ドーパミンを増やすにはムクナ豆!! 4つの効果と効率的な摂取方法
2023年11月21日更新

執筆者

薬剤師

森本 涼太

薬剤師の資格取得後、調剤薬局に勤務。患者さんのQOLを高める服薬指導を目指して医薬品・サプリメント・運動など多方面から患者の健康を考えることに取り組んでいる。多くの人が自分の健康を考える機会を持つことに貢献したいとの思いから、大学時代の研究活動の経験を活かし、論文調査などのエビデンスに基づくヘルスケア関連のライティング活動も行う。

ムクナ(ハッショウマメ)とは?

まずはムクナ豆の基本情報についてご紹介します。

1.一体どんな植物なのか

ムクナ豆(ハッショウマメ)はインド〜ネパール原産とされるマメ科の植物で、世界に広く分布しています。日本には江戸時代頃に伝来し、明治時代頃まで食用に栽培されていたと考えられているんです。

現在でもインド、マレーシア、アフリカの一部の地域などで食用されている歴史のある植物ですね。和名の「ハッショウマメ」は八升もの大量の豆が収穫できるという意味で名付けされたとも言われていて、その名の通り栽培面積あたりの収穫量がとても多いことでも有名です出典[1]

 

2.体内でどんな働きをするのか

ムクナ豆に特に多く含まれるL-DOPAという成分は、体内で神経伝達物質であるドーパミンの原料として利用されています。L-DOPAが代謝されることでできるドーパミンは、脳の神経に対して働きかけ、運動制御機能・記憶力などの認知機能・物事への意欲や快感に関わる報酬系といったさまざまな機能の調節を行うんです。

また、脳以外に消化器周辺の神経でもドーパミンは利用されます。ドーパミンは消化管の動きを抑える作用があるほか、異物を飲み込んだときの嘔吐反応を起こす神経もドーパミンによって活性化されます。

 

3.ムクナ豆を摂取する方法

ムクナは豆が非常に硬いのが特徴です。そのため食用とする場合には長時間水に浸したり、しっかり煮込んだりして柔らかくして食べられることが多いんです。また、ムクナに含まれる水溶性の成分には、LーDOPAをはじめとした薬理作用を有する成分が多量に含まれています。これらの成分は大量に摂取すると食欲不振や嘔吐などの症状を引き起こす可能性が高いため、上記のような調理法でアク抜きをしっかりすることが多いようです。この他にも豆を炒って細かく挽くことで粉の状態にして利用することもあるみたいですね。

これらの手間のかかる調理法が難しいという方には、ムクナ豆の抽出エキスを含むサプリメントが現在では多数販売されています。これらのサプリメントを利用してお手軽にムクナ豆の効果を実感してみるのも良いかもしれません。
 

ムクナ豆に確認されている作用や効果

ここからは実際にムクナ豆に確認されている効果についてご説明します。

1.パーキンソン病による症状の軽減

ムクナ豆にはパーキンソン病の症状を軽減する効果があるといわれています。パーキンソン病は様々な原因によって脳神経系のドーパミンが不足することで、運動機能をはじめとした脳の機能が低下してしまう病気です。パーキンソン病の治療では脳で不足しているドーパミンを補うために、ドーパミンの原料であるL-DOPAを薬剤で補充するという対症療法が広く行われているんです。ムクナ豆もドーパミンの原料であるL-DOPAを多量に含むため、摂取することでパーキンソン病の症状を軽減することがあるようですね。

ただしムクナ豆のパーキンソン病に対する治療効果や副作用について、現在は非常に限定的な情報しか提供されていません。また、ムクナ豆の治療的な摂取が、現在広く行われているL-DOPA製剤によるパーキンソン病治療に総合的に優れるという結果も全く確認されていません。

加えてL-DOPAの補充はパーキンソン病への対症的な治療であることにも注意が必要です。パーキンソン病の発症前や初期段階からムクナ豆やL-DOPAを摂取しても、パーキンソン病の進行を予防する効果を発揮する可能性はほとんどありません。

以上のことを踏まえて現在パーキンソン病を患っている方やパーキンソン病の疑いのある方はムクナ豆を利用した自己流の治療などは決して行わず、必ず病院で専門の医師の診断・指示に従って治療を行うようにしてください。

ムクナ豆の治療効果を検証する研究として2018年にボリビアで14名のパーキンソン病患者を対象に行われた臨床研究では、ムクナ豆を焙煎・粉砕した粉末のパーキンソン病に対する治療効果を検証しました。被験者はムクナ豆粉末を16週間投与され、治療効果や安全性の比較を行いました。その結果、ムクナ豆粉末の投与で7名(50%)の被験者が胃腸障害の副作用や運動機能の悪化といった症状で投与中止になったものの、投与を継続した7名では一般的な治療で用いる薬剤と同等の治療効果を示しました出典[2]

このようにムクナ豆にはパーキンソン病の症状を軽減する効果が一部で確認されています。現在ご自身やご家族がパーキンソン病を患っている方は、ムクナ豆の摂取が治療法の1つとして発展するかどうか注目したいところですね。

 

2.男性の妊活サポート効果

ムクナ豆には、男性の妊活において重要とされる精子量や精子の運動性といった重要な能力を上昇させる効果が期待できるようです。これはムクナ豆に含まれるL-DOPAのような中枢神経に作用する成分や、その他の抗酸化作用を有する物質によって引き起こされる効果ではないかと考えられているようです。現在パートナーと妊活に励まれている方は、妊娠の確率を高める手段としてムクナのサプリメントが強い味方になってくれるかもしれません。

2008年にインドで不妊症と診断された30-40歳の男性60名を対象に行われた研究では、ムクナ豆を干して粉砕した粉末を5g/日で牛乳と共に3か月間投与して、不妊症でないと診断された何も投与していない30-40歳の男性20名と精子の運動性などを比較しました。その結果、ムクナ豆粉末を投与された男性は不妊症でない男性の精子量や精子の運動性には届かないものの、投与前と比較して精子量や精子の運動性に有意な改善が見られました出典[3]

このようにムクナ豆には精子量や精子の運動性を改善し、妊活をサポートしてくれる効果が期待できそうです。現在妊活に取り組まれている方はムクナ豆を含むサプリメントで精子をより元気にするのも良いかもしれませんね。

 

3.男性機能の改善

ムクナ豆には性欲や精子を作る能力といった夜の生活にかかわる男性機能を改善する効果も期待できるんです。この効果もムクナ豆に豊富に含まれるL-DOPAをはじめとした成分によって男性ホルモンの放出が促進されるためではないかと考えられているようですね。男性機能を充実させて夜の生活をより豊かなものにしたい、というニーズをムクナ豆がサポートしてくれるかもしれないんです。

2008年にインドで行われた研究では、75名の不妊症の男性にムクナ豆の粉末を5g/日ずつを牛乳と共に3か月間投与し、血中のテストステロン(男性ホルモン)量を比較しました。その結果、ムクナ豆粉末の3か月間の投与前後において血中のテストステロン量は平均して30%前後上昇しました出典[4]

このようにムクナ豆には血中の男性ホルモンを増加させ、男性機能を改善する効果が期待できそうです。自分の男性機能をより高めたいという方はムクナ豆のサプリメントを検討してみてはいかがでしょうか。

 

4.睡眠の質に関する研究

リラックスして質のよい睡眠をとるために、ムクナ豆を含むサプリメントが役に立つ可能性があります。ムクナ豆に含まれる成分を代謝してできるドーパミンなどが脳の神経に作用することでリラックスした状態をもたらすためではないかと言われています。日々の疲れを癒すために、ムクナ豆で睡眠の効率アップが期待できるかもしれませんね。

2012年にインドで行われた研究では、18名の睡眠の質が低いと診断された男女の被験者にムクナ豆とムスリと呼ばれる薬草の根から抽出した独自のサプリメントを28日間投与しました。その結果、投与前後で睡眠の質を評価する主観的スコアが改善したことが確認されました出典[5]

ムクナ豆にはこのように睡眠の質を高めてくれる効果もあるようですね。睡眠の質を高めて毎日元気に働きたいという方にムクナ豆は最適でしょう。サプリメント等での手軽な摂取を検討してみるとよいですね。
 

ムクナ豆の飲み方や注意点

サプリメントの原料となるムクナ豆は時期や土壌などの栽培環境によってL-DOPAをはじめとした薬理成分の含有量が異なるため、明確な摂取基準はありません。しかし、サプリメントを発売しているメーカーの基準によると100mg~500mgを推奨量としているメーカーが多いようですね。

上記の項目でも紹介したように、ムクナ豆には神経伝達物質の原料となるL-DOPAが多量に含まれています。L-DOPAは単体で大量に摂取しても脳まで届かずに末梢で大半が消費され、消化不良や嘔吐の原因となることが確認されています。過度な摂取は控えて適量を摂ることを意識するとよいですね。また、妊婦や小児でのサプリメントによる摂取の安全性は確認されていないので該当するご家族に摂取を勧めるのは控えるようにしてください。
 

まとめ:ムクナ豆でより精力的に!!

今回は様々な薬理成分を豊富に含み、男性機能や睡眠など生活の様々な場面をサポートしてくれるムクナ豆についてご紹介しました。摂取する量の調節を少し意識する必要がある成分ですが、うまく使いこなして普段の生活をより豊かにしていきたいですね。

 

ムクナ豆の有用成分であるL-DOPAを30%以上で規格化した原料「バイオドーパ」に関する記事はこちら!ムクナ豆を生で食べるには煮る必要がありますが煮てしまうとL-DOPAが減少してしまうため、規格化されたバイオドーパとしてL-DOPAを摂取するのが最適です。

 

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