マムシドリンクは精力に効く?男性が期待できる効果3選
2024年7月4日更新

監修者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

マムシドリンクとは?

ドラッグストアでマムシドリンクを見たことがある方も多いことでしょう。

効能が強そうなイメージを持たれがちですが、そもそもマムシドリンクとはどのようなものなのか、知らない方も多いかもしれませんね。

まずはマムシドリンクの概要について簡単に解説しましょう。

マムシの成分を配合したもの

マムシドリンクには文字通り「マムシ」の成分が配合されています。

マムシは毒蛇の一種ですが、加熱と乾燥の過程で無毒化されるため出典[1]口にした私たちが中毒症状を起こすことはありません

日本でも古くからの民間薬として独自に普及していますが、元々は中国にて滋養強壮、精力増強の目的で漢方に利用されてきた歴史のある食品なのです。

漢方で使用されるものでは、マムシの内臓と皮以外の全体を乾燥して粉末化させた「反鼻(はんび)」や、マムシの胆のうを乾燥して粉末化した「蛇胆(じゃたん)」などが有名ですね。

日本では明治以降に滋養強壮剤として用いられており、現在でも疲労回復や冷え症への対策として使用されることがあるようです。

 

アミノ酸やビタミンなどが豊富

マムシドリンクは、マムシ由来の必須アミノ酸やビタミンの摂取源として活用できるでしょう。

グルタミン酸やタウリンのような機能性の高いアミノ酸の含有も確認されており出典[1]出典[2]、マムシドリンクに滋養強壮や精力増強などの健康効果が期待される理由のひとつとなっています。

一方で、マムシにおける薬理作用は認められていないことから、マムシドリンクは医薬品や医薬部外品ではなく「清涼飲料水」の扱いとなります。エナジードリンクと同じ分類であると考えるとわかりやすいかもしれませんね。

飲みやすさの向上のため、一般的なマムシドリンクには果糖ぶどう糖液糖のような糖類が加えられています。またローヤルゼリーや朝鮮人参の抽出物、カフェインが配合されたものであれば、さらに栄養価は高くなるでしょう。
 

マムシドリンクに男性が期待できる効果3選

このようにマムシドリンクにはさまざまな栄養素が加えられており、すべての成分がマムシに由来するものというわけではありません。

しかしドリンクのベースとなるマムシの成分に、特別な健康効果を期待される方も多いようです。

ここからはマムシドリンクに期待できる効果のうち、学術的根拠に基づき作用が認められそうなものについて紹介します。

胃を保護して胃潰瘍を防ぐ効果

マムシを漬けた「マムシ酒」には胃の機能を保つ体質改善薬の効果が期待できるとして、近代中国や日本で長らく用いられてきた歴史があります。

マムシの胃潰瘍を防ぐ効果については、ラットを用いた動物実験において認められています。マムシ50%エタノールエキスをラットが摂取したところ、アルコールの多飲による胃潰瘍を抑制する効果が確認されたのです出典[3]

ラットにおいては250~500mg/kgの投与により胃粘膜の血流量を増加させるようにも働くことが確認されたため、胃潰瘍からの回復を促す効果も期待できると考えられています。

また1000mg/kgおよび5000mg/kgでの投与を30日間続けた場合でも死亡例や目立つ健康被害が見られなかったことから、重篤な副作用もないものと判断できるでしょう。

過剰飲酒による胃への負担を軽減したい場合や、ストレスなどによる胃へのダメージを速やかに回復させたい場合などに、胃の保護と回復促進の効果があるマムシが役立つかもしれません。

 

免疫機能を維持する効果

私たちの免疫機能を担う細胞のひとつに「マクロファージ」があります。マクロファージには細菌のような、体内へ侵入した異物を食べて消化する能力があり、細菌感染を防ぐように働きます。

動物実験において、マムシの成分がマクロファージの異物を貪食する能力(貪食能)を活性化する効果が認められています。

胃潰瘍の実験と同じくマムシ50%に調整されたエタノールエキスをラットが摂取したところ、マクロファージのリソソーム酵素活性が約23%高まったと報告されたのです出典[4]

リソソームは細胞内で様々な物質を分解するための器官。マクロファージにおいては取り込んだ異物を消化する能力に関わるため、リソソームの活性化はマクロファージの貪食能の強化につながると考えられているのです。

このように、マムシの摂取にはマクロファージ内のリソソームの活性化を通して、免疫機能を強化する働きが期待できるでしょう。

なお、マクロファージの貪食能強化には、マムシの内臓を用いたものにより高い効果が見られました出典[4]

そのため風邪をはじめとする感染症の防止にマムシドリンクを役立てたい場合には、内臓を取り除いた反鼻のようなものではなく、マムシの全身を用いたものが有効と考えられるでしょう。

風邪防止のためにマムシドリンクを飲みたい場合には、原材料であるマムシの抽出方法の詳細をぜひチェックしてみてください。

 

ストレスや疲労感を軽減する効果

マムシの成分には、ストレスに対する防御効果や疲労を軽減する効果も期待されています。

寒冷ストレスや振とうストレスへのマムシの効果は、マウスを用いた動物実験において確認されています。

ニホンマムシの反鼻を調整したものを100mg/kgの容量でマウスに与えたところ、4℃以下の環境におけるマウスの運動量が増加し、体温の低下の抑制にもつながりました

さらに増やして500mg/kgでの摂取においては、摂取しない場合と比較して運動量が約3倍におよび、カフェイン50mg/kgと運動量増加とほぼ同等の効果が確認できています。体を積極的に動かすことで、寒冷時の体温低下を防ぐ効果も期待できそうですね。

振とうストレスによる負荷をかけた場合では、運動量の低下や血糖値の低下が、マムシ成分により抑制されたとの結果も得られています。

マムシに含まれるアミノ酸の一種、タウリンには、マウスの寒冷ストレスを防御する効果や、振とうストレスによる体温や筋力、運動量の低下を防ぐ効果が認められています

そのためマムシの摂取によるこれらの実験の効果は、主にタウリンの作用によるものと考えられているようです出典[2]

ストレスや冷え、疲労の改善に、マムシドリンクが役立つかもしれませんね。
 

マムシドリンクと精力や性機能との関係は?

マムシの成分には複数の効能が確認できることから、滋養強壮や精力増強の目的で古くから使用されてきた歴史があります。

一方で精力増強との言葉から、性欲や性機能の高まりを期待する方も多いようです。

ここからはマムシドリンクと性欲や性機能との関係について解説します。

性欲や性機能を高めるデータは存在しない

精力増強とは、活動力や元気を意味する「精力」を高めるものであり、性欲や性機能に直結する表現ではありません。

しかしマムシドリンクが性欲や性機能を高めることを示唆するような販売広告も存在しているため、機能に期待している方もいるかもしれませんね。

ただ残念ながら、マムシ自体に性欲や性機能を高めるようなデータは確認されていません。性欲や性機能は「精力増強」の言葉から連想されたものであり、実際に効果を発揮するものではないようです。

ただし現代のマムシドリンクには糖質やカフェインが含まれているものが多いため、エネルギーチャージや疲労軽減の効果は期待できるでしょう。

とくに適度なカフェインの摂取は勃起力の維持に役立つことが確認されています。

カフェインの摂取と勃起不全(ED)との関連を調べた論文では、カフェイン摂取量が170~375mg/日(1日コーヒー2~3杯程度)の場合にED罹患率が低下する傾向にあると述べられているのです出典[5]

マムシドリンクを飲んだ際に元気になる感覚を覚える場合があるかもしれませんが、これは糖質やカフェインなど、ほかの成分によるものと考えた方がよいでしょう。

糖質やカフェインを効率よく摂取できる飲料はほかにも複数あるため、勃起力の改善のためにマムシドリンクにこだわる意義は薄いと考えられそうですね。

 

男性の性機能改善にはテストステロンが重要

男性の性機能全般の改善においては、とくに男性ホルモンの「テストステロン」に注目すべきでしょう。

テストステロンは男性において、やる気や活力の向上、筋肉の合成効率の増加、性欲や性機能の向上など、男性的なたくましさや生殖能力を高めるために機能するホルモン。体内量は20歳がピークであり、40歳を過ぎると急速に減少します。

若いころのような性欲や性機能を維持できなくなってきた場合、テストステロンの減少が関係しているかもしれません。

テストステロンの減少を防ぐためには、食事に加え、運動や睡眠、飲酒など、さまざまな生活習慣の改善が重要です

自身にあったテストステロンの増加方法を知りたいものの、取り組み方が分からずお悩みの方も多いのではないでしょうか。

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マムシドリンクは正しい目的で使用しよう!

マムシドリンクから摂取できるマムシには、滋養強壮や精力増強などの目的で中国や近代の日本で用いられてきた歴史があります。胃の保護や回復を促す効果、ストレスや疲労を軽減する効果などが動物実験において確認されているため、いくつかの面で健康のサポートに役立つと考えてよいでしょう。

一方で「精力増強」との言葉から多くの方が連想する、性欲や性機能を高める効果は残念ながら確認されていません。マムシドリンクに添加されている糖類やカフェインにより元気になる感覚があるかもしれませんが、ほかの飲料からも摂取できるため、マムシドリンクにこだわる意義は薄いでしょう。

性欲や性機能を高めるためには男性ホルモンであるテストステロンの増加が重要。食事や運動、睡眠に飲酒などの習慣を見直し、テストステロンを高められる体を目指しましょう。

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