ロディオラとは別名イワベンケイとも呼ばれるハーブの一種です。

主に日本の本州中部地方の山々、アジアの寒冷地やヨーロッパのアルプス山脈、北アメリカの東部などに自生。

6～8月ごろには黄緑色の花を咲かせ、秋には赤い果実を実らせます。

じつは、ハーブとして用いられるのは主に根茎の部分。

乾燥するとバラのような香りがすることから、「ローズルート」とも呼ばれています。

ロディオラは日本ではあまり馴染みがありませんが、ロシアやスカンジナビア諸国では薬用として用いられてきた植物。

各国で昔からアダプトゲンとして知られ、肉体的・精神的なパフォーマンスの向上のために使用されてきました。
※アダプトゲンとはストレスへの抵抗力を高めるはたらきを持つ天然のハーブのこと。

また、ロディオラには他にも認知力・記憶力アップなどの効果があると言われています。

そのため、現在ではスポーツをされる方や中高年世代向けのサプリメントとしても販売されており、注目を集めているのです。
 

前述の通り、ロディオラにはストレスを軽減させる作用があると言われています。

テストステロンはストレスによって分泌量が低下してしまうホルモン。

つまり、ロディオラを摂取することでテストステロンの減少を防ぐことができると考えられているのです。

しかし、現時点で実際にロディオラを摂取することでテストステロンが上昇したことを証明する研究はありません。

ここで、2018年にワルシャワ体育大学から発表された論文をご紹介しましょう^出典[1]。

研究では、ロディオラのサプリメントの摂取が精神的・身体的なパフォーマンスやホルモンやストレスに及ぼす影響を分析。

被験者となった男子学生26名は、ランダムにロディオラ抽出物を摂取する群とプラセボ群に分けられました。

4週間後に、刺激に対する反応時間を調べるための認知機能テストと自転車エルゴメーターによる運動テストを実施。

すると、ロディオラを摂取した群はプラセボ群に比べて、認知機能テストの反応時間が短くなり、正答数も増加。さらに、血液中の抗酸化能力も上昇するという結果に。

しかし、実験前後において、持久力の向上やテストステロンなどのホルモン値に変化は見られませんでした。

以上より論文では、ロディオラは認知機能を改善する可能性はあるが、テストステロンや運動能力には影響を及ぼさないと述べられています。

ロディオラとテストステロンについての具体的な関係については、さらなる研究が待たれるところです。
 

ロディオラの基本的な情報やはたらきについてお分かりいただけたかと思います。

ロディオラはさまざまな国で肉体的・精神的パフォーマンスを向上させるために用いられてきました。

テストステロンに対する効果は未知数ですが、気分を向上させたり、うつを軽減させるなど、抗ストレスには有効だと言えるでしょう。

ロディオラについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。

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