テストステロンが爆発的に増えるスクワットのやり方とは
2024年4月1日更新

執筆者

NSCA-CPT、調理師免許

大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)

激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。

テストステロンが増えるとどうなる?

「テストステロン」とは男性ホルモンの代表的存在。

増えることで…

など、さまざまなメリットがあります。

つまり、テストステロンが増えることは男性にとって嬉しいメリットばかりなのです。
 

スクワットをするとテストステロンは増える?

それでは、実際にスクワットをするとテストステロンを増やすことができるのでしょうか。

この項目ではエビデンスを交えつつ、その可能性について解説します。

短期的にはテストステロンは増える

中〜高強度の運動は一時的にテストステロンを高めることができます。

ここで、それを裏付けるような2020年にラクイラ大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[5]

論文では、運動が男性のテストステロンに与える影響を調査するため、48件の研究、126の試験、計569名のデータを分析。

その結果、テストステロンは中〜高強度の運動後には増加しましたが、軽度の運動後には増加しないことが判明。

さらに、運動終了直後~30分後では増加しますが、運動から30分経過するとテストステロンは元のレベルに戻ることが明らかに。

スクワットはトレーニング種目の中では強度の高いエクササイズ。

そのため、正しい方法で行えば、一時的にはテストステロンを増やすことができると言えるでしょう。
 

長期的にテストステロンが増えるかは不明

一方で、長期的にスクワットや筋トレをすることで、テストステロンが増えたとする研究は数が多くありません。

ただし、筋肉にはテストステロンを分泌する酵素があるので、筋肉量を増やすことでテストステロンが増える可能性はあります。

ここで、2014年に立命館大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[6]

実験では、高齢男性13名が大腿部の筋力トレーニングを12週間実施し、その前後に大腿部の筋組織の分析が行われました。

すると、最初の分析時には低かったステロイドホルモンの値やステロイド生成に関わる酵素の数が大きく回復するという結果に。

また、ステロイドホルモンの値は筋力や筋断面積と大きな相関が見られました

なお、テストステロンはアンドロゲンという男性ホルモンに属する、ステロイドホルモンの一種。

つまり、スクワットを行って筋肉量を増やせば、それに伴いテストステロンも増える可能性は考えられます。
 

テストステロンを増やすスクワット方法

ここでは、具体的なテストステロンを増やすためのスクワット方法を解説します。

10~12回できる程度の負荷で行う

テストステロンを増やすためには、10~12回をギリギリ挙げられる程度の負荷で行うのが効果的です。

ここで、それを裏付けるような2015年にオーストラリア国際学術センターが発表した論文をご紹介しましょう出典[7]

実験では、トレーニング経験のある男性10名が中強度と高強度で同ボリュームの上半身・下半身の各種エクササイズを実施。

その後に調査したところ、中強度の上半身・下半身のトレーニング後にはテストステロン濃度は大きく増加

一方、高強度の上半身・下半身のトレーニング後にもテストステロン濃度の数値そのものは上昇しました。

しかし、その数値には統計学的な有意差が確認できないという結果に。

また別の論文でも、1RM95%の高強度でスクワットを行ってもテストステロンの値には変化がなかったというデータがあります出典[8]
※RMはレペティション・マキシマムの略で、重量に対して何回持ち上げられるかを表す値。

以上のエビデンスから考えても、スクワットは10~12回できる中程度の負荷で行うのが効果的だと言えるでしょう。
 

インターバルは1分程度で

テストステロンを増やすためには、インターバルは短めの1分程度がおすすめ。

ただし、筋肉量はじっくりインターバルを取った方が増えるため、筋肥大目的の方はインターバルは長めが効果的です。

ここで、2016年にバーミンガム大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[9]

実験にはトレーニング経験のある若年男性16名が参加し、ランダムにインターバル1分の群・5分の群に分けられました。

その上で、被験者たちは中程度の負荷でレッグプレスなどのトレーニングを4セット行い、終了後にホエイプロテイン25gを摂取。

その後に筋組織を分析したところ、インターバル1分の群のテストステロン濃度は運動後20分で安静時の1.6倍にまで上昇

しかし、5分のインターバルの群のテストステロン濃度は上昇しませんでした

ところが、筋原線維のタンパク質合成率は5分のインターバルの方が大きくなるという結果に。

これらのデータからも、テストステロンを増やすためにはスクワットのインターバルは短めの1分程度がおすすめ。

一方、筋肥大のためにはインターバルは長めの方が効果的だと言えるのです。
 

マシンよりもフリーウエイトで行う

スクワットはマシンよりもフリーウエイトで行う方が多くの筋肉が動員され、テストステロンも増えやすくなります

それを裏付けるような、2020年にサスカチュワン大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[10]

研究では、フリーウエイトとマシンが筋量や筋力、テストステロンやコルチゾールに与える効果を比較しています。

実験に参加した男女計46名の被験者たちはランダムにフリーウエイトとマシンに割り当てられ、8週間のトレーニングを実施。

すると、フリーウエイト群の男性だけがトレーニング前後で大きくテストステロンが増加するという結果に。

論文では、フリーウエイトではバランス力が求められるため筋肉により大きなストレスが加わり、テストステロンが増加したのかもしれないと述べています。

このことからも、スクワットはマシンよりもフリーウエイトで行う方がテストステロンが増えやすくなると言えるでしょう。

 

週3回程度で継続する

スクワットでテストステロンを増やすためには、週3回程度で継続して行うのがおすすめです。

ここで、先ほどの2014年に立命館大学が発表した論文を再度ご紹介しましょう%%%出典6%%%。

実験では、高齢男性が週3回の頻度で12週間に渡って大腿部のトレーニングを行い、その前後に筋組織を分析。

すると、テストステロンの前駆体となる物質や、テストステロン産生に関わる酵素が増加するという結果に。

また、あわせて2007年にエストレマドゥーラ大学が発表した論文を見てみましょう出典[11]

こちらの実験では、被験者たちは週3回の頻度で4週間のトレーニングプログラムを実施し、その前後に尿中のホルモン濃度を測定。

すると、プログラム終了後の男性ホルモンの尿中排泄量が増加していました。

つまり、体内での男性ホルモンの産生量が増えた可能性があるということです。

これらのエビデンスから見ても、テストステロンを増やすためには、スクワットは週3回程度で継続するのが良いと言えるでしょう。
 

おすすめのスクワット

じつは、スクワットにはいくつかのバリエーションがあります。

この項目では、初心者・中級者・上級者というレベルに分け、おすすめのスクワット種目のやり方を解説しましょう。
 

初心者向け:自重のスクワット

トレーニング初心者は筋肉が負荷になれていないので、自重のスクワットでも十分に負荷をかけることができます。

そのため、まずは以下に紹介する自重のスクワットをマスターし、徐々に負荷を高めていきましょう。

  1. 足は肩幅程度に開き、両手は軽く腰に当て、つま先を30~45度ほど外側に向けて立つ。
  2. 胸を張ったまま股関節とひざを曲げて、息を吸いながらゆっくりと腰を落とす。
  3. 太ももが床と平行になるくらいまで腰を落としたら1秒ほどキープ。息を吐きながら股関節とひざを伸ばして元の姿勢に戻る。
  4. 2~3を目標回数まで繰り返す。
     

中級者向け:バーベルスクワット

中級者になると自重では十分な刺激を与えられなくなってくるので、ウエイトで負荷をかける必要があります。

そこで、バーベルを使ったバーベルスクワットを行うのがおすすめ。

ただし、バーベルスクワットはバーを担ぐ位置によって使う筋肉やフォームが変わってきます。

ここでは、首の根元あたりにバーを乗せるハイバースクワットのやり方を解説します。

  1. 足を肩幅程度に開いてバーベルの真下に立つ。
  2. 肩幅よりも広めの手幅でバーベルを持って首の根元あたりに乗せる。
  3. 胸を張ったまま股関節とひざを曲げて、息を吸いながらゆっくりと腰を落とす。
  4. 太ももが床と並行になるくらいまで腰を落としたら、息を吐きながら元の体勢に戻る。
  5. 2~3を目標回数まで繰り返す。
     

上級者向け:ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットとは片足を台などに置いて、もう片方の足でスクワットを行うトレーニング種目。

絶対的な負荷はバーベルスクワットに比べても小さめですが、テストステロンは同じように増えるというデータがあります出典[12]

ただし、片足で行うブルガリアンスクワットはバランスが取りづらく、上級者向けの種目。

慣れないうちは手を壁やラックに添えるなどして、フォームを確認しながら行いましょう。

  1. イスに対して後ろ向きに立ち、片足の甲をイスに乗せ、もう片方の足は前に出す。
  2. 胸を張ったまま前に出した方のひざを曲げて、息を吸いながらゆっくり腰を落とす。
  3. ひざを90度くらいまで曲げたら、息を吐きながら元の姿勢に戻る。
  4. 2~3を片足ずつ目標回数まで繰り返す。
     

よくある質問

ここでは、スクワットとテストステロンの関係に関して、よくある質問にお答えします。

スクワットをしてテストステロンが増えるとモテるようになりますか?

テストステロンが多い男性は、生涯に渡って性的な関係を持つ女性の数が多くなるというデータはあります。

ここで、2011年にフローニンゲン大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[13]

研究では、テストステロンが生涯の性的パートナー数や婚姻状況などに関連しているかを検証しています。

米国の高齢男女の大規模サンプルを分析した結果、テストステロンと男性の性的パートナーの数には正の相関関係があることが判明。

加えて、この結果は学歴や年齢、BMIや民族性、特定の薬の使用などの変数をコントロールしても代わりませんでした。

しかし、モテる人がテストステロンが高いのか、テストステロンが高まることでモテるようになるかまでは不明です。

従って、スクワットをしてテストステロンが増えるとモテるようになるかどうかは、何とも言えないところです。
 

テストステロンを増やすためにスクワットは毎日行った方がいいですか?

毎日スクワットを行うことはオーバーワークにつながってしまいます。

かえってテストステロンを低下させてしまう可能性があるので、過度なトレーニングはおすすめできません。

それを裏付けるような、2017年にノースカロライナ大学が発表した論文をご紹介しましょう出典[14]

実験では、持久力運動トレーニングと男性の性欲の関連を調査するために、参加者1077名がオンライン調査に回答。

すると、トレーニング強度が低〜中程度の参加者は、高強度の参加者よりも性欲が高いか正常である確率が高いというデータに。

このことから論文では、高強度の持久力トレーニングを長期間続けることは、男性の性欲低下と大きく関連していると述べています。

テストステロンは性欲に深く関わるホルモン。こちらのデータは持久力トレーニングに関するものですが、オーバーワークはテストステロンの低下を招く可能性が高いと言えます。

従って、やはり毎日のスクワットはおすすめできません。
 

テストステロンを増やすならスクワットは朝に行うべきですか?

たしかに、テストステロンは朝に最も高いというデータがあります。

少し古くなりますが、1973年にメキシコ社会保険庁が発表した論文をご紹介しましょう出典[15]

実験では、31名の健康な男性を対象にして血漿中のテストステロン濃度を計測。

そのうち22名は午前8~9時に1回採血が行われ、他9名は4時間ごとに採血が行われました。

その結果、血漿中のテストステロン濃度は午前4時が最も高く、午後8時が最も低いというデータが示されました。

ただし、だからと言ってスクワットはテストステロンが高い朝に行うと効果的だというエビデンスはありません

そのため、あまり時間にはこだわらず、先ほど紹介したように週3回ほどを継続して行うのがおすすめ。

さらに、徐々に負荷を高めていければ、より効果的にテストステロンを増やすことができるでしょう。
 

まとめ

テストステロンを増やすことには、さまざまなメリットがあることがお分かりいただけたはず。

また、スクワットを正しく行えば、テストステロンは増加させることができる可能性があります。

スクワットはたくさんの筋肉を鍛えることができ、「エクササイズの王様」と言われるほど優秀なトレーニング種目。

テストステロンを増やすためにはもちろん、筋肥大やダイエットにも効果的です。

ぜひ、記事を参考に習慣化して負荷を高め、バーベルスクワットやブルガリアンスクワットにもチャレンジしてみてください。
 

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