監修者
上級睡眠健康指導士 /NR・サプリメントアドバイザー
関川裕大
睡眠と運動と栄養の3つ面から皆様の健康的なライフスタイルをサポートします。睡眠と運動は特に男性のQoLにおいて非常に重要な役割を果たします。睡眠が不足すると筋肉が付きにくく太りやすくなりますし、運動が十分でない男性は睡眠の質も低下し易いと言われております。そして栄養が不足すると運動効率も睡眠の質も悪化してしまいます。医療に頼らない心と体の健康促進を目指します。
執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
なぜ筋トレ中にラムネを食べる人がいるのか?
日常的に筋トレに励むトレーニーの中には、ジムでラムネを食べている人を見かけたことがあるかもしれません。
実はラムネはそのほとんどがブドウ糖で構成されていて、生命活動におけるエネルギー源になります。
つまり、ラムネをエネルギー源として摂取することでトレーニングパフォーマンスを高めようとしているトレーニーが多いのです。
しかし、この方法が本当に筋トレに効果的なのかどうか気になるところですよね。
本記事では、ラムネが筋トレにもたらす効果について論文や研究の結果をもとに科学的に検証していきます。
お手軽にトレーニングパフォーマンスを高めたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
ラムネが筋トレにもたらす3つの影響
まずはラムネが筋トレにもたらす3つの影響について、最近の論文や研究をもとに解説します。
1.エネルギー源の貯蓄が増えて高いパワーを発揮できる
ラムネなどの糖質を摂取すると、エネルギーが貯蓄されてトレーニングにおいて高いパワーを発揮してくれます。
それでは、1985年にE.F Coyle氏によって行われた実験を例に見てみましょう。
この実験では持久力トレーニングをしている7人のサイクリストを対象に、運動の4時間前に高炭水化物の食事をした場合と16時間絶食した場合での変化を計測しました。
実験の結果、事前に炭水化物を摂取すると運動時にグリコーゲンがなんと42%も増加していたのです出典[1]。
グリコーゲンとは筋肉を収縮する時に必要なエネルギーとして利用される多糖類の一種で、これが不足するとエネルギー不足となり十分に力が発揮できません。
つまり糖質を摂取することで体内のグリコーゲンが増加し、より高いパワーを発揮できるようになるのです。
途中でスタミナ切れになってトレーニングがなかなかうまくいかない人は、ラムネを取り入れてみるのもひとつの方法かもしれません。
2.集中力が増して質の高い筋トレができる
ラムネなどの糖質は、集中力アップにも効果的であることをご存じでしょうか。
17人のスカッシュ選手とフェンシング選手を対象に運動の60分前と30分前にマルトデキストリン(糖質)を投与した実験では、中枢神経系が刺激されて認知能力が向上する動きが見られました出典[2]。
集中力が切れた状態で筋トレをすると、効果が十分に得られないだけでなく怪我のリスクも高まります。
集中力がアップすれば正しいフォームや動作ができて筋肉に最大限の刺激を与えられるため、より狙った部位に効かせやすいでしょう。
3.筋肉の分解を抑制して筋肥大の効率を上げる
ラムネなどの糖質は、筋分解の抑制や筋肥大サポートにも効果的であることも報告されています。
オクラホマ大学のChad Kerksick氏が行った研究によると、運動を終える15分前または15分後に糖質を摂取すると筋肉の分解が抑制される動きが見られたそうです出典[3]。
同研究では、運動後に高用量(8~10g/日)の炭水化物を摂るとグリコーゲンが再合成されることが証明されました。
グリコーゲンが減少すると、運動強度が下がり筋肉組織の損傷レベルが増加してしまいます。
糖質を摂取すれば体内でグリコーゲンが生成され、筋分解の抑制や筋肥大にも効果的です。
「トレーニングしてもなかなかバルクアップできない」という人は、筋トレ直後の糖質摂取を心がけてみてください。
筋トレにおけるラムネの摂取方法
ここからは、筋トレにおけるラムネの効果的な摂取方法について解説します。
どのタイミングでラムネを食べるべきか分からない人は、ぜひ参考にしてみてください。
摂取方法1.筋トレの質を最大化するならトレーニング中に摂取
筋トレのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、トレーニング中にラムネを食べるのがおすすめです。
タンパク質が含まれる炭水化物飲料を摂取した場合、通常よりも40%長くパフォーマンスを発揮できたという実験もあります出典[4]。
さらに別の実験では、訓練を受けた9人のサイクリストを対象に高強度エクササイズの最中に炭水化物を投与したところ、疲労までの時間が大幅に延長されたという結果になったのです出典[5]。
これらの結果から見ても、トレーニング中の糖質摂取は筋トレの効果を最大限に引き出してくれることが分かりますね。
ラムネなら小粒で容器も小さいため、持ち運びしやすく筋トレの最中でも手軽に摂取しやすいでしょう。
摂取方法2.カタボリックを防ぐなら終了後30分以内に食べる
トレーニーであれば、せっかく筋トレをしたのにカタボリック状態になるのは何としても避けたいところですよね。
もしカタボリックを防ぎたい人は、筋トレ終了後の30分以内にラムネを食べましょう。
2008年に行われたChad Kerksick氏の研究では、運動後30分以内に体重1kgあたり1.5gの炭水化物を摂取すると筋肉の再合成速度が速くなることが証明されました出典[6]。
別の研究では、運動後のグリコーゲン再合成を最大限に高めるために運動直後に体重1kgあたり最低でも1.0gの糖質を摂取する必要があるという研究結果もあります出典[7]。
カタボリックが起きると筋肉量や基礎代謝、体重の低下にもつながるため、筋トレの効果を無駄にしないためにも早めにラムネなどの糖質摂取を心がけてください。
摂取方法3.プロテインとの同時摂取でさらに筋肥大を効率化させる
さらに効果的に筋肥大させたい人は、ラムネとプロテインを同時に摂取するのがおすすめです。
トレーニングを受けていない若い男性32名を対象に糖質とタンパク質の混合溶液を投与した実験では、それぞれ単体で摂取した場合よりも筋トレ後の筋肥大作用を大幅に高めることが証明されました出典[8]。
トレーニング経験者40人に筋トレ後40gのタンパク質と120gの糖質を摂取させた実験では、グルコースおよびインスリン濃度が上がり筋肥大効果が向上したという結果に出典[9]。
このように糖質とタンパク質の同時摂取によって筋肥大率がアップするという論文や研究は数多くあります。
美味しいラムネとプロテインを用意しておけば筋トレ後のご褒美にもなるので、よりトレーニングに励むこともできそうですね。
筋トレにラムネを上手く取り入れよう
今回は、筋トレにラムネが効果的である理由を解説しました。
ラムネをはじめとする糖質は、トレーニングパフォーマンスや集中力を向上させるため筋トレに効果的といわれています。
また筋分解を抑制して筋肥大をサポートしてくれるので、大幅にバルクアップさせたい人にもおすすめです。
「重量を更新したい!」「すぐにバテてしまう」という人は、筋トレ中にラムネを食べれば良い結果を出せるかもしれませんよ。
コスパも良く手軽に試せるので、みなさんもぜひ日々のトレーニングに取り入れてみてください。
出典
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