執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
寝る前の柿が注目されている理由とは?
現在、寝る前に柿を食べることが注目されています。
なぜ寝る前の摂取に関心が集まっているのか、その理由をご存じでしょうか。
そもそも寝る前になにか食べ物を摂ること自体が悪だと認識している人も多いはず。
なんとなく柿が体に良いことは聞いたことはあるけど、それを覆すほどのメリットがあることに疑問を感じるのは正しいです。
本記事では寝る前になぜ柿を摂取すべきなのか、その真相を解明していきます。
寝る前の柿にまつわる5つの真相
では、早速柿にまつわる5つの真相を解明しましょう!
真相1.ストレス緩和作用で寝つきが良くなる
柿に含まれるGABAにはストレスに作用して寝つきを良くしてくれる効果があることが証明されています。
GABAとはγアミノ酪酸(Gamma-aminobutric acid)の頭文字をとったもので、哺乳類の脳から発見されたアミノ酸の一種のこと。
近年ではコンビニのお菓子に含まれるなど市民権を得ており、機能性表示食品としても広く用いられています。
そんなGABAですが、ストレスを緩和させる効果が証明されている物質として有名。
2018年に日本の農芸化学技術賞を受賞した研究によれば、介護施設の入所者を対象に就寝30分前にGABAを100mg摂取させたところ、入眠潜時、ノンレム睡眠時間、起床時の気分上昇などがプラセボと比較して有意な改善が確認されているんです。出典[1]
柿は加熱することでシトルリンやGABAが増加するという慶應義塾大学先端生命科学研究所の報告もあるため、寝る前に食べるときは少し温めるとなお効果的。出典[2]
現代社会ではストレスを感じる機会も多いので、柿を食べて少しでもよく眠れるようにしましょう。
真相2.睡眠の質を高める効果
柿には睡眠の質を高める物質が多数含まれています。
まず代表格はマグネシウム。
マグネシウムは人体に不可欠なミネラルのひとつとして知られています。
2022年にアメリカで被験者約4,000人に対し20年間にわたって行われた調査報告では、マグネシウムの摂取量と睡眠の相関を調査し、マグネシウムが良質な睡眠に影響を及ぼす可能性が高いことが報告されているんです。出典[3]
さらにアミノ酸の一種、トリプトファンも睡眠に効果的。出典[4]
2022年、シンガポール国立大学理学部食品科学工学科では19歳以上を対象とした実験を実施したところ、トリプトファンを1g以上摂取した場合に入眠後の中途覚醒の割合が0.017と有意に減少することが明らかになっています。出典[5]
さらにビタミンCの自律神経調整効果も睡眠に効果的。
ビタミンCは美肌を作ったり免疫を整えるはたらきを持つビタミンとして有名ですが、副交感神経に関与して末梢血管を拡張させ入眠を導く効果も持っています。
徳島大学医学部が1991年に行った公衆衛生講座により、ビタミンCは交感神経を優位にするアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を抑制することで副交感神経を優位にすると公表。出典[6]
体を睡眠に備えさせる効果がある、柿はそんな特徴を持つ成分を含有しています。
真相3.強力な抗酸化作用が疲労を改善
ビタミンCとビタミンEが持つ抗酸化作用も睡眠に効果を発揮します。
抗酸化作用とは体から活性酸素を除去する効果を示すはたらきのこと。
活性酸素は人体に不可欠ですが、多くなりすぎると脳卒中や心筋梗塞などさまざまな病気を引き起こすトラブルメーカーです。
アメリカはフロリダ大学で2016年に行われた研究によれば、運動中の疲労と活性酸素の関連を調べたところ活性酸素が疲労時に生じる機能喪失に貢献してしまっていることを証明。出典[7]
そんな活性酸素を除去してくれるのがビタミンCやEなどのビタミン群です。
同じくアメリカの国立衛生研究所も強力な抗酸化作用を認めており、心臓疾患やがんのリスクを低減するうえで活性酸素の除去にビタミンCの摂取が効果的だと報告。出典[8]
東京大学先端科学技術センターからもビタミンEのひとつ、αトコフェロールが強い抗酸化作用を保持していることが証明されています。出典[9]
疲れを取り除くことで睡眠の質も上がっていくため、眠りに効果的な食物として柿はおすすめです。
真相4.歯ぎしりを抑制して眠りの質がアップ
柿に含まれる食物繊維には睡眠中の歯ぎしりを防ぐ効果があります。
歯ぎしりは正式名称では睡眠ブラキシズムと呼ばれる生理現象のひとつ。
実は歯ぎしりをしている最中は中枢神経と交感神経の活動をあらわす微覚醒状態となってしまうため、脳がしっかりと休むことができずに睡眠に悪影響を与えてしまうんです。
2023年に岡山大学が行った大学生143人を対象にした実験によれば、歯ぎしりをする人は食物繊維の摂取量が少ない傾向があると相関関係の可能性を示唆。出典[10]
2019年の仙台白百合女子大学が出した報告でも、食物繊維を摂取することで徐派睡眠が多くなり、睡眠の質が上がると証明しています。出典[11]
睡眠の質を上げるためにも、食物繊維は重要な役割を果たしてくれそうです。
真相5.体内の深部体温が低下し深く眠れる
グリシンにも眠りを深くする効果が期待できます。
グリシンはアミノ酸の一種で、人体に取り込まれると末端組織の血流を増加させることで内臓などの深部体温を低下させる効果を保有。
深部体温の低下は睡眠導入と強い関連があり、睡眠の質にも影響を与えます。
2012年に日本の味の素株式会社から出された報告によれば、グリシンをラットに経口投与したところ皮膚血流の増加がみられ、中核体温の低下を観測。
加えて日中に摂取するよりも就寝前の摂取が翌日の眠気減少に効果を発揮していることも判明しており、寝る前に摂ることの効果を示しているんです。出典[12]
柿にはグリシンの材料となるセリンや、効能を強めるアスパラギン酸も含まれているなど睡眠の質を高めるための材料がしっかりと含まれています。出典[13] 出典[14]
寝る前に摂取することの有用性を考えるうえで、アミノ酸は重要な手掛かりとなりそうです。
柿は睡眠に効果的な果物、不眠症の人はぜひお試しあれ
柿を睡眠前に摂取するのが効果的な真相を5つお届けしました。
フルーツの中ではあまり存在感を発揮していない柿ですが、睡眠前に摂取することで眠りの質を高めてくれるポテンシャルを秘めた有能な果実なんです。
いま睡眠に少し不安を抱えている人や、より眠りの質を向上させたい人にとって柿は試してみる価値のある食品のひとつ。
柿は秋の味覚として有名ですが、通常の果実だけでなく干し柿や真空パック詰めのものであれば春になっても手に入れることが十分可能です。
ぜひスーパーや八百屋に立ち寄った際はフルーツコーナーを確認し、柿を食べておいしく良質な眠りを手に入れましょう。
出典
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