得られました出典[5]

LDLコレステロールが酸化し、血管内皮細胞に侵入すると、血管が弾力性を失い動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が悪化すると心筋梗塞や脳卒中のような心血管疾患のリスクも高まるため、LDLコレステロールや酸化LDLを減らすことは非常に重要です。

ピスタチオの摂取で脂質の増えすぎや酸化を防ぎ、心血管疾患のリスクを減らしましょう。

 

4.性機能の改善

ピスタチオから効率的に摂取できる抗酸化物質は、次のようなメカニズムで性機能の保護や改善に役立つ場合があります。

  • 精巣へのダメージ軽減によりテストステロンや精子を保護
  • 良好な血流により勃起不全(ED)を改善
  • セレンがテストステロンの分泌を促すホルモンを増加

精巣は男性ホルモンであるテストステロンの主な合成場所であり、精子を製造する組織でもあります。

精巣は酸化ストレスに非常に弱く、過剰な活性酸素により容易にダメージを受けてしまいます。精子の量や質、テストステロンの分泌量を維持するためには酸化ストレスを減らすことが重要です。

また、抗酸化物質により血管の柔軟性を保ち良好な血流を確保できれば、勃起不全(ED)の改善にも役立つ可能性があります。

2011年にトルコのアタテュルク病院で実施された臨床試験では、3週間にわたるピスタチオの摂取により、総コレステロールとLDLコレステロールに減少傾向が見られたほか、国際勃起機能指数(IIEF)スコアが平均36から54.2にまで増加したとの結果が得られています出典[6]

さらにピスタチオから摂取できるミネラル、セレンも性機能の向上に関係しています。テストステロンの分泌を促す黄体形成ホルモン(LH)を増やすように働きます。

不妊男性がセレンを摂取することで、テストステロンやLHの血中濃度、精子の数や運動率などに改善が見られた論文が複数存在することからも出典[7]出典[8]、セレンが性機能の改善に役立つことが分かるでしょう。

このように、ピスタチオには性機能に関係する多様な効果が期待できます。性機能をサポートするための食品として、ぜひピスタチオを選んでみましょう。

合わせて読みたい:フル勃起しない原因4つとペニスを硬くする方法15選

 

5.運動のパフォーマンス向上

ピスタチオの成分のうち、運動のパフォーマンス向上に期待できる成分は主に次の2つです。

  • ロイシン:筋肉の合成を促す
  • ω‐3系脂肪酸:筋肉の炎症を抑制し、筋肉痛を軽減させる

ピスタチオに含まれるたんぱく質は必須アミノ酸のバランスが良好であり、筋肉の合成に役立ちます。とくにロイシンというアミノ酸は筋肉のたんぱく質合成を促す独自の役割を持ちます出典[9]

ピスタチオの摂取により血中ロイシン濃度を効率的に高められれば、運動後の筋肉の合成効率が上がり、筋肥大のサポートに役立つでしょう。

またω‐3系脂肪酸をはじめとする抗酸化物質は、筋肉の炎症や痛みを軽減するように働きます。

2022年にアメリカのサンディエゴ州立大学から発表された論文では、ピスタチオの摂取により臀部や殿筋の痛みを示すスコアが約40%減少したとの結果が得られています出典[9]

運動で効率よく筋肉を増やしたい方、運動後の筋肉痛を和らげたい方には、ピスタチオの摂取が有効であるかもしれません。

 

6.認知機能の向上

ピスタチオをはじめとするナッツ全般に含まれるω‐3系脂肪酸やポリフェノール類は、記憶力を高めたり、認知機能の低下を防いだりするように働く可能性があります。

ナッツの認知機能に関する22件の研究を分析した論文では、ナッツの継続摂取により加齢による認知機能のリスクが低下すること、ミックスナッツの補給により記憶力が向上することなどが報告されています出典[10]

またピスタチオに特化したものでは、マウスを用いた動物実験が行われています。

2019年にインドのバブー・バナラシ・ダス大学から発表された論文では、薬剤により記憶障害を生じたマウスにピスタチオのエタノール抽出物を与えたところ、認知機能の改善が確認され、記憶力を要する水迷路で高い成績を残したと報告されています出典[11]

記憶力や注意力は加齢とともに低下します。認知機能の低下のリスクを食事で抑えたい場合には、ピスタチオをはじめとするナッツを試してみましょう。

 

7.腸内環境の改善

ピスタチオに含まれる食物繊維や良質な脂質は、腸内細菌のバランスを整えるために役立つと考えられています。

2014年にフロリダ大学から発表された論文では、ピスタチオはアーモンドよりも効率的に、有益な酪酸生成細菌の数を増やしたと報告されています出典[12]

また、肥満マウスを用いた動物実験では2020年にイタリアのパレルモ大学から発表された論文にて、ピスタチオの摂取の有効性が確認されています。

ピスタチオの摂取により炎症性サイトカインであるTNF-αやIL-1βの値が約7割に低下したほか、腸内における10種の有用細菌が増加しました。さらに高脂肪食による脂肪蓄積もピスタチオの摂取で約4~6割まで抑えられており、肥満の防止にも役立つ可能性が指摘されています出典[13]

ピスタチオの摂取は、腸内細菌のバランスを整えたり、腸内での炎症を抑えたりするために役立つようです。腸内環境を整えることは、便秘の改善や肥満の防止にも有効です。ピスタチオの継続摂取により、スッキリ快適な毎日を過ごす効果が得られるかもしれません。
 

効果的なピスタチオの食べ方

このように、ピスタチオ由来の成分には多様な健康効果が期待できることが分かりました。しかしピスタチオの効果をより発揮するには、食べる量や選び方に工夫が必要です。

ここからは、ピスタチオを食べる際のポイントについて解説します。ピスタチオを毎日の生活に取り入れたい場合の参考として、ぜひご活用ください。

1日30g以下を目安に

ピスタチオ(煎り)のカロリーは100gあたり617kcal、脂質量は56.1gであり、ほかのナッツと同様、高脂質かつ高カロリーな食品です。

ω‐3系脂肪酸やポリフェノールなど、機能性成分の供給源として非常に優れているピスタチオですが、摂りすぎはカロリーオーバーを招き、肥満の原因となる点を意識しておきましょう。

ナッツの1日あたりの摂取目安量として、一般に1日30g以下が適切とされています。ピスタチオ30gであれば約185kcalであり、嗜好食品の1日の目安量とされる200kcalの範囲に収まります。

ピスタチオは1粒あたり1g弱であるため、殻を剥いた状態であれば、30~40粒程度食べられる計算になるでしょう。

 

食前や間食時の摂取がおすすめ

ピスタチオは噛み応えがあるため、小腹が空いたときのナッツ類や、食欲を増進させる効果のあるアルコールを摂る際のおつまみに適しています。

アルコール飲料の中でも、ビールや日本酒のような醸造酒には糖質が含まれるため、血糖値を上げやすい性質があります。ピスタチオの摂取により、飲酒時の血糖値の上昇を防ぎ、またアルコールにより生じる活性酸素の働きを抑える効果も期待できるでしょう。

食前の摂取もおすすめです。血糖値の上昇を抑えられることに加え、ピスタチオに豊富なω‐3系脂肪酸には食欲を抑える効果も期待できます。

空腹感を司るホルモン「グレリン」の分泌を減らし、満腹感を高めるホルモン「コレシストキニン(CCK)」の分泌を促すように働くため、食べ過ぎ防止に役立つでしょう出典[14]

また、ピスタチオは一粒ずつ殻を剥いて食べる必要があります。時間をかけて食べられるため、間食や食前に取り入れると満腹感を感じやすくなります。追加のおやつや食事のおかわりをストレスなく減らしたい方にも、ピスタチオはおすすめです。

 

フライや味付けを避けて無塩のものを

健康志向の高まりとともに、ピスタチオをはじめとするナッツ製品の種類は増えています。なかには食べやすさや味の向上のため、フライされたものやシュガーコーティングされたものも売られています。

しかしピスタチオ本来の効果を期待する場合は、過度な調理がされたものは避けるべきです。余剰なカロリー、脂質、糖質を摂ることになるほか、おいしい味付けにより食欲が増し、食べ過ぎるリスクも高まります。

健康効果を期待してピスタチオを食べる場合は、油や糖類による味付けがされたものを避け、素焼きかつ無塩のタイプを選びましょう。

 

薄皮は剥かずに食べる

ピスタチオの薄皮が気になり、綺麗にはがして食べる方もいるのではないでしょうか。しかし薄皮は食べられる部位であり、捨ててしまうのは栄養面においてもあまり効率的ではありません。

ピスタチオは部位により摂取できる成分が異なります。ルテインやザアキサンチン、ゲニステイン、カテキンのような機能性成分は内側の緑色の部分に含まれますが、アントシアニンやエピカテキン、ケルセチンなどフラボノイドの多くは薄皮の方に含まれます出典[1]

様々な機能性成分が含まれる薄皮を、丸ごと捨ててしまうのはややもったいない方法と言えるでしょう。

薄皮はやや苦みがあるものの、中のピスタチオとあわせればおいしく食べられます。これからピスタチオを食べ始める方は、ぜひ薄皮ごと食べる習慣を付けてみましょう。

 

まとめ

ピスタチオにはω‐3系脂肪酸をはじめ、アミノ酸スコアが高めのたんぱく質や、抗酸化作用の強いポリフェノール、ビタミンにミネラル、食物繊維など、あらゆる栄養素や機能性成分が含まれています。

毎日の生活に取り入れることで生活習慣病予防に加え、目や性機能、運動や認知機能など、様々なメリットが得られるでしょう。

ただし高カロリーかつ高脂質であるため、食べ過ぎは禁物です。少量を継続摂取して、元気で若々しい体づくりに役立てましょう。

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