執筆者
NSCA-CPT、調理師免許
大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)
激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。
チーズとテストステロンの関係3つ
この項目では、チーズとテストステロンが持つ関係の中でも、注目すべきものを3つご紹介。
意識しながらチーズを食べれば、今までとは違った味わいを楽しめるかもしれませんよ。
1.テストステロンの材料を供給する
男性ホルモンの代表として名高いテストステロン。
しかし、どんな材料から作られているのかご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
じつは、テストステロンは脂質の一種である「コレステロール」という成分から作られています。
そのため、脂質を摂取することは、テストステロンの分泌を促すことにもつながるんです。
実際に2023年に東フィンランド大学から発表された論文では、2546名の男性を対象に調査を行ったところ、飽和脂肪酸の摂取量が多いほどテストステロンも高くなることが分かっています出典[1]。
ちなみに、飽和脂肪酸とは脂質を構成する物質で、乳製品や肉などの動物性食品に多く含まれている成分。
牛乳を凝縮して作られているチーズなら、より効率よく摂取することができるんです。
しかし、飽和脂肪酸は過剰に摂取すると血液中の悪玉コレステロールを増加させるとも言われています。
悪玉コレステロールの増加は、動脈硬化や心筋梗塞を招く原因にもなり得ます。
そのため、いくらテストステロンの材料になるからと言っても、チーズの食べ過ぎには注意が必要です。
2.テストステロン合成の指示を出すホルモンの分泌をサポートする
チーズにはさまざまな栄養が含まれていますが、中でも注目すべきはミネラルの一種である「亜鉛」。
じつは、亜鉛はテストステロン生成の指令を出すホルモンである「黄体ホルモン」の分泌を促す働きを持っています。
実際に2009年にイランのシラーズ大学から発表された論文では、男性血液透析患者に対して亜鉛サプリメントを1日250mg、6週間摂取させたところ、摂取前に比べてテストステロンが約2倍に増加したと述べられています出典[2]。
前述の通り、チーズは牛乳をギュッと凝縮して作られているため食べやすく、亜鉛の補給源として優秀な食材。
食生活に取り入れられれば効率よく亜鉛を摂取でき、テストステロンの分泌を促すことにもなるんです。
ただし、亜鉛は過剰に摂取するとミネラルの一種である銅の吸収を阻害し、貧血や骨・毛髪異常を引き起こす可能性も。
従って、すでにサプリメントなどで亜鉛を摂取している場合は、前項と同じくチーズを食べ過ぎないように注意しましょう。
3.テストステロンの不活性化を防ぐ
タンパク質と言えば、筋肉の材料になるというイメージをお持ちの方も多いはず。
じつは、それ以外にもタンパク質は臓器や血液などの組織、さらにはホルモンや酵素、神経伝達物質の材料にもなる重要な栄養素。
そのため、タンパク質の摂取量が少ないと、体や神経にさまざまな不調を招いてしまいます。
中でも注意したいのが、「SHBG(性ホルモン結合グロブリン)」という物質の増加。
じつは、SHBGはテストステロンと結合すると不活性化させてしまうと言われているんです。
2000年に米国マサチューセッツ大学から発表された論文でも、タンパク質の摂取量が少ないほど血中のSHBG濃度が高くなり、テストステロンも不活性化してしまう可能性があると述べられています出典[3]。
以上のことからも、普段から十分量のタンパク質を摂取しておくことは、テストステロンを維持するためにも重要。
その点、チーズはタンパク源としても優秀な食材。
適度に摂取できれば、テストステロンの不活性化を防ぐことにもなるんです。
効果的なチーズの食べ方
チーズがテストステロンにとっても有効な食べ物であることがお分かりいただけたはず。
ここからは、そんなチーズのパワーを引き出すための食べ方を、大きく3つの項目に分けてご紹介します。
1日40gを目安に食べる
先ほど、テストステロンは脂質の一種であるコレステロールから作られるとご紹介しました。
とは言え、たくさん脂質を摂取すれば、それだけテストステロンが増えるという訳ではありません。
加えて、脂質はタンパク質や糖質に比べてもカロリーが高く、摂り過ぎれば肥満を招く恐れもあります。
じつは、肥満はテストステロンにとっても大敵。
というのも、脂肪にはテストステロンを女性ホルモンに変換してしまう酵素が含まれています。
そのため、体脂肪率が高くなるほど、テストステロンは減少してしまうことが分かっているんです出典[4]。
ここまで解説した通りチーズは栄養価が高いものの、比較的脂質が多く含まれている食材。
食べ過ぎればカロリーオーバーを招くだけでなく、肥満の原因にもなってしまいます。
従って、他の食べ物の摂取状況にもよりますが、チーズの量は1日40gを限度に食べるのがおすすめです。
おすすめの摂取タイミング
じつは、チーズは朝かトレーニング後に摂取することで、より効率よく力発揮をすることができます。
朝
チーズには、必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」が豊富に含まれています。
トリプトファンは睡眠ホルモンのメラトニンの材料となる物質。
朝食時に摂取すれば夜眠るときにメラトニンの分泌量が増え、睡眠の質を高められることが分かっています出典[5]。
じつは、テストステロンは睡眠中に最も多く分泌されるホルモン。
つまり、朝チーズを食べて睡眠の質を高めることは、そのままテストステロンを増やすことにもなるという訳なんです。
また、質の高い睡眠は体作りだけでなく、メンタルヘルスや仕事のパフォーマンスを高める上でも非常に重要な要素。
「最近眠りが浅くて調子が悪い…」という方は、朝食にチーズをプラスしてみてはいかがでしょうか。
トレーニング後
元々が牛乳であるチーズは、タンパク質が豊富で筋肥大効率を高めるためにも有効な食材。
実際に2022年にオランダのマーストリヒト大学から発表された論文では、トレーニング後にチーズを摂取することで筋タンパク合成率が高まると述べられています出典[6]。
また、テストステロンは男性の場合、そのほとんどが精巣で分泌されるホルモン。
しかし近年の研究で、筋肉内にもテストステロンを合成する酵素が存在することが分かってきています出典[7]。
つまり、チーズとトレーニングを組み合わせることで筋肉量を増やせば、より効率よくテストステロンを増やせる可能性があるんです。
おすすめはチェダーチーズ
一口にチーズと言ってもいろいろな種類がありますが、テストステロンを増やすためにおすすめしたいのが「チェダーチーズ」。
というのも、チェダーチーズには亜鉛が100gあたり4.0mgと豊富に含まれているんです出典[8]。
前述の通り、亜鉛はテストステロンの分泌にも関わっていると言われている成分。
そのため、チェダーチーズを食べて亜鉛を摂取することは、テストステロンを増やすことにもつながるんです。
ちなみに、チーズにはクセのあるものも多いですが、チェダーチーズは比較的クセが少ないのが特徴。
加えて、スライスチーズやおつまみタイプなどさまざまな形態で販売されていて、食生活に取り入れやすいのも嬉しいポイントです。
なお、粉チーズとしておなじみのパルメザンチーズは、チェダーを遥かに上回る100gあたり7.3mgもの亜鉛を含んでいます出典[8]。
従って、「固形のチーズは苦手だけと粉チーズは食べられる」という方は、パルメザンチーズを利用してみましょう。
まとめ
牛乳を凝縮して作られたチーズは、その栄養価の高さでさまざまな面からテストステロンをサポートしてくれる食材。
さらに、量や摂取タイミング、種類などを工夫して食べることで、その効果は2倍にも3倍にも跳ね上がります。
ぜひ紹介した情報を参考に、自分の体や舌に合うチーズを見つけ、テストステロンの増加に役立ててください。
出典
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