ストレス解消法で筋トレが最強な理由6選
2023年10月31日更新

監修者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者

薬剤師

小椋香奈

薬剤師免許を取得後、内科・整形外科・皮フ科・泌尿器科を有する医療機関の門前薬局に勤務。局内で使用する患者向け指導せんの作成に関わるなど、調剤だけでなく幅広く薬剤師業務をこなす。現在は勤務の傍らでライターとしても活動中。

はじめに

ムシャクシャした気持ちをどこかにぶつけたい……

ストレスで常に嫌なことを考えてしまう……

そんな時は筋トレでストレスを解消してみてはいかがでしょうか?

キツくて気乗りしないかもしれませんが、研究データによると筋トレはストレス解消に持ってこいなことがわかっているのです。

今回はなぜ筋トレがストレス解消の手段としておすすめなのかを詳しくご紹介します。

この記事を読めばあなたも筋トレをしたくなること間違いなしですよ。

なぜ筋トレでストレス解消が可能なのか

筋トレがストレスの解消に効果的な一番の理由……その秘密は、ずばり「ホルモン」です。

人間はストレスを受けると、ストレスホルモンの「コルチゾール」が急激に体内へ分泌されます。そして、コルチゾールが過剰に分泌されすぎると、うつ病や不眠症などのリスクが上がるなど、健康が脅かされるのです。

そこで筋トレの出番。筋トレはコルチゾールの分泌を抑制する効果が報告されており、直接的に優れたストレス解消方法の一つとされているのです。

実際、36人の健康な男女が筋トレを行う前と後での、体内コルチゾール量の変化を比較した臨床実験が行われています。すると、8週間続けて筋トレを行った際に最大で約38%のコルチゾールが筋トレ前より減少したことが分かりました。出典[1]

研究から、ストレス解消方法として筋トレをすることは理にかなっていることが分かりました。

しかし、巷でよく言われるストレス解消方法は筋トレだけではありませんよね?音楽鑑賞や趣味への没頭、さらには、同じ運動であるスポーツもストレス解消につながります。

では、数あるストレス解消法の中で筋トレが最も優れていると言える理由はなんでしょうか?
 

筋トレがどのストレス解消方法よりも優れている点6選

この章では、ストレス解消法として筋トレが優れているポイントを6つご紹介します。

 

理想の体型に近づく喜びが得られる

ストレスの強い状態が続くと、自暴自棄になり身体の状態も気にならなくなってしまいますよね……。

しかし、筋トレでストレスを解消すると同時にボディメイクを進めることができるため、身体の変化を実感しながらポジティブな気持ちになれるのです。

筋トレは最も筋肉増加やシェイプアップに効果的な運動のため効果を実感するのも早いでしょう。

21歳〜80歳までの1600人以上を対象とした大規模な研究では、10週間の筋トレで除脂肪体重を1.4kg増加、安静時を代謝率を7%増加、体脂肪1.8kg減少と、目覚ましい効果を発揮することが報告されています。出典[2]

イメージ通りではありますが、筋トレは理想の体型づくりにとって効率の良い手段といえそうですね。

あなたもストレスを筋トレにぶつけ、ついでに理想のボディを手に入れてポジティブな気持ちを取り戻しましょう!

 

筋トレ後に高揚感を得られる

皆さんは筋トレを行った後、清々しい気持ちになった経験はありませんか?実は筋トレを行うと、幸福感や高揚感を得られる作用を持つβエンドルフィンの分泌が増加します。

健康な男性8人に様々な負荷をかけ、血中成分の変化を調査したデータがあります。これによると、10RM(10回まで動かせる負荷のこと。)のみが運動中および運動後0分、5分、および 15 分で血液中のβエンドルフィン量の有意な増加を示したことが分かりました。出典[3]

筋トレは始めから重い負荷をかければ良いという訳ではなく、自身の身体に合った負荷をかけると高揚や幸福感を感じやすくなります。

 

睡眠の悩みを改善

仕事や日々のストレスで、「すぐに目が覚める」「なかなか寝られない」といった経験はありませんか?現代社会はストレスに晒されやすい環境であるといえます。短時間でできる筋トレで、ストレス発散と一緒に睡眠の質も改善していきましょう。

不眠に悩む閉経10年未満の女性60人をランダムに有酸素運動群と筋トレ群に分けて実験を行い、運動前後の睡眠障害を評価した論文が発表されています。すると、有酸素運動群の平均スコアは11.57から8.93に減少し、筋トレ群では12から8に減少しました。

不眠であれば、スコアが高くなるので、有酸素運動と比較して筋トレが不眠症改善にやや効果があるという結果が出ています。出典[4]

また、寝付きや睡眠の質に関わる脳内物質であるアデノシンという成分があります。エネルギー源であるATPの代謝物質であり、運動することでATPが分解され、アデノシン量が増加します。

筋トレで脳内のアデノシン量を増やし、筋トレの適度な疲労で睡眠の質を高めて快眠を手に入れましょう

 

ナイトライフの満足度が向上

勃起は性交時の満足度に大きく影響します。上手く勃たず互いに満足できないと、パートナーとの関係性にヒビが入ってしまうかもしれません。そんな時は筋トレを始めてみましょう。

筋トレには体内の男性ホルモンを増やし、血流を上昇させる効果があります

そもそも勃起は、海綿体の血流が上昇することで完成します。男性ホルモンと呼ばれるテストステロンには血管を広げる作用があり、血流を増加させます。その為、勃起において体内のテストステロン量は非常に重要と言えます。出典[5]

しかし、20代をピークに年齢を重ねるにつれて体内のテストステロン量は徐々に低下していきます。

健康な男性10人が筋トレを行った際の血中テストステロン量の変化を調べたものがあります。すると、安静時と比較して上半身中程度で29.4%、上半身高程度で15.2%、下半身中程度で27.1%、下半身高程度で17.5%テストステロンが上昇したことが分かりました。また、高程度の筋トレと比較して、中程度の筋トレの方がテストステロンを増加させる可能性が示唆されました。出典[6]

筋トレは負荷がかかるほど体内のテストステロンが上昇するというものではありません。適度な負荷をかけた筋トレを続けることで体質改善を始めてみましょう行い、パートナーと満足のいくナイトライフを送りましょう。

 

一人で没頭できる

スポーツを始めるにあたって面倒だと思う点は相手を探さなければならない部分ではないでしょうか?また、人数が必要になるスポーツだとクラブなどのコミュニティーに参加する必要があります。そこまで労力を使ってスポーツはしたくないという方には筋トレは向いていると言えるでしょう。

なぜなら筋トレは1人で行うことが出来るため、基本的に時間・場所・相手を気にする必要がありません。自分の好きなタイミングで気軽に取り組みやすいと言えます。

また、近年ではSNSやソーシャルメディアには様々な筋トレ方法の動画が上がっています。道具などを使わずにできる簡単な筋トレ方法を解説している動画もあり、わざわざジムに通わなくてもフォームの確認が可能です。

このように筋トレは初心者であっても、簡単・気軽に1人で始められることがメリットです。まずは負荷の少ない簡単な筋トレから始めて、無理なく習慣化していけると良いですね。

 

短時間でストレス解消できる

仕事をしているとなかなかまとまった時間も作れず、ストレスが発散できないと悩んでいませんか?そんな時はスキマ時間の筋トレです!筋トレをすると疲れてしまうイメージがありますが、適度な負荷をかけると短時間でも気分がスッキリした気分を味わうことができます。

ストレス解消に映画を見るような、まとまった時間を確保する必要もありませんし、有酸素運動のように長時間運動の必要もありません。10分程度のスキマ時間、寝ながらでも筋肉を追い込むことが可能です。

身体に強い負荷をかけすぎてしまうとかえって疲れてしまい、ストレス解消にならないことがあります。筋トレ初心者であれば、強い負荷はかけずに無理なく行いましょう。

ストレス解消に適した頻度と強度は?

初心者が筋トレを始める際悩むのが「頻度」「負荷」「回数」ではないでしょうか。身体への負荷と効果について以下のような論文が報告されています。

健康な男性41人(18~25歳)を持久力トレーニング群(10〜30分間のランニング)、筋力トレーニング群(1RMで4〜8回)に分け、さらに8時間の回復時間有り無しを比較しています。このトレーニングは週に3回、8週間継続され筋力の変化について調査されました。

その結果、8時間の回復時間をおいた筋力トレーニングでは下半身の筋力が持久力トレーニングと比較して優位に増加しました。また、回復時間ありの筋力トレーニングではストレスホルモンであるコルチゾールが8%減少したとの報告があります。出典[7]

筋力がついてなおかつストレスホルモンが減少する筋トレ方法は適度な筋肉の回復時間が必要であるということがわかりました。がむしゃらに負荷をかけて、毎日筋トレをする必要はないということですね!

初心者が筋トレを始める際は、「週に3回程度、1RMを4~8セット」で徐々に身体を慣らしていくことがオススメです。

 

筋トレを継続してノーストレスの日々を!

日々のストレス解消だけでなく、睡眠の質改善やナイトライフの満足度も上がる筋トレは初心者におすすめです。

まとまった時間が必要ないので、スキマ時間を利用して簡単にトレーニングを始めることができます。

1度だけでも効果のある筋トレですが、効果を維持するためにも是非習慣化していきましょう。
 

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