執筆者
管理栄養士
鈴木 亜子
大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病や腎疾患(透析療法や腎移植後)などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、糖尿病透析予防や特定保健指導(糖尿病重症化予防)なども担当。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野のライターとして活動中。「なるほど!」と思っていただける、分かりやすい記事執筆を心がけている。
DHAとは
DHAが「良質な脂質」として健康に役立つ成分であることは、何となく理解しているという方も多いでしょう。
ここではDHAはそもそもどのような成分なのか、体に及ぼす影響や含まれる食品などについてみていきましょう。
1.どんな栄養素?
ドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic Acid)、略してDHAは脂質の構成成分である「脂肪酸」のうち「オメガ3系脂肪酸」の一種です。
脂肪酸は構造の違いから「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に大別されます。不飽和脂肪酸には「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」があり、多価不飽和脂肪酸はさらに「オメガ6系脂肪酸」とオメガ3系脂肪酸に分類されています。
飽和脂肪酸は肉類や乳製品など主に動物性食品に含まれます。一方、多価不飽和脂肪酸が多く含まれるのは植物油や魚油などです。多価不飽和脂肪酸のうち、オメガ3系にはDHAの他、同じく魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、えごま油や亜麻仁油などに含まれるα-リノレン酸があり、オメガ6系にはサフラワー油(べに花油)に含まれるリノール酸などがあります。
飽和脂肪酸は体内で合成できますが、DHAが含まれる多価不飽和脂肪酸は体内では合成できず食品からの摂取が必須とされる成分です。
DHAは人間の脳の発達や、脳機能の向上に不可欠な成分。赤ちゃんの粉ミルク(乳児用調製粉乳)にはDHAが配合されているものもあります。また、加齢による脳内DHAの減少はアルツハイマー病およびアルツハイマー型認知症の発症に深く関わることも知られています。
2.体の中でどんな働きをする?
DHAは、胎児から高齢者に至るまで脳の発達および機能維持に必須の成分です。
以下のような作用を発揮することで、記憶学習機能の向上が期待できるといわれています。
- 神経新生(神経幹細胞から新しい神経がつくられる)
- シナプス(神経伝達に関わる接合部)形成
- 神経細胞の分化(神経細胞が特殊性を獲得する過程)
- 細胞膜の流動性維持(細胞の働きを保つ)
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
また網膜中にもDHAが多く存在しており網膜機能、つまり視力に影響を与えているといわれていますが、そのメカニズムはまだ解明されていないようです。
網膜にもきわめて多くの神経細胞が存在していることを踏まえると、DHAは神経細胞の機能維持に欠かせない成分であるといえるでしょう。
3.不足するとどんなリスクがある?
脳細胞の活性化に関与するDHAが不足すると、記憶や学習能力が低下するリスクが高まるでしょう。
またDHAを含むオメガ3系脂肪酸は、胎盤や母乳を通して胎児および乳児に移行することが知られています。そのため妊娠中や授乳期にDHAが不足すると、赤ちゃんもDHA不足となり脳の発育に支障を来すといわれています。
4.どんな食材に含まれている?
DHAは魚類、特に「青魚」と呼ばれる種類に多く含まれています出典[1]。
【DHAを多く含む食品(可食部100g当たり)】
食品名 | 加工状態など | DHA含有量 |
あんこう | きも/生 | 5,100mg |
みなみまぐろ | 脂身/生 | 4,000mg |
たいせいようさば | 生 | 2,600mg |
さんま | 皮付き/生 | 2,200mg |
イクラ | 生 | 2,000mg |
塩さば | – | 2,000mg |
ぶり | 成魚/生 | 1,700mg |
めざし | 生 | 1,400mg |
さば缶 | 水煮 | 1,300mg |
めばちまぐろ | 脂身/生 | 1,300mg |
DHAに確認されている作用や効果
DHAは脳機能に関する作用をはじめ、極めて多くの効果が期待されている成分です。実際に行われた研究結果を交え、具体的な効果をみていきましょう。
1.認知機能および記憶力向上
DHAには認知機能を高める作用が期待されています。
認知症のない参加者(n=1575、女性854、年齢67±9歳)の赤血球DHAおよびEPA濃度と認知テストの成績および脳容積MRIとの関連を調査したところ、赤血球中のDHA濃度が低いほど、脳の容積が小さくなり、認知症のない人でも脳の血管障害による認知機能障害が見られました出典[2]。
またアルツハイマー病モデルマウスを用いた研究では、DHA投与により脳内のアミロイドβ蛋白質の沈着を有意に減少させ、神経線維の生成を抑制し認知能力を向上させます。アミロイドβ蛋白質が脳の神経細胞に蓄積されることは、アルツハイマー病およびアルツハイマー型認知症の発症に深く関わるといわれています。
さらに、DHAは血中脂質濃度を抑制し、尿酸値および尿素値を回復させることから、DHAが早期アルツハイマー病の治療薬となる可能性が示唆されました出典[3]。
その他アルツハイマー病の発症リスクを高める「アポリポタンパク質E遺伝子型(APOE)」との関連性についての報告も挙げられています。
DHAサプリメントが健康な若年成人の認知能力を改善するかどうか、また性別とアポリポタンパ質E遺伝子型(APOE)がその反応を調節するかどうかを調査しました。18~45歳の健康な成人176名(非喫煙、DHA摂取量低)に1.16gのDHAまたはプラセボ6ヵ月間摂取させたところ、DHA群でエピソード記憶(日々の記憶)と作業記憶(記憶の検索・参照)の反応時間に改善がみられました。性別による違いをみたところ女性ではエピソード記憶を、男性では作業記憶の反応時間を改善させました。なお、APOEはDHAの作用に影響を及ぼしませんでしたが、いくつかの関連性が示唆されています出典[4]。
加齢に伴い記憶力が落ちたと感じる方や、認知機能の低下を予防したいという方はDHAを積極的に摂取しましょう。
2.テストステロンの上昇をサポート
DHAは、赤血球膜中の脂肪酸組成を変化させたりインスリン抵抗性などを改善したりする作用に関連し、テストステロン(男性ホルモン)を上昇させることが報告されています。
過体重および肥満で糖尿病のない男性と女性を性別によって層別化し、1日当たり860mgのDHA+120gのEPAまたは同カロリーのプラセボ(コーン油)を12週間にわたり摂取させました。その結果、DHAが豊富な魚油の補給は、太りすぎや肥満の男性のテストステロンレベルを上昇させました。これは血球膜中のオメガ3系脂肪酸(EPA・DHA)の変化と正の相関を示す一方、オメガ6系脂肪酸(アラキドン酸・ジホモ-γ-リノレン酸)含有量と逆相関し、空腹時インスリンとインスリン抵抗性の指標となる「HOMA-IR」の有益な変化と関連していました出典[5]。
現在は女性のみならず男性更年期も注目されています。より大規模な研究が必要であると考えられますが、年齢を重ねても体調不良に悩まされることなく元気に過ごしたい方は、DHAを十分摂取する価値がありそうですね。
3.精子の質を改善
さまざまな研究により、オメガ3系脂肪酸を補給することで精子の運動性と精漿(精液から精子を除いた部分)中のDHA濃度が大幅に改善されることが報告されています。
DHAは人間の精液に非常に多く含まれており、その大部分は精子に存在します。正常な精子を持つ男性と精子無力症の男性の血清、精漿、および精子中のリン脂質の脂肪酸組成を分析したところ、血清リン脂質のDHA濃度は同等であり、食事からのDHAの摂取量に大きな違いがないことが示唆されました。一方精液中のDHA濃度は精子無力症の男性で低く、精子中のDHA濃度の低下にも影響していると考えられています出典[6]。
また精子は精細管で生成され精巣上体で成熟しますが、マウスの研究により成熟過程でDHA含有量が減少してしまうことも分かっています。さらにこの状況は射精されたヒト精子で観察された結果と一致していること、ヒト精子のDHA濃度には細胞によってばらつきがあることなどが示唆されました出典[7]。
これら2つの研究結果をみる限り、何らかの原因により精子中のDHA濃度が低下することが精子無力症に関わっている可能性があるようですね。しかし、食事中の脂肪酸は精子の脂肪酸プロファイルにも影響を与え、特に精子ではオメガ3の摂取に敏感であるとする報告もあります。
パートナーの妊娠を希望する男性にとって、DHAは効果の期待できる成分であると考えられるでしょう。
4.胎児および乳児の発達をサポート
DHAを十分摂取することで早産のリスクを減らしたり、乳児の発達によい影響を与えたりすることが、研究により報告されています。
妊娠12~20週の単胎妊娠の女性1,032人のうち、DHAサプリメントを1日当たり1000mgもしくは200mgのいずれかを投与したところ、1000mgが200mgよりも34週未満の早期早産を減らす可能性が高いことがわかりました。特に、登録時にDHAの状態が低い女性でこの効果は顕著でした。用量が多いほど、母体と新生児の重篤な有害事象も減少しました出典[8]。
また2009年11月~2011年6月にはノルウェー西部のFjellで、妊娠24週目の女性および出産後の女性82名を対象とした研究が行われています。この研究では、妊娠女性の体内のDHA濃度(赤血球の脂肪酸組成により評価)が高ければ高いほど、生後3ヵ月の乳児のDHA濃度および生後12ヵ月の乳児の問題解決能力が高いという結果が報告されました出典[9]。
これらの研究にあるように、胎児の発育や赤ちゃんの脳の成長に対するDHAの有効性が注目されています。妊娠中の方はDHAを豊富に含む食品を積極的に摂取したり、必要に応じてサプリメントを利用したりして十分に摂取することが勧められます。
5.高血圧の改善
DHAには血圧を低下させる可能性があります。
1987年から2020年までに発表された71 の臨床試験の結果(対象者:平均10週間、食事やサプリメントによりオメガ3系脂肪酸を摂取した、18歳以上または高血圧やコレステロール異常のない22~86歳のおよそ5,000人)を分析したところ、DHAとEPAを1日当たり2~3g摂取した場合、摂取しない場合と比較して収縮期血圧と拡張期血圧が平均2mmHg低下したことが明らかとなりました出典[10]。
血圧が高めであると指摘を受けている方には、DHAの効果に期待したいところですね。
6.筋肉痛の緩和
DHAはトレーニング時の筋肉痛の緩和に役立つと考えられています。
トレーニングをしていない男性22名を、EPA・DHA群(1日当たりEPA600mgとDHA260mg)とプラセボ群に分け、4週間運動前に摂取させました。被験者はダンベルを用い、100%の最大随意筋収縮(MVC)で60回の遠心性収縮(ECC)を行い、MVCトルク、関節可動域(ROM)、上腕周囲長、筋肉痛、エコー強度、筋肉厚および血清クレアチンキナーゼ(CK)、インターロイキン6(IL-6)の変化を運動前、運動直後、運動後1・2・3・5日目に評価しました。
その結果ECC実施直後のROMは、プラセボ群に比べEPA・DHA群で有意に高くなりました。MVCトルク、上腕周囲長、筋肉痛、エコー強度、筋肉厚については差が認められませんでしたが、ECC実施の3日後には筋肉疲労の指標である血清CKが有意に低下しました出典[11]。
明らかな筋肉痛緩和効果は認められなかったものの、DHA運動後の関節の柔軟性や筋肉組織の保護に役立つといえそうですね。
7.睡眠時間を増加させる可能性
血漿中のDHA濃度が高ければ高いほど、睡眠時間が長くなるという調査結果があります。
2015〜2016年、進行中のコホート研究の一環としてメキシコ市の青年405名(平均年齢:14.2±2.1歳、男性48%)を対象に、睡眠時間および睡眠タイミングと血漿DHA濃度の調査を行いました。その結果、血漿DHAが高いほど週末の睡眠時間が長くなることが示されています。また直接的な関係は認められないものの、平日と週末における睡眠タイミングの早さとも関連していました出典[12]。
体内のDHA濃度が高いほど入眠時間が早まり、睡眠が長く取れる可能性があるということは興味深い結果ですね。睡眠時間に関する悩みを抱えている方は、積極的に摂取すべき成分といえるかもしれません。
8.肥満予防のサポート
DHAは、血糖値をコントロールする「インスリン」の効きにくさ(インスリン抵抗性)を改善したり、脂質の代謝を改善したりすることで肥満の予防・改善に役立つと考えられています。
腹部肥満(ウエスト周囲径102cm以上の男性、88cm以上の女性)で糖尿病のない男女68名(年齢50.9±12.7歳、女性63.7%、BMI32.4±6.6kg/m2)を対象者とし、1日当たり2g(860mgDHA+120mgEPA)のオメガ3系脂肪酸または2gのコーン油(プラセボ)を12週間摂取させ、開始時と12週目に空腹時採血を行いHOMA-IR、血糖値、血中脂質プロファイルを評価しました。
結果としてDHA・EPA群では空腹時インスリンとHOMA-IRを著しく減少させました。この効果は、開始時のインスリンとHOMA-IRが高ければ高いほど、より大きな減少が見られています。なお、性別の差は明らかにされませんでした出典[13]。
また以下のような飼料を8週間マウスに摂取させ、終了時に血漿脂質、肝トリグリセリド、コレステロールレベルなどを測定する実験が行われています。
①ラード/サフラワー油(4:6)
②EPAリッチ魚油(EPA)
③DHAリッチ魚油(DHA)
④またはDHAリッチ魚油+脂質異常症治療薬「フェノフィブラート」
その結果、①と比較してEPAおよびDHAを投与した全ての群(②~④)で体重減少がみられ、④群で最も少なくなりました。また肝脂質量も①に比べ②~④で有意に減少しています。しかし血漿アディポネクチン(脂肪細胞から分泌されるたんぱく質で、生体に有用な働きを持つ物質)はEPAおよびDHA投与群(②③)で増加したが、④D増加が抑制されました。これは、DHAに加えフェのフィブラートを投与したことでアディポネクチンの感受性が高まったことによるものだと推察されています出典[14]。
脂質の構成要素である脂肪酸も、DHAなどのオメガ3系脂肪酸であれば肥満予防や改善に役立つとは意外ですね。ダイエット中の方は脂質を制限することでカロリーを抑えている方もいらっしゃると思いますが、DHAを豊富に含む食品などは適度に摂取するのがおすすめです。
9.うつ症状の緩和
DHAを摂取することでうつ症状が改善される可能性があります。
薬物療法や心理療法に効果を示さないハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)17以上の28人を対象に、1日当たり60mgまたは520mgのDHAを8週間投与したところ、重大な副作用もなく54%の患者のHAM-Dが50%以上減少し(改善)、45%が寛解しました(HAM-D≤7)。なお、エプワース眠気尺度(ESS)における日中の眠気は有意に改善しませんでした出典[15]。
仕事などのストレスで気分が落ち込むことが多くなったら、DHAを意識的に摂取することで元気を取り戻せるかもしれませんね。
10.目の健康維持をサポート
コンタクトレンズ装着時の不快感やドライアイの改善に役立つことが調査・研究により報告されています。
コンタクトレンズの不快感のある成人72人が参加し、①プラセボ②経口魚油(1日当たり900mgEPA+600mgDHA)③魚油と亜麻仁油の組み合わせ(900mg/日EPA+600mg/日DHA+900mg/日α-リノレン酸)④オメガ3点眼薬(0.025%EPA+0.0025%DHAを1日4回)を12週間投与し、開始時と4週目および12週目に来院。プラセボ群には12週目に低用量の薬剤(コルチコステロイド)をさらに2週間投与されました。
その結果12週間のオメガ3の経口補給によってコンタクトレンズの不快感が軽減されたことが報告されています。さらに、12週間オメガ3を投与(経口・点眼)した群および2週間の局所コルチコステロイド投薬を行ったプラセボ群は、どちらも炎症性サイトカインの涙液(IL-17AまたはIL-6)レベルを低下させるという結果になりました出典[16]。
また、アメリカ4つの州にある6つの眼科診療所で行われた別の研究では、ドライアイと診断された18〜75歳の35名の参加者が、温湿布の使用とオメガ3サプリメント摂取を含む独自の方法を30日間毎日継続したところ、ドライアイの症状が著しく軽減されたと報告されています出典[17]。
さらにDHAは眼圧の正常化にも役立つという研究結果があります。
眼圧が21mmHg未満で、現在または以前に緑内障の診断を受けていない成人105名の参加者に、オメガ3(1日当たりEPA~1000mg+DHA~500mg±α-リノレン酸900mg)を経口的に摂取させたところ、正常血圧の方の眼圧が開始時と3ヵ月後に大幅に減少しました出典[18]。
コンタクトレンズの装着時に感じる目の不快感やドライアイに悩む方、眼圧が高めといわれている方にとってはDHAが役立つ可能性がありますね。
11.アレルギー反応の抑制をサポート
DHAをはじめとするオメガ3系脂肪酸は、喘息やアレルギーなどの炎症性疾患の症状を軽減する効果が知られています。
ピーナッツアレルギーおよびホエー(乳清)アレルギーマウスに、EPA(4%大豆油+6%EPA油、EPA28.8%とDHA13.7%)もしくはDHA(4%大豆油+6%DHA油、EPA7%とDHA27.8%)を豊富に含む魚油を配合した食餌およびプラセボ食(10%大豆油)を、アレルゲンの摂取14日前から5週間摂取させ急性アレルギー性皮膚反応、血清免疫グロブリン(Igs)などについて評価しました。その結果DHAとEPAを含む食餌を与えたマウスは、食物アレルギーの症状が軽減したことが報告されています出典[19]。
DHAなどオメガ3系脂肪酸は皮膚症状の他アレルギー性結膜炎にも有効であるという報告もあり、そのメカニズムが解明されることで治療に役立つ日が待たれますね。
DHAの摂取目安量や安全に摂取する方法
DHAは健康に良い影響を与える成分ですが、摂取する際に注意すべき点などはあるのでしょうか。ここではDHAの摂取推奨量や副作用などの情報をお伝えしていきます。
1.どのくらい摂取すればいい?
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」においては、DHAの摂取推奨量や目安量などは提示されていません。食事基準ではDHAを含むオメガ3系脂肪酸(n-3系脂肪酸)の摂取目安量を示しており、その量は以下のとおりです。
【n-3系脂肪酸の食事摂取基準(目安量:g/日)】出典[20]
性別/年齢等 | 男性 | 女性 |
18~29(歳) | 2.0 | 1.6 |
30~49(歳) | 2.0 | 1.6 |
50~64(歳) | 2.2 | 1.9 |
65~74(歳) | 2.2 | 2.0 |
75以上(歳) | 2.1 | 1.8 |
妊 婦 | - | 1.6 |
授乳婦 | - | 1.8 |
表の値は、現在の日本人のオメガ3系脂肪酸摂取量の中央値をもとに設定されました。これは、必要量を算定するための有用な研究が十分存在しないためです。
なお欧州食品安全機関(EFSA)では、DHAとEPAを合わせて1日当たり5gを長期的に摂取しても、体への悪影響はないとしています出典[21]。
2.健康に摂取できる量は?
DHAを通常の食事で摂取する場合、妊娠中や授乳中も含め安全であると考えられます。しかし、サプリメントなどの摂取により大量に摂取した場合は体に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
特に抗凝固薬(ワルファリンやアスピリンなどの血液をサラサラにする薬)を服用している方は、DHAを摂取することで薬剤の効きを弱めてしまうことも考えられます。多少にかかわらず主治医に確認するようにしましょう。
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会では、DHAサプリメントの1日当たりの摂取目安量を300~750mgとしています出典[22]。
またヒトで行われた安全性評価試験および厚生労働省「国民・栄養調査」の結果をもとに考えた場合、サプリメントからのオメガ3系脂肪酸(DHA、EPAなど)の摂取量は1日当たり3g程度に抑えておけば安全性については問題ないという報告もあります出典[23]。
まとめ
DHAは多価不飽和脂肪酸の一種。「良質な脂質」としても知られているDHAは、脳の健康維持に不可欠である他、さまざまな効果が期待できる成分であるといえるでしょう。
しかしそうはいっても脂質を構成する成分であることから、摂り過ぎるとカロリーオーバーや血中脂質の異常を招く可能性もあります。バランスの良い食事を意識しながら、DHAを健康づくりに役立ててくださいね。
出典
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