炭水化物は筋トレの要!摂取量やタイミングについて解説
2023年12月27日更新

監修者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

筋トレに炭水化物が必要な理由5つ

糖質と食物繊維とで成り立つ「炭水化物」は、生命維持に欠かせない栄養素です。筋力トレーニングにおいてはその必要性以上に、トレーニングの効果を増大させる、パフォーマンスを向上させる、といったプラスの作用が期待できます。

では、炭水化物を摂取することで、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょう。以下では糖質や食物繊維が筋力トレーニングに果たす役割について解説します。

理由1.トレーニング時のエネルギー源になる

筋力トレーニングのような高強度の運動においては、エネルギーの80%以上を糖質から得ています出典[1]。そのため運動前までに十分に糖質を摂取し、グリコーゲンの形で筋肉に蓄えておくことは、高いパフォーマンスを維持するために重要です。

1999年にオーストラリアのクイーンズランド大学が発表した研究では、2日間炭水化物の摂取量を通常の1/3程度まで少なくして筋肉内のグリコーゲンを枯渇させると、80%1RM(MAX重量の80%の負荷)のバーベルスクワットの1セット目の反復回数が6回も減少することが報告されています。出典[2]

またアメリカのアーカンソー医科大学が2002年に発表した論文においては、トレーニングが長時間に及ぶほど筋グリコーゲンの枯渇がパフォーマンス低下にもたらす影響が大きくなると述べられています出典[3]

このように、トレーニング時のエネルギー源として糖質の補給は非常に重要です。トレーニングが長時間に及ぶほどその要求量も増すため、トレーニングの強度や時間によって、糖質量を調整し十分に摂取する必要があります。

 

理由2.たんぱく質の利用効率を高める

バルクアップ目的においてもダイエット目的においても、筋肉量を増やすためにたんぱく質の摂取は欠かせません。筋肉の合成に使われるたんぱく質は、ほとんどの方が意識して十分に摂取されていることと思います。

しかし、たんぱく質を十分に摂取していても、エネルギー源である糖質が不足していると、たんぱく質の利用効率が下がってしまいます

糖質の摂取が少なく、エネルギー生成が不十分な状態では、ヒトの体は摂取したたんぱく質を分解してエネルギーを得ようとします。せっかくたんぱく質を摂取しても、糖質からのエネルギー生成が不十分なままでは、たんぱく質を筋肉の合成に使うことができません出典[4]

また、糖質を摂取することで、血糖値を下げるインスリンというホルモンが効率よく分泌されます。インスリンは同化ホルモンとも呼ばれ、グリコーゲンの蓄積だけでなく、筋肉の合成や脂肪の蓄積を促進する効果を発揮します。

たんぱく質と糖質を同時に摂取することでインスリンの効果を十分に得られるため、筋肥大の効率化にも繋がりますね。

 

理由3.疲労回復効果を高め、パフォーマンス向上に役立つ

エネルギー源となる糖質を運動前に摂取することで、疲労の発生を遅らせ、パフォーマンスを高めることができます。加えて糖質補給には、運動後の疲労回復効果を高め、筋肉痛を緩和しパフォーマンスを維持する効果も確認されています。

イギリスで2010年に発表された論文においては、牛乳由来の糖質とたんぱく質を運動直後に摂取したところ、運動後の疲労回復が促進し、筋肉痛の症状が緩和されたと報告されています。

摂取後48時間にわたり疲労のマーカーとなるクレアチニンキナーゼ(CK)の発生が抑制され、摂取後72時間まで筋肉痛の症状緩和が確認されるなど、糖質補給による効果は数日後にまで及んだのです出典[5]

糖質補給は疲労の出現を遅らせるだけでなく、疲労回復効果を高め、筋肉痛の発生を防ぐためにも役立ちます。パフォーマンスの維持に、トレーニング前後の糖質補給は非常に重要であると言えるでしょう。

 

理由4.テストステロンレベルを高める

テストステロンは筋肉の合成を高めたり、集中力や意欲、やる気を高めたりする、トレーニングと非常に相性の良いホルモンです。

糖質の過剰摂取は体脂肪の増加を招き、テストステロンを低下させる要因となりますが、糖質の制限もまた、テストステロンの合成不足に繋がります

食事中の糖質量およびたんぱく質量が、体内のステロイドホルモン濃度に及ぼす影響を調べた論文が、1987年にアメリカで発表されました。

この論文では、高糖質食は高たんぱく質食よりも、テストステロン濃度が26%ほど高いことが示されています。また、ストレスホルモンでありテストステロン濃度を下げるように働くコルチゾールの濃度は、高糖質食において高たんぱく質食よりも有意に低下していました出典[6]

食事中の糖質とたんぱく質の比率を整えることは、テストステロンやコルチゾールといった、ステロイドホルモンの濃度を適切に保つために重要であると言えそうです。テストステロンを増やしてトレーニングのパフォーマンスを高めるためにも、十分な糖質を摂取しましょう。

 

理由5.食物繊維は腸内環境の改善や体脂肪合成の抑制につながる

エネルギー源として使われる糖質のほか、食物繊維の摂取も欠かせません。野菜やキノコ、海藻類などから十分に食物繊維を摂取することで、高たんぱく質食によって荒れがちな腸内環境を整えることができます

筋肥大の効率を高めるため、トレーニング期間中はたんぱく質の摂取が増える傾向にあります。しかしたんぱく質は腸内で悪玉菌のエサとなるため、悪玉菌を増やして腸内環境が悪化しやすくなるのです。

悪玉菌を減らすには、悪玉菌に拮抗する善玉菌を増やすことが重要です。善玉菌のエサとなる食物繊維を十分に摂ることで、腸内環境の悪化を防ぎ、体調を良好に保ちやすくなるでしょう。

また、食物繊維のうち、水溶性食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。血糖値の上昇に伴い分泌されるインスリンには、体脂肪合成を促進させる働きがあるため、過度な血糖上昇は体脂肪の増加に繋がります。

水溶性食物繊維を意識して取り入れることで血糖値のコントロールがしやすくなり、体脂肪合成を抑える効果が期待できますね。

 

筋トレ効果を高める炭水化物の摂取方法!タイミング別に解説!

炭水化物、特に糖質は、朝食、昼食、夕食においてバランスよく摂取する必要があります。さらに筋力トレーニング中は、筋肥大や疲労回復の効率を高めるため、食事以外のタイミングでも糖質補給を行うことが重要です。

炭水化物はたんぱく質と脂質を十分に摂った上で、体重1kgあたり3~5g以上を1日あたりに摂取できるよう、調整するのが望ましいとされています出典[7]。より詳しい摂取方法について、トレーニングのタイミングごとに解説しましょう。

トレーニング前

トレーニング前に十分な糖質補給を行うことで、筋肉へグリコーゲンを蓄えることができます。蓄えたグリコーゲンは運動の際のエネルギー源として活躍し、疲労の発生を遅らせ、トレーニングのパフォーマンスを高めるように働いてくれます。

運動の1~4時間前に、体重1kgあたり1~4gの糖質を摂取することで、筋肉や肝臓のグリコーゲンを効率的に増やすことができます出典[8]

体重60kgの方であれば、60~240gが運動前の糖質摂取の目安となります。

たとえば白米で糖質補給を行う場合、炊いた白米100gに約38gの糖質が含まれているため、60gを達成するには約160gが必要です。茶碗1杯程度を摂取の目安にするとよいでしょう。

より少量の糖質食品で済ませたい場合には、糖質含有量が高いもちを活用してみましょう。100gあたり50gの糖質が含まれているため、1個30~35gの丸餅であれば3~4個、1個45~55gの切餅であれば2~3個で十分な量となります。

なお、糖質摂取後30分以内に運動を始めると、運動誘発性低血糖を生じ、脱力感や思考力の低下、ふるえなどが引き起こされる場合があります出典[9]。血糖値の急降下を防ぐため、糖質摂取は運動の1時間前に済ませておきましょう。

 

トレーニング中

長距離マラソンなど、長時間かつ激しい運動を行う場合には、運動中の糖質補給により疲労を軽減し、パフォーマンスを向上させる効果が期待できます。

しかし一般に、筋力トレーニングなどのレジスタンス運動において、平均的な筋グリコーゲン消費量は24~40%程であり、60~90分程度のトレーニングであればエネルギーが枯渇することはありません出典[7]

そのため長時間の激しいトレーニングをしない限りは、筋力トレーニング中に糖質補給を行う意義は薄いと考えられます。トレーニングにより激しい発汗がある場合には、水分補給と塩分補給のみ意識して行いましょう。

 

トレーニング後

トレーニング後は枯渇したエネルギーを補い、損傷した筋肉の回復を促すため、30分以内に糖質摂取を始めることが望ましいとされています出典[10]

グリコーゲンの再貯蔵をより効率的に行うには、1時間に体重1kgあたり1.0~1.2gの糖質摂取を、運動後すぐから4~6時間後まで続けるべきとも言われています出典[11]

体重60kgの方であれば、1時間あたり60~72gの糖質摂取を目安とすると良いでしょう。スパゲッティの乾麺100gに含まれる糖質量が約73gであるため、運動後すぐにスパゲッティ1束を茹でて、味付けして食べることで必要量を満たせます。

また、運動後の糖質補給にはたんぱく質と合わせるとより効果的です。糖質を摂ることにより分泌されるインスリンの働きにより、グリコーゲンを蓄える作用だけでなく、筋肉を合成する作用も強まります。卵や魚、チーズなど、パスタと相性の良いたんぱく質食品を同時に食べ、インスリンの力を借りて筋肥大の効率を高めましょう。

 

朝食時

食物繊維の摂取は、腸内環境を安定させ、血糖値の上昇を緩やかにするために役立ちます。糖質と同様に、食物繊維も3食で均等に摂取するのが理想ですが、特に食物繊維が不足しがちな朝食時に意識して取り入れることをおすすめします

朝食に食物繊維を取り入れることで、腸が活発に動きやすくなり、排便を促す効果が期待できます。高たんぱく質食を続けることによる便秘は、筋力トレーニング中に起こりやすいトラブルのひとつです。朝に排便する習慣を付けることで、腸内環境を良好に保ちましょう。

また、朝食に食物繊維を取り入れることは、血糖値の上昇を緩やかにする面でもより高い効果を発揮します。朝食時に摂取した食物繊維の血糖上昇を抑制する効果は、朝食後だけでなく、昼食後まで続くことが分かっているのです。

これは「セカンドミール効果」によるもので、朝起きてすぐの食事の質は、次の食事による血糖値変動にも影響を及ぼすことが分かっています出典[12]。朝食の食物繊維量を強化することで、体脂肪合成を抑える効果がより長く期待できそうですね。

 

おすすめの炭水化物を紹介

このように、糖質と食物繊維で構成される炭水化物には、筋力トレーニングに有効な複数の効果が期待できます。

しかし私たちが食べる炭水化物の種類は様々であり、糖質の割合や食物繊維の量、消化速度などがそれぞれ異なります。どのタイミングでどの食品を摂取すると効果的なのか、以下にはその一例を紹介します。炭水化物を効果的に摂取する際の参考として、是非ご活用ください。

トレーニング前の速やかな糖質補給に

トレーニング前には高糖質かつ消化の良い食品を摂取して、筋肉へ速やかにグリコーゲンを蓄える必要があります。脂質、たんぱく質、食物繊維の含有量が少ない炭水化物食品を摂取して、トレーニングのパフォーマンスを高めましょう。

白米や餅

白米や餅は精製された米からなる食品です。白米はうるち米を、餅はもち米をそれぞれ原料としています。どちらも単体で食べれば血糖値を急激に上げる食品ですが、でんぷんの構成の違いにより、もち米の方がより早く吸収されるという特徴があります。

白米はおにぎりやお茶漬け、餅は焼き餅や安倍川餅など、簡単な調理やシンプルな味付けで手軽に食べられるのも魅力の一つです。特に白米は持ち運びもしやすいため、摂取のタイミングや好みに併せて使い分けると良いでしょう。

関連記事:バルクアップには餅が最適!筋トレ効果を高める食べ方とは

 

うどん

うどんは精製された小麦粉を原料としており、高糖質かつ低脂質な消化の良い麺類です。たんぱく質や食物繊維の含有量もごく僅かであり、血糖値を上げやすい食品であると言えます。

うどんには様々な具材をトッピングして楽しむのが主ですが、高糖質かつ消化に良いというメリットを活かすため、トレーニング前には素うどんを食べるようにしましょう。

関連記事:筋トレ後はうどん一択?筋肥大効率を高める活用法を紹介!

 

パン

バターやクリームが使われており、カロリーの高いイメージがあるパンですが、低糖質かつ消化の良いものを選ぶことでトレーニング前の糖質補給に役立てることができます。

バターなどの脂質を使っておらず、シンプルな材料で作られた「フランスパン」や、小豆と砂糖で作られたあんこを含む「あんパン」が、トレーニング前の食事としておすすめです。脂質の多いピザパンやホットドックなどの惣菜パン、クリームを使ったチョココロネやデニッシュパンなどは避けましょう。

関連記事:筋トレ中のパンは選び方が肝心!おすすめの種類と活用方法

 

長時間のトレーニング前に

トレーニングが長時間に及ぶ場合には、十分に糖質を摂取するだけでなく、長持ちする糖質を意識して選ぶことも重要です。長時間のトレーニング前には、糖質補給に以下の食品を取り入れてみましょう。

バナナ

バナナは果物の中でも糖質が豊富であり、エネルギーの供給源として活用できます。

一般的な果物の糖質はブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)などの単糖類で構成されていますが、バナナはでんぷんやショ糖(スクロース)など、多糖類や二糖類と呼ばれる分子の大きな糖も含んでいます。

このように、バナナからは速やかに吸収される低分子の糖類と、時間をかけて吸収される高分子の糖類とを同時に摂取できます。即効性と持続性、二つのメリットを持ち合わせたバナナを活用して、長時間のトレーニングで起こりがちなエネルギー切れに備え、疲労の発生を遅らせましょう。

関連記事:筋トレとバナナの相性について詳しく解説!摂取タイミングごとの効果について

 

さつまいも

さつまいもはイモ類の中でも糖質量が高く、十分な食べ応えのある食品です。十分な甘さがありながら、和菓子や洋菓子と比べると低エネルギーであるため、ダイエット中のおやつにも適しています。

未加工のさつまいもにはでんぷんが豊富ですが、低温で長時間加熱することにより、でんぷんの一部が分解され、マルトースという甘みの強い糖へと変化します。マルトースは二糖類であり、多糖類であるでんぷんよりも速やかに吸収されるという特徴があります。

低温で十分に加熱したさつまいもからは、高分子のでんぷんと低分子のマルトース、分子の異なる糖類を摂取できます。バナナと同じく即効性と持続性、二つのメリットを得られ、エネルギー切れを防ぐ効果が期待できますね。

関連記事:筋トレとさつまいもは好相性!おすすめの食べ方を紹介

 

トレーニング後のエネルギー再補充や疲労回復に

トレーニング後には速やかな糖質補給が必要です。消費された筋グリコーゲンを再補充して次のパフォーマンスの向上に備えるのはもちろんのこと、筋損傷からの回復にも糖質は欠かせません。

また、トレーニング後に期待できる筋肥大の効率を高めるため、このタイミングでたんぱく質を併せて摂取することをおすすめします。たんぱく質食品との相性が良い糖質食品を選び、同時に食べることで筋肉の合成に役立てましょう。

パスタ

パスタはデュラム小麦から作られた麺類であり、うどんと比較してたんぱく質や食物繊維の含有量が高いという特徴があります。

ただし、パスタのたんぱく質は必須アミノ酸のバランスがあまりよくありません。そこで動物性食品のトッピングにより必須アミノ酸を補填することで、パスタのたんぱく質を筋肉の合成に活用しやすくなります。

なお、パスタ自体に塩分はほぼ含まれていませんが、茹でる際の塩の添加や味付けにおいて高塩分となりがちであるため、食べ過ぎには注意しましょう。

関連記事:筋トレの効率UPにはパスタ!メリットとおすすめレシピについて解説

 

蕎麦

蕎麦は蕎麦粉を原料とした麺類であり、高糖質かつ低脂質な糖質食品です。蕎麦粉には必須アミノ酸のバランスが良いたんぱく質が含まれており、食物繊維も摂取できます

蕎麦自体のたんぱく質が非常に良質であるため、糖質補給を行いながら同時に筋肉の合成に使えるたんぱく質も補給できます。鴨肉やかまぼこなどの動物性食品をトッピングに選べば、筋肥大の効果もさらに高まります。

なお、トレーニング中の蕎麦に天ぷらはおすすめできません。揚げ物は一様に高脂質であり、同時に食べると、蕎麦の高糖質かつ低脂質であるというメリットが失われてしまいます。揚げ物のトッピングは習慣化させず、頻度を抑えて食べましょう。

関連記事:筋トレ効果を増やすそばの食べ方やおすすめのトッピング4選

 

じゃがいも

じゃがいもはイモ類の中でも比較的低エネルギーであり、食べ応えもあることからダイエットにも適した糖質食品です。

また、じゃがいもはエネルギー代謝に欠かせないビタミンB群を含んでいます。特にビタミンB1は、糖質をエネルギーとして使える形に変換するために欠かせない栄養素です。糖質とビタミンB1を同時に摂取できるじゃがいもは、エネルギー生成効率が非常に高いと言えるでしょう。

なお、じゃがいも100gに含まれる糖質量は約17gであり、トレーニング後の糖質補給をじゃがいも全てで賄おうとするとかなりの量を食べなければいけません。必要とする糖質量を無理なく補給できるよう、他の糖質食品と組み合わせて量を調整しましょう。

関連記事:筋トレ効果を最大化するじゃがいもの活用を徹底解説

 

食事の主食として

トレーニング前後だけでなく、3食においてもエネルギー源となる糖質の摂取は欠かせません。しかし食事においてはエネルギー補給を急ぐ必要はないため、血糖値を緩やかに上昇させ、体脂肪合成を抑制できる食品が適しています。

食事全体の血糖値上昇を抑えるため、食物繊維が豊富な糖質食品を選んでみましょう。

玄米

お米を精製せず、ぬかと胚芽部分を残した状態のものが玄米と呼ばれます。ぬかや胚芽部分には豊富な食物繊維に加え、ビタミンやミネラル、たんぱく質に脂質など、様々な栄養素が含まれています。

ビタミンB群を糖質と同時に摂取できるためエネルギー生成効率が高く、また食物繊維の働きにより血糖値の上昇も緩やかになるため、体脂肪合成を抑えることができます。

なお、ぬかや胚芽はそのままでは硬いため、食べづらさを感じるかもしれません。炊飯前に長時間浸水させる、発芽玄米を選ぶ、などの工夫により、白米に近い柔らかさで炊き上げることができます。

関連記事:玄米は筋トレと好相性!効果を高める食べ方と注意点を解説

 

オートミール

燕麦(えんばく)やオーツ麦と呼ばれる穀類を調理しやすく加工したものがオートミールです。水を加えて電子レンジで加熱するだけで、お米やお粥に近い食感に仕上がります。炊飯や調理の手間が圧倒的に少ないため、手軽に食べられる保存性の高い糖質食品として人気です。

良質なたんぱく質を含んでおり、筋肉の合成効率を高めるためにも役立ちます。また食物繊維の含有量も高いため、血糖値の上昇を緩やかにでき、便秘の解消効果も大いに期待できます。食べ応えがあり、少量で満足感を得られるため、ダイエットを目的とした筋力トレーニング中にも適しています。

ただし毎食の主食として取り入れると、不溶性食物繊維の摂り過ぎにより腹痛や便秘を引き起こすことがあります。まずは1日1食から始め、体調を見ながら慎重に回数を調節しましょう。

関連記事:筋トレでのダイエットに!オートミールのメリット5選

 

まとめ

エネルギー源として活躍する糖質は、食事のみなならず、トレーニングの前後において効果的に摂取する必要のある、重要性の高い栄養素です。また、食物繊維の摂取により腸内環境を良好に保てるほか、血糖値の上昇を緩やかにして体脂肪合成を防ぐ効果が期待できます。

各タイミングにおける、炭水化物食品の選び方を次にまとめました。

  • トレーニング前:高糖質で、食物繊維の含有量が少ないものを摂取し、血糖値を急激に上昇させる
  • 長時間のトレーニング前:糖類の種類が多いものを選び、持続性のあるエネルギー補給を
  • トレーニング後:たんぱく質食品との相性がよく、ビタミンやミネラルを同時に摂取できるものを
  • 主食として:食物繊維やたんぱく質が豊富なものを選び、血糖値を緩やかに上昇させる

適切な量と種類の炭水化物食品を摂取して、筋力トレーニングの効率化に役立てましょう。

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