執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
なぜ寝る前のブルーベリーが注目されているのか?
いま、寝る前にブルーベリーを食べることが注目されています。
なぜ寝る前の摂取が注目されているのでしょうか?
なんとなく、寝る前に食べることが健康に良いとされている話を聞いたことがある人もいるでしょう。
しかし夜寝る前はそもそも食べ物は摂取しない方がいいという話もあります。
実際、就寝前にブルーベリーを食べることはいいことなのでしょうか?
寝る前のブルーベリーにまつわる5つの真実
調査の結果6つの真実が明らかになりました。
順番にご紹介しましょう。
真実1.抗肥満作用成分は含まれているが・・・
ブルーベリーには抗肥満作用が期待できます。
レスベラトロールが脂肪を燃焼する手助けをしてくれるのがその理由。
レスベラトロールはポリフェノールの1種で、植物に含まれる特有の栄養素のこと。
人の脂肪細胞には通常の脂肪細胞である白色脂肪細胞と、脂肪燃焼を活性化する褐色(ベージュ)脂肪細胞の2種類があります。
レスベラトロールにはこの褐色脂肪細胞を増やしてくれる効果があるんです。
2020年にスペインのバスク大学から出された報告では、レスベラトロールが褐色脂肪細胞の燃焼を助けていることを解明。出典[1]
さらに白色脂肪細胞を褐色化する効果も確認されました。
ブルーベリーは肥満の解消に効果を発揮してくれる果実。
しかし摂取タイミングは夜間や寝る前が特に効果的、といったデータは確認されませんでした。
真実2.睡眠の質にはポジティブな影響あり
ブルーベリーには睡眠の質を上げてくれる要素がいくつも含まれています。
まずはマグネシウム。
マグネシウムは睡眠に深くかかわるとして有名なミネラルです。
2022年にアメリカで被験者約4,000人に対し20年間にわたって行われた調査報告があります。
同報告ではマグネシウムの摂取量と睡眠の相関を調査し、マグネシウムが良質な睡眠に影響を及ぼす可能性が高いことを報告。出典[2]
さらにアミノ酸の一種、トリプトファンも睡眠に効果的です。出典[3]
2022年、シンガポール国立大学理学部食品科学工学科では19歳以上を対象とした実験を実施。
トリプトファンを1g以上摂取した場合に入眠後の中途覚醒の割合が0.017と有意に減少することを明らかにしました。出典[4]
ほかにも自律神経を整えるはたらきにも期待大。
ビタミンCには副交感神経に関与して末梢血管を拡張させるなど、全身をリラックスさせる効果があるとされています。
1991年に日本は徳島大学医学部の公衆衛生講座では、ビタミンCは交感神経を優位にするアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を抑制することで副交感神経を優位にすると公表。出典[5]
入眠に効果的な状態を作ってくれる果物として、ブルーベリーはポジティブな影響を保有していることがわかります。
真実3.寝る前にかかわらず強力な抗酸化作用を発揮
ビタミンCやビタミンEには疲労予防や疲労回復の効果が期待できます。
理由は抗酸化作用による疲労原因の除去効果によるもの。
体が疲れきってしまっていると、逆に目がさえて寝付けなくなる、そんな経験をしたことがある人も多いと思います。
活性酸素は人体に必要な成分ですが、多くなりすぎると疲労や病気の原因にもなる厄介なシロモノ。
アメリカのフロリダ大学では2016年に運動中の疲労と活性酸素の関連を確かめる研究を行っています。
この研究の中で活性酸素が疲労時に生じる機能喪失に寄与していることを確認。出典[6]
アメリカの国立衛生研究所もその効果を認めており、心臓疾患や脳卒中、がんのリスクを下げるためにもビタミンCの摂取が効果的と述べています。出典[7]
睡眠の質を高めるうえで余計な疲労は禁物。
ビタミンCの抗酸化作用には大きな期待できます。
真実4.ストレスを緩和し睡眠効率を上げる
ブルーベリーに含まれるGABAがストレスを緩和し、睡眠の効率を上げるはたらきがあります。
GABAとはγアミノ酪酸のことで、機能性食品としてお菓子などにも用いられるアミノ酸の1種。
高齢のマウスに対して6週間にわたりブルーベリー抽出物を与えたところ、生理食塩水を与えた群と比較して血中の乳酸量が減少し、脳内GABAのレベルが明らかに高まったという中国の実験があります。出典[8]
GABAの有効性を証明する実験が日本でも。
2018年の農芸化学技術賞を受賞した研究によれば、介護施設の入所者を対象に就寝30分前にGABAを100mg摂取させたところ、入眠潜時、ノンレム睡眠時間、起床時の気分上昇などがプラセボと比較して有意な改善が確認されています。出典[9]
頻尿の改善も副次的に見られるなど、夜中の中途覚醒を防ぐ効果も確認。
これは寝る前のブルーベリー摂取が効果的な有力な証左となるでしょう。
真実5.深部体温が低下し深い睡眠を導く
グリシンも深い睡眠を導く手助けをしてくれます。
グリシンとはアミノ酸の一種で、人体において末端組織の血流を増やす効果を保有。
末端の血流が増加すると内臓など深部体温が低下し、それが睡眠に良い効果をもたらすんです。
深部体温が低下することと睡眠の開始には強い関与が見られています。
2012年、日本の味の素株式会社から出された報告でも、グリシンをラットへ経口投与したところ皮膚血流が増加し、中核体温を低下させることを明らかに。
他にも睡眠に有効な効能が記載されており、実験では日中よりも就寝前のグリシン摂取が翌日の眠気の減少につながる結果となっており、就寝前に飲むのが効果的とされています。出典[10]
翌日の疲労感の軽減効果も確認済み。
ブルーベリーにはグリシンを合成するための材料となるアミノ酸、セリンも含まれています。出典[11]
グリシンの効能を高めるアスパラギン酸も含んでいる点を踏まえても、ブルーベリーは寝る前にこそ摂取すべき果物に他なりません。出典[12]
ブルーベリーは健康に良い果物、積極的に摂取しよう
ブルーベリーを睡眠前に摂取すべき果物であることを解説してきました。
睡眠にポジティブな影響を与える要素が複数確認できる点からも、就寝前に摂取することが効果的なのは明らか。
最近では冷凍ブルーベリーも多くのスーパーで取り扱われているため、継続的な摂取のハードルも高くありません。
睡眠は健康になるために欠かせない要素の1つ。
歯磨きの前に少しだけブルーベリーを摂取して、より良い睡眠を手に入れるようにしましょう。
出典
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