カルニチンはテストステロンを増やす?適切な飲み方を解説
2024年4月17日更新

執筆者

NSCA-CPT、調理師免許

大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)

激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。

カルニチンってどんな栄養素?

カルニチンは、肝臓や腎臓で必須アミノ酸であるリジンとメチオニンにより合成される物質。

人間は、糖質や脂肪酸をミトコンドリアという細胞内小器官でエネルギーに変換することで活動することができます。

そして、カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに運搬するはたらきを担っているのです。

人間の体では主に骨格筋や心筋に存在し、体内でも生成することが可能。

しかし、加齢とともに生成量は減少してしまいます。

食事でも補うことができますが、現代においては食生活の偏りなどによって不足しがちになることも。

不足すると体内でうまくエネルギーが生み出せなくなり、細胞内に脂肪が蓄積しやすくなってしまいます

ちなみに、食べ物では肉類、特に赤身の肉類に多く含まれていますが、野菜や果物にはほとんど含まれていません。

また、トレーニングやダイエットのためのサプリメントとしても広く販売されています。

そのため、サプリメントを利用して補給することも重要な選択肢となります。
 

カルニチンとテストステロンの3つの関係

この項目ではエビデンスを交えながら、カルニチンとテストステロンの関係を3つご紹介します。

ストレスによるテストステロンの減少を防ぐ

じつは、テストステロンはストレスに弱い性質を持つ物質。

カルニチンは、そんなテストステロンをストレスから守ってくれる可能性があります

ここで、2022年にシラーズ医科大学から発表された論文をご紹介しましょう出典[1]

研究では、MSG(グルタミン酸ナトリウム)によるラットの精巣障害に対する、抗酸化剤としてのカルニチンの効果を分析。

ちなみに、MSGは食品の風味を高めるために使用される添加物。摂取すると酸化ストレスを引き起こしてステロイドホルモンの産生を抑制、精子の質の低下などを招くと言われています。

なお、実験対象である60匹のラットはランダムに以下のグループに分けられました。

  • 水を投与するコントロール群
  • 生理食塩水を投与する偽薬群
  • カルニチン200mg投与する群
  • MSG3gのみを投与する群
  • MSG3gとカルニチン100gを投与する群
  • MSGgとカルニチン200gを投与する群

以上の条件で、6ヶ月間の経口投与の後に各種の値を分析。

その結果、MSGのみを摂取した群はテストステロンレベルが大きく低下

しかし、一緒にカルニチンを摂取した群はMSGのみを摂取した群に比べ、テストステロンレベルが大きく上回っていました

論文では、カルニチンはその抗酸化力により、MSGによるラットの精巣障害を減少させることが判明したと結論付けています。

このデータからも、カルニチンはテストステロンをストレスから守ってくれる可能性があると言えるのです。

 

血液透析患者において体内のカルニチンが少ない人はテストステロンが低い

じつは、血液透析患者の体内のカルニチンレベルとテストステロンレベルには、正の相関関係が見られます

それを証明するような、2013年に久留米大学医学部から発表された論文をご紹介しましょう出典[2]

研究では、男性血液透析患者においてカルニチンの欠乏がテストステロンの値と関連しているかどうかを調査しています。

分析のために、被験者である男性血液透析患者19名に血液検査を実施。

その結果、血液透析患者のテストステロンの平均値は健康的な成人よりもはるかに低いことが判明。

また、詳しい分析により、カルニチンの値とスタチンの使用がテストステロンレベルの決定因子であることが明らかに。
※スタチンは血液中のコレステロール濃度を低下させる薬の総称。

論文では、男性血液透析患者においてカルニチンの値の低下はテストステロンレベルの低下に関連していると結論付けています。
 

テストステロンの受容体を活性化する

カルニチンはテストステロンの受容体であるアンドロゲン受容体を活性化させ、トレーニング効率を高めてくれる可能性があります。

アンドロゲン受容体とは細胞内に存在し、男性ホルモンを受け取る物質のこと。

つまり、アンドロゲン受容体が活性化すれば、テストステロンのはたらきも活発になるのです。

ここで、2006年にコネチカット大学から発表された論文をご紹介しましょう出典[3]

研究では、3週間に渡るカルニチンの補給がアンドロゲン受容体に与える影響を調査しています。

被験者となったトレーニング経験のある男性10名は、1日2gのカルニチンまたはプラセボを21日間摂取。

アンドロゲン受容体測定のために筋組織を採取後にトレーニングを実施した後、採血などの分析が行われました。

その結果、カルニチンを補給した群はプラセボ群と比べて、運動前のアンドロゲン受容体が増加

論文では、カルニチンの補給はアンドロゲン受容体を増加させ、トレーニング後の回復を促す可能性があると結論付けています。

このデータからも、カルニチンはトレーニング効率を高めてくれる可能性があると言えるのです。
 

カルニチンの効果的な摂取方法

この項目では、気になるカルニチンの効果的な摂取方法をご紹介します。

どのくらい摂取すればいい?

先述のテストステロンの受容体が活性化が確認された研究からも、カルニチンの摂取量は1日2g程度が望ましいでしょう。

ここで、2015年に食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会により発表された資料をご紹介します出典[4]

資料内でも、EFSAの試験結果から1日2g(体重1kgあたり33.3mg)のカルニチン摂取は安全であると述べられています。
※EFSAとは欧州食品安全機関のこと。

また、食品を介した日本人のカルニチン摂取量は1日で体重1kgあたり0.77mgと推定されているとのこと。

加えて、人間の経口投与試験において、腸管のカルニチン吸収は2gで飽和していると考えられているそうです。

そのため、食品を介して人間がカルニチンを過剰摂取することはないと述べられています。

従って、食品から摂取するにしてもサプリメントを利用するにしても、カルニチンの摂取量は1日2g程度を目安にしましょう。

 

カルニチンを豊富に含む食べものは?

カルニチンを豊富に含む食べ物には、以下のようなものがあります。

【食品中の100gあたりのカルニチン含量出典[5]

食品カルニチン含量(mg/100g)
羊肉(マトン)208.9
牛肉(ランプ) 130.7
子羊肉(ラム)80
豚肉(ロース)69.6
牛肉(ヒレ)59.8
鶏肉(もも)32.8
あさり23.8
牡蠣23.1
19.6
さんま16.6

なお、カルニチンは一般的な成人なら1日の必要量の約75%が食事から供給され、残りの25%は体内で生合成されます

そのため、食生活の偏りがある方や、アミノ酸合成機能が衰える高齢者は欠乏しやすくなることも。

心当たりのある方はカルニチンが不足してしまわないよう、上記にある赤身の肉や魚、乳製品などをバランスよく摂取しましょう。
 

カルニチンがテストステロンを増やすかは今後の研究に期待

なお、現時点では、健康な成人に対する研究でカルニチンの摂取がテストステロンを増加させたという報告はありません。

しかし、ご覧いただいた通り、カルニチンとテストステロンにはいろいろな関係が示唆されています。

また、上手く活用すればトレーニング効率を高められる可能性もあります。

加えて、カルニチンは食事から補給でき体内でも合成されますが、偏食などによって不足してしまうことも。

心当たりのある方は、ぜひ食生活を見直したりサプリメントを活用するなどして、効率よくカルニチンを補給してみてくさい。
 

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