執筆者
NSCA-CPT、調理師免許
大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)
激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。
ビタミンEとテストステロンの関係
ビタミンEは、強い抗酸化力を持つ脂溶性ビタミンの1つ。
この項目では、そんなビタミンEとテストステロンの関係を、2つの項目に分けて解説します。
ビタミンEはテストステロンの合成機構をサポートする
ビタミンEは、その高い抗酸化作用から「若返りのビタミン」などと呼ばれることもあるビタミン。
摂取すれば体内の脂質の酸化を防ぎ、血栓の予防や細胞膜の保護などにも働いてくれます。
さらに、ビタミンEはテストステロンの合成もサポートしてくれると言われているんです。
実際に、1982年に九州大学から発表された論文では、ラットにビタミンEを補給させたところ、精巣と血液中のテストステロンの値が大きく上昇出典[1]。
加えて、男性被験者にビタミンEを経口投与したところ、血液中のテストステロンが高まったというデータが紹介されています。
だからといって、「じゃあ、ビタミンEのサプリメント飲みまくる!」というのはNG。
後の項目でも解説しますが、ビタミンEを摂取すればするほどテストステロンが増えるという訳ではありません。
それどころか、サプリメントなどで過剰に摂取すると、出血や下痢を引き起こしたり、筋力低下を招くことも。
ただし、ビタミンEは比較的体内に溜まりにくいという性質を持っているので、通常の食生活なら過剰摂取になることはありません。
従って、このあと紹介するような食品を利用して、適量を摂取するようにしましょう。
ビタミンEはストレスによるテストステロンの減少を防ぐ
ストレスにはいわゆる精神的なストレスと、体内の抗酸化力のバランスが崩れて引き起こされる「酸化ストレス」があります。
テストステロンは男性らしいガッチリとした体作りのために働く一方、これらのストレスにも弱いという繊細な一面も。
そもそも、テストステロンを合成・分泌する精巣自体が非常にデリケートな器官。
そのため、喫煙などで大きな酸化ストレスにさらされるとダメージを受け、テストステロンも低下してしまうことが分かっています。
実際に、2018年にナイジェリアのカラバール大学から発表された論文では、能動喫煙者・受動喫煙者は非喫煙者に比べてビタミンEやテストステロンの値がはるかに低かったというデータが紹介されています出典[2]。
しかし、冒頭からご紹介している通り、ビタミンEは強い抗酸化力を持つビタミン。
摂取すれば精神的ストレスへの防御反応を高めてくれる上、酸化ストレスからも体を守ってくれます。
つまり、ビタミンEはストレスによるテストステロンの減少を防いでくれる可能性があるという訳なんです。
関連記事:【テストステロン2.0】男性ホルモンを増やす最新戦略
効果的なビタミンEの摂り方
この項目では、効果的なビタミンEの摂取方法を3つご紹介。
ポイントを押さえれば、より効果を引き出すことができるでしょう。
1日6~7gを目安に摂る
ビタミンEの摂取量の目安は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、成人男性の場合1日あたり6.5mgに設定されています出典[3]。
ちなみに、ビタミンEが不足すると神経や筋肉に障害が表れたり、冷えや頭痛、シミやシワができやすくなることも。
とは言え、日本人の一般的な食生活において不足することはほとんどありません。
また、ビタミンEの耐容上限量は1日あたり800mgに設定されています。
こちらも通常の食生活なら過剰摂取になることはほとんどありませんが、サプリメントを利用している方は注意しましょう。
なお、前述の通りビタミンEはたくさん摂取すれば良いというものではなく、上記の摂取基準に従って適量を摂取することが重要。
ビタミンEが豊富な食品とその含有量は以下に表にしているので、参考にしてみてください。
【ビタミンEを多く含む食品(参考「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版」)】
食品名 | 成分量(mg/100g) |
せん茶 | 65.0 |
ひまわり油 | 39.0 |
とうがらし/果実/乾 | 30.0 |
アーモンド/乾 | 30.0 |
抹茶 | 28.0 |
ぶどう油(グレープシードオイル) | 28.0 |
サフラワー油(べに花油) | 27.0 |
米ぬか油 | 26.0 |
ビタミンCと合わせて摂ると抗酸化力が上がる
サプリメントや化粧品などに使用されることも多く、ビタミンの中でも最も知名度の高い「ビタミンC」。
じつは、ビタミンEはビタミンCと一緒に摂取することで、より抗酸化力が高まると言われているんです。
ここまで紹介した通り、ビタミンEは摂取すれば体内の活性酸素を除去したり、細胞が酸化してしまうのを防いでくれます。
しかし、体内の酸化防止に働いたビタミンEは、力を失ってしまうことに。
ところが、このときにビタミンCを一緒に摂っていれば、力を失ったビタミンEを活性化することができるんです出典[4]。
また、ビタミンCと言えば、「美肌のためのビタミン」というイメージをお持ちの方も多いはず。
じつは、それ以外にも免疫機能のアップや抗ストレスなど、ビタミンEを補強してくれるような働きも持っています。
ビタミンCが豊富な食品とその含有量は、以下に表にしています。
ビタミンEの効果を引き出すために、ぜひ食生活に取り入れてみてください。
【ビタミンCを多く含む食品(参考「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版」
)】
食品名 | 成分量(mg/100g) |
アセロラ/酸味種 | 1700 |
青汁/ケール | 1100 |
パセリ/乾 | 820 |
アセロラ/甘味種 | 800 |
せん茶 | 260 |
グァバ | 220 |
焼きのり | 210 |
赤ピーマン | 170 |
芽キャベツ | 160 |
サプリで摂る場合は食事と一緒に摂る
記事内でも何度か紹介している通り、ビタミンEは脂溶性なので、油と一緒に摂ることで吸収率がアップします。
そのため、効率よく摂取したいなら、脂質を含む食事と同じタイミングで摂るのがおすすめ。
とは言え、「唐揚げやフライドポテト買ってくる!」というのはNG。
揚げ物やファーストフードに使用されている油は酸化しやすく、たくさん摂取すればかえって体にダメージを与える原因に。
従って、ビタミンEと一緒に摂取するのは、青魚やナッツ、アボカドやオリーブオイルなどの良質な脂質を含む食品がおすすめ。
さらに、炒め物や揚げ物を作るときも、古くなった油は使用せずに、新しいもので作るようにしましょう。
また、いかに良質な脂質でも食べ過ぎはカロリーオーバーを招いて肥満の原因に。
ビタミンEの吸収効率を上げたいという場合でも、適量を摂取するように心がけましょう。
ビタミンEの不足をなくしてテストステロンを高めよう!
ビタミンEを上手に摂取すれば、テストステロンを効率よく分泌・合成することが可能。
また、量や一緒に摂る食べ物などのポイントを押さえれば、その効果はより大きなものに。
ぜひ紹介した情報を参考にビタミンEを摂取し、テストステロンを高めてください。
出典
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