夜型トレーニー必見!寝る前の筋トレの注意点5選
2024年2月23日更新

執筆者

NSCA-CPT、調理師免許

大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)

激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。

寝る前の筋トレのメリット3選

仕事や家事、学業が忙しく、どうしても筋トレを行う時間が寝る前にしか確保できないという方も多いのではないでしょうか。

「寝る前の筋トレって筋肉にも健康にもよくないのでは?」と疑問に思ったことがある人もいるでしょう。

ご安心ください。じつは、寝る前の筋トレはむしろ有益な可能性があります。

この項目では論文を交えつつ、3つのメリットを紹介します。

1.睡眠の質が高まる

寝る前に筋トレをすると適度な疲労感を得られたり、ストレスの解消にもつながったりします。

そのため、睡眠の質を高められる可能性があるのです。

2014年にバーゼル大学が発表した論文では、普段から運動している若年成人52名を対象に実験を行っています出典[1]

実験内で被験者たちは夕方に中~高強度の運動をし、その1.5時間後に睡眠脳波計による測定を受けました。

加えて彼らは、寝る前に行った運動がどれくらい辛かったかという質問に回答。

その結果、「寝る前の運動強度が高かった」と答えた群ほど睡眠効率が高い、というデータが得られたのです。

また、運動強度の高さは、睡眠の質や入眠時間の短さ、さらには入眠後の覚醒の少なさなどとも関わっていました。

従って、寝る前に適度な負荷で筋トレをすることは、睡眠の質を高められると言えるでしょう。
 

2.強い力を発揮できる

じつは、人間は午後のほうが大きい筋力を発揮することができます

ここで、2021年にフロリダ大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[2]

論文では、筋力は日中の時間帯によって変化するのか、ということを調査するため、20以上の研究をレビューしています。

その結果、筋力は午前中に比べて午後遅くに最大になっていることが判明。

中でも握力については、夕方に5~6%増加していることが分かったのです。

また、上半身や下半身の大きな筋群においても、朝から夕方にかけて筋力が増加し、午後の遅い時間に最大になっていました。

なお、対象となった研究は主に若年男性に対するもので、性差や年齢差による違いに関しては言及できない、との注釈があります。

しかし、結論として論文内では、骨格筋の筋力は16~20時に最大値になることが示されている、と述べています。

このことからも、寝る前に筋トレをすれば、より強い力を発揮できる可能性があるのです。
 

3.朝よりも怪我のリスクが低い

人間の体温にはリズムがあって朝が最も低く、夕方に向けて上昇してピークを迎え、夜になると下がっていきます。

特に、体温の低い朝は筋肉や関節も温まっておらず、負荷の高いトレーニングはそれだけ身体への負担も大きくなります。

しかし、朝に比べて身体が温まっている午後なら筋肉や関節の動きもスムーズになり、大きな負荷にも耐えることができます

また、前述の通り筋力も高まっているので力発揮がしやすく、ウエイトのコントロールも容易に。

加えて、頭がクリアなので集中力を高めることができ、最後まで動作の正確性をキープすることができます。

従って、寝る前に筋トレをすれば、朝よりも怪我のリスクが低くなる可能性があるのです。

とはいえ、日中の活動量やストレスによって、夜の身体の疲労具合はさまざま。

次の項目で紹介する注意点などを踏まえ、無理をしすぎないように注意しましょう。
 

寝る前に筋トレする場合に注意すべきこと5選

もちろん、寝る前に筋トレをすることには、メリットばかりではありません。

ここでは論文を交えつつ、寝る前に筋トレをする場合に注意すべきことを5つご紹介します。

1.日中にスマホをいじりすぎない

紹介した通り、夜の運動は身体が温まっていることがメリット。

しかし、日中に精神的な疲労が蓄積してしまうことはデメリットだと言えます。

そこで、精神的な疲労を溜めないようにするため、寝る前に筋トレをする場合には、スマホをだらだらと見るのをやめましょう

「なぜスマホを見ないほうがいいのか」と思われるかもしれませんが、これには根拠があります。

以下に、2021年にパライバ連邦大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[3]

研究では、スマホのSNSアプリ使用による精神的疲労がトレーニングに与える影響を調査するため、16名の男女が実験に参加。

彼らは「スマホのSNSアプリを使用」「ドキュメンタリーを視聴」という課題の前後に、スクワットを3セット実施しました。

その後にデータを測定したところ、スマホのSNSアプリを使用した群の方が精神的疲労を感じやすくなるという結果に。

さらに、トレーニングの反復回数が約15%も低くなる、というデータが示されたのです。

加えて、トレーニングボリュームを増加させたいなら、トレーニング前の長時間のスマホ使用は避けるべきである、と述べています。

このことからも、寝る前に筋トレをすると分かっているときは、日中にスマホをいじりすぎないように注意しましょう。
 

2.遅くとも就寝の1時間前までに終わらせる

寝る前に筋トレをする場合には、遅くとも就寝の1時間前に終わらせるのがおすすめ。

というのも、筋トレをするタイミングが寝る前ギリギリだと、睡眠の質が低くなってしまう可能性があるからです。

それを裏付けるような、2019年にチューリッヒ工科大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[4]

論文では、夕方の運動が睡眠に与える影響を調査するため、23件の研究をレビューしています。

その結果、夕方の運動は睡眠に悪いどころか、効果は小さいものの良い影響を与える、ということが分かりました。

しかし、就寝時間の1時間前までに激しい運動を行うと心血管系の回復が不十分になり、就寝時刻に心拍数が上昇

加えて、副交感神経の活動が鈍くなってしまうために、睡眠の質が低下する可能性がある、ということが示されています。

このデータからも、寝る前に筋トレをする場合は、遅くとも就寝の1時間前に終わらせておくのが良いでしょう。
 

3.カフェインが含まれるプレワークアウトは控える

カフェインには覚醒作用があり、摂取すると睡眠の質を低下させてしまいます。

ここで、2023年にオーストラリアカトリック大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[5]

論文では、睡眠に対するカフェインの影響を調査するため、24の研究をレビューしています。

その結果、カフェイン摂取は総睡眠時間を45分、睡眠効率を7%減少させることが判明。

加えて、睡眠時間の減少を避けるためには

  • コーヒー(250mlあたりカフェイン107mg)…就寝の少なくとも8.8時間前
  • 標準的な量のプレワークアウト(カフェイン217.5mg)…就寝の少なくとも13.2時間前

に摂取する必要があると述べています。

上記の通り、カフェインはコーヒー1杯分の量でも約8時間持続するので、夜の筋トレ時には控えるのがおすすめ。

そのため、寝る前に筋トレをするときは、NOブースターのようなノンカフェインのプレワークアウトを摂取するようにしましょう。
 

4.筋トレ後は38℃のお風呂に入る

夜寝る前に筋トレをしたあとは、38℃のお風呂に入るようにしましょう。

その理由は、入浴することで、筋トレで興奮した身体を落ち着かせることができるからです。

それを裏付けるような、2019年に滋賀大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[6]

研究では、入浴条件の違いがその後の睡眠の質にどのような影響を及ぼすのか、ということについて検証しています。

対象者は普段から定期的な運動をしている学生20名で、彼らは20時半から30分間のランニングを行いました。

その後、「38℃の全身浴を15分間行う群」「38℃のシャワー浴を行う群」に分けられて睡眠し、各種の値を測定。

結果として、全身浴を行った群の方が副交感神経が優位になり、入眠までの時間が短くなるというデータが得られたのです。

論文内では、運動後の全身浴は交感神経を鎮め副交感神経の活動を促すため、入眠しやすくなる可能性がある、と結論づけています。

このことからも、夜寝る前に筋トレをしたあとは38℃のお風呂に入ることで、睡眠の質を高めることができると言えるでしょう。
 

5.筋トレ後は食事ではなくプロテインを摂る

夜遅くの食事は、睡眠の質の低下を招いてしまいます。

それを裏付けるような、2020年にシドニー大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[7]

研究では、若年成人における夕方の食事のタイミングと睡眠の質の関係を調べるため、オンライン調査を実施。

対象となる18~29歳の計793名が、睡眠環境やライフスタイルなどを問う質問に回答しています。

その結果、就寝3時間以内に食事を摂った人は、そうでない人よりも就寝中に約40%ほど覚醒しやすくなる、というデータに。

このことから論文内では、夜遅くに食事を摂ることは睡眠の質の低下を招く可能性がある、と結論づけています。

なお、この研究では食事の種類やボリュームには言及されていません。

しかし、睡眠の質を確保するためにも、寝る前に筋トレをしたあとは食事を控えるのがおすすめ。

代わりに、栄養吸収の早いプロテインを摂るようにしましょう。
 

よくある質問

ここでは、朝と夜の筋トレ効果の違いについて、よくある質問にお答えします。

朝の筋トレと夜の筋トレのどっちが筋肥大に効果的ですか?

前述の通り、人間の筋力は夜の方が高まります。

しかし、長期的に見れば朝も夜も筋力の向上率に違いはなく、筋肥大の効果にも差はないと言われています。

ここで、2018年にビクトリア大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[8]

論文では、朝と夜の筋トレが筋肥大に与える影響を調査するため、11件の研究をレビューしています。

結果として、1日の中で筋力は夕方の方がより大きな数値を示しました

しかし、これはあくまでも短期的なデータ。

長期的に見ると、朝にトレーニングを行っていても、筋力は夕方に発揮されるものと同程度にまで増加する、ということが判明。

さらに、筋肥大についても、トレーニングを実施した時間帯に関わらず同じように増加が見られる、と述べています。

前の項目でも紹介した通り、筋トレは朝に行っても夜に行っても、それぞれの時間帯にメリット・デメリットが存在します。

そのため、ご自身のライフスタイルにあった時間帯をチョイスしましょう。
 

寝る前に筋トレをすると痩せますか?

筋トレは、朝に行っても夜に行ってもダイエットに有効です。

ただし、最近の研究では、夜よりも朝に行う方がよりダイエットに効果的である可能性が高い、という結果が出ています。

以下に、それを裏付けるようなエビデンスをご紹介しましょう。

2023年に香港理工大学が発表した論文では、運動を行う時間帯が肥満に与える影響を調査しました出典[9]

論文内では、2003年~2006年の全米健康栄養調査の参加者5285名を対象に解析を実施。

その結果、朝に運動する群ほどBMIが低くなり、ウエスト周囲径も小さいというデータが示されました。

加えて、肥満を解消するためには7~9時に運動を行うのが最も適している、とも述べられています。

とはいえ、朝と夜の違いによるダイエット効果は、運動量や食事量に比べると小さなもの。

ダイエット目的の場合でもご自身のライフスタイルにあわせて、継続できるような時間帯をチョイスしましょう。
 

まとめ

紹介した通り、寝る前の筋トレには強い力を発揮できるなど、さまざまなメリットが存在します。

しかし、日中の行動や栄養摂取の方法によっては、睡眠の質の低下を招いてしまうことも。

また、トレーニング終わりのケアの仕方や栄養補給によっては、身体の回復速度も変わってきます。

加えて、筋肥大が目的でもダイエットが目的でも、筋トレは継続して行うことが重要。

ぜひ、紹介した注意点やエビデンスなどを参考にして睡眠の質を高め、生活リズムを整えて効率よく筋肉を鍛えましょう。

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