

監修者
上級睡眠健康指導士 /NR・サプリメントアドバイザー
関川裕大
睡眠と運動と栄養の3つ面から皆様の健康的なライフスタイルをサポートします。睡眠と運動は特に男性のQoLにおいて非常に重要な役割を果たします。睡眠が不足すると筋肉が付きにくく太りやすくなりますし、運動が十分でない男性は睡眠の質も低下し易いと言われております。そして栄養が不足すると運動効率も睡眠の質も悪化してしまいます。医療に頼らない心と体の健康促進を目指します。

執筆者
管理栄養士
井後結香
管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。
30代後半以降の不調はなぜ起きる?
35~40歳を過ぎた頃から、男性の性機能面や身体面などの悩みは増えやすくなります。年のせい、とはよく言われますが、では具体的にどのような理由でこれらの不調は起きているのでしょう。
まずは加齢にともない不調が起きやすくなる原因について解説します。
テストステロンの減少
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ホルモンバランスの乱れによる不調は女性に起こるもの、と考えていませんか?実は男性にもホルモンバランスの変化が起こるのです。それが男性ホルモンであるテストステロンの減少。テストステロンの体内量は20代がピークであり、30歳からは年に約1%ずつ出典[1]、35~40歳からは年に1~3%ずつ落ちていくとも言われています出典[2]。
女性は閉経の前後でホルモンバランスが急激に変化しますが、男性のテストステロンの減少はこのように徐々に起こります。テストステロンが減り続けて、若いころのような働きを維持できなくなってきたころに、体や心の不調が更年期障害の症状として現れるのです。
テストステロンは性欲や勃起力、精子の製造能力など、性機能面に関わるホルモンと思われがち。しかしエネルギー消費を増やしたり筋肉の合成効率を高めたりといった身体的な作用、やる気や競争心を高める精神的な作用なども確認されています。
そのためテストステロンの減少にともなう更年期障害では、性欲減退、勃起不全、男性不妊などに加え、体力や筋力の低下、気分の落ち込みや無気力感などに悩まされることも出典[3]。
テストステロンを再度増やす方法として、更年期障害の治療に用いられるテストステロン補充療法があります。しかし前立腺疾患や多血症などの副作用のリスクや通院の負担があり出典[1]、治療を迷う方も少なくありません。
副作用のないサプリメントであれば、正しく飲むことでテストステロンを再度自然な形で増やせるようになるでしょう。
生活習慣の乱れ
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テストステロンの減少は加齢のほか、生活習慣の乱れによっても起こります。
暴飲暴食、夜更かし、栄養不足、運動不足、ストレスなどの問題もまた、年を重ねて家庭や社会での立場が変わるほどに増えやすくなるもの。加齢というどうしようもない変化に加え、意識して維持できるはずの生活習慣が崩れることで、さらに不調に拍車をかけてしまっている可能性があるのです。
生活習慣の乱れがテストステロンの減少を介して不調をもたらしている場合もありますが、乱れ自体が不調に直結している場合もあります。
たとえば勃起力を維持するためにはテストステロンを増やすことに加えて、良好な血流を維持することも重要です。しかし暴飲暴食や喫煙により血管や血液の状態が悪くなってしまうと、いくらテストステロンを増やしても勃起機能は十分に回復しないでしょう。
夜更かしはテストステロンを減らしやすくしますが、加えて短時間睡眠の継続自体が肥満や生活習慣病、うつ病などのリスクを高めてしまいます。
加齢にともない増える不調は、テストステロンの減少以外の要因によっても生じている可能性があります。日々の暮らし方を見直し、不調を避けられるようにしたいものですね。
男性が飲んでおきたいサプリ7選
男性の不調は、加齢にともなうテストステロンの減少に加え、生活習慣の乱れによっても生じます。
食生活は体調管理において最も重要な要素。普段の食事にさまざまな食材を取り入れることも重要ですが、サプリメントから有効な成分を効率よく取り入れることで、よりコンディションを整えやすくなるでしょう。
ここからは加齢にともなう不調に悩む男性が摂りたいサプリメントについて、おすすめのものを7種類紹介します。
テスノア

まず紹介するのはテスノア。ザクロ由来のプニカラギンを3.5%、カカオ由来のテオブロミンを0.5%含む規格化成分であり、テストステロンを増やす効果が確認されています。
2つの有効成分の共通点は強力な抗酸化作用を持つこと。私たちは呼吸や代謝による酸素の消費にともない、活性酸素を発生させていますが、量が増えすぎると酸化ストレスとなり体へダメージを与えることに。
酸化ストレスは体のどの部位においてもよくないものですが、とくに酸素消費量の多い脳や出典[4]、酸化されやすい不飽和脂肪酸の濃度が高い精巣などでダメージが増えやすい傾向にあります出典[5]。
抗酸化物質を食事やサプリメントから十分に摂取できれば、活性酸素を無害化して酸化ストレスを減らし、体を若々しく健康的な状態に保ちやすくなります。精巣の保護によりテストステロンも増えるため、性機能面や身体面などにも改善が期待できそうですね。
テスノアによるテストステロンの増加は20歳の若者から70歳の高齢者まで、幅広い年代に見られています出典[6]出典[7]出典[8]。効果の実感としては主に次のようなものが確認されています。
- 性欲や勃起力の増加
- 筋肥大や筋力増加の効率化
- 睡眠の質の向上
- 精神的ストレスの軽減
- 疲労の軽減
テスノアはテストステロンの減少により生じる男性の更年期障害、性腺機能低下症の症状全般に効果をもたらすことがわかるでしょう。性機能面をはじめ、体と心のバランスを取り戻すためのサポートアイテムとして、テスノアの継続摂取が役立ちそうですね。
LJ100

次に紹介するのはLJ100。トンカットアリと呼ばれる植物の抽出物から作られており、有効成分としてユーリペプチド22%以上、グリコサポニン40%以上、ポリサッカライド20%以上、ユーリコマノン1%以上を含んでいます。
グリコサポニンやポリサッカライドは酸化ストレスの発生を抑えるように働く成分。ユーリペプチドやユーリコマノンはテストステロンの分泌を増やしたり、体内の酵素によるテストステロンの減少を抑えたりするように働く成分です出典[9]出典[10]。
50~70歳の男性35名がトンカットアリ抽出物200mgを摂取した試験では、12週間後に総テストステロンが約12.5%、遊離テストステロンが約16.9%増加しています出典[9]。
トンカットアリの継続摂取によるテストステロンの増加は、中高齢の方を中心に見られています出典[9]出典[13]。テストステロンの減少による悩みが生じやすい時期の、体質改善のサポートとして役立ちそうですね。
トンカットアリで実感できる効果については、おおむねテスノアと共通しています出典[9]出典[10]出典[11]出典[12]出典[13]。
- 性欲や勃起力の改善
- 精子の量や質の改善
- 筋トレの効率化
- ストレスの軽減や気分の改善
- 起床時の眠気の強さの軽減(睡眠の質の改善)
性機能の向上はもちろん、トレーニングに取り組む方、ストレスに悩む方、ぐっすり眠れた感覚がない方にも、トンカットアリが役立つことがわかるでしょう。
トンカットアリは性機能を高めるサプリメントとして有名ですが、市販のサプリメントのなかには含有量が不十分なものも。LJ100は有効成分の含有量が保証されているため、より効果を期待できるでしょう。
バイオドーパ

次に紹介するのはバイオドーパ。ムクナ豆由来の成分、L-DOPAを30%含む規格化成分です。ムクナ豆は日本でもハッショウマメの名前で栽培されているものの、調理の過程でL-DOPAは大きく減少すること、どれくらいムクナ豆を摂れば効果が期待できるのか分かりづらいことなどから、やはりサプリメントの活用が適していると言えそうですね。
L-DOPAは高い抗酸化能力を持つ物質であるため、酸化ストレスを減らす効果が期待できます。精巣の保護により、テストステロンの分泌能力も増えやすくなるでしょう。
さらにL-DOPAにはドーパミンの前段階(前駆体)として機能する性質があります。ドーパミンはやる気をもたらす神経伝達物質としてよく知られていますが、実はテストステロンの分泌を促す効果も。抗酸化作用とドーパミンのダブル効果で、よりテストステロンを増やしやすくなりそうですね。
実際に不妊男性75名がムクナ豆粉末を1日5g、3ヶ月間継続摂取した試験では、総テストステロンが27~39%も増加しました。またドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンなど、神経伝達に関わるホルモンの増加も確認できており、気持ちを前向きにしたり集中力を高めたりする効果が得られる可能性もありそうですね。
さらに乏精子症(精子数が少ない)の方の精子数が摂取前の約6.8倍に増加、精子無力症(精子の運動性が低い)の方の精子の運動性も、摂取前の12.85%から18.1%にまで増えたことが確認できています出典[14]。
動物実験レベルでは勃起力の向上効果が確認されているものの出典[15]、ヒトではとくに精神面や不妊のトラブルに適しているようです。メンタルを整えたり不妊治療に挑んだりする際のサポートアイテムとして、バイオドーパが役立つ可能性がありそうですね。
プリマビエ

プリマビエはシラジットと呼ばれるものを精製したサプリメントです。シラジットとはヒマラヤ山脈で採取できる、天然の腐植土と植物性有機物の混合物のこと。
ヒマラヤ山脈で長い年月をかけ、濃縮されたミネラルやハーブの成分。なかでもフルボ酸と呼ばれる有機酸にはミネラル類の細胞への輸送を助けたり、新陳代謝を活発にして体内のエネルギー産生を促したりする効果が確認されています出典[16]。
テストステロンの合成や分泌にはミネラルの充足が不可欠。多様なミネラルを効率的に摂れるプリマビエは有用と言えそうですね。
またエネルギー産生により体内の余剰なカロリーが減少すれば肥満のリスクも減らせます。増えすぎた脂肪組織ではテストステロンをほかのホルモンに変換する酵素が増えたり、活性酸素が多量に発生して精巣にダメージを与えたりするため出典[17]、ますますテストステロンが減りやすくなります。
食事や運動の見直しとともにプリマビエの摂取で体重をコントロールできれば、テストステロンも増えやすくなるでしょう。
健康な成人男性が500mgのプリマビエを90日摂取した研究では、テストステロンの前段階であるDHEAが31.35%、総テストステロンが20.45%、遊離テストステロンが19.14%も増加していました出典[18]。
シラジットの摂取では精子の量や質の改善、運動に伴う筋損傷の軽減、血中脂質のバランスの改善などの効果が確認されています出典[19]出典[20]出典[21]。
テストステロンを増やす目的のほか、生活習慣病予防のための体調管理にもプリマビエは役立ちそうですね。
S7

S7は血管拡張作用が強いとされるサプリメント。名前の通り、厳選された7種類の素材が含まれています。素材の種類と主な有効成分として確認できるものを紹介しましょう。
素材 | 主な有効成分 |
---|---|
グリーンティー | 緑茶カテキン |
グリーンコーヒー豆 | クロロゲン酸 |
タートチェリー | アントシアニン |
ブルーベリー | アントシアニン、フェノール化合物 |
ウコン | クルクミン |
ケール | βカロテン、ルテイン、ビタミンC |
ブロッコリー | スルフォラファン |
起床時の疲労軽減や睡眠の質の改善が認められているクロロゲン酸や出典[22]、エネルギー生成を活性化させたり持久力を高めたりする茶カテキンなど出典[23]、単体でも有益な効果がある成分が多数確認できます。しかしS7の特徴はやはり抗酸化物質の種類と量の多さにあると言えるでしょう。
血管拡張作用を持つ物質に、体内で精製される一酸化窒素(NO)があります。NOは抗酸化物質としても機能しますが、抗酸化物質としてNOが酸化されてしまうと、血管を十分に拡張できなくなります。
豊富な抗酸化物質を摂ることでNOを保護できれば、よりスムーズに血管が拡張し、血流も改善されるでしょう。疲労感の軽減や運動パフォーマンスの改善などはもちろん、血流の悪化を原因とする勃起力の低下にも効果を発揮する可能性がありそうですね。
軽度肥満の男性が50mg/日のS7を90日摂取し続けた場合、ミトコンドリアでの活性酸素の生成が約75%も減少し、NO濃度が53.43%も増加したとのデータが存在します出典[24]。抗酸化作用ならびにNOを増やす効果がとくに強いことがわかるでしょう。
運動パフォーマンスの低下、筋肉痛、疲労感など、血行不良による悩みを抱えている方にS7はおすすめです。
ブラックVキューブ

血流の改善効果が高いサプリメントとしてもうひとつ、ブラックVキューブを紹介しましょう。ブラックVキューブはクラチャイダムと呼ばれる植物の抽出物であり、とくに陰茎の血流を改善し、勃起力を高める効果が高いことで知られています。
ブラックVキューブで勃起しやすくなるメカニズムは、実は勃起不全の治療薬として用いられるバイアグラと同じです出典[25]。
興奮時に血管を拡張させる指示を出すはずのサイクリックGMP(cGMP)を分解する酵素、cGMP特異的ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)。バイアグラはPDE5阻害薬であり、cGMPによる血管拡張作用が機能するよう働きかけているのです出典[26]。
PDE5は陰茎に多く存在する成分。全身の血流ではなく、勃起に特化したサプリメントとしてブラックVキューブは活躍するでしょう。
たとえばクラチャイダム90mgの摂取を1か月続けた場合、安静時の陰茎の周囲径が1cm、勃起時には2cm弱の増加が見られ、さらに性的刺激への反応時間が半分以下にまで短くなるとのデータが存在します出典[27]。
また、50~68歳の男性13名が30日間クラチャイダム抽出物を摂取した研究では、国際勃起機能指数(IIEF)質問票における勃起機能の改善と成功満足度の向上が見られました出典[28]。
テストステロンとは別のアプローチで性的パフォーマンスを高めたい方は、ぜひ陰茎の血管拡張能力に特化したブラックVキューブを試してみましょう。
マルチビタミンミネラル
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最後に紹介するのはマルチビタミンミネラル。これまでは特別な植物や抽出物の有効成分を紹介してきましたが、マルチビタミンミネラルはごく普通の必須栄養素です。
しかし現代において食事内容の偏りや欠食があると、ビタミンやミネラルも不足しがち。体の調子を整える栄養素が不足すれば、免疫機能が低下したり肌や髪の調子が悪くなったりと、さまざまな不調が生じやすくなるでしょう。
男性機能においてもビタミンやミネラルは重要。とくにテストステロンにおいては亜鉛およびビタミンDの不足に注意したいところです。
ビタミンDや亜鉛の体内量と、テストステロンの体内濃度には相関が認められており、これらの栄養素の不足でテストステロンは大きく減少します出典[29]出典[30]。
とくに亜鉛の影響は大きく、20代男性への亜鉛制限を20週間続けたケースでは、テストステロン濃度が平均で39.9nmol/Lから10.6nmol/Lにまで減少したとのデータも出典[29]。
インスタント食品やジャンクフードで食事を済ませたり、朝食を抜いたりしがちな独身男性では、とくにビタミンやミネラルの不足が生じやすいため注意が必要。しかし主食、主菜、副菜を揃えた食事の用意が難しい場合もあるでしょう。手軽に栄養素の不足をカバーできるマルチビタミンミネラルで、性機能をはじめとする種々の不調を防ぎましょう。
男性の体質改善を良質なサプリでサポートしよう
男性のコンディションは加齢とともに落ちやすくなります。テストステロンは加齢とともに減少し、血流も加齢とともに低下する傾向にあります。意識的な取り組みなしにはテストステロンを再度増やすことはできず、血流も低下するばかりでしょう。
今回紹介したサプリメントは加齢にともなうコンディションの低下を食い止め、改善に転じるためのキーアイテムとなるでしょう。
ただしこれらのサプリメントの効果を得るためには継続摂取が重要。即日に効果が現れるようなものではないため、2~3か月を目安に飲み続ける必要があるでしょう。
またサプリメントの摂取に加え、食事や飲酒、運動、睡眠、喫煙などの生活習慣に問題がないか見直すことも重要です。サプリメントさえ飲んでいれば安心、というわけではないため、日頃の生活習慣を見直し、食事量や飲酒頻度など、手を加えられるところから取り組んでいく意識も重要ですね。
出典
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