イライラ撃退!男性更年期に効くテストステロンサプリ10選
2024年10月18日更新

監修者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

男性更年期障害の原因はテストステロンの減少にあり!

加齢により生じることのある更年期障害。女性の間では有名ですが、男性にも生じるケースがあることはあまり知られていないかもしれませんね。

男性でも女性でも、更年期障害の原因はホルモンバランスの乱れにあります。男性の場合、原因となるのは男性ホルモンであるテストステロンの減少。テストステロンの分泌は20代がピークであり、とくに40歳を過ぎると急激な減少が見られます。

テストステロンはやる気や活力、性欲、性機能、筋肉の合成効率などを高めるように働く、男性のたくましさや精力に関わるホルモン。そのためテストステロンが急激に減少する更年期障害では、主に次のような症状が見られます出典[1]

身体の変化

筋肉量と筋力の低下、体脂肪の増加、骨量の減少

精神状態の変化

落ち込み、不安感、怒り、神経過敏、抑うつ状態

性機能の変化

性欲の低下、勃起能力の低下

筋肉や骨、性機能への変化はもちろん、怒りや不安といった精神への影響も大きいようです。イライラしやすくなった、怒りっぽくなったとの指摘を周囲から受けることで、更年期障害を初めて自覚したという方も少なくありません。

更年期障害の予防や改善のポイントは、原因となるテストステロンの減少を抑えることにあります。臨床現場での「テストステロン補充療法」や、日常における食事、運動、ストレス管理、飲酒習慣などの改善により、テストステロンを維持する効果が期待できるでしょう。

 

男性更年期のイライラに有効なサプリ10選

男性の更年期症状を改善するため、医療機関ではテストステロン補充療法を受けられます。しかし肝機能障害や前立腺疾患、多血症などの副作用を生じる場合がある出典[2]、働いている方は病院へ通う時間を作りづらい、などの理由から、治療に踏み切れない方も少なくありません。

そこで注目されているのが、サプリメントを活用する方法です。テストステロンの減少を抑えることで、更年期症状のひとつ、イライラを軽減する効果も期待できるでしょう。

ここからはおすすめのサプリメントを10種類紹介します。イライラを抑えて元気に毎日を過ごすための手段として、ぜひ参考にしてください。

テスノア

テスノアはザクロとカカオの有効成分を効率よく摂取できるサプリメントです。ザクロ由来のプニカラギンを3.5%、カカオ由来のテオブロミンを0.5%含むものとして規格化されており、抗酸化作用や抗炎症作用、血管拡張作用に優れています。

天然素材から作られており、経口摂取において大きな副作用を生じない、安全な素材であることも証明されています。

抗酸化作用を発揮するテスノアには、体内で過剰に発生した活性酸素の働きを抑える効果がとくに期待できます。加齢や激しい運動、血糖値スパイク、強いストレスなどで量が増える活性酸素は、体の細胞にダメージを与えます。

とくに精巣は酸素消費量が多いために活性酸素が発生しやすく、また不飽和脂肪酸の量がほかの組織よりも多いため酸化のダメージを受けやすい組織です出典[3]テスノアの抗酸化作用により精巣へのダメージを軽減できれば、テストステロンの分泌能力を高められるかもしれません。

さらにテスノアにはストレスホルモンであるコルチゾールを減少させる効果も出典[4]。ストレスの軽減により、イライラを抑えやすくする効果も期待できそうですね。

実際に120名の36~55歳の男性がテスノアを8週間摂取したところ、それぞれ次のような結果が得られています。

【テスノア摂取による血清ホルモンやAMSスコアへの影響出典[5]

 

200mg/日

400mg/日

総テストステロン

21.39%UP

24.56%UP

遊離テストステロン

39.16%UP

48.28%UP

AMSスコア

12.77%DOWN

18.09%DOWN

テストステロンの増加に加え、更年期症状による生活の質の低下を点数の高さで評価する「AMSスコア」の減少も確認できます。AMSスコアは症状が重くなるほど高くなるため、テスノア摂取によりスコアが低下し、症状に改善が見られたことがわかるでしょう。

イライラをはじめとする更年期症状を和らげたい方に、テスノアはおすすめです。

 

バイオドーパ

バイオドーパとは、ムクナ豆(ハッショウマメ)に含まれるL-dopaという有効成分を30%に規格化した成分です。

このL-dopaは、神経伝達物質の1つである「ドーパミン」の前駆体として知られており、「ドーパミン合成を促進する作用」と「抗酸化作用」の2つの働きが期待できます。

ドーパミンは、いわば生きる意欲を作るホルモン。快楽や幸福感、やる気、集中力のほか、男性機能や性欲などにも深く影響しています。ドーパミン不足がうつ病の原因のひとつとして知られていることからも、ドーパミンと精神の関連性の深さがわかるでしょう。

ドーパミンはテストステロンの分泌にも関係しています。テストステロンが体内で不足すると、脳の視床下部から下垂体へ、下垂体から精巣へとそれぞれテストステロンの分泌を促す指示が出されます。

ドーパミンの役割は、視床下部から放出される「GnRH」を活性化すること。バイオドーパの摂取によりドーパミンの合成効率が高まれば、テストステロンを増やす効果も期待できるでしょう。

実際にバイオドーパの原料であるムクナ豆粉末 (5g/日) を不妊男性75名が3ヶ月間継続摂取した結果を、精子の状態によりグループ分けしたところ、精子の運動性や濃度の改善に加え、テストステロンや血中の神経伝達物質に次のような変化が生じました。

【ムクナ豆粉末の摂取によるホルモンや神経伝達物質の変化出典[6]

 

精子に異常なし

乏精子症

精子無力症

総テストステロン

約27%UP

約39%UP

約39%UP

ドーパミン

約63%UP

約18%UP

約75%UP

アドレナリン

約85%UP

約37%UP

約74%UP

ノルアドレナリン

約54%UP

約34%UP

約30%UP

このように、バイオドーパはドーパミンやテストステロンなどを増やすように働きます。更年期における気分の落ち込みや苛立ちも、バイオドーパにより改善しやすくなるかもしれません。

 

LJ100

LJ100は、米国フロリダ州サラソタにある HP Ingredients の登録商標であり、マレーシアの熱帯雨林から採取できる植物の根「トンカットアリ」を原料としています。22%のユーリペプチドと40%のグリコサポニン、ポリサッカライド20%を含むトンカットアリ抽出物が、LJ100として規格化されています。

ユーリペプチドには男性ホルモンの合成をサポートする効果があるため、テストステロンの減少を抑えるために役立つでしょう。

グリコサポニンには強力な抗酸化作用が、ポリサッカライドには血糖値の上昇を抑える作用がそれぞれ確認されており、どちらも酸化ストレスによる精巣へのダメージを減らす効果が期待できそうですね。

実際に320人の男性が200mgのLJ100を1ヶ月間摂取したところ、血中テストステロンが平均46.8%上昇したことに加え、男性更年期スコア(AMSスコア)が平均で約37.8%改善したとの結果が得られています出典[7]

また、LJ100にはコルチゾールを抑える効果も確認されています。63人の被験者がトンカットアリ抽出物200mgを4週間摂取した臨床試験では、唾液中のコルチゾール値が16%減少しました。さらに気分のチェックにおいては怒りの感情が12%、緊張が11%、混乱が15%、それぞれ軽減されたとも報告されています出典[8]

LJ100はテストステロンを増やすことに加え、気分の改善にも高い効果が期待できるようです。加齢にともないイライラすることが増えた方は、LJ100の摂取が役立つかもしれません。

 

ノコギリヤシ

ノコギリヤシは、欧米にて古くから医療ハーブとして用いられている、アメリカ原産のヤシ科の植物です。血中のLDLコレステロールを減らすオレイン酸や、腸管でのコレステロールの吸収を抑えるβ-シトステロールが、ノコギリヤシの主な有効成分として知られています。

テストステロンとの関連においては、とくにβ-シトステロールによる5-αリダクターゼ阻害効果に注目すべきでしょう。

5-αリダクターゼはテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換させる働きを持つ酵素です。5-αリダクターゼの働きが強まると、やる気や活力、性欲の増加などに関わるテストステロンが減り、抜け毛やニキビ、前立腺肥大などのリスクを高めるDHTが増えてしまいます。

更年期症状に苦しむ方はもちろん、薄毛や肌荒れに悩む方においても、DHTの生成は増やしたくないものです。

良性前立腺肥大症を有する40~65歳の男性99名がノコギリヤシ500mgを12週間摂取した臨床試験では、5-αレダクターゼの減少とともに、血清テストステロン値の増加や、男性更年期障害に関するスコアの改善、前立腺肥大症の症状の軽減も確認されています出典[9]

またノコギリヤシにはDHTの増加を防ぐ効果もあるため、男性型脱毛(AGA)の改善にも役立つとされています。23~64歳までの軽度から中等度のAGA患者がノコギリヤシエキスを経口摂取した試験では、10名中6名に改善が見られたとの結果が得られました出典[10]

男性の更年期症状の改善に加え、薄毛に悩む方にもノコギリヤシの摂取が役立つ可能性がありそうですね。

 

テストフェン

テストフェンはフェヌグリークという植物の種から抽出された物質です。フェヌグリークの種はカレーやスープなどのスパイスに使用されており、お茶として飲んだりサラダや炒め物に加えたりする場合もあるようです。

Gencor社が販売しているサプリメントでは、テストフェンを「フェヌサイドと名付けた一連のサポニン化合物グループが50%以上のもの」と規格化しています。

生理活性作用を持つサポニンは多数ありますが、フェヌグリークでは天然のステロイド化合物であるジオスゲニンを摂取できる点が特徴的と言えるでしょう。

ジオスゲニンは筋肥大や性欲、男性機能など、男性らしさを色濃く表すテストステロンの前駆体。ジオスゲニンを摂取した臨床試験では、遊離テストステロンの上昇も確認されていることから出典[11]、ジオスゲニンを増やすように働くテストフェンもまた、テストステロンの増加に役立つと考えられているのです。

テストフェンの摂取による効果は複数の論文で確認されています。たとえば60人の若い男性がテストフェン300mgを8週間摂取したところ、総テストステロンでは約11.7%の増加が、遊離テストステロンでは約98.7%の増加が確認できました出典[12]。やる気や活力などを高める効果の高い遊離テストステロンを増やす効果が、テストフェンにはとくに高いことがわかるでしょう。

テストフェンの摂取では生化学的・血液学的パラメータに有意な変化が起こらず、安全性の高いサプリメントであることも同論文にて確認されています出典[12]。遊離テストステロンの減少を抑える手段として、テストフェンの摂取が役立つでしょう。

 

マンゴスチン

マンゴスチンは、東南アジアで栽培されるトロピカルフルーツの一種です。希少性が高く高価であり入手が難しいため、サプリメントでの摂取が効率的でしょう。

マンゴスチン抽出物にはアロマターゼと呼ばれる酵素の働きを阻害する効果が確認されています出典[13]。精巣で分泌されたテストステロンはアロマターゼの働きにより、一部が女性ホルモンのエストラジオールに変換されてしまうのです。

とくに体脂肪の多い肥満の方では、脂肪細胞の炎症によりアロマターゼ発生量が増すため、よりテストステロンが減りやすくなるでしょう。

38名の男性が、マンゴスチンとシナモンタマラの抽出物800mgの摂取とレジスタンストレーニングを42日間続けたところ、遊離テストステロンが32.39%増える効果が確認できました。運動のみの場合は遊離テストステロンの増加は26.01%に留まったため出典[14]、マンゴスチン抽出物の摂取により、運動によるテストステロンの増大効果を約1.2倍に増やせたとみなせるでしょう。

体脂肪が多めの方や、ダイエットや体力づくりの目的で運動をしている方には、遊離テストステロンを増やしやすいマンゴスチンのサプリメントが効果的と言えそうです。

 

亜鉛

日常の食生活で不足しがちなミネラルを補うことで、テストステロンの減少を抑えられる可能性があります。

なかでも亜鉛は、抗酸化物質として精巣を保護する効果と、テストステロンの分泌を強化する効果があるとして注目されています。

体内でテストステロンが減少すると、脳の下垂体から視床下部へ、視床下部から精巣へとそれぞれテストステロン分泌を指示するようなホルモンが出されます。このうち亜鉛が関わるのは、亜鉛には視床下部から精巣へ指示を出す黄体形成ホルモン。亜鉛不足の解消により黄体形成ホルモンが十分に合成されれば、テストステロンを分泌する働きも強まるでしょう出典[15]

実際に亜鉛不足が見られる男性の透析患者100名に、硫酸亜鉛として1日250mgずつ、6週間の亜鉛補給をおこなったところ、黄体形成ホルモンが約3.25倍、テストステロンが約1.89倍に増加したとのデータも存在します出典[16]

ただし、すでに亜鉛が足りている場合にはテストステロンを増やす効果は得られない点に注意すべきです。

【日本人の亜鉛摂取量の推奨量と平均値出典[17]出典[18]

18~74歳男性の亜鉛推奨量

11mg/日

40~49歳の男性のマグネシウム摂取平均

9.4mg/日

50~59歳の男性のマグネシウム摂取平均

9.2mg/日

「日本人の食事摂取基準」の推奨量と、令和元年度の「国民健康・栄養調査」における数値を比較すると、更年期の男性は亜鉛がやや不足しやすいことがわかります。ただし栄養バランスの整った食事を取れている方では亜鉛補給の効果が現れにくいかもしれません。

欠食の多い方、赤身の肉や魚、貝類、ナッツなどを食べる機会が少ない方などは亜鉛不足の可能性が高いため、ぜひ亜鉛サプリを試してみましょう。

 

ビタミンD

ビタミンDもまた、テストステロンを高めるために重要です。

2010年にオーストリアのグラーツ医科大学が発表した論文では、男性2299人を対象に、ビタミンDの主要な貯蔵形態である25-ヒドロキシビタミン(25(OH)D)とテストステロンの体内量が調べられました。

調査の結果、25(OH)Dが30 microg/L以上の男性は、25(OH)Dが30 microg/L未満の男性と比較してテストステロン濃度が有意に高く、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)濃度が有意に低いことが明らかになっています出典[19]

ビタミンDの受容体は精巣にもあり、ビタミンDの投与で活性化し、精巣細胞のテストステロン合成量を増やすように働きかけることがわかっています出典[20]

実際に性機能障害とビタミンDの不足が見られる60~68歳の患者を対象とした臨床試験では、ビタミンD補充療法により総テストステロンが約15%、遊離テストステロンが約19%増加したとの結果も得られています出典[21]

ビタミンDは魚や卵、きのこなどから効率的に摂取でき、また日光浴でも生成が可能です。ただし日本人男性は推奨量を十分に摂取できていない傾向にあります。

【日本人のビタミンD摂取量の推奨量と平均値出典[17]出典[18]

18歳以上のビタミンD推奨量

8.5μg/日

40~49歳の男性のビタミンD摂取平均

6.4μg/日

50~59歳の男性のビタミンD摂取平均

6.8μg/日

魚や卵、きのこなどを食べる機会が少ない方、屋内での生活が中心であまり外に出ない方などは、サプリメントの活用が有効に働くかもしれません。

 

マグネシウム

マグネシウムに期待できるのは、抗酸化物質として精巣を保護する効果と、遊離テストステロンの割合を増やす効果です。

体内のテストステロンの98%以上は、何らかのたんぱく質と結びついた結合テストステロン。やる気や活力、筋合成や性機能の向上などの生理活性を示す遊離テストステロンは、全体のわずか1~2%しか存在しません。

テストステロンと結びついているたんぱく質のひとつに性ホルモン結合グロブリン(SHBG)があります。マグネシウムはSHBGにおける、テストステロンとたんぱく質の結合をブロックするように働くことが確認されており出典[15]、遊離テストステロンの割合を増やす効果が期待できるでしょう。

2011年にトルコのセルチュク大学から発表された論文では、若い男性が4週間、持久力トレーニングとマグネシウム補給を続けたところ、総テストステロンが12%、遊離テストステロンが13%増加したと報告されています出典[22]

日本人男性のマグネシウム摂取量は、亜鉛やビタミンDと同様に不足傾向にあります。

【日本人のビタミンD摂取量の推奨量と平均値出典[17]出典[18]

30~64歳男性のマグネシウム推奨量

370mg/日

40~49歳の男性のマグネシウム摂取平均

251mg/日

50~59歳の男性のマグネシウム摂取平均

265mg/日

欠食や偏食の傾向にある方には、サプリメントを活用した手軽なマグネシウム補給がおすすめです。

 

ホウ素

ホウ素にはテストステロンに関わる効果として次のようなものが確認されています出典[23]

  • 性ホルモンのバランスを調節する
  • 抗酸化作用や抗炎症作用により精巣を保護する
  • ビタミンDの活性を高める
  • マグネシウムの吸収率を高めてSHBGを減らす

たとえば健康な男性が10mgのホウ素サプリメントを摂取した試験では、遊離テストステロンが11.83 pg/mLから15.18 pg/mLに増加していました。さらに炎症性サイトカインのIL-6やTNF-αの減少、ビタミンDの増加、SHBGの減少もそれぞれ確認されているのです出典[24]

ホウ素は亜鉛やマグネシウムのように「日本人の食事摂取基準」にて摂取量の目安が指定されている栄養素ではありませんが、十分な摂取によりテストステロンへよい効果をもたらすことが期待できるでしょう。

一般的な食生活においては約1~2mg程度のホウ素を摂取しているようですが、ホウ素の摂取について調べた論文では、1日あたり3mg以上の摂取で効果が期待できると述べられています。

なお、人体に必要と考えられているホウ素は少なくとも1日あたり0.2mgであり、ホウ素不足を生じることはまずないとされています出典[23]。しかしテストステロンを増やす効果を期待する場合には、サプリメントを活用してもよいかもしれません。

 

サプリを効果的に摂る4つのポイント

テストステロンの減少を抑える効果が確認されているサプリメントを使用すれば、男性の更年期症状の軽減に役立つでしょう。

ここからはサプリメントを活用する際に意識したいポイントについて4つ解説します。更年期のイライラを効果的に抑えるためにも、正しい方法でサプリメントを活用しましょう。

毎日の継続で効果UP

更年期で減少したテストステロンをサプリメントにより増やすためには、正しい量を毎日飲み続けることが重要です。

ここまで紹介したサプリメントの研究では、いずれも次のように継続摂取でテストステロンの増加が確認できています。

【テストステロンを増やす効果が確認できたサプリメントと摂取期間】

サプリメント

摂取期間

テスノア

8週間出典[5]

バイオドーパ

3か月間出典[6]

LJ100

1か月出典[7]

ノコギリヤシ

12週間出典[9]

テストフェン

8週間出典[12]

マンゴスチン

42日間出典[14]

亜鉛

6週間出典[16]

ビタミンD

9か月(追跡期間の中央値)出典[21]

マグネシウム

4週間出典[22]

ホウ素

1週間出典[24]

更年期障害を改善する目的で飲むサプリメントは体質を改善する意味合いが強く、イライラのような更年期症状が出たときにすぐ飲んでも効果は得られません。

体質や栄養状況、サプリメントの種類により効果の現れやすさ効果が現れるタイミングが異なります。1日2日飲んで効果を感じられないからとやめてしまわず、上記の摂取期間を参考に、週単位あるいは月単位での摂取を続けてみましょう。

 

目安量以上の摂取は厳禁

サプリメントは必要以上の摂取でより高い効果を発揮するものではありません。過剰な摂取は消費を激しくして購入コストを高めてしまうことに加え、有効成分の摂りすぎにより体に悪影響を生じる可能性もあるため注意が必要です。

たとえばビタミンDは脂溶性ビタミンのため体内に蓄積されやすく、摂りすぎるとカルシウムが過剰に吸収され、高カルシウム血症を生じる場合があります。高カルシウム血症では食欲不振や倦怠感を生じるほか、重症化すると吐き気や脱水、筋力低下、意識障害などを生じる可能性もあるため、目安量以上の摂取は厳禁です。

「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンDの耐容上限量が100μg/日に設定されています出典[17]。通常の食事でこの量を超えた摂取が続くことはまずありませんが、サプリメントの摂りすぎが習慣化すると非常に危険です。

テストステロンを増やすためのサプリメントで、体調を崩してしまっては本末転倒です。サプリメントは商品に記載されている目安量を守って飲みましょう。

 

副作用がある成分を避ける

テストステロンを増やすサプリメントのなかには、副作用を生じるリスクが高いものもあります。主に注意すべき成分として次の3種類があります。

【サプリメントで注意すべき成分と副作用】

成分

確認されている副作用

トリビュラス(ハマビシ)

肝機能障害、腎機能障害、神経毒性出典[25]

アシュワガンダ

黄疸や高ビリルビン血症をはじめとする肝機能障害出典[26]

ヨヒンビン(ヨヒンベ)

胃腸障害、頻脈、けいれん発作、心臓発作出典[27]出典[28]

日本においてハマビシとアシュワガンダは医薬品に、ヨヒンベは劇薬に指定されています。そのため国内のサプリメントにこれらの成分が配合されていることはありませんが、規制のない海外のサプリメントには含まれている可能性があるため注意が必要です。

テストステロンを増やす効果のより高いものを探して、海外の商品を購入する方もいるかもしれません。なかには複数の有効成分をブレンドして、効果の強さをうたったものもあるため、知らないうちにこれらの成分を取り込んでいたということも有り得ます。

購入の際にはこれらの成分が含まれていないか、事前にチェックする癖をつけましょう。

 

生活習慣の改善で効果倍増

テストステロン補充療法以外で更年期症状を改善する手段として、手軽な手段であるサプリメントは有効です。しかしテストステロンを高めるためにはサプリメントの利用に加え、生活習慣の改善も重要となるでしょう。

テストステロン濃度に影響を与える要因として、主に次のようなものがあります。

  • 適度な運動
  • 摂取カロリーの調整
  • 十分な睡眠
  • 飲酒量の調整
  • ストレス管理

適度な運動や摂取カロリーの調整は体重管理のために重要です。肥満の方では多すぎる脂肪組織の炎症によりアロマターゼの量が増えたり、脳下垂体からのテストステロン分泌の指示に支障をきたしたりするため、テストステロンの量が減少します出典[29]。またテストステロンが低いこと自体も肥満のリスクとなるため、悪循環によりさらに更年期症状が悪化することも考えられるでしょう。

睡眠不足や過度な飲酒もテストステロンを減らします。夜更かしを避けて十分な睡眠を摂るとともに、飲酒は1週間に7合以下、1日1合程度に抑えるよう意識しましょう。

更年期症状としてのイライラを抑えるためには、ストレス管理も重要です。湯船に浸かってリフレッシュする、カフェインを含まない温かい飲み物を飲む、などの方法がおすすめです。

サプリメントさえ飲んでいれば更年期症状を綺麗になくせるというものではありません。テストステロンを増やすため、生活習慣全般の改善をおこないましょう。

 

まとめ

イライラをはじめとする更年期症状を抑えるためのサプリメントには、テストステロンを増やす効果が確認されているものがおすすめです。毎日の継続により体質を改善し、テストステロンが減りにくい体を目指しましょう。

なお、どのサプリメントが効果を発揮しやすいかには個人差があります。相性の悪いサプリメントの摂取を続けても、十分な効果が得られないでしょう。

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