活力を高めたい方必見!性欲増強におすすめの肉5選
2024年6月5日更新

監修者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

肉が性欲を高める3つの理由

男性の性欲を高めるために重要となるのが、男性ホルモンであるテストステロン。テストステロンはやる気や活力、筋肉の合成効率を高めることに加え、性欲や性機能の向上にも関わります

テストステロンの体内量は20代がピークであり、40代以降では急激な低下が見られます。加齢にともなうテストステロンの低下を防ぐため、食事内容の見直しが役立つかもしれません

まずは肉が性欲を高めるよう機能する理由について解説しましょう。

カルニチンでテストステロン合成効率UP

牛肉をはじめとする赤身肉にはカルニチンというアミノ酸由来の物質が含まれています。カルニチンには主に2つの効果が期待できるでしょう。

  • 抗酸化作用によりテストステロンを保護
  • エネルギー代謝をサポートして肥満を防止

カルニチンは抗酸化物質として機能するため、加齢にともない量が増加する酸化ストレスから体を守るように働きます。精巣はとくに酸化ストレスに弱い組織であるため、カルニチンを十分に補給すれば、テストステロンの合成能力を保護する効果が期待できるでしょう

2022年にイランのシラーズ医科大学から発表された、ラットを用いた動物実験では、L-カルニチンを同時に摂取したグループの方が、酸化ストレスによるテストステロンの減少を約35%抑えられたと報告されています出典[1]

また、カルニチンは体内の遊離脂肪酸をエネルギーとして消費しやすくする働きも期待できます。肝臓の代謝能力の向上による肥満や脂肪肝の改善が、マウスおよびヒトを対象とした複数の研究で確認されました出典[2]

肥満はテストステロンを下げる危険因子です。カルニチンの摂取により体重や体脂肪をコントロールできれば、テストステロンの量を維持するためにも役立つでしょう。


赤身肉の亜鉛もテストステロンを増やす

赤身肉に豊富なミネラルとして亜鉛が挙げられます。亜鉛とテストステロンの関係においては次のようなことが判明しています。

  • テストステロンの合成を促す黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促す出典[3]
  • 亜鉛とテストステロンの血中濃度には相関関係がある出典[4]

亜鉛の補給や制限がテストステロンに影響を及ぼした論文を紹介しましょう。

まず1996年にアメリカのウェイン州立大学で発表された論文では、20代男性の亜鉛制限食(20週間)によりテストステロンの減少が、60~70代の亜鉛不足の高齢男性への亜鉛補給(6か月)によりテストステロンの増加が、それぞれ確認されました出典[4]

また2000年にアメリカのウェスタン・ワシントン大学から発表された論文では、サッカー選手が30mg/日の亜鉛サプリメントを8週間摂取したところ、血中の遊離テストステロンが約1.3倍に増加し、筋肉量も約11.6%上昇したと報告されています出典[5]

ただし亜鉛補給によるテストステロン増大効果は、亜鉛が不足している方、あるいはスポーツによる発汗などで亜鉛の消費量が激しい方において見られるものです。

たとえばドイツの生化学研究所が2009年に発表した論文には、運動習慣のある20代の男性において、食事から十分な亜鉛を既に摂取できている場合、亜鉛の栄養補助食品を摂取してもテストステロンの増大は確認できなかったとの記載があります出典[6]

亜鉛はテストステロンのブーストに役立つものではありませんが、不足防止によりテストステロンの正常な合成能力を取り戻すように働く効果が期待できます。牛モモ肉や豚ヒレ肉などから効率よく亜鉛を摂取しましょう。

 

脂質はテストステロンの材料に欠かせない

肥満によるテストステロンの低下を防ぐため、高たんぱく低脂質な食品として知られる鶏むね肉や白身魚ばかり食べていませんか?

確かに脂質は1gあたり9kcalとカロリー密度が高く、カロリーオーバーのもととなりやすい栄養素です。また肉類に豊富な飽和脂肪酸は、脂質のなかでも体脂肪合成を促し体重増加のリスクを高めるものであるため出典[7]、過剰摂取がよくないことは言うまでもありません。

しかし牛肉や豚肉に含まれる飽和脂肪酸やコレステロールなどの脂質は、テストステロンの合成にも必要となる重要物質。テストステロンの不足を防ぐため、肉類から適度に摂取する必要があるでしょう。

1984年にフィンランドの国立公衆衛生研究所から発表された論文では、男性30人の食事傾向と血中ホルモンの変動を6週間にわたり追跡したところ、食事からの脂肪量や飽和脂肪酸の割合が減少するほど、総テストステロンおよび遊離テストステロンの濃度が低下したと報告されています出典[8]

テストステロンを増やすためには、脂質は多すぎても少なすぎてもよくありません。適度な脂質を含む牛肉や豚肉などの活用で、テストステロンの材料を欠かさないようにしましょう。

 

性欲を高めるためにおすすめの肉

肉にはこのように、テストステロンの増加や維持に関わる成分が複数含まれています。テストステロンの増加により、性欲を高める効果が期待できるでしょう。

しかし肉にはさまざまな種類が部位があるため、どの肉を選べばよいか迷うかもしれません。そこでここからは性欲を高めるために食べたい肉について解説します。肉料理で性欲を高めたい方は、ぜひ次に紹介する肉を取り入れてみましょう。

牛赤身肉

牛肉のうち、脂質である白い「サシ」の少ない赤身の肉が性欲向上にはおすすめです。カルニチンはアミノ酸由来の物質であるため、たんぱく質が豊富な部位から効率よく摂取できます。

また赤身の肉は亜鉛の供給源としても優秀であり、脂質の摂りすぎを抑えるためにも役立つでしょう。

焼肉のメニューを例に、たんぱく質と脂質のバランスがよい牛肉の部位を確認しましょう。

  • かた:トンビ、ウワミスジ、サンカクなど
  • 外もも:ウチモモ、シキンボ、ナカニク、ハバキなど
  • ヒレ

一方、次のような部位は脂身が多いため、性欲向上を目的とする場合には避けた方がよさそうです。

  • かたロース:ザブトン、ブリスケ
  • リブロース
  • サーロイン
  • バラ

脂身の多すぎる肉類は避け、赤身の強い肉類の摂取を心掛けましょう。


豚レバー

レバーは亜鉛を効率的に摂取できる部位です。肉を食べて亜鉛不足を解消したい場合に役立つでしょう。

一般的なレバーには牛、豚、鶏の3種類がありますが、亜鉛をより多く摂りたい場合には豚レバーがおすすめです。

【肉類100gあたりの成分含有量(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より】出典[9]

 エネルギー(kcal)亜鉛(mg)
豚レバー1146.9
牛レバー1193.8
鶏レバー1003.3

外食で一般に提供されるレバニラ炒めやレバーの甘辛煮には、主に豚肉が使用されています。テストステロンを高めるための外食メニューとして、ぜひレバーを用いた料理を取り入れてみましょう。

また、レバーは高たんぱく低脂質でカロリーを抑えやすいため、普段の食事への「ちょい足し」食品としても活躍します。鶏レバーは缶詰としても販売されているため、亜鉛補給のためのストックとしてもおすすめです。

 

羊肉

羊肉はカルニチンの効率的な摂取源として活用できます。さまざまな食品のL-カルニチンの含有量は、2019年にポーランドのポズナン生命科学大学から発表された論文にて次のようにまとめられています出典[10]

【食品100gあたりのL-カルニチン含有量】

食品L-カルニチン(mg)
カンガルー637
423
子羊190
139~143
25~60.8
牛レバー15.6
豚レバー10.7

このように、羊肉からは牛肉や豚肉よりも効率的にL-カルニチンを摂取できることがわかります。外食先でラム肉の料理を見かけた際には、ぜひ注文してみましょう。

なお、羊肉も部位によりたんぱく質と脂質の含有量が大きく異なる食品です。

【肉類100gあたりの成分含有量(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より】出典[9]

 エネルギー(kcal)たんぱく質(g)脂質(g)
ロース(脂身つき)28715.625.9
かた(脂身つき)21417.117.1
もも(脂身つき)16422.35.2

ジンギスカンで提供される羊肉は、やわらかくて食べやすいロースが一般に使用されます。もも肉は肉質が硬いため、煮込み料理へ使用されることが多いようです。

羊肉にはクセがあり、口にあわないと感じる方もいるでしょう。また高脂質なジンギスカンの食べ過ぎにより腹痛を生じる可能性もあるため、無理のない範囲で適量の摂取を心掛けましょう。

 

馬肉・鹿肉

焼肉店やジビエ店では、馬や鹿の肉を注文できる場合もあります。馬や鹿はL-カルニチンの含有量が羊よりもさらに高いことで知られています。馬肉では牛肉の約3倍、羊肉の2倍以上のL-カルニチンを摂取できます

また馬肉は100gあたり102kcalと、レバーに匹敵する高たんぱく低脂質の食品です。レバー同様、缶詰での購入で普段の食事に「ちょい足し」しやすいため、手軽なカルニチン補給の手段としても適しているでしょう。

さらに馬肉に特徴的な栄養素として、ω‐3系脂肪酸やビタミンEのような抗酸化物質が挙げられます出典[11]。精巣を酸化ストレスから守るように働くため、テストステロンの低下を防ぐ効果が期待できるでしょう。

2013年にイタリアでおこなわれた実験では、週2回、175gずつの馬肉の摂取を90日間続けたところ、総コレステロールが6.2%、LDLコレステロールが9.1%減少したほか、赤血球中のω‐3系脂肪酸の含有量が7.8%増加したとの結果が得られました出典[12]

豊富なカルニチンと抗酸化物質を同時に得たい場合には、ぜひ馬肉や鹿肉を活用しましょう。

合わせて読みたい:ムラムラ大爆発!男性の性欲を高める方法15選

 

性欲を高める肉の食べ方のコツ

性欲を高めるため、肉の摂取量を増やしたいと考える方も多いことでしょう。そこでここからは肉を食べる際のコツや注意点について解説します。

テストステロンを効率的に増やすため、また肉の摂取による悪影響を避けるためにも、ぜひ参考にしてください。

焼き調理や下茹でで脂質量を調整

一部の低脂質な肉類を除き、肉の摂取には脂質がつきものです。とくに牛肉からカルニチンや亜鉛を摂りたいと考える場合、ある程度の飽和脂肪酸やコレステロールはついて回るものと考えましょう。

適量の脂質はテストステロンの合成に欠かせませんが、肉の摂取量が増えすぎたり、高脂質な肉類を頻繁に食べたりする場合には注意が必要です。

2021年にアメリカのウースター大学から発表された論文では、低脂肪食と高脂肪食、どちらもテストステロンをはじめとする性ホルモンを約37~38%と大幅に低下させるとの結果が得られています出典[13]

肉の脂身が気になる方や、バラ肉のような高脂質な部位の摂取頻度が多い方は、次のような調理方法で脂質量を調整してみましょう。

焼肉・ステーキ・焼き網で時間をかけて焼く(火の引火に注意)
・表面がデコボコのホットプレートで溶け出た油を切る
煮込み調理・水から肉を入れて煮込む
・加熱した鍋ごと冷蔵庫に入れ、浮き出た白い脂を取り除く
蒸し調理・蒸気で長時間蒸す
・脂は蒸し器の下へ流れ落ちるため脂質カットに効率的

肉類は低温で時間をかけて焼くと、脂を効率よく落とせます。焼肉やステーキでは加熱に十分な時間を取ることをおすすめします。煮込み調理で牛肉の脂を溶かし出す方法は、自宅でバラ肉を用いた牛丼を作りたい場合に活躍するでしょう。

もちろんこれらの調理でバラ肉やサーロインのすべての脂を落とせるわけではありません。脂質の摂りすぎや肥満によるテストステロンの減少を避けるため、高脂質な部位ばかりを食べる生活は控えましょう。

 

ビタミンCやクエン酸とあわせて亜鉛の吸収率UP

亜鉛の吸収率は20~40%程度とやや低めです。肉類の亜鉛を有効活用するためには、食事の食べ合わせに工夫する必要があるでしょう。

亜鉛の吸収率を高める成分と、吸収率を抑える成分には主に次のようなものがあります出典[14]

【亜鉛の吸収率を変動させる可能性のある栄養素】

 成分主な食品
吸収率UP
 
ビタミンC柑橘類
クエン酸柑橘類、梅干し、お酢
吸収率DOWNタンニンコーヒー、緑茶
 多すぎるカルシウム乳製品
 多すぎる食物繊維オートミール、アーモンド、ゴボウ

吸収率を高めるビタミンCやクエン酸は、レモンやすだちのような柑橘類から効率よく摂取できます。肉料理のトッピングやタレへ少量加えると、肉の味をサッパリとさせるとともに、亜鉛の吸収率を高める効果が期待できるでしょう。

一方、亜鉛の多いレバーを食べる際には、コーヒーや緑茶の摂取は避けた方がよさそうです

またカルシウムや食物繊維の摂りすぎも亜鉛の吸収率を落とす可能性があります。植物性食品のなかでも、食物繊維の含有量がとくに多いオートミールやアーモンド、ゴボウやアボカドの摂りすぎには注意が必要です。

これらの食品を摂る際には、レバーを食べるタイミングからずらして、亜鉛の吸収率への影響を抑えましょう。

 

肉に偏った大量摂取は避ける

肉類を大量に食べれば性欲の増強に役立つのでは、と考える方もいることでしょう。しかし肉に偏った大量摂取は2つの意味でおすすめできません。

1つ目の理由として、たんぱく質の摂りすぎでテストステロンが低下する可能性があるためです。2023年、イギリスのウースター大学からの論文では、1日に体重1kgあたり3.4gより多い摂取を続けた場合、テストステロンの減少が確認されたと報告されています出典[15]

過剰なたんぱく質の摂取により、テストステロンの合成を抑えるホルモン「コルチゾール」や、たんぱく質の代謝物であり酸化ストレスとして作用する「アンモニア」が増えたことが原因と考えられています。

一方、体重あたり1.25~3.4gの摂取ではテストステロンの減少は見られませんでした。テストステロンへの悪影響を抑えるため、この範囲での摂取を意識するとよいでしょう。

肉の食べ過ぎを控えるべき2つ目の理由は、性欲向上に役立つほかの高たんぱく質食品を摂りづらくなるためです。

たとえば牡蠣は肉類よりも亜鉛を効率的に摂取できる食品です。またテストステロンの保護に役立つω‐3系脂肪酸は、サーモンやサンマなどにより多く含まれています

テストステロンの増加が期待できる食品は肉以外にも複数あります。さまざまな食品から有効な成分を摂れるよう、肉の摂取に偏りすぎないことが重要です。

 

野菜や主食の摂取も忘れずに

焼肉店やステーキ店の利用では肉ばかり食べてしまいがち。しかしテストステロンを高めて性欲UPを狙いたい場合には、野菜料理や主食の取り入れも重要です。

主食は糖質補給の手段として優れていることに加え、食事全体の満足感を高めるために役立ちます。ダイエットのため主食をすべて抜く方もいるかもしれませんが、主食のない料理では脂質の摂取量が必要以上に増えやすい点に注意が必要です。

主食による摂取カロリーの増加を抑えたい場合には、脂質が少なく食べ応えのある白米や餅、フランスパンなどがおすすめです。

野菜は食事全体のカロリーを抑えるほか、主食による血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待できます。白米や餅など、血糖値を急激に上げやすい食品を摂る際には、野菜料理を組み合わせると効果的です。

また野菜に豊富なβカロテンやポリフェノールは抗酸化物質として機能するため、テストステロンを保護するためにも役立つでしょう。

肉類の摂りすぎを防ぐため、またテストステロンを増やす効果をより効率的に得るため、野菜や主食を欠かさず摂るようにしましょう。

 

肉をうまく活用してテストステロンを最大化しよう!

肉が性欲を高めるメカニズムには、男性ホルモンであるテストステロンの増加が関係しています。テストステロンは性欲や性機能を高める効果を持つ男性ホルモン。加齢にともなう性欲の低下を防ぎたい方は、とくに意識してテストステロンを増やす必要があるでしょう。

肉から効率よく摂取できるカルニチンや亜鉛などはテストステロンを増やすように働きます。また飽和脂肪酸やコレステロールもテストステロンの材料として欠かせないため、肉類から意識して摂る必要があるでしょう。

一方で、肉に偏った食事では脂質やたんぱく質の摂取量が増えやすい点に注意が必要です。調理法の工夫で脂を多めに落としたり、野菜料理や主食で栄養素の偏りを防いだりして、テストステロンを上げやすい食事を心掛けましょう。

 

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