妊娠の成功率を上げるためには、精子の量をはじめ、運動率、正常な形態を持つ精子の割合などを高める必要があります。

これらの要素に関わるのが精子の形成能力。しかし普段から精子の形成を意識した生活をしている方は少ないものです。まずは精子の形成において重要となる要素について解説します。

テストステロン

精子形成を促すホルモンのひとつが、男性ホルモンのテストステロンです。精子形成のほか、性欲や勃起など、性機能全般をサポートする効果が確認されています。ほかにも筋肉の合成効率を高めたり、やる気や活力を高めたりなど、身体面やメンタル面にも影響を及ぼすことでも知られていますね。

男性らしい若々しさやたくましさを司るホルモンとも呼べるテストステロンですが、残念ながら分泌量のピークは20代。その後は徐々に減少し、とくに40歳を過ぎると減少ペースも急激に上がります。

とくに35～40歳を超えると、性機能面や身体面、メンタル面などへのさまざまな効果を発揮する活性型の「遊離テストステロン」は、1年につき1～3％減るとの報告も^出典[1]。

つまり何もしなくても、テストステロンの減少にともない、精子を形成する能力は加齢とともに低下していくということ。妊活は若いほどよい、というのは、女性に限った話ではないことがわかるでしょう。

加齢に加え、暴飲暴食、運動不足、睡眠不足、過度のストレスなども、テストステロンを大きく減らします。テストステロンを増やすためにはサプリメントの活用に加え、これらの生活習慣を見直すことも重要となるでしょう。

抗酸化能力

精子の形成能力においては、抗酸化能力の維持もカギとなります。

抗酸化能力とは、体内に過剰に発生した活性酸素から細胞を守る能力のこと。活性酸素は呼吸や代謝のような酸素を消費する生命活動により発生し、過剰な蓄積により細胞へダメージを与えます。

とくに精子の製造場所である精巣は、酸素の消費量が多い、細胞分裂のペースが早い、酸化されやすい不飽和脂肪酸の濃度が高い、などの理由により、活性酸素の影響を非常に受けやすいことで知られています^出典[2]。

食べ過ぎや飲みすぎ、睡眠不足に過度のストレスなどは、テストステロンを減らす因子であることに加え、活性酸素を増やす原因にもなるため注意が必要。活性酸素を増やしたままにしておくと、精巣が傷付き、精子の形成能力も落ちてしまうでしょう。

私たちの体にも、活性酸素を除去する抗酸化能力が備わっていますが、より積極的に精巣を保護したい場合には抗酸化物質の摂取が重要です。

ビタミンやミネラル、ポリフェノールやカロテノイドなど、抗酸化物質として機能する成分はさまざまです。サプリメントでこれらの抗酸化物質を高濃度で摂取できれば、精子の形成能力を高いレベルで維持しやすくなるでしょう。

精子濃度を上げるためには、テストステロンを増やす効果、または抗酸化物質として機能し精巣を保護する効果により、精子の形成能力を高めることが重要です。

そこでここからは、精子の形成能力を高めて精子の量を増やしやすくするサプリメントについて10種類紹介します。妊活のサポートに役立つサプリメント選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

LJ100

LJ100とはトンカットアリ抽出物を含むサプリメントです。22%のユーリペプチド、40%のグリコサポニン、ポリサッカライド20％を含むものとして規格化されています。

グリコサポニンには強力な抗酸化作用が、ポリサッカライドには食後高血糖を防いで活性酸素の発生を抑える作用があります。いずれも精巣へのダメージを減らす効果が期待できるでしょう。

トンカットアリには遊離テストステロンの放出を促す効果や、テストステロンを減らす酵素であるアロマターゼを阻害する効果なども確認されています^出典[3]。

50～70歳の男性35名がトンカットアリ抽出物200mgを摂取した試験では、12週間後に総テストステロンが約12.5％、遊離テストステロンが約16.9％増加したとの結果が得られています^出典[3]。

また、突発性不妊症（精子濃度や運動率が低い状態）の男性75人がトンカットアリ抽出物200mgを3ヶ月間摂取したところ、摂取前よりも精子濃度が65.5%改善し、正常な形態を持つ精子の割合が94.4%も改善したとの結果が得られました。さらに9か月後の追跡調査では、参加者のうち14.7％に自然妊娠も確認できています^出典[4]。

このように、LJ100には抗酸化物質の摂取、活性酸素の発生の抑制、テストステロンの増加など、精子の形成をサポートする効果が多数期待できます。

とくに加齢にともなうテストステロンの減少が気になる方は、遊離テストステロンを増やす効果の高いLJ100を試してみましょう。

テストフェン

テストフェンはフェヌグリークと呼ばれる植物の種子の抽出物を使用したサプリメントです。フェヌサイドと名付けた一連のサポニン化合物グループを50％以上含むよう規格化されています。

サポニンは抗酸化物質として機能する物質。活性酸素の生成を抑え、抗酸化能力を高める力が非常に強いため^出典[5]、精巣を若々しく保ち、精子の量や質などのパラメータを改善する効果が期待できるでしょう^出典[6]。

フェヌグリークには血糖値をコントロールする効果も確認されています^出典[7]。高血糖状態による活性酸素の発生を抑えやすくなるため、精子の生成能力やテストステロンの分泌量を維持しやすくなるでしょう。

また、フェヌグリーク由来のサポニンのなかには、ジオスゲニンと呼ばれるものがあります。ジオスゲニンはテストステロンの前駆体「DHEA」に似た構造をしています^出典[8]。DHEAの量はテストステロンの合成量に関わることから、似た構造を持つジオスゲニンもまた、テストステロンを増やす効果があると考えられているようです。

実際に43～70歳までの健康な男性を対象とした研究では、フェヌグリーク抽出物を1日600mg、12週間摂取したところ、総テストステロンが約12.1％、遊離テストステロンが約9.5％増加したと報告されています^出典[9]。

抗酸化能力とテストステロンへのよい影響が期待できるサポニン類を効率よく摂りたい方に、テストフェンの活用はおすすめです。

バイオドーパ

バイオドーパは、ムクナ豆由来のL-DOPAを30％含む規格化成分です。

L-DOPAも高い抗酸化能力を持つため、過剰な活性酸素の働きを抑えて精巣へのダメージを減らし、精子の生成能力やテストステロンの分泌能力を維持する効果が期待できるでしょう。

加えてL-DOPAは、ドーパミンの前段階の物質（前駆体）として機能することでも知られています。ドーパミンにはテストステロン分泌を促す働きがあるため、さらにテストステロンを増やしやすくなるのです。

実際に不妊男性75名がムクナ豆粉末を1日5g、3ヶ月間継続摂取したところ、テストステロン、精子濃度、精子の運動性にそれぞれ次のような変化が生じています。
【ムクナ豆粉末の摂取によるホルモンや精子の変化^出典[10]】

精子が少ない乏精子症の方では、ムクナ豆粉末の摂取開始前の精子濃度が8.31 ± 2.82×10⁶/mLであったのに対し、継続摂取後には56.20 ± 6.69×10⁶/mLと、7倍近い改善が見られています。

また、妊活のためには精子濃度に加え、精子の運動性も重要。運動性が十分にある精子の割合を増やすことで、妊娠の成功率を高められるでしょう。

精子濃度に加え、精子の運動性に課題を持つ方にも、両方の改善効果が確認されているバイオドーパは適していると言えそうですね。

マカ

マカとはカブに似た植物であり、分類としてはキャベツやブロッコリーと同じアブラナ科に属します。標高4000～4500mほどの中央アンデスで生育する特殊な植物のため^出典[11]、日本では粉末状にしたサプリメントでの摂取が一般的ですね。

マカは非常に栄養価の高い植物で、ミネラル、ビタミン、アミノ酸、不飽和脂肪酸に加え、抗酸化物質として機能するポリフェノールのアントシアニン、イソチオシアネート、グルコシノレートなどを豊富に含んでいます。

これらの豊富な栄養素は、生殖能力や活力の向上に役立つとも考えられており^出典[12]、精力剤として使用されてきた歴史もあるようです。

実際に、24～44歳の男性9名がマカ1.5gまたは3gを4か月間摂取したところ、精液量や精子濃度、精子の運動性が改善したとのデータが存在します^出典[13]。

また、精子の数や運動性に問題のある患者69名が2gのマカを12週間摂取した試験では、精子濃度が約1.5倍に向上したとの結果も得られています^出典[14]。

精子濃度の向上をはじめとする、性機能全般の落ち込みを回復させたい方に、マカの摂取はおすすめです。

コエンザイムＱ10

コエンザイムQ10は、私たちの生命活動のエネルギー源となるATP（アデノシン3リン酸（ATP）の産生に関わる成分です。同時に抗酸化物質としても機能しており、活性酸素の働きを抑える効果も期待できます。

コエンザイムQ10は体内でも作られますが、加齢とともに生成量は減少するためサプリメントでの摂取が効率的。年齢を重ねた方ほど、コエンザイムQ10による高い効果が期待できるでしょう。

たとえば228名の不妊男性が還元型コエンザイムQ10を220mg/日の量で26週間摂取したところ、プラセボ（偽薬）を摂取した場合よりも精子濃度や運動性、正常な精子の形態率などが増加したことが確認されています^出典[15]。

また、男性不妊患者を対象とした3つの研究の分析でも、コエンザイムQ10は精子濃度や精子運動率を改善させる効果があると示されています^出典[16]。

なお、228名の不妊男性を対象とした先ほどの研究では、26週間にわたるコエンザイムQ10摂取期間の終了後、12週間コエンザイムQ10を摂取しない期間を設け、精子の質を追跡調査しています。

その結果、コエンザイムQ10の摂取を止めると、精子濃度が徐々に減少したことが確認されました。

精子濃度の減少や運動性の低下を防ぐため、コエンザイムQ10は継続的な摂取が重要と言えそうですね。

プリマビエ

プリマビエはシラジットと呼ばれる、天然の腐植土と植物性有機物の混合物を精製して作られたサプリメントです。

プリマビエには、ヒマラヤの岩からの抽出液に由来する、高濃度のミネラル、ハーブ、フルボ酸をはじめとする有機酸などが豊富に含まれています。

とくにフルボ酸は強力な抗酸化作用を持つ物質。さらにミネラル類の細胞への輸送を助けたり、新陳代謝を活発にして体内のエネルギー産生を促したりする効果も確認されています^出典[17]。

活性酸素の働きを抑えて精巣を保護する効果により、精子の生成やテストステロンの分泌をサポートする効果が期待できるでしょう。

実際に乏精子症を原因とする不妊男性患者28名が精製シラジットのサプリメント100mgを、食後に1日2回、90日間続けて摂取したケースでは、総精子数が61.4％、運動性が12.4～17.4％、正常な形態の精子の割合が18.9％、それぞれ増加していました。

さらに血清テストステロンも23.5％増加し、活性酸素のパラメータとなる精液中のマロンジアルデヒドの量も18.7％減少していました^出典[18]。

精製シラジットは活性酸素の働きを抑える効果を通して、精子やテストステロンを増やす効果が高いことがわかるでしょう。

ザクロジュース

強力な抗酸化物質をジュース感覚でおいしく摂取したい場合には、ザクロジュースの活用もおすすめです。

ラットを用いた動物実験では、ザクロジュースを7週間継続摂取することで、ラットの精巣上体精子濃度をはじめ、精子の運動性、精子形成に関わる細胞の密度、精細管の直径などが増加し、異常精子率が減少したとの結果が得られています^出典[19]。

さらに別のラットでの実験では、活性酸素の発生を誘発する四塩化炭素で精巣にダメージを与える状況を作りました。

四塩化炭素のみを摂取した場合では、精巣の損傷による、精子濃度の減少や運動性の低下、マロンジアルデヒドの増加などが確認できました。しかし四塩化炭素とあわせてザクロジュースを摂取した場合では、精子濃度の減少や精子の運動性の低下などを有意に抑えられたのです^出典[20]。

活性酸素への非常に高い効果を発揮するザクロジュースは、精子の量や質を改善するために役立つと言えるでしょう。

なお、ザクロジュースは酸味の強いジュースですが、飲みやすいように砂糖を加えたものは血糖値の急上昇を招きやすいため、おすすめできません。ザクロジュースを妊活のために取り入れる場合には、ストレートのものを選びましょう。

リコビーズ

リコビーズとはその名の通り、リコピンと呼ばれるカロテノイドを効率よく摂取できるサプリメントです。トマトに豊富なリコピンを20%以上含有する規格化成分であり、確実なリコピンの摂取が期待できます。

リコピンもまた強力な抗酸化物質として知られており、精巣を保護する効果が期待できます。

たとえば精索静脈瘤をもつラットにリコピン10mgを2ヶ月間投与したところ、精子のDNA損傷と脂質酸化が抑制され、精子濃度や精子の生存率が上がったとの結果が得られました^出典[21]。

また、精子無力症や奇形精子症などの精子の状態が異常な男性30人を対象とした研究では、2mgのリコピンを3ヶ月間、1日2回摂取したところ、精子濃度や運動性などが改善されました。

さらに期間中に妊活の成功者も確認できており、重度の乏精子症（500万/mL未満）でない患者にはリコピンの摂取が有効である可能性が指摘されています^出典[22]、

リコピンはトマトジュースからも摂取できますが、トマトの酸味が苦手な方や、サプリメントとしての携帯性や保存性の高さを重視したい場合にはリコビーズがおすすめ。強力な抗酸化物質を手軽に摂る手段として、ぜひリコビーズを試してみましょう。

アリウムSAC

アリウムSACのSACとはS-アリルシステインのことで、熟成にんにくに含まれる成分です。

にんにくに含まれる硫化アリルの一種、アリインは、にんにくを砕いたりすり潰したりすることで、強いにおいを持つ辛み成分、アリシンになります。私たちがよく知るにんにくの強いにおいは、アリシンによるものということですね。

しかしにんにくを砕かずそのまま熟成させると、アリインの大半がアリシンではなくSACに変化します。SACは強力な抗酸化物質として機能するため、精巣の保護に役立つと考えられています。

実際に75週齢のラットのエサに0.45％のSACを混ぜて与えた実験では、加齢にともなうラットの精子の数の減少、運動性の低下、精子のDNA合成の減少などが緩和されており、精子形成能力を保持する効果が確認できています。

精源細胞の顕微映像では、加齢にともなう精源細胞の劣化も抑えられており^出典[23]、SACの抗酸化作用が精巣の細胞を守るように働いたことが読み取れるでしょう。

SACの抗酸化作用はテストステロンを高めるためにも役立ちます。マウスへのS-アリルシステイン投与により血中テストステロンは2倍以上、精巣のテストステロンは約1.5倍に増加したとのデータも存在しています^出典[24]。

にんにくを食べると元気が出る感覚は、食事を通して得たことがある方も多いことでしょう。熟成にんにくの成分を濃縮したアリウムSACで、精子の元気をサポートする効果が得られるかもしれません。

マルチビタミンミネラル

マルチビタミンミネラルは、精子形成やテストステロンの合成に関わるビタミンやミネラルといった微量栄養素の補給に役立つサプリメントです。

ビタミンやミネラルのなかには、ビタミンA、C、E、亜鉛、セレンなど、抗酸化物質として機能するものが多くあります。これらの不足により精子の形成能力やテストステロンの分泌能力が落ちる可能性があるため、サプリメントでの補給は正常な生殖機能を維持するために重要と言えるでしょう。

たとえば亜鉛はテストステロンの分泌や精子の形成との関わりが深いミネラルです。精子数の少ない男性では亜鉛濃度の低下が見られること^出典[25]、亜鉛制限により精子濃度が減少し、補給により精子濃度が回復することなどが判明しており^出典[26]、亜鉛の補給はとくに重要と言えるでしょう。

亜鉛にはテストステロンの分泌を促すホルモンをサポートする効果も確認されています^出典[27]。亜鉛制限による精子濃度の低下は、テストステロンの減少にも影響を受けているとも考えられそうですね。

一方で、亜鉛の摂取が十分である状態では、精子濃度をさらに高める効果は得られない可能性があります。

たとえば不妊症の男性37名を対象に亜鉛補給療法を行った臨床試験では、亜鉛補給後の精子数やテストステロンの増加は、試験前の血清テストステロン値が4.8ng/ml未満の方にのみ見られ、4.8ng/ml以上の男性には性機能へのよい影響は見られませんでした^出典[28]。

マルチビタミンミネラルによる微量栄養素の補給は、あくまで体内の不足を補い、正常な精子形成やテストステロンの分泌の能力を維持するためのものと考えましょう。

普段の食事の栄養バランスが気になる方や、欠食や偏食の傾向がある方であれば、マルチビタミンミネラルによる栄養素の補給が役立つ可能性が高そうですね。

精子濃度を高めるためには、テストステロンを増やすとともに、抗酸化物質により精巣を保護することが重要です。

抗酸化物質やミネラルなどの有効成分を効率よく摂取できるサプリメントを活用して精子濃度を増やし、妊活をサポートしましょう。

自身の体質や食習慣などを踏まえた、より適切なサプリメント選びをおこないたい場合には、ナイトプロテイン公式LINEでの相談がおすすめです。

サプリメントアドバイザーをはじめ、メンズヘルスの相談のプロたちが、あなたの悩みに丁寧にお答えいたします。

始め方は公式LINEを登録のうえで「精子濃度を増やすサプリを知りたい」と送っていただくだけ。

精子の質は年々衰えるため、改善のためには一刻も早い行動がカギとなります。自身にあったサプリメントで妊娠の成功率を高めたい方は、ぜひお気軽にご参加ください。

LINEで相談してみる