ナッツは栄養価が高く、世界中で愛されている食材。

この項目では、そんなナッツがテストステロンにおすすめな理由を、3つに分けてご紹介します。

テストステロン合成に必要なビタミンミネラルを補給できる

ミネラルは体や神経のバランスを整えるだけでなく、ホルモンの生成にも関わる栄養素。

かくいうテストステロンも、いろいろなミネラルの働きによって体内でコレステロールから生成されています^出典[1]。

ところが、ミネラルは体内では合成することができません。

従って、テストステロンを高めるためには、食事からミネラルを補給することが重要になるんです。

そこで、ナッツの出番！

ナッツは亜鉛やセレンといったミネラルはもちろん、ビタミンEなどの栄養素も豊富。

これらの栄養素は、テストステロンを分泌させるための指令を出す「黄体形成ホルモン」の生成に関わっています。

つまり、ナッツを食べることで、テストステロンの合成に必要な栄養素をバランスよく補給することができるんです。

抗酸化物質がストレスからテストステロンを守る

男性の場合、テストステロンは約95%が精巣で作られます。

しかし、精巣は活性酸素によるダメージ、いわゆる「酸化ストレス」に弱いデリケートな器官。

体内に活性酸素が溜まっている状態では、効率よくテストステロンを分泌できなくなってしまうんです。

活性酸素はさまざまな外的・内的な要因で精製されてしまいますが、精神的なストレスもその中のひとつ。

というのも、人間はストレスを受けると、コルチゾールやノルアドレナリンなどのストレスホルモンを分泌させます。

これらのストレスホルモンは体内の活性酸素濃度を上昇させ、精巣の機能を阻害。

その結果、男性ホルモンの合成が抑制され、テストステロンを低下させてしまうんです^出典[2]。

つまり、テストステロンを高めるためにはストレス対策も重要。

…と、ここでもナッツが大活躍！

ナッツには、抗酸化力を持つマグネシウムやビタミンEなどの栄養素が豊富に含まれています。

そのため、適度に摂取することでイライラを緩和し、ストレスへの適応力もアップ。

活性酸素の生成を抑えて精巣の機能はもちろん、テストステロンも守ってくれるんです。

肥満を解消しテストステロンの低下を抑える

「肥満はテストステロンにとっても良くない」という話を聞いたことがある方も多いはず。

じつは、体脂肪に存在するアロマターゼという酵素は、テストステロンを女性ホルモンに変換してしまう働きを持っています。

そのため、人間は太っている状態ではテストステロンを上手く生成できなくなってしまうことに。

実際に、2023年に順天堂大学から発表された論文でも、体脂肪率が高いほどテストステロンのレベルは低くなるというデータがあります^出典[3]。

もちろん、ナッツは肥満対策にも優れた効果を発揮します！

ナッツにはタンパク質や食物繊維、先ほど紹介したようなビタミン・ミネラル、さらには抗酸化物質も豊富。

適度な摂取は満腹感を高めてくれ、肥満の予防や解消にも役立ちます。

2014年にハーバード大学から発表された論文でも、長期的にナッツを摂取することは体重管理に有効であると述べられています^出典[4]。

つまり、ナッツを食べることは、間接的にテストステロン生成のサポートにもなるんです。

ただし、ナッツは高脂質でカロリーも高めの食材。

食べ過ぎはカロリーオーバーにつながるので、1日1握り（約25g）を目安に摂取しましょう。
 

この項目では、テストステロンを高めるためにおすすめのナッツを5種類ご紹介。

一括りにナッツと言っても食感や風味、含まれる栄養も異なるので、ぜひお気に入りのものを見つけてみてください。

1.アーモンド

ローストされて販売されることの多いアーモンドは、フルーティーな香りとカリッとした歯ごたえが特徴的。

ナッツ類の中でもビタミンEが豊富で、カルシウムや鉄分などのミネラルバランスにも優れています。

特に、抗酸化力を持つビタミンEの補給はテストステロンを高めるためにも効果的。

実際に1982年に九州大学から発表された論文では、ビタミンEを経口投与されたラット及び男性は、投与前よりも大きくテストステロンが増加したというデータがあります^出典[5]。

さらに、2019年にアクレ連邦工科大学から発表された論文では、糖尿病の雄ラットの勃起機能に対するアーモンドが与える影響を調査^出典[6]。

実験でラットにアーモンドを20％含むエサを14日間与えたところ、テストステロンが2倍に増加したというデータがあります。

アーモンドはそのままでも美味しいですが、サラダやスイーツなどのトッピングにも利用しやすいナッツ。

普段の食事に少しずつ取り入れれば、より効率よくテストステロンを高めることができるでしょう。

2.くるみ

サクッとした食感が特徴的なくるみは、まろやかなコクとほのかな渋み・苦みを持つナッツ。

栄養面では良質な脂質であるオメガ3脂肪酸が豊富で、抗酸化力を持つポリフェノールもたっぷり。

特に、オメガ3脂肪酸の摂取は、テストステロンを高めるためにも効果的です。

2020年にマヌーバ大学から発表された論文では、高齢男性におけるくるみが男性ホルモンに与える影響を調査しています^出典[7]。

被験者の高齢男性たちが1日15gのくるみを摂取しながら6週間、週3回のコンカレントトレーニングを実施。
※コンカレントトレーニングとは、同じセッション中に筋トレと有酸素運動を行うトレーニング方法。

その結果、実験前に比べてテストステロンが10％以上増加したというデータがあります。

論文では、この結果はくるみに含まれるオメガ3脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸の効果による可能性があると述べられています。

このことから、くるみと筋トレはテストステロンを高めるためにも効果的な組み合わせ。

ただし、近年の消費者庁の調査によりナッツアレルギーの発症例は増加の傾向にあり、その割合はくるみが半数以上を占めています。

アレルギーは子供に多く発症すると言われていますが、大人でも呼吸困難やアナフィラキシーなどの症状が出ることも。

そのため、すでに他のナッツ類や食品にアレルギーがある方は注意が必要。

気になる方は、医療機関で検査を受けるようにしましょう。

3.ブラジルナッツ

ブラジルナッツは日本ではまだあまり馴染みがありませんが、その栄養価の高さから近年注目を集めているナッツ。

アーモンドの約2倍ほどの大きさで、マカダミアナッツのようなサクッとしっとりとした食感を持っています。

栄養面では、特にミネラルの一種であるセレンが豊富で、強い抗酸化力を持っています。

セレンはテストステロンの生成にも関わる重要な栄養素。

2017年にティクリート大学から発表された論文でも、12名の不妊男性にセレンを50μg、3ヶ月投与したところ、テストステロンが大きく増加したというデータがあります^出典[8]。

ただし、セレンは魚介類や穀物をはじめさまざまな食品に含まれていて、日常生活で不足することはほとんどありません。

逆に摂取し過ぎてしまうと脱毛や爪の異常、発疹などの症状が表れたりすることもあります。

従って、セレンの過剰摂取を防ぐためにも、ブラジルナッツの摂取は1日1～2粒を目安にするのがおすすめです。

4.ピスタチオ

鮮やかな黄緑色の実と香ばしい甘みで、マニアの多いピスタチオ。

栄養面では、緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンやルテインを含んでいて抗酸化力たっぷり。

美容やアンチエイジングに嬉しい成分が豊富なことから「ナッツの女王」と呼ばれています。

その味や栄養から女性に人気の高いピスタチオですが、男性にとっても嬉しい効果が期待できそうです。

2011年にトルコのアタテュルク教育研究病院から発表された論文では、ED患者の勃起機能に対するピスタチオの効果を調査^出典[9]。

17名のED患者に100gのピスタチオを3週間摂取させたところ、勃起機能が大きく改善されたというデータがあります。

このことから、男性機能の改善を目的としてテストステロンを高めたい方は、ピスタチオを選ぶのがおすすめ。

赤茶色の渋皮にも栄養が含まれているので、付いている場合は取らずにそのまま食べてしまいましょう。

5.カシューナッツ

カシューナッツは、カリッと小気味いい食感と香ばしい風味が特徴的。

アーモンド・ヘーゼルナッツと並ぶ世界三大ナッツのひとつに数えられ、世界中で愛されているナッツです。

栄養面では、エネルギー生成をサポートするビタミンB1や、血液凝固や骨づくりに不可欠なビタミンKが豊富。

また、鉄分や亜鉛・銅などのミネラルもたっぷり含まれています。

特に、亜鉛はテストステロンの生成にも関わる重要な成分。

2022年に河北医科大学から発表された論文でも、血液中の亜鉛の値はテストステロンレベルに関連していると述べられています^出典[10]。

そのため、カシューナッツを食べて亜鉛を補給することは、テストステロンを高めることにもつながるんです。

さらに、カシューナッツはナッツの中でも比較的脂質が少なめ。

「ナッツは食べたいけれどカロリーは抑えたい」という方にもおすすめのナッツなんです。
 

解説したように、ナッツはテストステロンを高めるために必要な栄養を豊富に含んでいます。

また、適度な摂取はボディメイクにも効果的。

紹介した5つのナッツはどれも食感や風味が違うので、きっとお気に入りのものが見つかるはず。

ぜひナッツを利用して、効果的にテストステロンを高めていきましょう！

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