シックスパックへの近道!腹筋を割る食事法を徹底解説
2023年12月14日更新

監修者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

腹筋を割るにはトレーニングよりも食事!

腹筋の割れた体を、力強くストイックな「魅力的な男性」の象徴として考える方は多いようです。腹筋を割るためにはトレーニングが最重要。そう考えて毎日のトレーニングに励む方もいることでしょう。

もちろんトレーニングにより筋肉を太く大きくすることも重要です。しかし筋肉量が増えても、体脂肪が多いままでは腹部の筋肉が浮き上がらず、割れたようには見えません。

トレーニングだけでは腹部の脂肪は落ちにくいため、食事での調整を加える必要があるのです。

2011年にアメリカの南イリノイ大学から発表された論文において、腹部脂肪に対する運動の効果が調べられました。

週5日、6週間に及ぶ腹筋トレーニングを行ったところ、筋持久力は大幅に向上したものの、腹部を中心とした皮下脂肪の減少には繋がらなかったと報告されています出典[1]

トレーニングだけでは効率的に体脂肪を落とすことができません。食事管理を通して体脂肪を減らし、筋肉を増やすための効果的な食事メニューを見つけましょう。

 

腹筋を割るための食事の3大原則

腹筋を割るための食事法は巷に多く溢れていますが、大半は枝葉のテクニックにすぎません。

原則をしっかり守れば、それだけで腹筋は割れることでしょう。

ここでは腹筋を割るための大原則を3つご紹介します。

原則1.体脂肪率15%以下のマッチョ体型を目指す

ある程度体全体が引き締まっていないと、鍛えた腹筋がお腹の表面に見えてきません。腹筋が割れて見える体脂肪率は、男性では15%前後と考えられています。

健康的な男性の体脂肪率は10~19%程度です。体脂肪率が20%を超えると肥満気味になり、標準体重であっても腹筋を割ることは難しくなります。標準的な体脂肪率の中でもやや引き締まった体つきを目指しましょう。

 

原則2.BMIが高すぎる人はカロリー制限から始めよう

BMI(ボディマス指数)とは、肥満や痩せの判定に用いられる値です。体重(kg)を身長(m)の2乗で割ることで簡単に算出できます。

日本肥満学会ではBMI18.5未満を痩せ、25以上を肥満と分類しているため出典[2]、最低限この範囲に収まるよう体重をコントロールする必要があるでしょう。

BMIが25以上ある方でも体脂肪率が10%程度の低い値であると、いわゆる「ゴリマッチョ」として腹筋の割れた状態を維持できるかもしれません。しかし現時点で腹筋が割れていない場合には、カロリー制限により体脂肪を落とし、BMIが25を切る状態まで調整するところから始めましょう

ここで減量ペースの参考になる論文を2つご紹介します。

2013年にアメリカから発表された論文では、消費カロリーから40%カットした食事を30日間続けた場合、減少した体重3.3kgのうち除脂肪体重が占める割合は58%にも及んだと報告されています出典[3]

一方、2009年にアメリカのルイビル大学から発表された論文では、25%カットした制限食を3か月続けたところ、6kgの体重減少のうち除脂肪体重の割合が33%に抑えられたという結果が得られています出典[4]

したがって筋肉量の減少を抑えるには、緩やかなカロリー制限が重要です。1か月に1~2kgの減量ペースを意識すれば、筋肉量の減少に加え、リバウンドのリスクも抑えやすくなるでしょう。

私たちの体から体脂肪を1kg落とすには、エネルギー収支を7200kcalマイナスにする必要があります。1か月に1~2kg落とすためには、1日に240~480kcalのカロリーカットが妥当と考えられますね。

もちろんこの範囲を厳守する必要はありませんが、筋肉量を落としにくい適切な減量ペースとして参考にしてみましょう。
 

原則3.たんぱく質がやや多めのPFCバランスを意識する

体脂肪を落として筋肉を増やしたい場合、栄養バランスにおいて工夫すべき点は非常にシンプルです。

  • 筋肉の合成に欠かせないたんぱく質を積極的に摂る
  • 体脂肪の材料になりやすい脂質を控える
  • 炭水化物を減らしすぎない

以上3点を踏まえたPFCバランスとして、25~30:15~20:50~60を目安にすることをおすすめします。それぞれの栄養素について解説しましょう。

たんぱく質

筋肉量を増やしたい場合、たんぱく質は最低でも体重1kgあたり1.6g摂取しましょう。さらに2.3g/kgまで増やすと効率的に筋肉を増やすことができる可能性があります出典[5]

一方で、腹筋を割るためにはたんぱく質の摂りすぎも問題となります。たんぱく質の摂取比率を総カロリーの28%から32~33%まで増やしたアスリートは、除脂肪体重が1kg減少したと報告されているのです出典[6]

たんぱく質は満腹感に関わる消化管ホルモンの分泌を増やす性質があるため、十分な食事量を摂れない可能性も出てきます。先程の研究でも、たんぱく質の摂りすぎによる脂質や炭水化物の不足が、除脂肪体重減少の原因になったのではと考察されています。

筋肉の合成に欠かせないたんぱく質ですが、食事全体のバランスを損なう程の増量は好ましくありません。体を引き締めたい場合には、2.3~3.1g/kgの範囲での摂取が推奨されています%%%出典6%%。

エネルギー比率が全体の30%を大きく上回らないよう、この範囲でたんぱく質量を調節しましょう。

 

脂質

体重をやや落として体を引き締めたい場合には、脂質量のカロリー比率を全体の15~20%に抑えましょう

BMIが19を切るような細すぎる方は、腹筋を割るとともに体重を増やしたいと考えるかもしれません。ただしこの場合でも、脂質は総カロリーの30%以下に留めることをおすすめします。

脂質は1gあたり9kcalと、たんぱく質や糖質の4kcal/gに比べて非常にカロリー効率がよい栄養素です。効率的なカロリーの摂取源として、脂質を積極的に摂ろうと考える方もいることでしょう。

しかし高脂質食は体脂肪合成を促すため、筋肉ではなく脂肪が増え過ぎた体つきになりやすくなります。腹筋の割れた体からはますます遠ざかることが予想されるため、摂りすぎには十分注意しましょう。

 

炭水化物

炭水化物は、全体のカロリーからたんぱく質と脂質を差し引いた残りで摂りましょう。

ダイエットにおいては糖質制限など、炭水化物を目の敵にする傾向が目立ちますが、腹筋を割るための食事管理においては、炭水化物の摂取も非常に重要です。

2013年にブラジルのアラゴアス連邦大学から発表された論文では、炭水化物の比率を25%まで落とすと、運動パフォーマンスは著しく低下したと報告されています出典[7]

炭水化物の比率が総カロリーの半分を大きく下回るような極端な制限は、トレーニングの効率を落としてしまいます。疲労回復の効率が下がりパフォーマンスが低下すれば筋肉量も増えづらくなり、腹筋を割りにくくなるでしょう。

筋肉を鍛えるためには炭水化物も重要です。最低でも体重1kgあたり1.0gは摂るようにしましょう

 

腹筋を割るために気を付けたい食事の8項目

ここからは大原則を実践するための具体的なポイントについて解説します。

高たんぱく質食品としてどのようなものを選ぶべきか、嗜好品とはどのように付き合うべきか、などについてまとめました。

食材や調理方法に悩んでいる方は、ぜひ以下を参考に毎日の献立を考えてみましょう。

1.「高たんぱく低脂質」の食品や料理を選ぼう

高たんぱく質食品の中には、たんぱく質と同時に脂質を豊富に含むものが多いため、食材選びに気を配る必要があります。たんぱく質量を増やしつつ、脂質量を低く抑えたい場合には、高たんぱく低脂質な食材を活用しましょう。

肉類であれば、脂身の入っていない豚ヒレ肉や鶏むね肉がおすすめです。魚はマグロやハマチなどの赤身魚よりも、スズキやタラのような白身魚を選べば脂質量をぐっと抑えられるでしょう。

牛乳やヨーグルト、卵や大豆製品はたんぱく質と脂質のバランスが比較的良好です。しかし高たんぱく低脂質というわけではないため、やはり摂りすぎは禁物です。適量を朝食や軽食などに取り入れて、たんぱく質の強化に役立てましょう。

 

2.朝はしっかり食べて夜は少なめに

朝は忙しい時間帯でもあるため、十分な量の朝食を用意できない方が多いようです。しかし筋肉の合成効率を高めたい場合、朝食量、とくに朝食のたんぱく質を十分に確保することは非常に重要です。

睡眠中は食事を摂れないため、朝はたんぱく質が不足しています。この状態で朝食から十分なたんぱく質を摂取できないと、筋肉の分解が起こりやすくなってしまいます

朝食と筋肉量との関係は、日本で頻繁に研究されています。

たとえば2019年に立命館大学から発表された論文によると、3食のうち1食でもたんぱく質が不足している人は、毎回十分な摂取ができている人と比べて、除脂肪体重量が少ないことが判明しています出典[8]

さらに2021年に早稲田大学が発表した論文では、マウスを用いた実験において、朝食のたんぱく質強化食が夕食強化食よりも17%多く骨格筋量を増加させたと報告されており出典[9]、朝食におけるたんぱく質の重要性が伺えます。

朝食のたんぱく質としておすすめしたいのは、比較的消化によい卵や牛乳、準備が容易なヨーグルトや納豆、冷奴などです。忙しさに応じてプロテインを活用するのもよいでしょう。

朝にしっかり食べて夜を控えめにする生活を意識すれば、夜間の体脂肪合成を抑える効果も期待できます。腹筋が割れた体を手に入れるため、1日のたんぱく質配分や食事量も見直してみましょう。

 

3.脂の多い肉よりも、油の多い魚を食べよう

すべての脂質を目の敵にする必要はありませんが、余分な脂質を摂らないことに加え、脂質の質にもこだわった上で食品を選ぶ必要があるでしょう。

肉と魚は、どちらもたんぱく質を効率よく摂取できる食品ですが、脂質の質に大きな違いがあります。腹筋を割りたい場合には、良質な油を含む魚類の摂取がとくにおすすめです。

牛肉や豚肉などの肉類に含まれる脂質は、主に「飽和脂肪酸」で構成されています。飽和脂肪酸は体内で体脂肪として蓄えられやすい脂肪酸です。腹筋を割る妨げとなりやすい脂肪酸、とも言い換えられるでしょう。

一方、魚や貝類などに含まれる脂質は主に「不飽和脂肪酸」と呼ばれるものです。不飽和脂肪酸は体内でエネルギーとして消費されやすい性質があります。体に溜め込まれにくい脂質であるため、体脂肪合成のリスクも低いと考えられています。

魚や貝類からは、EPAやDHAといったω‐3系脂肪酸と呼ばれるタイプの不飽和脂肪酸を摂取できます。ω‐3系脂肪酸は抗酸化作用や抗炎症作用を持つ脂肪酸であり、筋肉の炎症を抑えて筋肉痛を軽減する効果があるとも確認されています。

体脂肪増加のリスクが低く、筋肉痛の管理にも役立つ魚の油を適度に摂取してみましょう。

 

4.トレーニング前後には白米や餅がおすすめ

トレーニングの効率を高めるためには、前後に摂取する炭水化物の質にもこだわってみましょう。素早く消化でき、血糖値を上げやすい食品を選ぶことで、筋肉のエネルギー源である筋グリコーゲンをより効率よく蓄えることができます。

血糖値を急激に上げる食品は、筋肉や脂肪組織にエネルギーを蓄えるよう働くホルモン「インスリン」の分泌量を増やします。食べ過ぎにより体脂肪合成のリスクが高まるものの、筋グリコーゲンの貯蔵には最適です。

血糖値を上げやすい食品として、砂糖が多く使われた甘い菓子類を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかしケーキやアイスクリームといった砂糖の多い菓子類には脂質が多く、体脂肪の合成リスクを高める場合があるため、腹筋を割りたい場合には避けるべきでしょう。

おすすめは、糖質の含有量が高い白米や餅などです。たんぱく質や脂質、食物繊維など、消化に時間がかかる成分が少ないため、速やかなエネルギーチャージに役立つでしょう。

中でも餅はアミロペクチンという、糖(グルコース)への分解が素早く行われやすい分子で構成されているため、とくに血糖値を上げやすい食品です。トレーニングの1時間前、あるいはトレーニング直後のエネルギー補給として、餅を活用してみましょう。

 

5.普段の食事には玄米や蕎麦などを選ぼう

血糖値を急激に上げる白米や餅は、トレーニング前後の筋グリコーゲン貯蔵や、速やかな疲労回復に適しています。

しかしエネルギーを大量に必要としないタイミングでの摂取には注意が必要です。インスリンの過剰分泌により体脂肪合成のリスクを高めることになるため、普段の食事において大量に摂取するのはおすすめできません。

トレーニングを伴わない場合の食事では、血糖値を急激に上げない食品を選ぶようにしましょう

たんぱく質や食物繊維を多めに含む炭水化物食品として、未精製の穀類が挙げられます。玄米、オートミール、蕎麦といった色のついた穀類を意識して選んでみましょう。

玄米はよく噛んで食べる必要があることから、食事に対する満足感も高まりやすくなります。食べ過ぎ防止のためにも、玄米のような未精製の穀類を活用してみましょう。

 

6.揚げ物や超加工食品は筋肉の大敵

体脂肪を減らしたい状況において、天ぷらやフライなどの揚げ物、カップラーメンやスナック菓子などの超加工食品が危険であることは容易に想像できるのではないでしょうか。

揚げ物や超加工食品は総じて高脂質、高カロリーです。加えて揚げ物の脂質は、長時間の高温加熱により酸化を受けています。

酸化した脂質は体の細胞にダメージを与えるため、筋肉の成長や疲労回復の妨げになります。腹筋を割るためには、揚げ物中心の生活を改める必要があるでしょう。

また、スナック菓子やカップラーメンなどの超加工食品にはトランス脂肪酸がよく含まれています。トランス脂肪酸は体重増加と非常に相関の高い脂肪酸です出典[10]。肥満のリスクを高めるため、積極的な摂取は避けるべきです。

揚げ物や超加工食品は、コンビニやスーパーで手軽に購入できます。そのため一度購入が習慣化するとなかなか止められなくなるかもしれませんが、腹筋を割るためには残念ながら妨げにしかなりません。

強い意志による揚げ物断ちや超加工食品断ちが、腹筋を割るための近道となるでしょう。

インスタント食品やスナック菓子の買い置きを避けることも重要です。小腹が空いたときについ食べてしまう状況を作らないようにしましょう。

 

7.清涼飲料水などの砂糖入り飲料はNG

コーラやサイダーのような清涼飲料水は糖質の塊です。液体としての糖は消化の必要がほぼないため、血糖値を急激に上げてしまいます。

とくに炭酸飲料には私たちが舌で感じられる甘さ以上の砂糖が含まれているため、体脂肪合成のリスクも高いと考えられるでしょう。

血糖値を上げやすい性質は、トレーニング前後の糖質補給に適しているとも考えられます。しかしトレーニングに必要な糖質量を摂取するためには大量の摂取が必要になるため、清涼飲料水の活用はあまり効率的とは言えません。

また、砂糖入り飲料を頻繁に摂取していると、砂糖や甘いものへの依存が生じやすくなるようです。

2018年にアメリカのカリフォルニア大学が発表した論文では、砂糖入り飲料を習慣的に摂取する10代の若者が一時的に砂糖入り飲料断ちを行うと、1日の砂糖摂取量が80gも低下したと報告されています出典[11]

さらに同じ研究では、砂糖入り飲料を制限している期間中、参加者にはモチベーションや満足感、集中力、全体的な幸福度などの低下が確認されました。砂糖入り飲料には依存性があり、継続摂取により砂糖への欲求も高まることが分かるでしょう。

砂糖入り飲料の摂取の習慣化は、体重増加のみならず、精神面のパフォーマンスにも大きな影響を与えるようです。健康的に腹筋を割るためには、砂糖入り飲料の活用は厳禁と考えましょう。

 

8.アルコールを控えて筋肉を守ろう

筋力トレーニングとアルコール飲料との相性は非常に悪いため、腹筋を割りたい場合にはできる限り飲酒を控える必要があります。

アルコールの問題点として次の4点が考えられます。

  • アルコール自体のカロリーにより体脂肪合成リスクが増加する
  • 筋肉合成のスイッチを入れるテストステロンを減らして筋肉の合成効率を下げる
  • コルチゾールを増やして筋分解を促進させる
  • 睡眠の質が下がり筋肉の合成効率や疲労回復効率が大きく下がる

2019年にイタリアのパレルモ大学から発表された論文では、運動後のアルコール摂取により、運動で上昇したコルチゾールが下がりにくくなること、テストステロンが減少することが確認されています出典[12]

また、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドは交感神経を活発にする作用があります。夜間の摂取により眠りが浅くなるほか、アルコールの利尿作用により夜中に目覚めやすくなるという影響も考えられるでしょう。睡眠の質の低下は、筋肉の合成効率や疲労回復効率を大きく下げてしまいます。

さらに睡眠不足により、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の増加や、食欲を抑制させるホルモン「レプチン」の減少も確認されています

食欲のコントロールが難しくなり、食べ過ぎてしまうリスクも高まるため、腹筋を割りたい場合、睡眠不足はなんとしてでも避けるべきです。

禁酒が難しい場合には、睡眠への影響を及ぼさないタイミングで、適量を守り飲むようにしましょう。寝る4時間前に飲み終えられるよう、タイミングを調整することが重要です。1回につき1合を目安にするとともに、週に何度かお酒を飲まない「休肝日」を設けると、アルコールの影響をより抑えられます。

カロリーを抑えるため、糖質を含まないウイスキーや焼酎といった「蒸留酒」を選ぶこともポイントです。ビールや日本酒のような「醸造酒」は糖質を多く含み、カロリーが増えやすいためより注意が必要です。

 

腹筋を割りたい方向けの食事メニュー例

 

カロリーやPFCバランス、食事でのポイントを抑えられたところで、実際の食事例をいくつか紹介しましょう。

自炊であれば主食の量やたんぱく質の強化も自在にできますが、外で食事をする場合、どのようなメニューを選べばよいか悩む方もいることでしょう。コンビニや外食における食事の選び方もまとめていますので、自炊の習慣があまりない方もぜひ参考にしてください。

朝食(自炊)

自宅で朝食を用意する場合のメニュー例を紹介しましょう。

  • トースト
  • ほうれん草と卵のソテー
  • 果物
  • ヨーグルトや牛乳など

朝食のたんぱく質源は、消化によい卵を使った料理がおすすめです。朝食のたんぱく質量を増やすため、牛乳やヨーグルトなど、手軽に加えられる高たんぱく質食品を意識して摂り入れましょう。

卵の脂質はかつて血中コレステロールの増加を招き、血液をドロドロにするリスクがあるとして、摂取を控えた方がよいと言われていました。

しかしその後の研究により、卵の摂取ではコレステロール増加に大きな影響を与えないこと、卵黄レシチンのような血中脂質を調節する成分が含まれていることが判明しています。極端に食べ過ぎなければ卵の脂質は問題にならないため、良質なたんぱく質源として積極的に活用しましょう。

トーストによる血糖値の上昇が気になる場合には、全粒粉小麦で作られた茶色い食パンを選んでみましょう。全粒粉小麦は白い精製小麦よりも食物繊維やたんぱく質を多めに含んでいるため、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。

 

昼食(コンビニ)

外出先で昼食を摂取する場合、コンビニを活用することもあるでしょう。コンビニでの購入例を紹介します。

  • おにぎり
  • ホッケや鮭などの焼き物
  • ブロッコリーとタコのサラダ

栄養バランスを整えることが難しいと言われるコンビニ食ですが、主食と主菜、副菜を揃えることを意識すれば、PFCバランスを大きく崩さずに済みます。

魚を意識して選ぶことには、食欲をコントロールしやすくなるというメリットもあります。魚類に豊富なω‐3系脂肪酸には食欲を抑制する効果があることが確認されています出典[13]。食事の満足感を高めるため、焼き鮭やホッケなどを意識して選んでみましょう。

コンビニには様々なサラダが置かれていますが、栄養素の豊富さを考える場合、ブロッコリーやニンジン、トマトなどの緑黄色野菜を含んだものがおすすすめです。

とくにブロッコリーはビタミン類を豊富に含むほか、野菜類の中ではトップクラスのたんぱく質含有量を誇ります。良質なたんぱく質を含むタコのような動物性食品と合わせて摂取すれば、筋肉の合成効率もより高まるでしょう。

 

夕食(外食)

夕食は自炊で軽めに済ませるのが理想ですが、仕事終わりに外で夕食を済ませる場合もあるでしょう。エネルギーや脂質の摂りすぎを防ぎやすいメニューを選んで、体脂肪の合成を防ぎましょう。

  • 玄米や五分づき米、五穀米など
  • 豚の生姜焼き
  • 根菜の味噌汁
  • 冷奴

外食においてカロリーを抑える基本は「定食」を選ぶことです。焼き鮭定食や豚の生姜焼き定食、刺身定食など、油をあまり使っていないものを意識すればPFCバランスも整います。

生姜焼きに用いられる豚肉の部位はロース肉であることが多いでしょう。ロース肉は比較的脂質量が少なく、また赤身と脂身がはっきり分かれているという特徴があります。

適度なカロリー摂取を必要とする場合にはそのまま、脂質をよりカットしたい場合には脂身部分を切り離して食べて、脂質量をコントロールしましょう。

豚肉はビタミンB1を豊富に含む食品でもあります。摂取した糖質を代謝してエネルギーに変えるため、ビタミンB1の働きは欠かせません。疲労回復にも役立つため、1日の終わりに体調を整えるための食材としても適しているでしょう。

汁物は食事全体の満足感を高めるためにも重要です。ごぼうやきのこなど、噛み応えのある食品を具材にしたものを選べば、よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぎやすくなります。

 

まとめ:シックスパックはジムでなくキッチンで作られる!

腹筋を割るためには筋力トレーニングに加えて、食事管理が非常に重要です。筋力トレーニングの効率を上げて筋肉の合成を促すためにも、体脂肪の合成を抑えて体を引き締めるためにも、カロリーや栄養素の配分には十分注意する必要があるでしょう。

腹筋を割るための基本は、筋肉を増やして脂肪を落とすことです。体脂肪合成のリスクの高い食品や、筋肉の合成を妨げるような食品を避けましょう。

また、極端なカロリー制限やたんぱく質の過剰摂取も、筋肉量の維持を難しくする場合があります。緩やかな体重減少で筋肉の減少を最小限に留め、効果的に体を引き締めましょう。


 

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