執筆者
NSCA-CPT、調理師免許
大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)
激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。
キャベツとテストステロンの3つの関係
この項目ではエビデンスを基に、気になるキャベツとテストステロンの関係をご紹介。
最後までご覧いただければ、今まで何気なく食べていたキャベツへの見方が変わるかもしれません。
1.テストステロンの分泌を促すホルモンの分泌をサポートする
キャベツは、切ったときに中身の色が薄い淡色野菜。
そのため、色の濃いトマトやピーマン、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に比べて栄養が少ない印象を持たれがちです。
しかし、じつはキャベツはビタミンCや食物繊維、カルシウムなどのミネラルも含んでいて栄養たっぷり。
さらに、テストステロンの生成に関わる「亜鉛」が豊富な野菜でもあるんです。
亜鉛はテストステロンの分泌を促す働きを持つ、黄体形成ホルモンを生成するために必須の栄養素。
実際に、2010年にイランのシラーズ医科大学から発表された論文では、末期の腎疾患で血液透析を受けている男性患者100名に亜鉛サプリメントを1日250mg、6週間に渡って摂取させたところ、テストステロンが約2倍に増加したというデータが紹介されています出典[1]。
つまり、キャベツを食べて亜鉛を摂取することは、テストステロンを増やすことにもつながるという訳なんです。
2.ジインドリルメタンがテストステロンを増やす
キャベツの栄養で注目すべきなのは、亜鉛だけではありません。
じつは、キャベツには「ジインドリルメタン(DIM)」と呼ばれる成分も豊富に含まれています。
ジインドリルメタンはキャベツをはじめ、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれる成分。
摂取することで発がん抑制、放射線病から体を守ってくれるなどの効果が報告されています。
加えて、ジインドリルメタンはテストステロンの増加にも関わっている可能性があるんです。
2016年に米国・ジョセフィン・フォードがん研究所から発表された論文では、26名の前立腺がん患者に対してジインドリルメタンを225mgの用量で1日2回、最低14日間摂取させたところ、テストステロンが平均30%ほど増加したと述べられています出典[2]。
なお、ジインドリルメタンには抗酸化作用もあると言われ、摂取すれば肌や髪のハリ・ツヤを保ってくれる効果も期待できます。
つまり、キャベツを食べればテストステロンが増えるだけでなく、アンチエイジングにもなってしまうんです。
3.抗酸化作用によりテストステロンの合成場所を守る
テストステロンと言えば、男らしさの象徴のようなイメージをお持ちの方も多いはず。
しかし、その合成場所である精巣は非常にストレスに弱いという一面を持っています。
そこで注目したいのが、キャベツが持つ抗酸化作用。
じつは、キャベツには「イソチオシアネート」などの抗酸化物質が含まれていて、精巣の保護にも働いてくれるんです。
2022年にナイジェリアのパモ医科大学から発表された論文では、キャベツジュースの鉛による性精巣機能障害に対する保護効果を調査出典[3]。
実験で雄のラットに対して体重100gあたり1mlのキャベツジュースを28日間経口投与したところ、テストステロンがの値が上昇したと紹介されています。
先述の通り、キャベツにはイソチオシアネート以外にも、抗酸化ビタミンとして名高いビタミンCも豊富。
先ほど紹介したジインドリルメタンと合わせ、淡色野菜とは思えないほどの抗酸化力を秘めているんです。
効果的なキャベツの食べ方
これまでの解説で、キャベツがテストステロンにとって非常に有用な食材であることがお分かりいただけたはず。
以下の項目では、キャベツの効果を引き出すための食べ方を、3つに分けてご紹介します。
効果的な食べ方①:千切りにする
揚げ物の付け合わせや、サラダなどに登場することも多い千切りキャベツ。
とんかつ屋などではおかわり無料になっていることもあり、ランチでお世話になっているという方もいらっしゃるかもしれません。
じつは、先ほど紹介したイソチオシアネートを効率よく摂取したいなら、キャベツは千切りにして食べるのがおすすめ。
というのも、イソチオシアネートはキャベツの細胞内に含まれていて、細かく切ることで細胞が破壊されます。
そのため、千切りにして食べればより効率よく摂取することが可能。
ただし、注意したいのがイソチオシアネートは水溶性である、つまり水に溶けてしまうという点。
従って、千切りにしたあと水にさらしてしまうと、流出が大きくなってしまうんです。
また、イソチオシアネートは分解が進むとジメチルスルフィドという揮発性の物質に変化。
濃度が濃くなると石油に似たような臭いを発し、苦みが増してしまうこともあります。
以上のことから、千切りキャベツを食べる場合は水にさらさず、できるだけ早めに食べるのがおすすめです。
効果的な食べ方②:茹でる
先述の通り、イソチオシアネートは水溶性のため水に溶けてしまいます。
また、キャベツに含まれるビタミンCや、別名キャベジンとも呼ばれて胃腸の働きを守ってくれるビタミンUも同じく水溶性。
これらの栄養素は茹でると流出するため、一般的にはキャベツは生で食べる方が良いと言われることが多い食材です。
しかし、テストステロンを高めるという点から考えれば、茹でて食べた方が良いと言えるかもしれません。
というのも、先ほどの項目で紹介したジインドリルメタンは、茹でることで増えることが分かっているんです。
実際に、2009年にポーランド科学アカデミーから発表された論文では、60分茹でたキャベツ内のジインドリルメタン含有量は、未調理のものに比べて約6倍になったというデータが紹介されています出典[4]。
ちなみに、水溶性の栄養素も逃さず摂取したいという場合は、汁ごと食べられるスープや煮物にするのもおすすめですよ。
効果的な食べ方③:食前によく噛んで食べる
子供のころ、親や学校から「よく噛んで食べましょう」と教えられたことのある方も多いのではないでしょうか。
よく噛んで食べることには消化や吸収を助けたり、食材の味を感じやすくなるなどのメリットがあります。
一方、噛まずに食べる、いわゆる早食いは食べ過ぎにつながったり、胃痛や便秘の原因になるなどのデメリットも。
さらに、早食いは短時間での血糖値上昇を招き、テストステロンを低下させてしまうことも分かっているんです。
実際に、2013年に米国のマサチューセッツ総合病院から発表された論文では、ブドウ糖を用いて男性成人の血糖値を急上昇させたところ、テストステロンが平均25%も低下してしまったと述べられています出典[5]。
そこでキャベツの出番です。
2010年に城西大学から発表された論文では、野菜サラダをごはんの前に摂取した場合の最高血糖値は、ごはんを先に食べたときに比べて平均21%も低下したというデータが紹介されています出典[6]。
つまり、食前にキャベツをよく噛んで食べれば、食後の血糖値上昇を防ぐことが可能。
結果的として、テストステロンの低下も防ぐことができるんです。
まとめ
キャベツとテストステロンの関係についてお分かりいただけたかと思います。
亜鉛や抗酸化成分が豊富なキャベツは、テストステロンを増やすためにもピッタリの食材。
さらに、千切りにする、茹でる、食前によく噛んで食べるなどして食べ方を工夫すれば、その効果はグーンとアップ。
ぜひ紹介した情報を参考にしてキャベツを食生活に取り入れ、効率よくテストステロンを増やしてください。
出典
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