オメガ3脂肪酸はテストステロンを増やす?効果的な摂り方とは
2024年12月10日更新

執筆者

NSCA-CPT、調理師免許

大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)

激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。

そもそもオメガ3脂肪酸とは?

オメガ3脂肪酸とは、人間の体にとって重要な機能を持つ多価不飽和脂肪酸のひとつ。

体内では合成できないため食品から摂取する必要があり、必須脂肪酸とも呼ばれている成分です。

そんなオメガ3脂肪酸は、DHAEPAα-リノレン酸(ALA)の3つの種類に分けられます。

DHAやEPAはサバやいわしなどの青魚、α-リノレン酸はえごま油や亜麻仁油などの植物油に豊富。

それぞれに血流の改善や生活習慣病の予防、脳や神経機能の向上に抗炎症作用など、さまざまな健康効果が期待されています。

しかし、オメガ3脂肪酸は熱に弱く、酸化のスピードが速いという性質を持つ成分。

従って、後ほど詳しく解説しますが、効率よく摂取するためには食材の選び方や調理法に工夫が必要になります。

ちなみに、DHAやEPAはサプリメントとしても幅広く販売されていていて、食用油にはα-リノレン酸が添加されているものもあります。

上記のような食品を上手く活用できれば、より効率よくオメガ3脂肪酸を摂取することができるでしょう。

 

オメガ3脂肪酸はテストステロン増加に効果的なのか?

オメガ3脂肪酸の基本的な情報や、健康効果が高い成分であることはお分かりいただけたかと思います。

それでは、果たしてオメガ3脂肪酸はテストステロンの増加に対しては効果を発揮するのでしょうか。

じつは、結論から言えば、現段階では「どちらとも言えない」というところなんです。

以下に、オメガ3脂肪酸とテストステロンの関係についての研究をいくつかご紹介します。

2020年に南デンマーク大学から発表された論文では、若年男性1679名を対象に、オメガ3脂肪酸サプリメントの摂取が精巣機能やホルモンに与える影響を調査出典[1]

結果として、3日に2日以上オメガ3脂肪酸サプリメントを摂取している男性は、摂取していない男性に比べて遊離テストステロンが15%ほど高かったというデータが紹介されています。
※遊離テストステロンとは精巣で分泌されるテストステロンのうち、血液中で活性を持つテストステロン。

また、別の論文でも、12週間に渡って肥満男性にDHAを強化した魚油サプリメントを摂取させたところ、テストステロンが上昇したと述べられています出典[2]

しかし一方、2012年にオランダのライデン大学医療センターから発表された論文では、心筋梗塞後患者の高齢男性に対してオメガ3脂肪酸を摂取させても、摂取しなかった男性と比べてテストステロンの値に違いが出なかったというデータが紹介されています出典[3]

じつは、オメガ3脂肪酸とテストステロンについての研究はまだまだ数が多くありません。

その関係性については、今後のさらなる研究が期待されるところです。

 

効果的なオメガ3脂肪酸の摂取方法

テストステロンとの関係については何とも言えない部分があるとは言え、オメガ3脂肪酸の健康効果の高さはお墨付き。

この項目では、そんなオメガ3脂肪酸の効果的な摂取方法を3つご紹介します。

どれくらいの量摂るのがいいか

いくらオメガ3脂肪酸が健康に良いとは言っても、たくさん摂取すれば良いというものではありません。

特に、オメガ3脂肪酸は青魚や植物油に多く含まれている成分。

そのため、これらの食材を大量に食べれば脂質の摂り過ぎになってカロリーオーバーを招いてしまいます

また、テストステロンを高めるために必要なオメガ3脂肪酸の量についても、現時点では明確なデータがありません。

従って、オメガ3脂肪酸の摂取量は、一般的に推奨されている1日あたり2.2gを目安にするのがおすすめです出典[4]

身近な食品にどの程度オメガ3脂肪酸が含まれているかは以下に表にまとめているので、参考にしてみてください。

【オメガ3脂肪酸含有量(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版より)】

食品名

成分量(100gあたりg)

えごま油

58.31

亜麻仁油

56.63

えごま/乾

23.70

あまに/いり

23.50

チアシード/乾

19.43

あんこう/きも/生

10.00

くるみ/いり

8.96

なたね油

7.52

みなみまぐろ/脂身/生

6.77

たいせいようさば/生

6.56

 

熱さない

冒頭でもご紹介した通り、オメガ3脂肪酸は熱に弱いという性質を持つ物質。

グリルで焼いたり、フライパンで炒めたり、油で揚げたりなどの加熱調理を行うと、減少することが分かっています出典[5]

従って、効率よく摂りたいなら、食材そのままの状態で食べるのがおすすめ

魚であればお刺身やカルパッチョで、亜麻仁油ならドレッシング代わりに料理にかければ、無駄なく摂取することが可能。

また、前述の通り魚は青魚や、マグロならトロなどの脂の多いものなら、より多くのオメガ3脂肪酸が含まれています。

加えて、手軽にオメガ3脂肪酸を摂取できるという点では、サバ缶やイワシ缶などの缶詰を利用するのもおすすめ。

じつは、缶詰に使用される魚は水揚げ後に速やかに加工されているので、その分栄養の損失が少ないんです。

ちなみに、オメガ3脂肪酸は缶汁に多く溶け込んでいるので、缶詰を食べるときは捨てずに汁ごと調理に利用しましょう

 

サプリメントで摂る時は食後

食材の種類や調理方法を考えなくても良いサプリメントは、オメガ3脂肪酸を摂取するためにおすすめの選択肢。

ちなみに、オメガ3脂肪酸は脂溶性、つまり油に溶けやすいという性質を持っています。

そのため、サプリメントで摂る場合は食後に飲むのがおすすめ

脂質を含む食べ物を食べた後にオメガ3脂肪酸を飲めば、吸収率が高まると考えられるからです。

ただし、サプリメントはあくまでもサポート。

薬のように1~2回飲んだからといって、目に見えて分かるような効果が現れることはありません。

従って、サプリメントでオメガ3脂肪酸を摂取する場合は、まずは3ヶ月を目安に継続してみましょう

さらに、バランスの取れた食生活、規則正しい生活習慣、適度な運動などが加われば、より効果を実感しやすくなるはずです。

 

まとめ

オメガ3脂肪酸の健康効果や、テストステロンの関係についてお分かりいただけたかと思います。

オメガ3脂肪酸はテストステロンだけでなく、ダイエットや生活習慣病予防などにも効果があると言われる成分

しかし近年、日本人は食の欧米化によって魚の摂取量が減っており、それに伴ってオメガ3脂肪酸も不足しがちな傾向にあります。

ぜひ記事を参考に、食材や調理法を工夫したり、サプリメントを活用したりして、効率よくオメガ3脂肪酸を摂取してみてください。

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